マイクロラーニング
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ケトルベルトレーニングの生体力学 パート2/2
ケトルベルエクササイズの動力学 序論 ケトルベルエクササイズにおける動力学(力、負荷、モーメント)の評価はいくつか存在する。一般的には2つの分野の研究がある。第1に、一部の研究者のグループは、ケトルベルトレーニングはある場合においては痛みを軽減し、他の場合には痛みを生じ得るという事例報告(マクギルおよびマーシャル、2012年)を基に、ケトルベルエクササイズの脊椎負荷、およびそれに続く可能性のある腰痛に対する影響に興味を持った。この点において1つの研究が、ケトルベルトレーニングのプログラム後における、臨床的に関連する首、肩、および腰の痛みの軽減を報告している(ジェイおよびその他、2011年)ということは興味深いことである。第2に、他の研究者たちのグループは、ケトルベルエクササイズが従来のエクササイズと同様の力、パワー、及びインパルスを生み出すのかどうか、また力の方向(垂直対水平)が異なるのかどうかを調査した(レイクおよびローダー2012年b、レイクおよびその他、2014年)。今日、水平力生成はスプリントパフォーマンスにおいて非常に重要であると広く認知されているため(ランデルおよびその他、2010年の総説を参照)、力の方向は、スプリンターを指導するストレングス&コンディショニングコーチにおいて特に重要である。 脊椎負荷 一般のケトルベルスイングにおける脊椎負荷の特質は、主にせん断および圧迫負荷の間の大きな差違のため、従来のレジスタンストレーニングエクササイズにおいて報告されているものとは大幅に異なるようである。マクギルおよびマーシャル(2012年)は、圧迫負荷はスイングの下の部分において3,195Nであり、せん断負荷は461Nのみであったということを報告している。ケトルベルスナッチにおける圧迫およびせん断負荷は、スイングにおいて報告されていたものと非常に類似しているということが発見されている(マクギルおよびマーシャル、2012年)。 力およびパワー 序論 アスリートは優れたパフォーマンスのために高いレベルの筋力を必要とする。しかし彼らはまた、この力を迅速に使うことができる必要がある。ゆえに、パワーはスポーツ特有の速度において力を産出する能力を示す能力であるため、アスレチックパフォーマンスを決定するために筋力よりも重要であると考えられることが多い。アスリートにおいてパワーを発達させるための最も一般的なバリスティックレジスタンストレーニングエクササイズは、バーベルジャンプスクワットである。ジャンプスクワットは、バーベルを持ちながら床から離れるため、アスリートに相当量の床反力を迅速に発生させることを要求する。大きな力と組み合わさったこの速い速度は高い出力と関連するために、ストレングス&コンディショニングコーチは、彼らのプログラムの中で常にバーベルジャンプスクワットを使用している。 ケトルベルスイング:出力 ケトルベルスイングとジャンプスクワットの出力を比較することは、アスリートの発達におけるケトルベルトレーニングの実用性を評価する一つの方法である。レイクおよびローダー(2012年b)は、16kgから32kgの負荷におけるヒップヒンジケトルベルスイングの際の出力を調査し、1RMの0-60%の負荷におけるジャンプスクワットと比較した。ジャンプスクワットの際の出力は、予想していた通り無負荷において最大化し、一方ケトルベルスイングの際の出力は32kgにおいて最大化した。ケトルベルスイングとジャンプスクワットの出力の比較は、ジャンプスクワットの出力がより大きい傾向にあった(3,281 ± 970対3,468 ± 678W)にもかかわらず、この2種類のエクササイズの間に有意な差違はないということを特定した。ゆえにケトルベルスイングはパワーベースのプログラムに含むものとして適切であるかもしれないということが示唆されている。 ケトルベルスイング:パワーのために最適な負荷 ほとんどの研究は、通常のバーベルジャンプスクワットの際、出力を最大化する負荷は一般的に無負荷であるということを報告している。(例:コルミエおよびその他、2007年)。これは最大動的出力(MDO)仮説に通じており、下半身の筋肉は、高負荷と比較し、無負荷(例:体重)の垂直跳びにおいて、最大出力を産出するように発達したということを示唆していると提議している(ヌッツォおよびその他、2010年)。興味深いことに、ヘックスバーデッドリフトジャンプを行うことにより重心の位置をずらすことは、この負荷を1RMの約20%まで増加するようである(スウィントンおよびその他、2012年、ターナーおよびその他、2014年)。さらに、それぞれが出力に最適である負荷を使用した場合、通常のバーベルジャンプスクワットと比較し、ヘックスバーデッドリフトジャンプを使用した出力はより大きいようである(スウィントンおよびその他、2012年)。なぜヘックスバーデッドリフトジャンプが体重よりも重い負荷において出力を最大化するのかは明確ではないが、動作の際の関節角度の位置と関連がある可能性がある。明らかに、ケトルベルスイングが無負荷において最大出力を産出することは起こりそうにない。にもかかわらず、出力を最大化する明確な負荷はいまだ明らかではない。レイクおよびローダー(2012b)は、より重いケトルベル(32kg)は軽いケトルベル(16kg)と比較し、ヒップヒンジケトルベルスイングエクササイズの際により高い出力を産出するということを発見している(3,281 ± 970対2,371 ± 708W)。さらに重いケトルベルはより大きな出力を含むのかどうか(またパワーのための最大負荷はどこであるのか)は明確ではない。この分野の研究は、(1RMの割合に適合しないため)ケトルベルの相対負荷を測定するための標準の欠如により妨げられてしまうようである。 ケトルベルスイング:インパルス 一部の評論家たちは、エクササイズの特性を決定するために、出力は他の短期の力学的変数ほど有益ではないと示唆している(クヌッドソン、2009年)。この点においてインパルスは、適用された力の程度および時間の両方に関する情報を提供するとして、より優れた測定値であるということが提議されている(クヌッドソン、2009年、レイクおよびローダー、2012年a)。インパルスは、スポーツパフォーマンスに転換するエクササイズに関し幅広く研究されてはいないが、それが線形運動のベクトル変化を生み出すものであるということに留意することは重要なことである。特にスプリントの推進力は異なる能力を持つアスリートを識別する能力を持っていると考えられている(ベーカーおよびニュートン、2008年、バールおよびその他、2014年)。ゆえにケトルベルスイングおよびジャンプスクワットの際のインパルスを比較することは、アスリートの発達におけるケトルベルトレーニングの有益性を評価するもう一つの方法である。レイクおよびローダー(2012年a)は、16kgからの32kg負荷におけるヒップヒンジケトルベルスイングの際のインパルスを調査し、1RMの0 – 60%の負荷におけるジャンプスクワットのインパルスと比較した。ジャンプスクワットの際のインパルスは、1RMの40%において最大化し、一方ケトルベルスイングの際のインパルスは、32kgの負荷において最大化した。ケトルベルスイングの際の最大インパルスとジャンプスクワットの際の最大インパルスの比較は、ケトルベルの方が優れているということを明らかにした(276 ± 45対231 ± 47Ns)。これは、ケトルベルスイングはジャンプスクワットと比較し、より大きな推進力の変化を伴い、スポーツ特有の妥当性を持つ可能性があるということを示唆している。より重いケトルベルがより大きなインパルスの生成を含むかどうかは明確ではない。 ケトルベルスイング:加力の方向 ケトルベルスイングの際の床反力の水平および垂直要素は、ジャンプスクワットの際のものとは異なる。レイクおよびローダー(2012年a)は、ケトルベルスイングは、ジャンプスクワットと比較し、水平力の要素がかなり高かったということを観察している。これは、ケトルベルがスイングの初めにおいて股関節伸展により水平前方へ勢いよく放り出されるためであるかもしれない。ゆえにヒップヒンジケトルベルスイングは、スプリントのような水平推進力を産出するための股関節伸展を含む特定のスポーツ動作への適用があるかもしれない(ランデルおよびその他、2010年を参照)。それゆえヒップヒンジケトルベルスイングはアスリートにおけるスプリントパフォーマンスを発達させるために有益である可能性がある。 ケトルベルスイング:スナッチとの比較 ケトルベルスナッチもしくはケトルベルスイングのどちらの方が、ストレングス&コンディショニングの専門家による使用により適しているのかどうかを評価するため、レイクおよびその他(2014年)は、各エクササイズの機械的要求を比較した。彼らは、2つのエクササイズは、水平および垂直要素の機械的要求に関し、非常に類似していたということを発見している。特に彼らは、ケトルベルスナッチと比較し、ケトルベルスイングは有意により大きな水平動作、水平パワー、水平制動および推進インパルス、そして水平制動および推進床反力を含んでいたと記述している。これは、ケトルベルスイングは、スプリントのようにスポーツ特有の速度における水平力の産出を必要とする適用に対し、より優れている可能性があるということを示唆している。 ケトルベルに関する結論 ケトルベルは、他のエクササイズと比較し、関節可動域の異なるポイントにおける最大筋活動を含むようであり、有益な補足のトレーニング方法である可能性がある。 ケトルベルスイングは、内側ハムストリング力、股関節伸展における大臀筋の最大活動、およびより大きな水平力産出というようなスプリント能力を向上するために有益であるいくつかの特性を示している。
ケトルベルトレーニングの生体力学 パート1/2
目的 一般的なケトルベルエクササイズのアスレチックパフォーマンスへの最適な転換の方法を確立するために、その生体力学を評価すること。 ケトルベルエクササイズの背景 序論 ケトルベルエクササイズの種類 ケトルベルエクササイズはバリスティックにもノンバリスティックにもなり得る。ケトルベルエクササイズは、筋力よりもパワーを発達させるためにより有益であるようであるということを考慮に入れると、ノンバリスティックエクササイズと比較しバリスティックケトルベルエクササイズは、アスリートに対しより有益であるようである。最も一般的なバリスティックケトルベルエクササイズの種類はスイングとスナッチである。 ケトルベルスイングの種類 ケトルベルスイングには、ヒップヒンジスイングおよびスクワットスイング(マシューズおよびコーエン、2013年による総説を参照)の2つの主な種類がある。これら2種類の特性は、下半身の筋肉の関与に関して異なると考えられている。ヒップヒンジスイングは、デッドリフトと同様の筋動員のパターンにつながると考えられている一方で、スクワットスイングはスクワットと同様の筋動員のパターンを含むと考えられている(マシューズおよびコーエン、2013年による総説を参照)。ゆえにヒップヒンジスイングは主にハムストリングスおよび大臀筋に働きかけると考えられており、スクワットスイングは大腿四頭筋および大臀筋を鍛えると考えられている。ゆえにヒップヒンジスイングは、よりスポーツ特有の速い速度においてハムストリングを鍛えることが可能であるため、ストレングス&コンディショニングコーチにとって非常に有益である可能性がある。 ケトルベルエクササイズの筋電図検査(EMG) 序論 筋電図検査(EMG)は、筋肉における神経活動もしくは随意活性化のレベルを検出するために使用する方法である。随意活性化は、筋動員の程度および運動単位の発生頻度の両方による影響を受け、疲労していない筋肉における筋力と密接に関わっている。研究者たちは、単発のトレーニングセッションにおけるエクササイズの際の筋肉内の筋電図活動は、その筋肉における潜在的な長期的適応を示しているということに概ね合意している。ゆえに筋電図検査の研究は、どのようにケトルベルエクササイズが運動能力の発達において、もしくは一般的なエクササイズとして最適に使用されることが可能であるのかということを評価する有益な方法を示している。 ハムストリングスの筋電図活動 序論 今日までに2つの研究のみが、ケトルベルエクササイズの際のハムストリングスの筋電図活動を報告している(マクギルおよびマーシャル、2012年:ゼイビスおよびその他、2013年)。マクギルおよびマーシャル(2012年)は、スクワットスタイルケトルベル片手スイング、キメを伴うスクワットスタイルケトルベルスイング、スクワットスタイルケトルベルスナッチ、ケトルベルラックキャリー、およびケトルベルボトムスアップキャリーの際の大腿二頭筋の筋電図活動を評価した。各エクササイズに対し、若年で健康であるがトレーニングされていない男性被験者は、16kgのケトルベルを使用した。ゼイビスおよびその他(2013年)は、ヒップヒンジケトルベル両手スイング、およびケトルベル以外の様々なエクササイズの際の大腿二頭筋および半腱様筋の両方を評価した。若年で健康なレジスタンストレーニングされている女性被験者は、彼女たちの筋力レベルに応じ、各エクササイズに対し12Kgもしくは16Kgのケトルベルを使用した。大腿二頭筋の筋電図活動は、最大随意等尺性収縮(MVIC)の93 ± 31%に到達し、一方半腱様筋の筋電図活動はより高いレベルであるMVICの 115 ± 55%%に達した。対照的に、マクギルおよびマーシャル(2012年)は、ハムストリングスの筋電図活動は、股関節の筋組織(大臀筋および中臀筋)と比較し、スクワットスタイルケトルベル片手スイング、キメを伴うスクワットスタイルケトルベルスイング、スクワットスタイルケトルベルスナッチ(MVICの32.6%、39.7%、および29.8%)において比較的低かったということを発見している。これらの差違は、使用されたケトルベルスイングの種類の結果であるようである(マシューズおよびコーエン、2013年による総説を参照)。 内側および外側ハムストリングス ケトルベルスイングの際の半腱様筋(内側ハムストリング)の筋電図活動は、大腿二頭筋長頭(外側ハムストリング)の筋電図活動と比較し、より大きかったようである(ゼイビスおよびその他、2013年)。ゼイビスおよびその他(2013年)は、ヒップヒンジスタイルケトルベル両手スイングの際、大腿二頭筋の筋電図活動はMVICの93 ± 31%に達し、半腱様筋の筋電図活動はMVICの115 ± 55%というさらに高いレベルに達したということを報告している。ハムストリングスはスプリント能力のために重要であり、またスプリントの動作も外側ハムストリングの筋電図活動と比較し、より高い内側ハムストリングの筋電図活動を含むため(イェンハーゲンおよびその他、2007年、ヒガシハラおよびその他、2010年)、ケトルベルスイングは、最適なハムストリングの発達のためにスプリントプログラムに含む価値があるかもしれない。 ハムストリングス内の部位 研究者たちは、高い股関節屈曲角度におけるケトルベルスイングの際、ハムストリングスの筋電図活動は最大である一方で、(ノルディックカールのような)他の多くの一般的に行われるハムストリングスエクササイズの際、筋電図活動は低い股関節屈曲角度において最大であったということを観察している。(ゼイビスおよびその他、2013年)。これは、ケトルベルスイングは他のエクササイズとは異なる場所における局所肥大をもたらすかもしれないということを意味している可能性がある。局所肥大は、既定のエクササイズパフォーマンスの際、筋活動が起こる場所に依存していると考えられている。例えばワカハラおよびその他(2012年)は、レジスタンストレーニングワークアウトの際の上腕三頭筋のある部分における筋電図活動は、長期のプログラム後における同一の場所の局所肥大と関連があったということを報告している。更に同じ筋肉をターゲットとした異なるエクササイズは、その筋肉の異なる場所における筋電図活動をもたらすと考えられている(メンディグーシャおよびその他、2013年)。実質的に、ケトルベルスイングを使用しハムストリングスを鍛えることは、その筋肉の他の部分における局所発達を強調し、それにより部分的な弱さの無い全体的により優れた筋肥大を確保することにより、その他のエクササイズへの有益な補足を提供することが可能である。 大臀筋の筋電図活動 序論 今日まで1つの研究のみが、ケトルベルエクササイズの際の大臀筋の筋電図活動に関する報告をしている(マクギルおよびマーシャル、2012年)。マクギルおよびマーシャル(2012年)は、スクワットスタイルケトルベル片手スイング、キメを伴うスクワットスタイルケトルベルスイング、ケトルベルラックキャリー、およびケトルベルボトムスアップキャリーの際の、大臀筋の筋電図活動を評価した。各エクササイズに対し、若年で健康であるがトレーニングされていない被験者は16kgのケトルベルを使用し、マクギルおよびマーシャル(2012年)は、大臀筋の筋電図活動は他の筋肉と比較し、スクワットスタイルケトルベル片手スイング、キメを伴うスクワットスタイルケトルベルスイング、スクワットスタイルケトルベルスナッチにおいて比較的高く(MVICの76.1%, 82.8%,58.1%)、またスイングはスナッチと比較し、より高い筋電図活動を示していたということを発見している。 大臀筋内の部位 ケトルベルスイングは、股関節の完全伸展に近いスイングサイクルの後半において、大臀筋の最大電図活動を含むようである(マクギルおよびマーシャル、2012年)。一般的に使用されているほとんどのレジスタンストレーニングエクササイズは、おそらくより深い角度における大きな股関節伸展モーメントにより、最大股関節屈曲において大臀筋のより大きな筋電図活動を含んでいるため(カテリサーノおよびその他、2002年、エスカミーリャおよびその他、2002年)、これは重要な発見である。実質的に、ケトルベルスイングを使用し大臀筋を鍛えることは、その筋肉の他の部分における局所的な発達を強調し、それにより部分的な弱さの無い全体的により優れた筋肥大を確保することにより、その他のエクササイズへ有益な補完物を提供することが可能である。更に、大臀筋は、より大きな股関節屈曲において収縮する場合と比較し、股関節の完全伸展において収縮する場合により大きな筋電図活動に達することが知られている(ウォーレルおよびその他、2001年)。ゆえにケトルベルスイングは、より大きな股関節屈曲において最大収縮を含むジャンプスクワットと比較し、高速で大臀筋を鍛えるためのより優れたエクササイズであり得る。
スクワットのトレーニングはデッドリフトを向上させるか? パート2/2
スティッキングポイントにおける関節角度 研究者たちは、非常に大まかな各部位の長さを仮定した後、リフトオフのにおける胴体、大腿部、脛の絶対的な関節角度を規定し、下記のようなスティッキングポイントにおける平均関節角度の図を作り出した。 この図は、2つのリフトにおけるスティッキングポイントは、非常に異なった体位で起こるということを示している。研究者たちは実際に、スティッキングポイントでの股関節と膝関節の角度は、スクワットにおいては比較的類似しているが、デッドリフトにおいては大きく異なるということを観察している。 これは、デッドリフトにおけるスティッキングポイントでの膝関節角度が、スクワットにおける膝関節角度よりもより伸展位にあるためである、ということが図から見て取れる。研究者たちは、デッドリフトが膝関節から股関節へと順番に起こる動きであるのに対し、スクワットは膝関節と股関節の動きが同時に起きるため、このような結果になったと記述している。 スティッキングリージョンにおける関節角度可動域 研究者たちはスティッキングリージョンにおける各関節角度の可動域、つまり、バーが最大速度となる地点からスティッキングポイント(最小速度となる地点)までの可動域を計測した。研究者たちは、膝関節と股関節の可動域はスクワットにおいては類似しているが、デッドリフトにおいては異なることを発見した。これはデッドリフトでは、スティッキングリージョンにおいて膝関節が股関節よりも小さな可動域内で動くためである。 このことは、スティッキングリージョンを通過するためには、スクワットでは、股関節と膝関節両方の伸展トルクが必要であり、デッドリフトでは、膝関節の伸展トルクよりもより大きな股関節伸展トルクが必要であるということを示唆している。この可動域は下記のグラフに示されている。 その他の観察報告 研究者たちは、スクワットとデッドリフトに対するバー速度の第2のピーク(スティッキングポイント後)に関するグラフは提示しているが、データは提供していなかった。グラフでは、スクワットにおける第2のピークは最初のピークよりも著しく高かったことが示されている。一方、デッドリフトにおいては、実質的に第2のピークは第1のピークよりも低かった。 この報告は、スクワットにおいては、スティッキングポイントからロックアウトへより楽に移行することができる一方、デッドリフトにおいては、リフターはスティッキングポイントからロックアウトへと移行するために懸命に努力しなくてはならないと示唆しているために、非常に興味深いものである。 *** 研究者たちはどのような結論に達したのか? 研究者たちは、スクワットとデッドリフト両方のスティッキングポイントが、各リフトにおいて異なる場所で起こるということを観察した。彼らは、デッドリフトが膝関節から股関節へ順番に起こる動きにより行われるのに対し、スクワットは膝関節と股関節で同時に起こる動きにより行われるということを記述している。 そのため研究者たちは、個々のリフトには著しく差異があり、これらのリフト間にはクロスオーバー効果は存在しない、と示唆していると結論付けた。それゆえ彼らは、スクワットやデッドリフトのどちらかを、その他方を向上させる為に行うことは効果的ではないかもしれないと示唆している。 *** 制限要素は何か? この研究には下記のようないくつかの点において制限があった。 これはスクワットとデッドリフトの即時的な生体力学の比較であり、トレーニングに関する研究ではなかった。それゆえ我々は、その研究は、スクワットトレーニングがデッドリフトのパフォーマンスに反映するかどうかの有益な洞察を提供したとしても、トレーニングの研究が提供するようなレベルでの情報は与えてはくれないということを知っておくべきである。 この研究はパワーリフターにおいて行われているため、その結果を他のアスリートへ当てはめるには注意が必要である。 この研究はそれぞれの主なポイント、もしくは、主な段階におけるバーの最大加速度を記録していなかった。2つのリフト間で、特に床から持ち上げる際のバーの最大加速度を比較すれば非常に興味深かったであろう。 この研究は、それぞれの主なポイント、もしくは主な段階において、各関節の最大角度の速度と加速度を記録していなかった。特に床から持ち上げる際の2つのリフトの最大関節角度の速度と加速度を比較すれば非常に興味深かったであろう。 この研究には、パワーリフターが1つのリフトからもう一つのリフトへの移行に気がついたかどうか、また、そのリフトが相互に成り立っていることを感じたかどうかというような質的情報が含まれていなかった。スクワットのフォームがデッドリフトのフォームと似通っている個人では、2つのフォームが著しく異なる個人よりも、よりトレーニングのクロスオーバー効果がみられるかどうかを見るために、長期にわたるトレーニング研究で測定されたスクワットとデットリフトのフォームの相互個性を比較できればよかったであろう。 *** 実践的な意義は何か? パワーリフターに対して スクワットとデッドリフト両方のスティッキングポイントは、各リフトにおいて異なる場所で起こる。ゆえに、パワーリフターが、向上の戦略を練るためには、それぞれのエクササイズにおいて別々にスティッキングリージョンを確認する必要があるかもしれない。 スクワットは膝関節と股関節で同時に起こる動きであり、デッドリフトは膝関節から、そして股関節へと順番に起こる動きである。これは、スティッキングポイントの差異と共に、スクワットをトレーニングすることはデッドリフトのパフォーマンスにそれほど良く移行することはないであろうということを示唆している。ゆえに、パワーリフターは、各リフトに対して別々のトレーニングルーティンを特定するべきである。 デッドリフトのスティッキングポイントは、股関節を比較的屈曲し、膝関節を比較的伸展させたポジションで起こる。この関節角度の組み合わせは、伸張され、そのため活発になったハムストリングスの筋肉群を示唆する。それゆえ、補助的なエクササイズで、特に股関節の伸展を通じてハムストリングスの筋肉をトレーニングすることは、デッドリフトのパフォーマンスの向上に有益であるかもしれない。 デッドリフトのスティッキングリージョンでは、膝関節の可動域よりも股関節の可動域がかなり大きい。これは、デッドリフトのスティッキングリージョンを通過するためには、股関節の伸展トルクは膝関節の伸展トルクよりもより重要であることを示唆している。ゆえに、デッドリフトのパフォーマンスを向上させるための戦略は、股関節の伸展トルクを向上させることから始まるべきである。 スクワットのスティッキングリージョンでは、股関節と膝関節の可動域が類似している。これは、スクワットのスティッキングリージョンを通過するためには、股関節と膝関節の伸展トルクが同等に大切かもしれないということを示唆している。ゆえに、スクワットパフォーマンスを向上させるための戦略は、股関節と膝関節の伸展トルクの両方を同等に向上させることから始まるべきである。
スクワットのトレーニングはデッドリフトを向上させるか? パート1/2
オンラインのパワーリフティングコミュニティーでは、スクワットのトレーニングがデッドリフトのパフォーマンス向上につながるのかどうか、という議論が引き起こされている。多くのリフターが、スモロフスクワットやロシアンスクワットプログラムのサイクルによるデッドリフトの向上を報告しているが、他のリフターはそれほど運が良いわけではなく、デッドリフトを行うことからよりよいデッドリフトのパフォーマンスを得ている傾向にある。 スクワットとデットリフトのクロスオーバー効果を分析するだけの十分なトレーニング研究がなされていない状況において、我々はその2つのエクササイズの生体力学的な類似性を調査している、即時的研究に目を向けなければならない。 この研究は、デッドリフトに関する個人の生体力学的な特性に関しての非常に興味深い手掛かりに加え、いくつかの有益な洞察を提供している。 研究論文: コンペティション中の、パワーリフティングスタイルのスクワットと標準的なデットリフトの運動学的解析:これらのリフト間にクロスオーバー効果はあるのか? へールズ、ジョンソン&ジョンソン、ストレングス&コンディショニングリサーチジャーナル、2009年 *** 背景 多くのパワーリフターたちは、スクワットとデッドリフトが非常に類似した特性を持っていると信じており、ゆえに、どちらか一方のリフトを行うことは、そのクロスオーバー効果によりもう一方のリフトを著しく向上させると考えている。しかしながら、このクロスオーバー効果が起こるのかどうかは明確ではない。 スクワットとデッドリフトパフォーマンスの間の関係を評価するために最適な研究デザインは、一方のパワーリフターのグループがスクワットエクササイズのみのトレーニングサイクルを行い、もう一方のグループがスクワットエクササイズとデッドリフトの組み合わせのトレーニングサイクルのみを行うというようなトレーニング研究であろう。デッドリフトに関しても、デッドリフトのみのグループとデッドリフトとスクワットのグループといったように、同じような研究を行うことができる。しかしながら、このような研究が存在しない状況においては、この2つのリフトの生体力学的類似性の即時的評価が行うことができるであろう。 このような生体力学的評価に関して、これまでの研究では、スクワットとデッドリフトの両方に膠着領域(スティッキングリージョン)があるということを確認している。そのスティッキングリージョンこそが、どのようにしてパフォーマンスを最も向上させるかの評価のために分析するべき、リフトの重要な部分なのかもしれない。スティッキングポイントでは、バーが減速した前段階を受けて、バーの速度は最小である。(そしてそのため、リフターによってバーベルにかけられた力は、重力によってバーベルにかけられた力よりも少ない。) 結果的に、スクワットとデッドリフトのスティッキングリージョンを調査することは、その2つのリフトが生体力学的に類似するのか、もしくは異なるのかを評価するために有益であるかもしれない。 しかしながら、特にデッドリフトにおいて、そしてある程度スクワットにおいても、個人のパワーリフターが、より膝を屈曲させたポジションや上体を起こしたポジションでのレッグリフト戦略を導入しているか、もしくは、より膝を伸展させ、上体をより屈曲させたポジションでのバックリフト戦略を導入しているのかにより、個体差があるかもしれない。これは、デッドリフトのパフォーマンスに対してスクワットトレーニングからの恩恵を受け得る人達が存在する、ということを示唆しているのかもしれない。 *** 研究者たちは何を行ったのか? 研究者たちは、生体力学的な観点から、類似の程度を究明するため、スクワットと標準的なデッドリフトの関節角度の動きを比較したいと考えた。そのため彼らは、地域のパワーリフティングコンテストにおいて、全国大会への出場権を得た男性競技者25名を集めた。 研究者たちは、4台の同期化されたビデオカメラを使用し、パワーリフターがコンベティションにおいてスクワットとデッドリフトを行う際の3D分析を行った。このセットアップにより様々な関節角度と可動域(ROM )の計算が可能となり、リフトオフ、ニーパッシング、ロックアウト、の3段階においてリフトが分析された。 *** 何が起こったのか? バーの速度 研究者たちは、リフトオフではスクワットとデッドリフトの間で、バーの平均速度に著しい違いがあるが、バーの最高速度地点や、スティッキングリージョンにおいては差異がないことを発見した。下記のグラフで見られる通り、スクワットにおいて、コンセントリック段階の始めではバーの速度は非常に低速であった。 デッドリフトは完全停止からのコンセントリック段階から始まり、スクワットはエキセントリックの段階があることにより得られた伸張—短縮サイクルの恩恵から始まるということを考えると、非常に興味深い。それは、スクワットのボトムポジションからの加速に比較して、床から持ち上げるデッドリフトの加速は、より大きいかもしれないということを示唆している。しかしながら、研究者たちが提供しなかった加速の数値なくしては、これが事実であるのか否かを述べるのは困難である。 もしデッドリフトが床からバーベルを持ち上げる際、かなりの加速を要するとするのであれば、デッドリフトは、スポーツパフォーマンスの鍵である力産出の速度を訓練するために非常に有益であると言えるだろう。これは確実に更なる研究が有用となる領域である。 リフトオフにおける関節角度 研究者たちは、非常に大まかな各部位の長さを仮定した後、リフトオフのにおける胴体、大腿部、脛の絶対的な関節角度を規定し、下記のようなリフトオフにおける平均関節角度の図を作り出した。 この図は、リフトオフ(コンセントリック段階の始まり)の時点で、デッドリフトでは胴体がより水平となり、スクワットでは、胴体がより直立の状態となるということを示している。 その他にも注目すべき点が2つある。第一に、パワーリフターは、デッドリフトの際に非常に小さな脛の角度を示しており、この角度はスクワットにおける角度よりも実際に小さかったということは注目に値する。私は、より垂直な脛骨を想定していた。以前デッドリフトのスティッキングリージョンについて記述したように、このことは、これらの被験者たちは経験豊富ではなかった可能性があり、より経験豊富なアスリートでは異なった結果が観察されたかもしれないということを示唆している。 あるいは、リフトオフのポイントが最初のプル直前であった可能性があり、バーにテンションがかかった瞬間に脛骨の角度が著しく増加したのかもしれない。しかしながら、スティッキングポイント(下記参照)における脛骨の角度は90度よりもはるかに小さかったため、これには確認が持てない。 第二に、この研究におけるスクワットの深さは非常に乏しいものであった。これは、被験者たちが経験豊富でなかった可能性があり、より経験豊富なアスリートでは異なった結果が観察されたかもしれないという観察を支持している。
スクワットで内側広筋のアクティベーションを強調することはできるのか? パート2/2
スクワットにおいてROMは内側広筋にどのように作用するのか? 全体的に見て、スクワットでの内側広筋と外側広筋のアクティベーションレベルは、少なくともエクササイズの全ROM(可動域)に渡り計測した場合、非常に似ています(Signorile et al. 1994; Wilk et al. 1996; Ninos et al. 1997; Mirzabeigi et al. 1999; Escamilla et al. 2001a; Andersen et al. 2006)。 しかし、内側広筋と外側広筋のアクティベーションレベルは、エクササイズのROM全体の各パートでも似ているのでしょうか? そのようです。 内側広筋と外側広筋のアクティベーションは、膝関節角度の変化に伴い互いに一致して変化するように見えます。例えば、バーベルバックスクワット中の大腿直筋、外側広筋、内側広筋のそれぞれが各々のピークEMG振幅に達する点は、89-95度の間の同じ膝関節角度になるときなのです(Escamilla et al. 2001a)。 そしてその他の関節角度における各大腿四頭筋のアクティベーションの間には、ほとんど差がないようです。例えば、Andersen et al. (2006) は、バーベルバックスクワット中に膝関節角度10度から100度の間を10度間隔で内側広筋及び外側広筋のEMG振幅を計測し、そして各関節角度における両者の比率を計算しました。比率は膝関節角度の増加では変化せず、およそ1:1のままでした。これは、内側広筋を外側広筋よりアクティベートされた状態にするスクワットの膝関節角度はないことを表しています。 同様に、Ninos et al. (1997) は、バーベルバックスクワットでは異なる膝関節角度に渡り内側広筋のアクティベーションが外側広筋と全く同じような反応を示し、やはりボトムポジションでピークアクティベーションに達することを示しました。 下の図で、膝関節屈曲角度の変化に伴う内側広筋と外側広筋の平行した変化を見ることができます: つまり、内側広筋はスクワットにおいて外側広筋と根本的に違うことは全くしておらず、ボトムポジションでその他の大腿四頭筋よりも相対的により重要であるということは決してないのです。 これは、膝伸展において、膝関節角度が内側広筋の優位なアクティベーションにどのように影響するかを調べ、何も効果がなかったとする詳細な研究によって支持されています(De Ruiter et al. 2008)。 従って、内側広筋がスクワット中のボトムポジションにおける筋力のために特別重要であるという可能性は低そうです。 そもそも内側広筋は優位にアクティベートされることができるのか?(パート1) 私が先に説明したように、理学療法の研究者たちは、しばしば内側広筋を外側広筋のアクティベーションよりもより大きく増加させることができるエクササイズやテクニックを特定しようと試みてきました。 これは、膝蓋骨のトラッキング不良が膝前面痛のバイオメカニクス的一因であることが明らかにされ、内側広筋と外側広筋が膝蓋骨を異なる方向に引っ張ると思われることから、これらの筋肉のバランスが膝蓋骨のトラッキング不良を左右するかもしれないからです。また、内側広筋の選択的筋委縮は、歴史的に膝前面痛に苦しむ人々において見られてきたため、内側広筋を鍛えることが問題を解決するだろうと考えられてきました。 二つの分野の新しい調査がこのセオリーに水を差しました。 第一に、非活動性筋萎縮は膝の痛みを持つ人々の内側広筋だけではなく、大腿四頭筋の全てに渡り見られました(Giles et al. 2013; 2015)。 次に、外側広筋と内側広筋は実際神経支配の大部分を共有しているようです(Laine et al. 2015)。これは内側広筋を外側広筋と別々にアクティベートさせることを難しくさせるだけでなく、実際現実的には不可能なのです! 実際に、たくさんの異なるエクササイズを調べてきた研究者たちは、膝関節伸展動作を含むエクササイズにおいて内側広筋のアクティベーションを外側広筋のアクティベーションよりも大きく増加させることは、スタンスの幅、股関節の角度、あるいは足の角度をどう変えるかに関わらず、非常に難しいと結論づけました(e.g. Cerny, 1995; Laprade et al. 1998; Mirzabeigi et al. 1999; Tang et al. 2001)。 例えばスクワット中の等尺性股関節内転のような、いくつかの研究で外側広筋の振幅に比べより大きな内側広筋のEMG振幅を引き起こすように見られたもっとも有望なアイディアのいくつかでさえも(Hyong, 2015)、実際は誤った種類の電極を使ったことにより起こった単なる人工的産物なのかもしれません(Wong et al. 2013)。 従って、20個以上のそのような研究のレビューが、恐らく大腿四頭筋が同じような神経支配を共有しているために(Laine et al. 2015)「下肢の関節の向きを変えることは…内側広筋のアクティベーションを外側広筋以上に優位に増強しない」と最終的に結論付けていることは驚くべきことではありません(Smith et al. 2009)。 そもそも内側広筋は優位にアクティベートされることができるのか?(パート2) もしもなんらかの理由で、あなたが内側広筋のアクティベーションを外側広筋のアクティベーションよりも増加させようとすることが可能であるとまだ信じており、それを試してみようと断固として決めているならば、次のテクニックの一つを試してみることもできるでしょう: ワブルボードのような、より不安定な表面を使用してスクワットをする(Hyong & Kang, 2013; Park et al. 2015) より遅いスピードでスクワットをする(Yoo, 2015) これは異論が多いが(De Ruiter et al. 2008)、膝関節完全伸展前の膝関節伸展ROM最後の30度を強調するエクササイズあるいはテクニックを用いる(ことも可能である)(Duffell et al. 2012) 筋電図に基づいたバイオフィードバックを採用し、内側広筋に注目する(Ng et al. 2008) スクワットで前額面の膝の距離を縮めやすくするために視覚的フィードバックを採用する(Hwangbo, 2015) なぜ内側広筋を優位にアクティベートしようとするのか? しかしながら、最終的には、もしあなたのゴールが脚のサイズの増進、またはスポーツでもっと上手になりたいかのどちらかであるならば、内側広筋をターゲットとする計画的な努力をすることはほぼ確実に必要ありません。 もしあなたの主なゴールが脚の肥大であるなら、長期間の試行によって示されているように(Fonseca et al. 2015)、スクワットは大腿四頭筋のうち3つの単関節筋全てを極めて効果的に使います。その一方で、スクワットは二関節筋である大腿直筋にはさほど効果的ではないため、あなたはただスクワットをするだけではいけません。大腿直筋のために別なエクササイズを加えなくてはなりませんが、ニ―エクステンションはとても良い選択です。 もしあなたの主なゴールがスポーツでもっと上手になりたいということであれば、スクワットはそのゴールのためにも大いに役立つでしょう。これに加えて、あなたの主な考慮はポステリアチェーンをもっとも効果的に発達させる方法を見出すことであるでしょうが、時間が迫ってきていますので、それについては別な日にお答えしましょう。 結論 スクワット中に内側広筋のより大きい相対的アクティベーションを狙うことは、恐らくワイドスタンスの代わりにナロースタンスを用いても、平らな表面でスクワットをする代わりに踵を高くしても不可能でしょう。スタンスの幅は大腿四頭筋のどの筋肉のアクティベーションにも効果がなく、踵を上げることは恐らく全ての大腿四頭筋に全く同じように影響を及ぼします。これは多分大腿四頭筋が類似した神経支配を共有しているからであり、それらの筋肉を個別にターゲットにすることは非常に困難です。 加えて、スクワットのボトムポジションでは、全ての大腿四頭筋があなたを深い位置から抜け出させるためにとても一生懸命働いています。しかしながら、上記の分析に基づき既に予測されるように、内側広筋が他のどの大腿四頭筋よりももっと重要であるということはないのです。 参照 Alves, F. 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スクワットで内側広筋のアクティベーションを強調することはできるのか? パート1/2
一部のストレングスコーチたちは、ナロースタンスで、あるいは踵を高くしてスクワットをすると、内側広筋優位な筋肥大を引き起こすことができると示唆してきました。 彼らは、スクワットのボトムポジションでは、内側広筋がその他の大腿四頭筋よりもより重要であると信じているため(それが本当に真実かどうかは別な問題ですが)、内側広筋をトレーニングすることは必須であると主張しています。 しかし、私たちはスクワットで内側広筋のアクティベーションを強調することができるのでしょうか? そしてもしそうならば、スタンスの幅を変えたり、あるいはヒールリフトを加えることによってできるのでしょうか? 見てみましょう! ナロースタンスは内側広筋のアクティベーションを増加させるのか? 過去20年以上に渡り、複数の研究がナロースタンス・スクワットとワイドスタンス・バーベルバックスクワットの間には一般的に大腿四頭筋のアクティベーション(特に内側広筋のアクティベーション)の差がないことを筋電図(EMG)振幅を用いて発見しています(McCaw & Melrose 1999; Escamilla et al. 2001a; Paoli et al. 2009)。 さらには、Ninos et al.(1997)は、2つの異なる股関節回旋角度(つま先が外側を向いている・つま先が前方を向いている)を用いたバーベルバックスクワットにおいて、両者の間に内側広筋のアクティベーションの差はなかったことを発見しました。そしてMurray et al.(2013)は、3つの異なる股関節回旋角度(つま先が外側を向いている・つま先が前方を向いている・つま先が内側を向いている)での負荷がかかったマシンスクワットを調査した際、内側広筋のアクティベーションには差がなかったことを発見しました。 つまり、私たちが純粋なワイドスタンス・スクワットについて話しているにしろ、あるいはただつま先を真正面にするのではなく足部を外側に回旋させるということについて話しているにしろ、バーベルバックスクワットのスタンスの幅によって内側広筋のアクティベーションが変わることはないのです。 事実、股関節回旋角度が内側広筋対外側広筋のアクティベーション比率に及ぼす影響を調べるとき、「影響なし」以外のものを見つけるには、自重スクワットに関する研究例のある理学療法の文献をかなり深く掘り下げなくてはなりません。 それでも、ニュートラルポジションの有益な効果を報告している研究もあれば(Kim & Song, 2013)、内側に回旋されたポジションがもっともよいと報告している研究もあることに気が付くでしょう(Lam & Ng, 2001)。つまり、明確な答えはないのです、実際のところ。 従って、スタンスの幅は、恐らく内側広筋のアクティベーションには影響を与えないでしょう。 踵を高くすることは大腿四頭筋のアクティベーションを増加させるのか? スクワットで踵を高くすることが内側広筋を優位にアクティベートさせることができるかどうかを見る前に、まずヒールリフトを加える、あるいはデクラインボードを用いると大腿四頭筋のアクティベーション全体に何が起こるかを見てみましょう。 研究の中には1,2個のヒントがあります。 複数の研究が、片脚エキセントリックデクラインスクワット(25度という急な傾斜のデクラインボードがもっともよく用いられた)について調査してきましたが、その多くはそのエクササイズが膝蓋腱障害を治療するためにより優れた治療効果があるかどうかを見出すことが目的でした(Purdam et al. 2004; Young et al. 2005)。 これらの研究の結果として、私たちは片脚スクワット中に傾斜(デクライン)を用いることが膝関節伸展モーメントを増加(そして大腿四頭筋EMG振幅を増加)させる傾向があり、同時に股関節伸展モーメントを減少させ、エクササイズをより膝優位なものにすることを見ることができます。これは、大腿四頭筋がより働かなくてはならないことを意味しています(Kongsgaard et al. 2006; Zwerver et al. 2007; Frohm et al. 2007)。 それゆえに、私たちはデクラインボード(つまり高くなった踵)が、両脚スクワットにおいてもより大きな大腿四頭筋アクティベーションを生み出すと予測するでしょう。 次に、異なる種類のフットウェアを比較したバーベルスクワットの研究から、踵の挙上が膝屈曲をより大きくすることを可能にしているのを見ることができます(Sato et al. 2013; Sinclair et al. 2014; Southwell et al. 2016)。より大きな膝関節屈曲ピーク角度は、その他の条件が同じである場合、大腿四頭筋をより働かせる(そのためにより高いアクティベーションを表す)ことになるでしょう。そしてより高い踵のフットウェアは、より平らなフットウェアと比べ、より大きな純膝関節伸展関節モーメントを生み出すようです(Southwell et al. 2016)。 つまり、デクラインボード(つまり高くなった踵)は大腿四頭筋がより働くことにもつながりそうです。実際、バーベルバックスクワット中に踵を高くすることに注目した最近の研究は、体幹の傾きがより小さいため、より小さな股関節屈曲ピーク角度を伴ってより大きな膝関節屈曲ピーク角度を生み出しているように見えます(Charlton et a. 2016)。 異なる種類のフットウェアかヒールウェッジのどちらかを用いての大腿四頭筋のEMG振幅に実際注目した研究はほとんどありませんでしたが、デクラインボードを用いて踵を高くすることは大腿四頭筋のアクティベーションを高めているようです(Edwards et al. 2008; Ki et al. 2014; Yu et al. 2014; Lee et al. 2015)。ただ、1、2個の例外はあります(Chae et al. 2007; Alves et al. 2009; Dionisio et al. 2013)。 しかしながら最終的には、膝関節屈曲における効果、そして全体的な身体の動作パターンの変化によって生じる股関節から膝関節への明確なシフトを考慮すると、デクラインボードあるいは高くされた踵が、スクワット中の全体的な大腿四頭筋のアクティベーションの増加を導くだろうということは非常に論理的であるようです。 トレーニングプログラムを計画する時にそのことを知っておくとよいでしょう。 踵を高くすることは内側広筋のアクティベーションを増加させるのか? それでは、スクワット中踵を高くすることが大腿四頭筋のアクティベーションを全体的に増加させるようであることはわかりますが、内側広筋、そして外側広筋のEMG振幅はどうでしょうか? それらは同じような反応を示すのでしょうか?あるいは、踵を高くすることが内側広筋対外側広筋のアクティベーション比率を変えるのでしょうか? 現在のところ、ヒールリフトが大腿四頭筋のアクティベーションに及ぼす影響について調べた研究の大多数(Chae et al. 2007; Edwards et al. 2008; Alves et al. 2009; Dionisio et al. 2013; Ki et al. 2014; Yu et al. 2014; Lee et a. 2015)は、ヒールリフトを高くすることにより内側広筋と外側広筋のEMG振幅が互いに対してどれだけ変化したかについて、大きな差がなかったことを発見しています。 その二つの筋群が、ヒールリフトの変化によりとても互いに似た傾向を表すことが、下の表で見ることができます(Ki et al. 2014)。 更に最近では、Slater & Hart (2016)がトレーニングをしていないが健康な被験者において、自重スクワットで踵を上げる(つま先立ちで)ことによる影響を評価しました。彼らは踵を上げることが内側広筋のアクティベーションを減少させると同時に、外側広筋のアクティベーションを増加させることを発見しました。つま先立ちになることはインクラインスロープの効果を計測することとは同様でないものの、もし内側広筋のより大きなアクティベーションを意図するのであれば、踵を高くすることは望ましい結果を達成しないだろうとその研究は示唆しています。 つまり、内側広筋と外側広筋の間のアクティベーションのバランスは、スクワット中に踵を上げることでは変わらないようです。 スクワットにおいてROMは大腿四頭筋にどのように作用するのか? 私が先に触れたように、一部のコーチたちはボトムポジションにおいて内側広筋が重要であると信じているため、スクワット中の内側広筋のアクティベーションによく関心が持たれています。 スクワットにおける足首、膝、そして股関節の外的モーメントアームの長さを注意深く見ると、スクワットはボトムポジションでもっともきつく、よりトップに近いところでもっとも楽であることがわかるでしょう(Escamilla et al. (2001b)。下の図で股関節及び膝関節の関節モーメントアームの長さを見ることができます: もしあなたがこれまで重いバーベルでスクワットをしたことがあるのならば、すでにこのことをご存知でしょう。 エクササイズのボトムが近づくにつれて全ての主働筋がアクティベーションを増加させることは完全に納得がいきますし、事実これがまさに起こっていることなのです(Escamilla et al. 1998)。 しかし、内側広筋はそのアクティベーションを更に増加させるのでしょうか? 参照 Alves, F. S. M., Oliveira, F. S., Junqueira, C. H. B. F., Azevedo, B. M. S., & Dionísio, V. C. (2009). Analysis of electromyographic patterns during standard and declined squats. Brazilian Journal of Physical Therapy, 13(2), 164-172. Andersen, L. L., Magnusson, S. P., Nielsen, M., Haleem, J., Poulsen, K., & Aagaard, P. (2006). Neuromuscular activation in conventional therapeutic exercises and heavy resistance exercises: implications for rehabilitation. Physical Therapy, 86(5), 683-697. Cerny, K. (1995). Vastus medialis oblique/vastus lateralis muscle activity ratios for selected exercises in persons with and without patellofemoral pain syndrome. Physical Therapy, 75(8), 672-683. Chae, W. S., Jeong, H. K., & Jang, J. I. (2007). 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ストレングストレーニングは脳震盪の予防に役立つか? パート2/2
トレーニングを通して首の筋力を増大させることは、衝撃中の頭部の加速を減らすか? 長期的なトレーニング調査から、首の筋力をトレーニングで高めることが、頭部に影響を及ぼす衝撃中の頭部の加速を減らすことができるかどうかを知ることができます。しかしながら、これまで、首の筋力トレーニングは頭部の加速の大きさを減少させないようであると研究は示しています(Mansell et al. 2005; Lisman et al. 2012)。 たとえそうだとしても、私たちが席を蹴って立ち去り、脳震盪を予防する別な方法を求めて先に進む前に、いくつか言及することがあります。 第一に、これらの試行で用いられた首の筋力トレーニングプログラムは、実際意図した通りには首の筋力を向上しませんでした。Mansell et al. (2005)の研究では、男性の首の伸展筋力は実際(有意な差ではなかったものの)10%低下しましたが、首の屈曲筋力は向上し、その一方で女性は首の伸展及び屈曲の両方の筋力の向上を示しました。Lisman et al. (2012)の研究では、被験者は首の伸展及び右側屈筋力のみ向上しましたが、首の屈曲あるいは左側屈筋力は向上できませんでした。これは、両方の研究が比較的とても低い負荷を用いていたからかもしれません(Gilchrist et al. 2015)。 対照的に、特定の首の筋力トレーニングを用いた首の筋力及び筋肉の大きさの変化を調査した他の多くの研究は、多数の訓練された基準において、筋力と筋肉の大きさの両方における大きな増加を報告しており(Leggett et al. 1990; Conley et al. 1997; Maeda et al. 1994; Portero et al. 2001; Burnett et al. 2005; Taylor et al. 2006; O’Leary et al. 2007; Kramer et al. 2013)、圧力に基づいた生体フィードバック(バイオフィードバック)をトレーニングで用いることが結果をさらに向上させるだろうという早期指摘があります(Nezamuddin et al. 2013)。 第二に、私はこれらの研究のどれについても、一つ一つのテストデータにおいて、評価された頭部の加速データの信頼性についての言及を見つけることはできません。 Lisman et al. (2012)の試行においては、2つの衝撃間の明らかな差は加速の量を変化するため(私と仲間たちはボクサーのパンチ力の試験再試験信頼度を測る似たような研究をしたことがあり、その信頼度は非常に低いものでした)、試験再試験の信頼度は低いと確信しています。 よりコントロールされていたMansell et al. (2005)の試行では、トレーニング前後の頭部の加速のデータは非常に可変するものであり、それはつまり信頼度はあまりよくなかったということです。そのような変動性は結果をとても“ノイズの多いもの”にし、結果として、私はこれらの首のトレーニングプログラムが頭部の加速を変化させるのに本当に効果的であったのかどうかを判断するのはとても難しいだろうと思います。 そこで、より強い首がより大きな運動エネルギーを吸収することができる理由についての明確な論理的証拠があるとすると、これらの調査は、頭部の加速を顕著に減少させるのに十分なほどの首の筋力は向上しなかったか(特に大きな試験再試験変動性を考えると)、あるいは頭部の衝撃を計測中、頭部の加速を減らすために、被験者が向上した首の筋力をうまく使うことができなかったかのいずれかである可能性が高いでしょう。 つまり基本的に、私はこの問題が終了したとは全く考えていません。私は、首の筋力が実際に向上したところで、頭部の加速のより明らかに信頼性のある結果測定法(尺度)を持つ首のトレーニングの長期的試行をもう少し、そして理想的には、最低一つは首のトレーニング群が衝撃前に首を緊張させる動作練習も行ったような、いくつかの研究を調べたいと思っています。 私たちは将来、動作練習や特定の筋力強化がドロップジャンプ及びストップジャンプ中の膝の内反を減らすために付加的であるのとまさに同じように(Hermann et al. 2009)、それらがこの特定の問題について付加的であることを見つけるかもしれません。 ストレングストレーニングは本当に脳震盪を予防するのに役立つのか? 今のところ、私たちができる最良のことは、衝撃を含むスポーツをプレーするアスリートにおいて、首の筋力の弱さは脳震盪の危険因子の一つであると発言することです。 一つの大きな高校生アスリート群において(サッカー、バスケットボール、あるいはラクロスをプレーする被験者6,704人)、低レベルの首の筋力は、脳震盪発生の増加と関連していました(Collins et al. 2014)。手持式ダイナモメーターを用いて力を計測したところ、首の筋力が1パウンド増加するのに伴い、脳震盪の発生率は5%減少しました。 問題は、首の筋力が大きいことが、首の筋力の増加は必ず脳震盪のリスクを減らすということを意味しているのではないということです。プレーには交絡因子があり、それらが関連性を生み出しているのです。 どのエクササイズが首の筋力を高めるのか? 私たちは、アイソメトリックとダイナミックな方法両方を用い、エラスティックバンド、フリーウエイト、あるいはマシンのいずれかを用いて負荷を加えた首の特定の筋力トレーニングエクササイズすべてが、首の筋力を高めることができることを知っています(Hrysomallis, 2016)。 スクワットやデッドリフト、オリンピックウエイトリフティングの派生種目、そしてベントオーバーロウのような大きなコンパウンドエクササイズをすることによって、同じような首の筋力の向上が得られるだろうと仮定したくなってしまうかもしれませんが、これは真実ではありません。 一つの重要な研究では、2つの長期的なトレーニングプログラムの効果を比較し、片方のプログラムには大きいコンパウンドリフティング(スクワット、デッドリフト、プッシュプレス、ベントオーバーロウ、そしてミッドサイ・プル)のみ、そしてもう片方にはこれらのエクササイズに加え頭部伸展エクササイズが含まれていました(Conley et al. 1997)。 この研究では、ターゲットとされた頭部伸展エクササイズは首の筋力を33.5%向上させ、首の断面積を12.8%(主に頭板状筋、そして頭部半棘筋及び頸部半棘筋)増加させましたが、大きなコンパウンドリフティングだけでは首の筋力も断面積も向上しませんでした。 そうです、私もデッドリフトは好きですが、デッドリフトは分厚く強い首を与えてはくれません。 そのため今のところ、首の筋サイズ及び筋力を向上させるためには特定の首のエクササイズが必要であり、そしてこの種の筋力強化はただスクワットやデッドリフトをするだけでは不可能なようです。 結論 小さくて弱い首を持っていることは、衝撃を伴うスポーツ中に脳震盪を起こすリスクを高めるようです。より高い筋力を持つことによって、筋肉は身体に与えられた力を吸収しやすくなり傷害リスクを低下させるため、このことは納得がいきます。たとえそうだとしても、首の筋力強化がトレーニングにおいて有害な結果をどれほど生じるかについては正式に評価されていないため、実施する際には注意深いリスク評価と用心が必要です。 さらには、首の筋力強化だけでも有益かもしれませんが、それだけを用いた場合、脳震盪を引き起こす頭部の加速の大きさに本当に影響を与えるのには十分ではないかもしれません。現時点では、迫り来る衝突を認知すること、そして首及び僧帽筋の筋肉を衝撃の前に緊張させることは、首の筋力あるいは首の筋力強化よりももっと信頼性のある頭部の加速への効果をもたらすようです。 これらのポイントを合わせて、私たちは、頭部の加速を生じる衝撃時のエネルギー吸収を向上させるために、いくらかの動作練習及び首の筋力強化を、傷害予防プログラムの中に組み込むかどうか考慮しても良いかもしれません。動作練習には、首の筋肉を緊張させること、マウスガードを噛みしめること、あるいは身体の他の部分への力伝達のために好ましい姿勢を練習することなどがあるでしょう。 参照 Barth, J. 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ストレングストレーニングは脳震盪の予防に役立つか? パート1/2
脳震盪は、今注目の話題です。議論のほとんどが、防具の使用についてや、あるいは競技の危険性を減らすためにどのようにルールを変更するかということに注目しがちですが、ルールの変更は長年のファンたちを挑発してしまうかもしれないものです。 対照的に、ストレングストレーニングが脳震盪の発生を減らす可能性があると想像する人はあまりいません。しかし、それがまさに一部の研究者たちが調査してきていることなのです。 研究の中には少し分かりにくいものもありますが、私はストレングストレーニングが脳震盪の発生を減らせるかもしれない理由についていくつか考えがあります。 脳震盪とは何か? 見解報告書では、通常脳震盪を以下のように定義しています: 「生体力学的力により引き起こされる、脳に影響を及ぼす複雑な病態生理学的過程(McCrory et al. 2013)」 あなたは「生体力学的力により引き起こされる」という部分を「頭を強く打たれること」と解釈したくなってしまうかもしれませんが、実際にはそれは少し間違っています。 スポーツ医学研究を定期的に読んでいない人が知ったら驚くかもしれませんが、事実、脳震盪を引き起こすには、生体力学的力が直接頭に与えられなくてはならないというわけではないのです。実際に同じ見解報告書の中で下記を知ることができます: 脳震盪は、頭部へ伝達される“衝撃的”力を伴う頭部、顔、首、あるいは身体の他の部位への直接の強打によって引き起こされる(McCrory et al. 2013) 私はスポーツ医師である仲間たちから、実際に多くのスポーツでは頭を打たれることが脳震盪の一般的な原因であると教わっていますが、脳震盪は頭を強く打たれなくてはならないという考えは正確ではないのです。 たとえそうだとしても、このことはあなたに何が脳震盪を本当に引き起こしているのだろうか?と考えさせませんか? 脳震盪を本当に引き起こすものは何か? 脳震盪は、与えられた外力によって頭部が大きく加速または減速をすることで起こります(Broglio et al. 2010; Blennow et al. 2012)。この外力によって頭部のスピードが突然変えられると、脳はそれまで進んでいた方向に進み続け、それによって内的な力が生じることになります(Guskiewicz & Mihalik, 2006)。 先ほど言及したように、これらの外力は、何も装着していない頭部への強打のように直接与えられることもあります。また、それらの外力がむち打ち効果で身体の別な部位に間接的に与えられる、ということも稀にあります(Tucker, 2014)。 生体力学的に、私たちは頭部に与えられた加速または減速を、三つの運動面(矢状面、前額面、そして水平面)に分解して評価することができます。文献では、よくそれらを直線的運動(矢状面または前額面)と回旋的運動(水平面)として分類しています(Meaney & Smith, 2011)。これらの加速または減速によって、剪断荷重と圧力の両方が脳にかかります。 回旋的運動の方が脳内でより大きい剪断力を生み出す能力が高い可能性があるため、回旋的運動は直線的運動よりもわずかながら脳震盪を引き起こす可能性が高いようです。どちらのタイプの運動も脳震盪を引き起こしますが(Broglio et al. 2010)、回旋的運動の方がより大きなダメージを与えると考えられています(Zhang et al. 2004; Kleiven, 2007; Forbes et al. 2012)。 正確なメカニズムが何であれ、私たちに必要なものは、衝撃中にエネルギーを吸収するのを助けることのできる何かのようです。それによって頭部に伝達される運動エネルギーをより小さくし、身体の他の部分でもっと消散されるようにできるでしょう。 もしかしたら、首のストレングストレーニングがその役目を果たせるでしょうか? 首のストレングストレーニングによって、頭部に影響を及ぼす衝撃中により多くのエネルギーを吸収できるようになるだろうか? もしストレングストレーニングが衝撃中にエネルギーを吸収する筋肉の能力を高めることができるのであれば、それはいくらかの脳震盪が起こるのを防ぐのに役立つかもしれません(Barth et al. 2001; Cross & Serenelli, 2003)。 私たちは、下半身のストレングストレーニングが、ドロップジャンプを含む多くの運動動作において筋肉のエネルギーを吸収する能力を高められることを知っています。 また、私たちは、このストレングストレーニングによって向上したエネルギーを吸収する能力は、筋力の向上によって引き起こされること、更に具体的に、特定の伸張性筋力の向上によるものであろうと推測しています。 それでは、特定の首のストレングストレーニングエクササイズは、運動エネルギーが頭部に届く前、あるいは衝撃が直接頭部に与えられたときのいずれかにおいて、それが運動エネルギーを吸収する能力を発達させるのに役立つのでしょうか? その可能性は大いにあります。 研究は、この質問を様々な方法で調査することができます。 第一に、私たちが電極で計測することのできるアクティベーションの度合いは、筋肉が生み出す力の量と関連していることから、筋電図(EMG)調査は、頭部の加速の要因となる衝撃中の首の筋肉の機能を見るための手段を提供してくれます。 第二に、関連性を調査している観察調査は、首の筋力がより強い人たちは、衝撃中に受ける頭部の加速がより小さくなる傾向があるかどうかを私たちに示してくれます(もちろん、首の筋力があるからといってそれが使われているという保証はないのですが)。 第三に、介入を用いた長期的調査は、頭部に影響を及ぼす衝撃中に経験する頭部の加速量を、首の筋力トレーニングが実際に変化させるかどうかを教えてくれます。 首の筋肉のより大きいアクティベーションは、衝撃中の頭部の加速を減らすか? 筋電図調査は、私たちに運動中の筋肉の習性について多くのことを伝え、またそれは頭部に影響を及ぼす衝撃中の首の筋肉を調査するとき特に有益です。 例えば、ハムストリングがスプリントで着地(グラウンドコンタクト)する前にプレアクティベーションをする時と同じように、首の筋肉と僧帽筋は、サッカーボールをヘディングする際、ボールが当たる前にプレアクティベーションをします(Bauer et al. 2001)。 このことは、衝撃時に放出する前に弾性エネルギーを蓄える、首の筋肉の伸張性収縮を伴う準備反応があることを示唆しています(Dezman et al. 2013)。この準備反応は、なぜ差し迫った衝撃への認知が頭部の加速を減らすのかを説明しているかもしれません(Kumar et al. 2000)。 加えて、首の筋肉のより高いアクティベーションは、制御試験での頭部の加速の減少と関連しており(Eckner et al. 2014)、衝撃時に首の筋肉のアクティベーションを高めるためにマウスガードを噛みしめることにより、ラグビーのドリル中(Hasegawa et al. 2014)、そしてサッカーボールをヘディングした時(Narimatsu et al. 2015)の両方において、頭部に与えられた加速が減少しています。 マウスガードを噛みしめることで頭部の加速は減少する 筋肉のアクティベーションはその筋肉により生み出された力に関連することから、これらの発見は、衝撃時に首の筋肉によって発揮されたより大きな力が頭部の加速の減少を導くことを示唆しています。 より大きな首の筋力は衝撃中の頭部の加速を減らすのか? 観察調査では、首の筋力がより高い人は、頭部に影響を与える衝撃中に受ける頭部の加速がより低いのかどうかについて知ることができます(上でも述べたように、単に筋力を持っているからと言ってそれが使われるという保証はないのですが)。 この調査は、一セッション中(横断調査)あるいは競技シーズンを通して(縦断調査)、首の筋力及び頭部の加速についてのデータを記録することによって行うことができます。 Tierney et al. (2005; 2008)は、二つの似たような調査の中で男女のグループを比較し、首の筋活動を事前に始動し、最大能力のより高い割合まで上げていたにも関わらず、女性のピーク加速が男性よりも大きかったことを発見しました。これは女性の首のサイズがより小さいことに加え、首の筋肉の最大等長性(アイソメトリック)筋力がより低いからかもしれません。複数の研究が、女性は男性よりも脳震盪の受傷リスクが高いことを示唆しているように、これは極めて重要なことです(Covassin et al. 2003; Dick et al. 2009)。 他の研究者たちは、一回のテストセッション中の単一被験者グループ内における、頭部の加速と首の筋力との関連性を調査してきました(Dezman et al. 2013; Schmidt et al. 2014; Gutierrez et al. 2014; Eckner et al. 2014)。彼らは相反する結果を報告しており、非アスリートを使った2つの研究では、より大きな首の筋力は頭部の加速の減少と関連していないと報告しており(Dezman et al. 2013; Schmidt et al. 2014)、またコンタクトスポーツのアスリートにおける2つの研究では、その関連性があることを発見しています(Gutierrez et al. 2014; Eckner et al. 2014)。 シーズン開始時の首の筋力を評価し、その後経時的に頭部の加速を測定した別の研究では、2つの変数の間に関係は見つかりませんでした(Mihalik et al. 2011)。しかしながら、調査の対象者が皆同じ数、または同じような性質の衝突を受けているわけではないことは明らかであり、シーズン中のプレー固有の変動性は、これらの調査結果を評価するのを難しくしています。 全体的に見て、このことは、首の筋力は一要素であるとはいえ、常習的に頭部の加速を受けているアスリートの被験者は、衝撃に対し身構えるために首の筋力を十分に使うことがより良くできるということを示唆しているでしょう。その一方で、トレーニングを積んでいない人たちは、頭部の加速に抵抗するために首の筋力を効果的に使うことができない可能性があり、このことが頭部の加速と首の筋力との関連性を減らしてしまうのかもしれません。 参照 Barth, J. 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スプリントのためのレジスタンストレーニング
目的 この記事は、趣味としてトレーニングを行う、もしくは高度にトレーニングを行う成人アスリートのいずれかにおいて、従来のレジスタンストレーニングは、スプリントスピードを向上するためにどの程度効果的であるかということを堤示している。 背景 序論 レジスタンストレーニングは、スポーツパフォーマンスを向上するための、極めて伝統的な方法のひとつである。それは筋力および筋サイズを増加し、アスリートの力生成能力を向上する。レジスタンストレーニングの幅広い導入以前、多くのコーチたちは、ウェイトリフティングは(エクササイズが競技に特化していないため)無効であり、アスリートを大きく、強く、そして筋骨隆々とするため、彼らを減速するであろうと信じていたが、後にこの批評は不当であるということが発見されている。興味深いことに、30-40年前にレジスタンストレーニングの反対者により行われた議論と、現在、高負荷レジステッドスプリントトレーニングの使用に反対するコーチたちによる議論には、多くの共通項が見られる。レジステッドスプリントトレーニングと同様に、レジスタンストレーニングの際の実際の負荷は、(スクワットやデッドリフトのような軸方向エクササイズを使用する)垂直方向、もしくは(プルスルー、ヒップスラスト、グルートブリッジ、もしくは水平バックエクステンションのような、前後方向のエクササイズを使用する)水平方向のどちらも有りえる。 動作のメカニズム レジスタンストレーニングが、スプリント速度を向上するためのトレーニングプログラムに一般的に含まれるようになったのは、過去数十年ほどのことである。レジスタンストレーニングは、その低速における力生成を向上する能力により効果的であり、また、本来筋肉に備わっている力対速度の関係により、より高速における力生成能力を向上する。 メタ分析 趣味としてトレーニングを行うアスリート レジスタンストレーニングは、スプリント速度を向上するために広く調査されているため、様々な研究のメタ分析が可能である。ルンプおよびその他(2014年)は、趣味としてのアスリートにおける、スプリントパフォーマンス向上のための異なるトレーニング方法の影響に関し、メタ分析を行った。最初に彼らは、トレーニング方法を特異(スプリントもしくはレジステッドスプリント)、および非特異(プライオメトリック、レジスタンストレーニング、及びバリスティックトレーニング)へと分類した。彼らは、趣味としてのアスリートにおいて、スプリント速度を向上するために、特異および(レジスタンストレーニングのような)非特異両方のトレーニングは同様に効果的であったと記述している。実際に数人の研究者たちは、一般的なレジスタンストレーニングおよび特にスクワットエクササイズは、スプリント能力を向上するために効果的であるということを確認している。クローニンおよびその他(2007年)は、研究論文を再考察し、長期のレジスタンストレーニングプログラムから得られる最大スクワット強度の増加は、スプリントタイムの減少と関係があるということを報告している。しかし彼らはまた、趣味としてトレーニングを行うアスリートにおいて、有意義なスプリントタイム減少のためには、スクワット強度の大幅な増加が必要であると記述している。具体的に彼らは、約2%のスプリントタイムの減少のためには、約23%のスクワット強度の増加が必要であると観察している。より最近にはサイツおよびその他(2014年)が、(バックスクワットの1RMによる測定において) 下半身の筋力の増加と、40m以下の距離におけるスプリントパフォーマンスの間の長期的な関係を調査している。彼らは、スクワット効果量およびスプリント効果量の間において、統計的に有意である比較的大きな(R-squared = 0.60)相関関係を報告している。これは、1RMバックスクワットおよび短距離スプリント能力の間における密接な関係を発見した過去の筋断面解析(例、ヴィスロフおよびその他、2004年)を支持している。ゆえに一般的なレジスタンストレーニング、特にバックスクワットエクササイズは、スプリントパフォーマンスを向上することが可能であるということは比較的明白である。しかし両方の研究は、非常に限られたトレーニング経験しかない人を含む、広範な被験者を含んでいたという点で制限があった。上記の分析から、十分にトレーニングされた個人がより少なく除外されていた場合、そのような強い関係が存在していたかどうかは明確ではない。 高度にトレーニングされたアスリート 上記のようにメタ分析は、レジスタンストレーニングはスプリント能力を向上することが可能であり、また、彼らの比較的浅いトレーニング経験にもかかわらず、趣味としてトレーニングを行うアスリートにおいて、最大スクワット強度の増加はスプリントタイムの減少と関連があるということを報告している。このような発見は、高度にトレーニングされたアスリートに対しても、少なくともある程度は適用されるようである。実際にヴィスロフおよびその他(2004年)は、国際的レベルの男性サッカー選手において、最大スクワット強度および短距離スプリントパフォーマンス間の強い断面的相関関係を報告している。ルンプおよびその他(2014年)は、高度にトレーニングされたアスリートにおける、スプリントパフォーマンスに対する様々なトレーニングタイプの影響に関し、メタ分析を行った。最初に彼らはトレーニング方法を、特異(スプリントもしくはレジステッドスプリント)および非特異(プライオメトリックス、レジスタンストレーニング、そしてバリスティックトレーニング)に分類した。彼らは、特異および非特異な両方のトレーニング方法は効果的ではあると発見している。しかしながら彼らは、高度にトレーニングされたアスリートに対しては、レジスタンストレーニングのような非特異な方法は効果が低いということを記述している。彼らは、アスリートが既に筋力、パワー共に発達した基板を持ち、これは、追加のレジスタンストレーニングにより更に向上しなかったことに起因している可能性があると示唆している。高度にトレーニングされたアスリートは、相当量の最大スクワット(もしくは他のエクササイズ)強度を発達させることは不可能であるようであるという事実と併せ、これは、高度にトレーニングされたアスリートは、非特異な方法を使用する時間を減らし、より多くの時間を特異な方法に費やすべきであるということを示唆している可能性がある。 アスリートにおけるレジスタンストレーニングのスプリント速度への影響 研究選択基準 集団 – 趣味としてトレーニングを行う、もしくは高度にトレーニングされた成人アスリート 介入 – レジスタンストレーニング 比較 – ベースライン、ノーマルトレーニングコントロール、ノートレーニングコントロール 結果 – 100m以下の距離におけるスプリントパフォーマンス 結果 以下の研究が選択基準に適合していると確認された:フライ(1991年)、ホフマン(1991年)、ウィルソン(1993年)、ウィルソン(1996年)、マーフィ(1997年)、ハリス(2000年)、ブレイゼビッチ(2002年)、アスクリング(2003年)、ホフマン(2004年)、コチャマンディス(2005年)、ドッド(2007年)、レネスタッド(2008年)、ムジカ(2009年)、シェリー(2009年)、ヘルガード(2011年)、ヘルマシー(2011年)、レネスタッド(2011年)、ロッキー(2012年)、コンフォート(2012年)、サンダー(2013年)、ロツゥーコ(2013年)、クードラスキー(2014年)、ブリット(2014年)、トーマス(2014年)。これらの研究のほとんどは、レジスタンストレーニングは、アスリートにおけるスプリントパフォーマンスを向上するということを発見している。バックスクワットが使用されていなくとも向上が観察されたといういくつかの例(例:アスクリングおよびその他、2003年)は存在するが、含まれている研究の多くはバックスクワットを使用していた。 スプリント速度に対する、レジスタンストレーニングの際の負荷の影響 研究選択基準 集団 – 趣味としてトレーニングを行う、もしくは高度にトレーニングされた成人アスリート 介入 – 2つ以上の異なる負荷(つまりバー速度)におけるレジスタンストレーニング 比較 – ベースライン、ノーマルトレーニングコントロール、ノートレーニングコントロール、および異なる負荷におけるレジスタンストレーニング 結果 – 100m以下の距離におけるスプリントパフォーマンス 結果 以下の研究が選択基準に適合していると確認された:ハリス(2000年)、ブレイゼビッチ(2002年)。両方の研究は、低速および高速でのレジスタンストレーニングの間における差違を発見しなかった。これは、トレーニングされたアスリートにおいて、より低負荷およびより速いバー速度を使用することは、レジスタンストレーニングからのスプリントへの適応を最大化するために重要ではないかもしれないということを示唆している。 レジスタンストレーニングの際の、スプリント速度に対するエクササイズの影響 研究選択基準 集団 – 趣味としてトレーニングを行う、もしくは高度にトレーニングされた成人アスリート 介入 – 2つ以上の異なるエクササイズにおけるレジスタンストレーニング 比較 – ベースライン、ノーマルトレーニングコントロール、ノートレーニングコントロール、および異なる負荷におけるレジスタンストレーニング 結果 – 100m以下の距離におけるスプリントパフォーマンス 結果 以下の研究が選択基準に適合していると確認された:スピアーズ(2015年)。この研究は、両脚スクワットおよび後ろ足を挙上したスプリットスクワットトレーニングの間において、チームスポーツを行うアスリートにおけるスプリント能力の向上に差違はないということを確認している。これは、トレーニングされたアスリートにおいて、下半身の筋肉を発達させるために、ここで使用されたタイプのエクササイズは、レジスタンストレーニングからのスプリントへの適応を最大化するために重要ではないかもしれないということを示唆している。 スプリントに関する結論 様々なエクササイズを使用したレジスタンストレーニングは、アスリートにおけるスプリントパフォーマンスを向上させるために効果的なようである。低負荷およびより速いバー速度を使用することは、高負荷および遅いバー速度の使用に比べ、よりよい結果を生み出すわけではないようである。現在のところ、エクササイズ選択の影響は明確ではない。 高度にトレーニングされたアスリートは、レジスタンストレーニングのような非特異な方法からはより少ない恩恵しか受けない可能性があるが、趣味としてトレーニングを行うアスリートは、特異および非特異両方の方法から同様に恩恵を受ける可能性がある。
ジャンプスクワットをトレーニングするために最適な負荷とは? パート2/2
何が起こったのか?(続き) 内部(関節)出力 研究者たちは、股関節におけるパワーに対する有意な二次傾向が存在しており、それは1RM の42%の最大値に至るまで増加し、その後減少しているということを発見している。研究者たちはまた、膝関節、足関節におけるパワーは一次傾向に従い、負荷の増加に伴い有意に減少していたということを発見している。 様々な関節の出力は非常に異なるため、絶対値から成るグラフよりそれを見て取ることは非常に困難である。ゆえに私は値を各関節における1RMの0%の出力の割合として表した。これはデータを示す科学的な方法ではないが、傾向における差違をみるためにはこれ以上にわかりやすい方法は無いだろう。股関節のパワーは42%までは曲線状となっているが、膝関節および股関節のパワーは直線的に減少している。 このグラフは一見乱れているように見えるが、股関節のパワー(最も濃い色のグラフ)を切り離して考えると、膝関節および足関節のパワーは同様の反応を示し、負荷の増加と共に、ただ減少しているということがわかる。 研究者たちはどのような結論に達したのか? 研究者たちは、ジャンプスクワットの際の下半身の各関節における出力は、外部負荷に比例して変化するわけではないという結論に至った。研究者たちはまた、負荷の増加に伴い膝関節及び足関節における出力は減少するが、股関節における出力は1RMの42%の負荷に至るまで増加すると結論付けている。さらに研究者たちは、1RMの特定の割合の負荷を使用することは、使用する負荷により、股関節、もしくは膝・足関節のパワーの優先的な向上につながる可能性があるという結論に至った。これは下記のグラフにおいて見ることが可能である。 上のグラフは、股関節及び膝関節のパワーの相対的貢献が、使用する負荷により変化するということを示している。1RMの0%においては、膝関節のパワーは股関節のパワーに比べより一層顕著であり、1RMの42%では、両関節は同様の貢献をしているようである。さらに負荷が増加するにつれ、股関節のパワーは膝関節パワーに比べより急速に減少しており、膝関節の相対的貢献が再び増加している。ゆえにジャンプスクワットにおいて1RMの42%にてトレーニングを行うことは、股関節伸展のパワーを最大化するようであり、一方1RMの0%にてトレーニングを行うことは、膝関節のパワーの相対的貢献を強調するようであり、脚部の筋肉のこの側面をより効果的に強化するようである。 制限要素は何か? 上記のように、エクササイズにより最適なパワーは幅広く異なっているため、関節のパワーもまたエクササイズにより異なるようである。ゆえにこの研究はジャンプスクワットのみの分析であったということが制限であり、ヘックスバージャンプスクワットやオリンピックリフトのバリエーション、またはその他の爆発的なリフトでは異なる結果が得られたかもしれない。 実践的な意義は何か? 総合的な下半身のパワー向上に対して 最適な単一の負荷よりも、広範囲の負荷を用いてジャンプスクワットをトレーニングする方が、より優れているかもしれない。単一の負荷にてトレーニングすることにより、股関節のパワーは最大値に至るまでトレーニングされないようである。1RMの0%および1RMの40%というように、少なくとも2つの負荷が好ましいであろう。 アスリートの垂直跳びを向上させるために アスリートは、股関節主導もしくは膝関節主導どちらかのジャンプスタイルを持つ傾向にある。ゆえにアスリートが好むジャンプスタイルにおけるパワーを向上させることに役立つ、適切な種類のジャンプスクワットの負荷を割り当てることは、彼らの垂直跳びのパフォーマンスを向上させるために重要である可能性がある。 特定のスポーツに対するパワー向上のために ジャンプスクワットに対する負荷を選択する前に、そのスポーツにおいて必要とされるパワーを特定することが重要であるかもしれない。例えば、最大パラレルスクワットにおいては膝関節トルクよりも、比較的より高いレベルの股関節トルクが関係しているということを考慮に入れると、パワーリフターにとって、約40%のジャンプスクワットの負荷において股関節のパワーを鍛えることは、1RMの0%の負荷において膝関節のパワーを鍛えることよりもより有益であるかもしれない。しかしながら、ここにおいてもこれは各個人のスクワットのスタイルに依存するようである。
ジャンプスクワットをトレーニングするために最適な負荷とは? パート1/2
ジャンプスクワットは、あらゆる種目のアスリートに対し、爆発的なパワーを向上させるために付加される、ほとんどのストレングス&コンディショニングプログラムへにとって人気のあるエクササイズである。また、大抵の研究者やコーチたちは、ジャンプスクワットの出力に対する最適な負荷が存在し、それは通常バックスクワットの1RMの0%である(無負荷、つまり自重のみ)ということを知っている。しかしながら、全体的な総脚力は1RM の0%において最大であるかもしれないが、それが股関節、膝関節、足関節のパワーが同じ負荷においてすべて最大であるということを意味しているわけではない。この論説ではクリス・ベアスリー(@SandCResearch)が、まさにこの論点を調査している研究論文の再考察を行う。 研究論文:ジャンプスクワットの際の身体および下半身の動力学に対する負荷の影響、モワール、ゴリー、デービス、グアーズ、ウィトマー、スポーツ生体力学、2012年 背景 パワーはスポーツパフォーマンスの重要な決定要因であり、エクササイズ、レップ及びセット数、回復期間、また1RMに対し使用する負荷により変化する。 使用される負荷に関して研究者たちは、一般的にこれはエクササイズにより幅広く異なるということを発見している。従来のレジスタンスエクササイズに関してシーゲル(2002年)は、スクワットの1RMの50-70%の負荷における最大出力、およびベンチプレスの1RMの40-60%の負荷における最大出力を報告している。同様にコーミア(2007年)は、ジャンプスクワットに対する最適な負荷は1RMの0%、スクワットに対しては1RMの56%、またパワークリーンに対しては1RMの80%であったということを発見している。 パワーを測定する際、ほとんどの研究は外部負荷に対し働く力に焦点を当てており、それは身体とバーベルの変位特性を参照することにより測定される。しかしながら、個々の関節もまた独自の出力を備えており、バーベルエクササイズに対する様々な関節トルクの相対的貢献が、負荷の増加に伴い変化するのと同じように、これらは外部負荷に正比例して変化するわけではない可能性がある。 研究者たちは何を行ったのか? 研究者たちは、ジャンプスクワットの際、股関節、膝関節、及び足関節における出力が、外部負荷の変化により同様に影響を受けるかどうかを調査したいと考えた。そこで彼らは、前年の間に定期的にレジスタンストレーニングプログラムに参加しており、また、フットボール、サッカー、野球を含むスポーツに携わっていた、レジスタンストレーニングを行う12名の男性を集めた。 研究者たちは、2つのテストセッションにおいて被験者からの様々な測定値を記録した。最初のセッションにおいて被験者は、1RMのパラレルバックスクワットを行った。次のセッションにおいて被験者は、彼らのバックスクワットの1RMの0%、12%、27%、42%、56%、71%、85%に相当する負荷のジャンプスクワットを、セット間に2-3分のレストを入れながら行った。 テストの際、研究者たちはフォースプレートを2台使用し床反力を測定した。彼らはまた、様々な主要な解剖学的指標に付けられた16の逆反射マーカーの動きを観察するようデザインされている、3次元(3D)動作分析システムを使用し、バーベルと関節の動きを測定した。 何が起こったのか? 強度テスト 研究者たちは、被験者のバックスクワットの平均1RMは181.8 ± 40.4kgであったと報告した。彼らはこれを平均体重と比較し、それが体重の1.81 ± 0.32倍であるということを発見している。ゆえに被験者たちは、決してストレングスアスリートというわけではなかったが、比較的よくトレーニングされていると見なされた。 ジャンプの高さ 研究者たちは、下記のグラフで示されているように、平均のジャンプの高さは負荷の増加に伴い有意に減少したということを報告している。これは予期されていたことであり、以前の研究結果と一致している。 外部出力 研究者たちは、下記のグラフで示されているように、平均の外部出力は負荷の増加に伴い有意に減少したということを報告している。これもまた、予期されていたことであり、以前の研究結果と一致している。 内部(関節)トルク 研究者たちは、股関節、膝関節、足関節におけるモーメントは、負荷の増加に伴い全て有意に増加したということを発見している。彼らは、股関節、膝関節、足関節のトルクの増加における有意な差違は記述していない。下記のグラフで示される通り、全ての関節トルクは同様に増加しているようである。 この結果はブライアントン(2012年)およびロレンツェッティ(2012年)による近年の調査と対比するものであった。両者はスクワットの負荷の増加に伴い、股関節および足関節のトルクは膝関節トルクに比べ、より急速に増加するということを発見している。
的確に構成されたウォームアップはパフォーマンスにどれだけの違いを生み出すのか?
多くのコーチやアスリートは、スポーツ前のウォームアップの内容に対しあまりこだわりを持っていない。しかし最近のいくつかの研究では、いくつかのスポーツにおいて、的確な内容のウォームアップはパフォーマンスに対し大きな影響を及ぼし得ると示している。この研究はボブ・スケルトンのスピードに及ぼす影響を論証している。 研究論文: エリートボブ・スケルトン選手のためのウォームアッププロトコールのデザイン、クック、ホルドクロフ、ドローア、キルダフ、スポーツ生理学&パフォーマンス、2012年 *** 研究者たちは何を行ったのか? 研究者たちは、様々な異なるウォームアップの内容をコントロールされたウォームアップ、すなわち現在アスリートによって行われている標準的なウォームアップと比較し、その後実施されるスケルトンのパフォーマンスに及ぼす影響を評価しようと考えた。彼らは、イギリスオリンピックチームへの選抜に参加した6名(男性3名、女性3名)のスケルトン選手を集め、下記のようなウォームアップを実行した。 テストの35分前に終了する、20分間のアスリート自身のウォームアップを標準化したバージョン。これは、復路をウォーキングとした往路20mのジョギングとスキップを3セット、20mの最大下速度でのスプリントを3セット、20mのスプリントフォームドリルを3セット、20mのレッグスイング、クイックランファストフィート、ハイニーを2セット、10mの最高速度でのスプリントを3セット、30秒の混合体操(プレスアップ、デッドバグ、プランク)、2分のダイナミックストレッチから構成されていた。 より多くのスプリントドリルとスプリント、そしてより短いインターバルにより、ボリュームと強度が増したコントロールウォームアップのバリエーション。 2番目のバリエーションと同じだが、テストの35分前ではなく15分前に終了。 2番目のバリエーションと同じだが、それぞれ10分の2つのセグメントに分けられ、1つ目はテストの40分前に終了し、2つ目は15分前に終了。 4番目のバリエーションと同じだが、受動的に熱を保持するため、保温用の衣服を2つのウォームアップ間とテストまでの間に使用。 *** 何が起こったのか? 研究者たちは、3番目のウォームアップのバリエーションが最も速く、次に5番目、4番目と続くことを発見した。5番目のバリエーションはアスリートに最も人気があり、6名のアスリートに渡り全体で3.5%の向上がみられた。 *** 研究者たちはどのような結論に達したのか? 研究者たちは強度、継続時間、体温の全てがより良いウォームアップを生み出すことに有益であるという結論に達した。彼らは、2番目とほぼ同じだが、テストの35分前ではなく15分前に完了するという3番目のウォームアップバリエーションが最良だと結論付けた。しかしながら、5番目のウォームアップバリエーションは同じようなパフォーマンスの向上につながり、さらにこれはアスリートの間で最も人気があった。 *** 実践的な意義は何か? アスリートとコーチに対して スポーツのコーチは、特に寒い環境においては、的確な構成のウォームアップがエリートアスリートのパフォーマンスに非常に大きな違いを生み出すということに気づくべきである。 パフォーマンスイベント間際に終了し、より強度の高いウォームアップはよい良いパフォーマンスにつながる。 それに加え、寒い環境での熱の保持はパフォーマンスに明らかな差異を生み出すため、保温衣類の使用は有益である。 ***