私の最も嫌いな5つのコーチングキュー パート1/2

通常は、私は自身の記事をポジティブなものにしておきたいのです。しかし、この場合では、どのキューを使わないかという例は実にためになり得ると私は思います。 結局のところ、コーチングとキューイングは良いものをさらに良くするためのものなのです。 考えてみてください:あなたは他のすべてのことを正しく行いました。このアスリートを評価して、彼が必要なことを正確に判断しました。 そこから、あなたは完璧なプログラムを書きました。それは彼らがよりよく動き、良い調子にするためのオーダーメイドなものです。 しかし、彼らに最適な方法で運動を行わせることでこれら全てをしっかりと安定させることをしなければ、そう、あなたはただ、エクササイズから得たいすべてのものを得ることはできないでしょう。 リストに飛び込んでいく前に、いくつかの簡単な注意点があります。 情報の全面開示... #1:私は過去にこれらのキューを使ったことがあります。 そうです、私は最初に自分の罪を認めます。実際に、長年にわたって私が書いた多くの記事のなかにこれらをおそらく見つけることができるでしょう。 しかし、私は人間の身体についてより多くのことを学んだことで、理由があってこれらのキューから離れていったのです。 もし、あなたが自身のアスリートをより効率的な方法で動けるようにしたいのであれば、私のコーチングキューのトップ5を読んでください。 #2:これは純粋なパワーリフティング/ストレングストレーニングについての記事ではありません。 もし、あなたの目標が馬鹿馬鹿しいほどの高重量を持ち上げることであれば、下記のキューはおそらくあなたのコーチングとトレーニングにおいて一般的なものであると私は理解しています。 前にも述べたように、私も過去にこれらを使ったことがあります。ジムで馬鹿げた重量を持ち上げられるようにするものは、動作の観点からはあなたの身体にとって最良のものではないかもしれず、そして今後どこかで影響が起こり得る/起こる可能性が高いことを知り、そして理解していてください。 #3:この記事は「普通の人たち」とアスリートに対して書かれています。 私はこのところ、2つのタイプの人たちをトレーニングしています:強くなりたい(楽しみのために)一般的なクライアントやアスリートと、ハイレベルのアスリートです。 ただ単純に強くなりたい私のクライアントに対しては、私は前出の記事で説明した通りに彼らにコーチイング・キューイングをします。 もちろん、私は彼らに強くなって欲しいのですが、健康を維持し、この先何年も高いレベルでウェイトトレーニングを行っても欲しいのです。ここでは私は他の何よりも長期的な計画により焦点を当てています。 私のアスリート達に対しては、筋力は道具箱の中の一つの道具なのです。そうです、筋力はパワーやスピードの向上に持ち越せると理解していますが、ストレングストレーニングの不適切な実施は、アスリートの衰えを早期に引き起こしてしまうとも思っています。 何はともあれ、あなたは非効果的で最適下の動作パターンを実施して(そして負荷をかけて)いるのです。 #4:悪いキューなどないのです! 最後になりましたが、これは本当に重要だと私は思います。 私の意見としては、「悪い」キューなどないのです! スクワットについての以前の記事で、私は、特定の時と場合において膝がまず前方に動くようにキューイングすることについて述べました。 もし、誰かが型にはまっていて、唯一の選択肢が深くしゃがみ込むようにすることであったならば、膝を最初に動かすというキューイングによって、潜在的な問題を修正し、動作パターンを再構築し始めます。 しかし、もしスクワット中に膝だけを曲げるアスリートがいたならば、それは絶対的に恐ろしいキューとなるのです。 キューイングにおいて、以下の全てが重要です: アスリート キュー そしてキューのタイミング 実際に、下記のキューは全て特定の時や場合に正しく用いることができるでしょう。しかし、大抵の場合、それらがより適切で効率的な動作パターンよりも機能不全を作り出してしまっているように私は感じます。 そこで、それを前提にした、私の最も嫌いな5つのキューがこちらです。 最も嫌いなキュー#1:アーチを強く/胸を張って(スクワット/デッドリフトにおいて) この記事で誰かを怒らせることになることはわかっていますので、最初にやってしまいましょうか? 長年、私達は骨盤の前傾(APT)や腰椎前弯(LL)をコントロールすることについて話してきました。(この先、私はこれら2つを単にAPT/LLと呼ぼうと思います)。 APT/LLは腰椎や椎間板、そして股関節の前側により大きな圧力をかけます。 さらに、それは私たちの臀筋やハムストリング、そして腹筋を、姿勢のコントロールと力発揮の両方に不利な姿勢へと追いやります。 それならば何故、私たちが高重量のエクササイズにのぞむ時に、即座にこの最適下な姿勢にしてしまうようなキューを使うのでしょうか? スクワットやデッドリフトをしている時、私達は間違いなく胸を張って、脊柱全体をニュートラルなアライメントにしたいのです。 「しかし、誰かに過度にアーチを作ることや「胸を大きく膨らませる」ことをさせるコーチングやキューイングは、彼らをパフォーマンスに対して不利な姿勢にしてしまうだけでなく、彼らのモビリティをも奪ってしまいます」 アーチを強く作ったり、胸を張ったりする代わりに、バーを担いでいるときに身体を長く、または背を高く維持することを考えてみてください。 さらに、立ち上がる時に効果のある別のキューは胸で「リードする」です。このキューは立ち上がる時に過度にアーチを作るためではなく、胸が自然と立つように股関節と膝関節の両方を同時に伸展するためです。 最も嫌いなキュー#2:深く後ろへすわるように(スクワットの時) スクワットのコーチングをするときに、私達はアスリートに彼らのポステリアチェーン(身体後面の筋群)を使い、負荷をかけるやり方を学んで欲しいのです。 そのため、あなたが自身のポステリアチェーンに負荷をかけるときは、うーんと深く座るようにすることは理にかなっています、そうですよね? そうではないのです。 何よりもまず、「深く座るようにする」ことは「強くアーチする/胸を張る」と合わせて使われることが度々です。そのため、あなたはポステリアチェーンを伸長させ(APT/LLによって)、そしてそこに負荷をかけようとしているのです。 残念ですが、そのようにはいかないのです。 私の友人であるMike Roncaratiの素晴らしいツイートを紹介します: 「スクワット中に脛骨が垂直であることは、頭と体幹の前方への動きが多くの人にとって最初の動作になるということです。または支持面が非常に広いということです。」 ツイートが暗示するように、深く座ろうとする時、それはそのエクササイズに関する全てを変えてしまいます。 頭が前方にくると、体幹/股関節の屈曲が大きくなり、そうです、動作を通して脛骨を垂直に保つことが容易なのです。 しかし、ここに問題があります: 「アスリートや一般の人に対しては、私は股関節と膝関節に同時に負荷をかけたいのです。」 私は、彼らに大腿四頭筋の使い方を学んで欲しいのです。 そして、率直にいうと、私は彼らのスクワットがスクワットらしく見えて欲しいのです。 もし、スクワットをする時に、ある人が「全て膝で行う」傾向がある時、その時は間違いなく、運動パターンをスムーズにするために最初に深く座るようにキューするでしょう。 それ以外では、あなたのクライアントとアスリートには股関節と膝関節の両方に同時に負荷をかけるように教えましょう。これによって、彼らの本来のモビリティを発揮させるだけでなく、股関節と膝関節周りのすべての筋群に効果的に負荷をかけることもできるのです。

マイク・ロバートソン 3453字

17年のコーチング生活の中で学んだ17の教訓:最大の進歩とそこから学んだこと パート1/2

過去17年以上、私は格闘技選手、チアリーダー、主婦、経営者、ローラースケートの女子選手、アルティメイトフリスビーの選手など、皆さんが思いつく限りのあらゆる人のトレーニング指導をしてきました。何がうまくいくかを見てきました。そして、何がうまくいかないかも見てきました。今日は、トレーニングの側面、及びビジネスの側面から、私が17年間のキャリアの中で学んできた最も大きな17の教訓を共有したいと思います。あなたが選手であろうと、指導者であろうと、この記事から、あなた自身の人生に取り入れ、活用することができる価値のあるものが見つかると確信しています。 1. 全て関連している 身体について学べば学ぶほど、全てが関蓮していることをより理解できるようになりました。オーバートレーニングをしてしまうと、慢性的な炎症が、脳に、膨大な量のストレスを受けていることを伝えます。脳は、それを受けて、あなたのトレーニングに対するモチベーションを低下させます。慢性的な炎症は、心拍変動を抑制し、脳卒中や心臓血管系の疾患リスクを高め、老化を促進します。十分に詳細を見てみると、全て関連しているのです。 新しい情報を学ぶときは、すでに知っていることとの関連性を探してみてください。私がここ数年の間に遂げた進化のほとんどは、フィットネスの勉強からではなく、フィットネス以外の分野で学んだことを私がトレーニングについて知っていることに応用したことによるものです。 2. 強度と結果の関係は直線的ではない 強度の高いトレーニングをすれば必ず向上するわけではありません。持続性があり、長続きする結果を得るには時間がかかります。誰でも数週間は自分を追い込んで、コンディショニングの向上を見ることができます。しかし、この状態を何ヶ月も維持できるでしょうか?何年も?もちろん、そんなことはできません。 ポジティブな適応を得るために必要な最低限の量以上の努力をする必要はありません。重要なのは、オーバートレーニングとアンダートレーニングの間の最適なスポットを見つけることであり、それには慎重なモニタリングと管理が必要です。 3. 大切なのは人間関係 フィットネス業界は、誰を知っているか、そして、その知っている人たちとどう接しているかで成り立っています。クライアントに投資することに集中すれば、紹介者も増え、やりがいのある仕事の雰囲気を味わえます。同僚とのつながりは、それがなければ閉ざされていた扉が開くのを見つけることにもつながります。 学生時代、私はワシントン大学のストレングス&コンディショニングコーチのアシスタントをしていました。彼がシアトル・シーホークスで働くために引っ越した時、私は彼についていきました。人間関係を築きましょう-そこから何につながるかわかりません。 4. 1つのサイズがみんなに合うことは決してない それが、WODでもP90Xでもズンバのクラスでもどうでもいいと思います。あなたの身体は、与えられたトレーニングの刺激に他の誰かと同じように反応し、適応することはありません。 あなたのトレーニング歴、怪我や病歴、遺伝、学んできた動きのパターン、睡眠、回復など、あらゆるものが、あらゆる形式の運動を行うあなたの能力に影響を与えます。だからこそ、これらの要素を考慮してください。 意図的かつ専門的に設計されたという推測の下で、考えもなしに、型が決められたプログラムやグループクラスに闇雲に従ってはいけません。各トレーニングセッションを個別化することで、自分自身(またはクライアントやアスリート)を守ってください。日常的なストレスと連動して、トレーニングに対して身体がどう反応するかをモニターし、そして適応しましょう。 5. 一貫性は強度よりもはるかに重要である 一般的なガイドラインとして、「少ない方が豊か」です。多すぎるエネルギーを消費することよりも、多すぎるカロリーをカットすることよりも、強度を下げて一貫性を高める方が良いでしょう。最初のうちは間違いなく進歩は遅くなりますが、より安定した持続的な結果が得られるでしょう。 逆説的に聞こえはしますが、持続的なトレーニングと長期的な計画の重要性を誰かに信じてもらうことは、彼らを全力でワークアウトを行うように奮い立たせるよりも難しいことなのです。 6. たいていは、複雑なものよりシンプルなものが優れている 驚異的な体型になるために、10個の異なる方法を使う必要はありません。また、何かで大きな成果を出したいのであれば、一度にすべてを改善しようとするべきではありません。目標を絞り込み、その目標を達成するための方法を、少数の厳選した方法とエクササイズに絞り込みましょう。そうすれば、より大きな進歩が見られることを約束します。 適応していくにつれ、より複雑なエクササイズを導入することができますが、すでに改善が見られるのであれば、トレーニングを複雑にする必要はありません。これは強度について私が指摘しているポイントにつながります:何かが難しいからといって、それがより効果的であることを意味するわけではありません。Appleは、機能を縮小することに重点を置き、顧客が本当に欲しくて使いそうな機能だけを搭載することで、今のような巨大企業になりました。KISSの原則(シンプルに保つこと)は、人生のほとんどのことに当てはまり、トレーニングも例外ではありません。 7. すべてを理解することはできない これは当たり前のことのように思えますが、適切に解釈することが重要です。身体について、および身体がトレーニングに対して起こす反応については、私たちが知らないことが非常に多くあります。10年前には事実として受け入れられていたことが、今では無根拠であると証明されているかもしれません。身体を完全には理解できないという恐れのために、継続的な学習と成長を止めてはいけません。 同様に、十分な知識がないことを恐れて、学んだことを応用することを避けてはいけません。皆、どこかから始めなければならないのです。 私がこの業界に入ったとき、私はワシントン大学でアメフトの巨大な選手たちを相手に仕事をしていました。それ以来、格闘技選手、チアリーダー、主婦、経営者、ローラースケートの女子選手、アルティメイトフリスビーの選手など、皆さんが思いつく限りの人のトレーニングを指導してきました。 その過程では、知識の大きなギャップを埋めなければならないこともありました。しかし、私は自分が知っていると思っていたことを応用し、私よりも多くのことを知っている人に相談し、今でも自分のアプローチを変え続けています。それと同じことをすることを恐れないでください。 8. 適切な人達に囲まれる環境に身を置く スタッフであれ、クライアントであれ、同僚であれ、誰と一緒に時間を過ごすかは重要です。あなたの目標がパフォーマンスコーチになることであれば、仕事のほとんどの時間を専業主婦のトレーニング指導に費やしてはいけません。施設に来る人に合わせて、ビジョンを妥協しようとしたくなることがあります。その誘惑に負けないようにしましょう。あなたが一緒に働く人々に対して時間や労力を投資しなければ、成長や学びは停止してしまいます。 適切なフィットネス専門家に囲まれる環境に身を置くことも同様に重要です。あなたが知っていると思っていることに挑んでくれる人を見つけましょう。意見が合わない人との会話も大切です。そこから学びが生まれます。 余談;意見が合わない議題について話し合うことが重要なのには、別の理由もあります。それは、人の溢れる業界の中であなたを差別化することに役立つかもしれません。私は、オンラインのMMAフォーラムでもめたことで、8WeeksOutの最初の支持者を獲得しました。私はトレーニングに関する私の考えを共有し、最初はそれで非難されましたが、その議論は30万人以上の人々に読まれました。自分自身を外の環境にさらしてみて、何が起こるかを見てみることが必要です。 9. チームを築く 一貫して結果を出す唯一の方法は、チームでの努力です。パフォーマンスに関しては、アスリート、アスリートと一緒に仕事をしているコーチ、そしてマニュアルセラピストやアスレチックトレーニングスタッフの間に強いコミュニケーションがあることが絶対に必要です。アスリートの弱点は何か、どうすれば改善できるのかについて、全員が同じ考え方を共有していれば、あなたの努力がさらに活きます。 このシナリオでは、コーチはアスリートのスキルをトレーニングし、セラピストはアスリートが制限なく効率的に動けることを確かめ、アスリートはパフォーマンスに集中します。全ての関係者が同じ目標を達成するために協力し、両者の間で常にコミュニケーションが取れていれば、成功は必然です。 もしあなたが平均的なクライアントと仕事をしているのであれば、優秀な栄養コーチやマニュアルセラピストなどと提携し、彼らと密接に仕事をするようにしましょう。あなたの周りに一流のチームを作り、一緒に仕事をしたり、紹介したりすることで、常により良い結果が得られ、人々が施設に通ってくれるようになります。

ジョール・ジェイミソン 3888字

痛みに対するエクササイズ投与はフィットネスのためのエクササイズ投与と同じではない パート2/2

耐性 痛みに対するエクササイズは、症状を変化させるためのエクササイズ/運動のコンセプトからわかるように、短期間で痛みを軽減するものとして常に見られるべきではないかもしれません。代わりに、痛みの自己効力感の増加や痛みのある中で身体を動き続けるという、我慢できる痛みの量で動いていることは同じくらい重要なシナリオです。 耐性は、実際には患者ごとに定義されるべきであることを覚えていてください。エクササイズは患者の痛みを減少させることに加え増加させる可能性もあり、そしてエクササイズによって患者の症状を再発させたことのある、医療現場にいる全ての人はこのことを理解しています!最適な負荷設定のコンセプトはまさに組織/生理的な適応に関することですが、おそらく私達はこの適切な負荷設定のコンセプトを、痛みへの適応、痛みの増加、現在の症状レベル内での維持、そしてさらに痛みの減少へと応用する必要もあるのかもしれません。 私達は、痛みを伴ったエクササイズすることで悪い結果にはならないことを理解しています(こちら)。私は以前にこれについてここで述べました。 患者の現状 耐性のコンセプトにおいて、処方量に関連して患者の現状について考慮しなければなりません。耐性のコンセプトを筋力やROMなどを変化させるというモデルの中で一致させることは私にとっては難しいことであり、それはこれが私たちの患者のエクササイズに対する耐性に影響するかもしれないことを考慮していないからです。 患者の痛みに対する耐性に影響を与えるかもしれないものは: 現在/以前のエクササイズレベル ストレスレベル 睡眠習慣 刺激に対する痛みの感度の増加に関連したあらゆるもの 私の好きな医療的推論手段の一つはMaitlandによるSIN分析です。性質(痛みの種類)についてはあまり掘り下げることなく、重症度(現在どれだけ痛むか)と過敏性(与えられた刺激に対してどれだけ長く痛むか)は、実に現代の感受性のコンセプトに相当するのです。「感受性」における重要な要因の一つが不均衡な刺激と反応(痛みのレベルや持続時間または重症度と過敏性)です。これは、刺激やエクササイズの処方量を現在の感受性のレベルに合わせて引き下げることで、医療的推論に情報を与えてくれます。 自覚的運動強度(RPE) 私が処方量を判断する数値の一つがボルグスケールを用いた労作レベルです。これは伝統的な固定観念からのセットや回数を用いるものよりもかなり主観的ですが、痛みはかなり主観的な体験なのです! もっとも難しいことの一つが、私たちの患者の反応についての知識が限定されている、または全くない場合に、私たちのエクササイズの処方量を最初は我慢できる限界以内に収め続けること、または処方量を滴定することです。私はRPEよりも痛みの視覚的アナログスケール(VAS)を使う傾向にあります(そうです、それがひどい測定値であることは理解しています)。もしVASが高ければ、私は労作レベルが低くなるようにします。私は、これによって反応を耐性限界以内に抑えられるように感じますが、もちろん毎回ではありません。 私はこれを10のルールと呼び、両方の数字を足すと…そうです、10になるのです!例を挙げると、もし痛みがVASで7であれば、RPEを3に維持します…もし痛みが低ければ、たとえばVASで3であれば、RPEを7まで上げるかもしれません。 しかし、もし患者のストレスや不安が大きいまたは、睡眠不足であるとあなたが感じたら、処方量を我慢できる反応以内にとどめておきたいのであれば、これらのどれをも処方量の思考プロセスの計算に入れなければならないかもしれません。 処方量に対する反応をチェックする 最も重要なことは、処方に対する反応をチェックすることです。注意深くなり、そしてVASが高いため、RPEを低く保ったとしましょう、そして患者はそれが簡単に我慢できると感じれば、もう少し強度を上げて負荷をかけられることがわかるでしょう。もし、労作や負荷を抑えているにもかかわらず逆の反応がでたならば、より低く下げなければならないかもしれません。 グレーでもOKとしましょう 私達は、実際に処方量を実施して反応をチェックするまで、どれくらいの処方量にするべきかは本当にはわからないでしょう。そのため、何が起こるかわからないことはOKで、頭を使い、そして時々間違うことをOKとしましょう。パニックにならないで、ただ処方量を調節して、これが普通だと慣れること、それは間違いなく精密な科学ではなく、多くの場合で試行錯誤なのです。 人々はいつも何らかの指示を欲しがるでしょう この問題の一つになり得るのが、人々は実施する量を知りたがったり、何らかの指示を欲しがったりするということです。このような指示は1日に10回3セット(正直に言いましょう、あなたはこれを言ったことがあるでしょう!)に大抵落ち着きますが、より具体的になるのが実になかなか難しいので、私はなぜこれが処方されるか理解できます。これが、なぜ多少ともちゃんとした理由づけを伴った試行錯誤であり、そして患者が再発とは何か/どのような意味があるかを理解するのを手助けすることが重要な理由です。 結論 現在、痛みに対するエクササイズの処方量がない 痛みは現在の処方のパラメーターに対して一定に反応しない 身体的な要素以外にも他に治療的な目標がある エクササイズのデータはリハビリにおける現在の処方量の考え方を支持しない 処方量のレベルに関連して患者の現在の状態を考慮する 医療的推論を用いる グレーでもOKとする

ベン・コーマック 2417字

縦隔の構造 パート2/2

胸部の真ん中、胸骨と心臓をつないでいる空間である縦隔空間の構造は複雑で理解するのが難しい部分の一つではないでしょうか?解剖学教授であるDr.キャシー・ドゥーリーがネッターのアトラスに記載された断面図を使って、詳細に構造を解説するビデオのパート2をご覧ください。

キャシー・ドゥリー 5:06

痛みに対するエクササイズ投与はフィットネスのためのエクササイズ投与と同じではない パート1/2

リハビリにおけるエクササイズの処方量は、いまだに医療現場における最大の不確かな領域の一つです。ある一方で、患者に対して負荷と処方量を高くすることを推進する近代的な考えがあり、もう一方で、痛みの増加やセラピストに対する患者の信頼の低下といった不都合なシナリオを最小限にするために発展してきたであろう負荷と処方量の低い伝統的なモデルがあります。 現在は、リハビリの一部となり得ると私たちが理解している身体特性に焦点を当てた、リハビリのための基礎的な処方量のガイドラインがあります。しかし、もし大部分のリハビリの主要な目的を、痛みということにして、私たち自身の現状の知識ベースに対して正直になった時、患者の痛みに対して信頼できる結果を得るために用いることができるセットやレップ数、またはその他の処方量のパラメーターを、私達は実際には持ち合わせてはいないのです。 リハビリのエクササイズに対する現在の研究基盤に目を向けた時、痛みに対する平均的な効果に関する信頼区間がゼロを跨いでいる、つまり効果が大きい、小さい、さらには有害である可能性がまだ全て残っていることを度々目にします。 大まかな身体的な処方量のパラメーター 持久力 12+、2〜3セット 筋肥大 6〜12、3〜6セット 筋力 6以下、2〜6セット パワー 1〜2レップ、3〜5セット 残念なことに、これらのどれもが痛みと密接に関連してはおらず、そしてそれはかなり理にかなってはいるのですが、混乱も招きます。私達は痛みが多次元的なものであることを理解しているので、一つの要因を信頼して痛みに深く関連づけることはあまり理にかなっていませんが、問題は一つの要因(エクササイズ)が痛みに関連した複数の次元にも効果があるかもしれず、これは少し紛らわしいことなのです:)。もしかしたら、ここでの重要な点は信頼できるという言葉かもしれませんね? そこで、もし私たちがリハビリでこれらの身体的側面を向上させたいのであれば、取り組む必要のあるパラメーターがあります。ここでの疑問は、私たちがエクササイズについて理解していることをリハビリエクササイズと痛みに単純に移行できるか?ということです。 私は個人的にはそう思いません。 したがって、身体的なパラメーターが重要ではないとは言わないようにしましょう。しかし、エクササイズやエクササイズの処方量の伝統的な見解から痛みに対する予測可能な効果を期待することも賢明または正しいことではないかもしれないことを認識もしましょう。 エクササイズのプログラム作成に関してよく議論される原則が、SAIDの原則、Specific Adaptation to Imposed Demand(課された要求に対する特異的な適応)、であり、これは身体は常に与えられた刺激に対して適応するということです。さて、これは常に当てはまる原則ですが、身体がどのように適応するかということは依然として個人差があり、そして予想することはしばしば簡単なことではないのです。 しかし、問題は、私たちの現在の処方量についての知識を用いて具体的な目的とすることができると期待することこと、例えば、6回かそれ以下の回数の範囲及びそれを反映した負荷による筋力とでもしましょう:は痛みという別の治療的な目標と予測可能で明確な関係性を持つことを私たちが望むということです。 したがって、目標とする身体的な成果と関連した処方のパラメーター、そして痛みの成果の間に繋がりがないため、このケースについて実際に具体的になっていることは全くないのです。 身体的な適応だけよりも、現代のリハビリの見解は、患者に対して良い影響を与えるものにエクササイズが影響するかもしれないことについて考え始めたかもしれません。これらのことから特定の効果を得るために、私達は現在のリハビリの処方量が自動的にそれらを改善させると示唆するよりも、これらの成果を達成するために特異的にプログラムを組むことを考えなければならないかもしれません。 治療的エクササイズの目標: 痛み(大きな交絡要因) 特定の機能(身体的能力は一部であるがこの全てではない) 恐れの忌避&心理的な数値(成果と予後について非常に重要であると示されている) 自信&モチベーション 運動/リラクゼーションの自由 運動の戦略 継続 エクササイズについての研究 急性的な痛覚の消失(即効の鎮痛作用)について調査したこのO‘Neillによる最近の研究をみると、この研究で用いられた定められた処方量は、個々の反応を見たところ、特に患者の痛みの基準値がすでに高い場合に、痛みの増加さえも含んだ痛みに対する様々な反応を引き起こすことがみてとれました。 この別の文献は、痛みに対する異なるエクササイズの種類の影響を調べ、そして興味深い最近のこの研究は、エクササイズに対する痛みの反応を用いてメカニズムと個人的な性質について検証しています。 痛みが主要な結果の数値の一部であった、エクササイズを比較したいくつかの研究を見てみましょう。異なる処方量のパラメーターによる異なるプログラムが同様の成果を示したことがわかります。また、私達が痛みに対するエクササイズの平均的な効果についてみているのであれば、これは異なる処方量に対する低応答者と高応答者を隠してしまうかもしれないことに気づかなければなりません。 この研究は、ローテーターカフの腱障害に対する低負荷と高負荷のエクササイズプログラムを比較しました。 この研究は、腰痛に対する高負荷(デッドリフト)と低負荷(運動制御エクササイズ)を比較しました。このグループによる研究の結論は、高負荷の方が痛みの少ない人に対してより適切であったということでした。 この研究は、アキレス腱障害に対する異なる負荷のプログラムについて検証しました。

ベン・コーマック 2503字

心臓表層の解剖学 パート1/2

心臓という重要な臓器の解剖学、2つの心房と2つの心室の詳細な解剖学と血液の流入&流出経路、そして心臓のドクドク音について、医学部の学生たちを対象に指導しているDr.キャシー・ドゥーリーの解剖学リビューパート1。

キャシー・ドゥリー 7:23

心臓表層の解剖学 パート2/2

私自身苦手意識の高い心臓の解剖学と循環、伝導のシステムについて、Dr.キャシー・ドゥーリーが立板に水を流すようにスムーズに解説するビデオの翻訳作業は、個人的にかなり良い勉強の機会となりました。繰り返して見ると良いと思いますよ!

キャシー・ドゥリー 6:22

縦隔の構造 パート1/2

胸部の真ん中、胸骨と心臓をつないでいる空間である縦隔空間の構造は複雑で理解するのが難しい部分の一つではないでしょうか?解剖学教授であるDr.キャシー・ドゥーリーがネッターのアトラスに記載された断面図を使って、詳細に構造を解説するビデオのパート1をご覧ください。

キャシー・ドゥリー 5:27

スタビリティトレーニングとは何か? パート2/2

運動パターンと動作面 あなたが「ファンクショナルトレーニング」と言うと多くの人が呆れた表情をしますが、これは実際の方法が、悲しいことに巧妙なマーケティングによって乗っ取られてしまったものなのです。脊椎の専門家であるDr. Stuart McGillは、これを最もうまくまとめています、「ファンクショナルトレーニングは身体の部位の連結を通して筋力を向上させるという目的を含有している」。(1) これは非常に聞こえが良いですが、Dr. McGillが言う「連結」とは何を指しているのでしょうか?筋膜ラインという言葉を聞いたことがあるならば、これは、私たちが筋力を発揮できるように、異なる筋の動員をコーディネートして安定性を獲得できるような特定の連鎖があるということを、私たちがより良く理解できるようにするための非常に良い方法であると私は思っています。 もし筋膜ラインについて良く知らないのであれば、私たちはどのようにこれらのコンセプトを有意義にし、そしてこれらのコンセプトについての「要約本」を提供できるでしょうか?私はこれらの考えを次のようにまとめたいと思います: 1. 手/足:私たちの骨の半分は手と足にあり、これは非常に意義深いことです。私たちの周りの環境との接触は通常は手と足からであり、そのため、これらをコーチングすることは、身体の中でこれらの重要な連結を作ることに大きな影響を及ぼします。 有名な理学療法士のGray Cookが最もうまく述べています: 「もし足がいい加減で、グリップがちゃんとしていないと、その人は正しい筋を活性しないだけでなく、適切な感覚情報を得てもいません。もう一度言わせてください。もし、足と脳の間に何らかのモビリティやスタビリティの代償があったならば、それは、水はどこにあるのかと不思議に思いながら2本の庭用ホースの間に立っているようなものです。情報の経路は二方向で崩壊しているのです…上方向と下方向で。」(2) これを私たちのトレーニングにどのように応用できるでしょうか?私がアルティメットサンドバッグを開発した時は、ツールを作った後に目的を作りだそうとするのではなく、具体的に動きを改善させるためのツールを作り出そうとしていたのです。シンプルなコンセプトは私たちのトレーニングをより良いものにし、クライアントにより良い動き方を即座に示してくれるのです!単にシステムにストレスをかけるだけでなく、教えるためのツールとして、そしてフィードバックを与えるために負荷を用いることができるのであれば非常に素晴らしいことです。 例:プレスアウトスクワット、アークプレス、バードドッグドラッグ

ジョシュ・ヘンキン 2938字

スタビリティトレーニングとは何か? パート1/2

指導することは私が情熱を注ぐもの;それは私の生まれ持ったものであり、私の家系のほとんど皆が何かの指導者でもあります。10年以上にわたって継続教育のプログラムを指導することができているという素晴らしく幸運を得て、専門家が問題に対する解決策を見つける手助けすることを愛しています。私は、何が問題であるかということをどうやって知るのか?コーチとして25年、自身のジムを持って10年、そして様々な人たちをトレーニングしてきたことで、ストレングスコーチ、フィットネスの専門家、または臨床医としての私たちの本当の仕事は、問題に対する解決策になることであると教えてくれました。 様々な異なる問題に対する解決策を考えているかもしれませんが、幅広いゴールに対して重要であるコンセプトが鍵となる傾向にあります。人々を助けるという私たちのゴールを達成するためには、「見返りが最も大きい」ことを考えます。スタビリティトレーニングはそれに関して提供できるものです。この記事ではスタビリティトレーニングの方法について説明していきます。なぜなら、スタビリティトレーニングは非常に誤解されており、そして多くの場合、ある状況においてより良い安定性を獲得することを基本にしていると私たちが考えるエクササイズを実施するようにさせますが、それらは多くの場合において目的を見落としているからです。 スタビリティトレーニングとは何か? スタビリティトレーニングについて議論している長い論述を用意することもできましたが、私は、いくつかの重要なコンセプト、それらがプログラム作成にどのように影響を与えるか、そしてエクササイズの選択に焦点を当てたいのです。安定性とは、独立した関節または全身に関連して捉えるものとなりえます。この投稿においては、私たちはより全身の安定性について言及していきます。 「スタビリティトレーニング」という言葉を言うとき、私たちの多くはグラグラしたり、大きく揺り動かされたりするエクササイズを思い浮かべます。悲しいことに、それはスタビリティトレーニングではありません。安定性に対して取り組むためには、私たちが達成しようとしていることに対してより深い理解が必要です。 インターネットを開いてスタビリティトレーニングを調べたり、もしくはほとんどの教科書にも、幅広い定義を見つけることでしょう。おそらく最適で最もシンプルなものは「意図しない動きに抵抗しながら意図する動きを可能にする」と考えられるでしょう。これは非常にシンプルなように思えますが、この業界のベストコーチ数名から発せられてきた定義です。これが、あなたの好みに対して漠然としすぎていると思うのであれば(素晴らしいコンセプトを伝える際に簡潔さを見落とさないようにしましょう)、私はパフォーマンス専門家、Dr. Brandon Marcelloが言ったことを非常に好んでいます;「安定性とは、筋のタイミングと順序的な活性のことである」。(1) うーん、Dr. Marcelloはこのような声明文の中で何について言及しているのでしょうか?運動制御とは、おそらく多くの専門家が最も馴染みのないコンセプトでしょう。私たちが怪我の原因についての多くの研究を見たとき、共通のテーマは、筋肉が適切なタイミングで働いていないことです。これは一つの筋を強くするだけで動作の全ての問題を解決すると私たちが考えている事実に、真っ向から反しています。私たちが腹横筋(TVA)のトレーニングに全ての焦点をおいていたことを振り返ることは非常によい例です。 TVAに関するすべての研究の結果は、TVAを独立して強化しなければならないということであると多くの人達が考えていた一方で、彼らは研究者らが主張していたポイントを無視していたのです。Selkowらによる2017年の研究では、「腰痛を持つ人と持たない人において4週間のコアの安定性のプログラムを行うことでTrAの活性とタイミングが変化する」(2)と結論づけました。筋力ではなく、タイミングというキーワードが理解できますか? フィットネスとストレングストレーニングプログラムを作成するほとんどの人達にとって、これは実際に何を意味するのでしょう?安定性を発達させることに費やす私たちのエネルギーは、基礎的な運動パターンとそれらをどのように漸進させるかに集中させるべきです。Dr. Marcellの声明文は、三つの重要なコンセプトを中心にスタビリティトレーニングを定義することで複雑なものを理解しやすくします: フィードフォワード(より反応的) 静的 動的 これらの三つのコンセプトとともに一つ注意点もあります:これらが多面的であるべきだということ。多くの人々は安定性のドリルを作り出す際に、これらの概念、特により多面的であるということに気づいていません。これら全てについて詳細に説明したいのですが、私は、パターンを作り上げてからそれをより多面的にする方法に特別な重点をおきつつ、これらのコンセプトのいくつかに息吹を吹き込みたいと思います。 私がダイナミックバリアブルレジスタンストレーニング(DVRT)システムを作り上げた時、動作をトレーニングすることにいかに取り組むかということ、特定のエクササイズや筋に集中しすぎないことを考えていました。そうするためには、私たちが同意し共通の言語を持てるコンセプトを提供しなければなりません。私たちのトレーニングに息吹を吹き込むことができるように、より良く理解する必要のある三つの考えがあります。 手/足 広背筋/体幹/臀筋群 動作面の漸進 参照 The Why’s, What’s, How’s and When’s of Stability Training, “Power & Resiliency Summit”, October 19, 2019, Results Fitness, Newhall, CA.
 Selkow, Noelle M et al. “Transversus abdominis Activation And Timing Improves Following Core Stability Training: A Randomized Trial. “International Journal of Sports Physical Therapy. Volume 12, 7 (2017): 1048-1056.

ジョシュ・ヘンキン 2351字

野球用ウエイトボールが投球速度、そして受傷率を上げる本当の理由 パート2/2

私の過去の研究と同様、多くの人々はわたしたちの発見を読み、その結果に不満を持ちました。恐らくその結果は、彼らの先入観や過去の信条を批判しているのかもしれませんね?あるいは、彼らはただ科学を知りたくないだけかもしれません。 とても多くの人々がわたしたちの方法を批判しようとしてきました。 覚えておいてください、わたしたちには何の偏見もありません。わたしたちは、これらのウエイトボールを用いたプログラムを研究しようとしている科学的な人間です。わたしたちがそれらを利用して利益を挙げることはありません(あなたがけがをするまでは!)。わたしたちはただ科学を知りたいだけで、データが示すことに関して本当に何の嗜好みもありません。私はあなたと同じくらい結果に驚いているのです。 わたしたちの研究についてよく耳にすることを取り上げたいと思います: 2oz(57g)のラン・アンド・ガン投球を入れていた。残念なことに、これは現実世界で起きていることなのです。子供たちがこれを行っているのです。これはちょっとクレイジーだと思う人がいることを嬉しく思うのは、私もちょっとそう思うからですが、わたしたちの研究のゴールは現実世界にあるプログラムの領域を評価することなのです。でも、このことを覚えておいてください…2oz(57g)のラン・アンド・ガン投球をたった3回です。たいしたことではありません。81球のうちの3球、あるいは実験中の4%です。研究の残り96%を見捨てないようにしましょう。 選手たちはウエイトボールを用いたプログラムに準備できていなかった。これは本当ではありません。わたしたちの研究内のすべての選手たちは、これらの研究の前に、野球に特化したトレーニングプログラムや数週間の投球強化プログラムを実施し、適切に準備ができていました。 選手たちはウエイトボールを用いたプログラムに慣れていない。これは何人かの被験者には当てはまるかもしれませんが、すべての被験者ではありません。しかし繰り返しますが、わたしたちは現実世界を模したかったのです。初めてあなたがあるプログラムを始めるとき、どこかの時点でウエイトボールを用いたトレーニングを始めるはずです。 私はこれらのどの因子も非常に関連性があるとは信じていませんし、わたしたちの発見の臨床的価値を限定することは絶対にありません。 なぜ肩関節外旋が増加するのか? このセクションをとても明確に始めましょう:よくわかりません。 しかし、わたしたちは科学的根拠に基づく、非常にもっともらしい教養のある推測をいくつか持っています。 正直、私はウエイトボールによって外旋可動域が増加したのを見て、個人的に非常に驚きました。しかし、これを知っている今、それは完全に納得がいきます。 それでは、なぜでしょうか? ウエイトボール投球後に外旋可動域が増加するのには、二つの理由があるようです: 神経筋系への急性の変化 筋骨格系への慢性的な累積ダメージ ウエイトボールは神経筋系に急性の変化をもたらす 外旋可動域の急激な増加には驚かされました。これが一般的に関節包または筋肉の断裂のような肩の重大なけがを象徴しているとは思いません(それについては下で詳しく述べます…)。 起こっていることとしてもっとも可能性が高いのは、過伸張から守るために伸張を感知し筋肉を発火させるようにデザインされたゴルジ腱器官(またはGTOs)という固有受容器の感度を低下させているということです。 これらのGTOsは、わたしたちの関節がその可動域の終末に近づいているのを感知し、反対側の筋肉を発動させてあなた自身を守るために動きを減速させます。 このメカニズムの感度を低下させることは、モビリティの向上へつながるでしょう。しかし、その代償は? これはわたしたちの身体の中の防御装置です。それなしでは、わたしたちの投球側の肩や肘はもっとストレスを受けやすくなります。 理学療法やトレーニングの世界では、実際に時折これをうまく利用します。プライオメトリック・エクササイズ、ダイナミックストレッチ、そしてPNFのコントラクト・リラックスのようなテクニックは、すべてこの前提の上で働くものです。 あなたがハムストリングをストレッチしその直後にゆるんだように感じるとき、ハムストリングが数秒間のストレッチによって長くなったからではありません。それは構造的に意味を成しませんよね。それは、あなたがハムストリングの伸張反射の感度を低下させたからなのです。 これは通常たいしたことではないのですが、そうやって生理機能の極限の壁を越え、そして投球するとき、そのことはより大きな影響を与えます。投球はすでにとんでもなく大きなストレスをあなたの腕に与えているのですから。 ウエイトボールは筋骨格系に慢性的な累積ダメージをもたらす 幸運なことに、外旋可動域の変化を目にしている主な理由は、先ほどお話しした固有受容器の急性な感度の低下によるものだと思います。 しかしながら、特に、もしこれを利用した投球が外旋可動域を増加させたのであるなら、いくらかの慢性的なダメージも考慮しないというのは短絡的でしょう。 投球中、腕は外旋から内旋へと急速に移行し、ボールを加速し始めます。これが肩の静的及び動的安定筋群にとてつもなく大きなストレスをかけるのです。 統計学的には、これによって肩の前方関節包を損傷する可能性があります。これは嫌ですよね。 力学的には、レイバックや腕の加速への移行を伸張性収縮によって減速させなければならない筋肉に損傷を与えます。これらの筋肉には、広背筋、大円筋、胸筋群、そして肩甲下筋が含まれます。 今野球で広背筋損傷がいかによく見られるかに気づいたことがありますか?これは10-20年前にはほとんど見られませんでした。 急性の変化はまた、慢性的な積み重ねの変化にもつながっているようです。 それではこれらすべては何を意味しているのか? さて、あなたは今肩関節外旋について、恐らくそれまで知りたかったであろうことよりももっと多くのことを知っています。どうしてこれが重要なのか、説明しましょう。 非常にシンプルですが、わたしたちは外旋可動域がより大きくなれば、投球速度もより速くなることを知っています。また、これが肩や肘へのストレスを増加させることも知っています。 これが非常に難しいことのように聞こえる部分なのですが、実際はあたりまえのことなのです。物理学です。より大きなレイバックは腕がより強い投球をすることを可能にし、それが腕により大きなストレスを与えるのです。 図はウィキペディアより引用 当たり前、ですよね?なるほど、そうですよね? なぜウエイトボールが投球速度を上げるのかについて提示された理論のほとんどは、真実ではなさそうです。レイバックの増加が主な要因なのです、間違いはありません。 ウエイトボールを用いたプログラムは、腕のスピードを向上しない、腕の筋力を向上させない(事実わたしたちはそれらが筋力の発展を妨げることを示しました)、そしてその他の提示されてきたことのどれもしません。わたしたちは今正式にこのすべてを研究し、私たちの調査によってこう結論付けました。 ウエイトボールはレイバックを増加させ、それが投球速度を上げ、そのどちらもがストレスを増加させ、そのすべてが受傷率を上げるのです。 どうです、これで完全に納得がいくでしょう? そもそもわたしたちにはウエイトボールを用いたトレーニングプログラムが必要なのか? はいはい、わかりました、まだウエイトボールを使いたいんですね。それらはインターネットでは魔法のようにみえますよね。 私はそれにまったく問題ありません。私自身も、一緒に働く多くの選手たちにそれらを使います。しかしながら、すべての選手にというわけではありません。 より多くのことがわかっていくにつれて、わたしたちは、ふさわしい人に適切なタイミングで提供される投球速度発展プログラムにおいて、ウエイトボールは非常に小さな存在であることに気が付くと思います。 わたしたちが国中のユースや高校、そして大学のチームで実施されているのを目にしているように、大人数のグループでそれらをやみくもに行うべきではないのです。 これはばかげたことです。 人生のその他すべてのことと同じように、量が大事なのです。「ありがた迷惑」というフレーズを聞いたことがありませんか? わたしたちは本当にウエイトボールを使いすぎているのです。 しかし、私はこの記事を疑問で終わらせようと思います…そもそもウエイトボールを用いたトレーニングプログラムは必要なのでしょうか? 私は、ウエイトボールを用いたトレーニングを、筋力トレーニング、パワー発展、腕のケア、そして適切なバイオメカニクスのような、けがを起こすことなく速度を向上させることが証明されてきた多くの方法で置き換えることを話しているのではありません。私は、これらのよくできたウエイトボールを用いたトレーニングプログラムを、オフシーズンの間ずっと行う必要があるのかということを話しているのです。 この現在の研究に基づくと、もしレイバックの可動域が非常に素早く非常に大きく増加するのなら、そしてより大きなレイバックがより速い速度を意味するのであれば、恐らくわたしたちが必要なのは、ウエイトボールでの短くてシンプルなウォームアップだけなのかもしれません。 これが固有受容器の感度を低下させるちょっとした刺激を与え、何週間ものウエイトボールトレーニングプログラムを身体に課す必要なく、レイバックを少しだけ大きく、そして投球速度を少しだけ速くしてくれるでしょう。 私には、これが身体にはるかに安全であるように聞こえます。 また、これは現在進行中であるわたしたちの次の研究のようにも聞こえます。乞うご期待…:)

マイク・ライノルド 4246字

野球用ウエイトボールが投球速度、そして受傷率を上げる本当の理由 パート1/2

ウエイトボールを用いたトレーニングプログラムは、投球速度を向上させようとしている野球選手に、とても人気の方法となりました。 残念なことに、ウエイトボールを用いたトレーニングの流行は、わたしたちがその背景にある科学を理解するよりも速く広まってしまいました。 ここ数年間にわたり、Champion PT and Performanceのレニー・マクリナ氏と私は、American Sports Medicine Institute(米国スポーツ医学機関)のグレン・フレイシグ博士とジェームス・アンドリュース医師とチームを組んで、ウエイトボールの安全性と有効性についてもっと理解しようとしてきました。 一連の調査プロジェクトを通して、この数年の間に多くのことがわかりました。しかし、野球におけるウエイトボール使用の安全性、メカニズム、そして有効性に関しては、いまだに多くの疑問があります。 野球用ウエイトボールの投球は腕にかかるストレスを変えることがわかった フレイシグ博士は、高校生および大学生投手のグループにおいて、野球用ウエイトボールの投球のバイオメカニクス的影響について調べました。 著者らは、平らな地面でウエイトボールをラン・アンド・ガン投法(:助走をつけて投げる方法)で投げるとき、肘関節の内反トルク(トミー・ジョン靱帯へのストレス)がマウンドでの投球に比べ有意に増加することを指摘しました。 オコロハ氏は、平らな地面で投げるユースの野球投手グループにおいて、同じような肘関節内反トルクの増加を示しました。彼らは、ボールの重さの増加に伴い、ストレスが統計学的に有意に増加することを立証しました。 ウエイトボールを用いたプログラムを行う野球投手の受傷率はより高いことがわかった わたしたちの研究は、ウエイトボールを用いた投球プログラム中及びその後の受傷率を調査した、初めての研究です。 わたしたちは、6週間のウエイトボールを用いたプログラムを行った高校生野球投手において、投球速度が3.3%向上したことを示しましたが、一方で24%の受傷率をも示しました。ウエイトボールを用いたトレーニングを行わず、通常のウエイトトレーニングにのみ焦点を当てたコントロール群では、けがはありませんでした。 さらに、確かに投球速度の向上を示しましたが、それはすべての投手に見られたわけではなく、コントロール群の67%もまた基本的な投球とウエイトトレーニングだけで投球速度の向上を示しました。 重要なことですが、わたしたちはオフシーズンにウエイトボールを用いたプログラムを実施した後、シーズンを通して選手たちを追跡しました。プログラム実施後のシーズン中に、わたしたちはウエイトボールを用いたプログラムを実際に行っている間よりもはるかに多くのけがを目にしています。 なぜ投球速度の上昇とより高い受傷率の両方を目にするのかわかったとも思っている さらに重要なことに、私は、ウエイトボールによる投球速度の上昇と、ストレスや受傷率の上昇の両方のメカニズムについて、多くのことがわかったと本当に信じています。 わたしたちは肩関節外旋(またはレイバック)可動域の有意な増加を観察し、驚きました。 プログラムの投手らは、6週間のプログラムの後、肩関節外旋の4.3度という有意な増加を示しました。コントロール群はこの変化を示しませんでした。そしてわたしたちは、複数の過去の研究から、野球の投手においてレイバックの大きさはストレス及び投球速度の両方の上昇と相関があることを知っています。 ウエイト野球ボールのトレーニングプログラムは、投球速度の向上において効果的かもしれないが、それらは肩関節の動き、肘へのストレス、そして受傷率も上げる 6週間のウエイトボールを用いたプログラムを実施後、肩関節外旋が増加したことを発見したのち、最初にわたしたちの頭に浮かんだことは、これがすぐに現れるものなのか、あるいは何週間もトレーニングしないと観察できないものなのかを見るために、ウエイトボールを投げた後の即時の変化を研究しなくてはならないということでした。 それがわたしたちの最近の研究につながります。 ウエイト野球ボールの肩関節可動域における即時の影響 Sports Healthに掲載されたわたしたちの最近の研究では、ウエイトボールを投げた直後に肩の関節可動域に何が起こるのかを調べました。 これを研究するために、わたしたちは平均年齢17歳の高校生野球投手16人のグループを調べました。わたしたちはウエイト野球ボールを用いたトレーニングセッションの前後に、彼らの肩関節可動域を計測し、その日一日にどのような変化が起こるのかを評価しました。 よく見られるトレーニングプログラムでは、様々な重さの野球ボールが用いられているため、わたしたちは使われるボールの重さの間に違いはあるのかも気になりました。そこでわたしたちは、研究を3つの異なるテストセッションに分けました。 投手らは連続しない3日間にわたり私たちの施設を訪れ、3つの異なるトレーニングセッションを行いました: 2oz(57g)、4oz(113g)、5oz(142g)の軽めのボール 5oz(142g)、6oz(170g)、9oz(255g)の重めのボール 5oz(142g)、16oz(454g)、32oz(907g)の非常に重いボール 各投手は、それぞれのボールを3つの異なるポジションで3回投球しました: ニーリング投球(膝をついての投球) ロッカー投球(脚を前後に開き、重心を前後に移動させて投げる方法) ラン・アンド・ガン投球 つまり、全体では、各テストセッションに3つの異なる重さのボールを3つの異なるポジションで3回ずつ、合計27球を投球したわけです。これは一セッションとしては多くはありません。実際には、人々はそれよりもずっと多く投げてい流ことが多いのです。 各投球セッションの直後に、わたしたちは彼らの肩関節可動域を再び計測しました。このわずかな時間や投球の後に、関節可動域に多くの変化を見つけるとは予測していませんでした。 軽いボールを投球後に選手らを調べた時、これは正しいことが証明されました。関節可動域には何の変化もなかったのです。これはその他の発見のための良い基準になります。別のセッションで変えた唯一の可変値はボールの重さだけだったので、わたしたちが見つけるすべての変化は、ウエイトボール自体に起因している可能性があります。 ボールの重さが増加し始めるにつれて、わたしたちの発見も増えました。6oz(170g)と9oz(255g)の重めのボールでは、肩関節の外旋可動域、またはレイバックにおける変化が見え始めました。ボールの重さが増加するに伴い、投球による肩関節外旋可動域も大きくなりました。重めのボールでは外旋は3度以上大きくなりましたが、16oz(454g)と32oz(907g)の非常に重いボールでは8度以上の驚異的な増加が見られました。 この研究の発見がいかに重要なことか、強調しきれません。レニー氏と私は、関節可動域を計測しながら文字通りお互いを見つめ、そしてショックを受けました。 どの調査研究においても頭においておくべき一つのことは、これらの数値はグループの平均であるということです。あなたが研究の中で数字を一人当たりで分析すると、その結果はさらに価値のあるものになります。現実的にいえば、投球の強度は結果を変えてしまうでしょう。もし一人のある投手が高い強度で投球しなければ、それがデータを台無しにすることもあり得ます。これはウエイトボールを投げることに慣れていない人々に起こりうることですが。 6oz(170g)と9oz(255g)の重めのボールのセッションでは、何人かの選手らの関節可動域はあまり変化しませんでしたが、この増加傾向は見られました。増加した投手においては、平均では8度以上でしたが、5度、10度、さらには15度以上も外旋可動域が増加した選手がたくさんいました。 外旋可動域の平均3.3度の変化は統計学的に有意ではありましたが、この研究が示唆するよりももっと臨床的にこれは意味があるのかもしれません。それよりもっと増加した選手はたくさんいましたが、私は個人的にはこの3.3度の変化を基準値だと考えています。 16oz(454g)と32oz(907g)を投げる非常に重いセッションを調査すると、結果はさらにより明らかになります。被験者の大半は増加し、それも大きく増加しました: ここでもまた、平均8.8度は統計学的に有意ではあるのですが、臨床的な意味はさらに高く、ほとんどの選手が外旋可動域を10-20度増加しました。 この発見は警戒すべきものであり、投球速度の向上のためにウエイトボールを用いたり、あるいは用いることを勧めるのであれば、全ての人たちが理解すべきことです。 ウエイト野球ボールを投げることは、あなたの外旋可動域を瞬時にかなり大きく増加させます。ボールが重くなればなるほど、関節可動域はより大きく増加します。

マイク・ライノルド 3886字