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HRVでさらにストレングスをハックする パート2/2

強くなるための黄金律 マイクのケーススタディは、健康でいながら長期に渡るストレングスをつけるために最も重要な原則の一つの完璧な例です:常に量よりも質に注目すること。 ストレングスを向上しようとする人々は、常にもっとやることがもっと良いと考える罠に落ちてしまうことが多くありすぎます。より多くの回数、より多くのセット、より多くのウエイト、より多くのトレーニングセッション。 彼らはより多く、というのが成功へのカギだと信じていて、それが常に答えではないことに気が付くまでしばしば何かしらの怪我、あるいは複数の怪我をしてしまいます。事実、それが答えであることは滅多にありません。 あなたの具体的なストレングスのゴールが何であれ、それを達成する最良のアプローチは、常にトレーニングの量よりもトレーニングの質に重きを置く考え方から始まります。長期的な筋力の発達を臨む鍵は、身体が実際にこなせる時にのみ最大強度でトレーニングをすることです。 HRVの変化を見ることで、いつがその時かがわかるでしょう。 ストレングスのゴールを達成するための最良のアプローチは、トレーニングの量よりもトレーニングの質に重きを置くことから始まる。 ほぼ全ての人に対して、これは最大努力のトレーニングは週2回、あるいは最大でも週3回にとどめておくべきだということを意味しています。最終的に怪我をしてしまわずに、長期に渡ってそれ以上きついトレーニングをすることはできないのです。 HRVのパターンはこれを繰り返し示しています。あなたがどれだけ頑張って試してみても、身体の裏をかくことはできないのです。 身体は、より多くのきついトレーニング日数から回復することはできず、この原理が間違っていることを証明しようとしたほぼすべての人達は遅かれ早かれ代償を払ってきました。 上のマイクのHRV表示を見てわかる通り、彼の身体が抱えているストレスを指す明確な下降傾向があります。HRVの減少は、より高いレベルの交感神経活動の結果であり、上昇は一般的により高い副交感神経機能の反映です。 マイクのケースでは、交感神経過負荷が彼の怪我の直前に起こり始めているのが見られるかもしれません。過剰なストレスがあるとき、身体は重要なストレス反応ホルモンの受容器を減らすことで反応し、筋肉は同じレベルの力を生み出すことができないということを覚えておいてください。 これが起こるとき、身体は力ポテンシャルの減少により、かなり高い怪我の危険にさらされているのです。 これを防ぐ最もシンプルな方法は、準備がよく整っている時、つまりHRVに反映されるように自律神経のバランスが良い時にのみ最大でのトレーニングを行うことです。これは、HRVが緑で比較的疲労が低いことを示している日に限定して1RMの90%以上、そして(あるいは)失敗するまでのリフティングをするべきだという意味です。 このたった一つの戦略に従うだけで、過剰なストレスの落とし穴を避け、不可避の交感神経過負荷を防ぐのに役立つでしょう。 それだけでなく、可能な最高レベルの刺激を提供し、強くなることによって身体を順応させることによって、より速く筋力をつけることにもなるでしょう。 同じように、もしトレーニング週間全体に渡りHRVが3~4ポイント以上低下しているようであれば、翌週のトレーニング量を最低でも10~15%減らし、最低でも休息日を1日追加するように計画しましょう。これは交感神経過負荷への進行を防ぎ、怪我ではなくストレングスへの道をたどっていることを確実にしてくれるでしょう。 まとめ 近年では、高強度トレーニングへの熱中が、皆をより多く、よりハードにトレーニングするように駆り立てるという不運な結果を招いています。要するに、量が質よりも優先されており、身体は多くのトレーニングを短い期間こなせるとしても、長い目で見れば、この方法はプラトーやしばしば怪我を引き起こすことに繋がるのです。 90%を上回る最大努力の日を、身体がそれをこなす準備ができていると自律神経機能が示す日のためにとっておくことは、非常にシンプルですが、あなたのストレングスをより高くし、怪我をせずに一貫した進歩を見るためのとても効果的な方法です。 ストレングスに関して、常に質は量に勝るのです。

ジョール・ジェイミソン 1837字

すべてのムーブメントスクリーニングが抱える限界 パート1/2

私は、これまでも動作のスクリーンを行ってきましたし、今でもどのような動きをするか調べるにために動作テストを使っています。もし、みなさんがファンクショナル・ムーブメント・スクリーン(FMS)を使っているならば、きっと患者の動きを評価するのに多少の限界を感じているでしょう。このような見落としが、ある人にとっては将来的に起こりうるケガに結びつくことがあります。これら“スクリーニング”の見落としは、すなわち“スクリーニング”にすらかけられていないのです。スクリーニングは、取りこぼしなくすべてをキャッチするべきですが(たとえば、もっと偽陽性があったり、偽陰性がほとんどなかったりするなど)、動作のスクリーニングテストは、実際、テストしている動き以上のものはスクリーニングできていないのではないかと私は懸念しています。 私は、動作の評価テストとスクリーニングに、重要な2つの懸念を感じています: とても簡単なテストをするだけの“スクリーニング”は、実際、私たちが調べたいと思っている動きの“欠陥”や“機能障害”を見落としているということはないでしょうか? “欠陥”を見つけ出そうとするスクリーニングで、単なる正常範囲の動きのバリエーションや選択肢のあら探しをしているだけではないでしょうか、そして、私たちはそれらを機能障害と早まって分類してはいないでしょうか? 圧倒的に最も広く使われ成果をあげているスクリーニングは、ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン (FMS)です。私はFMSと、その臨床的な親類のようなSFMAの開発と研究に注ぎ込まれた考え方と成果を尊敬しています。今回の投稿は、FMSや他の動作スクリーニング(たとえば、ニュージーランドにおけるMCSなど)を攻撃する目的ではありません。むしろ、私たちが使っているすべてのテストは、運動の機能障害を評価したり、ケガのリスクを予測したり、痛みを治療したりするには、限界があるということについてです。これらのスクリーニングの成果は多くの尊敬に値するもので、私もそのように思っています。 身体機能のスクリーニングの背景 “医学におけるスクリーニングは、ターゲットとなる集団に対して、兆候や症状がない個人におけるまだ気がついていない病気を特定するために行う手法です。前駆症状性疾患や無症候性疾患を持つ対象者も含まれます。スクリーニングは、とりわけ健康に見える人に行われるユニークなテストです。”(ウィキペディア) 身体機能スクリーニングの目的: 動き方を基にケガのリスクが高い人たちを特定する。 身体の部分的な動きの総和のみを示すのではなく、その人がどのように動くかの知見を提供する。 身体の特定部位の可動性と安定性の知見を提供する。 特定された部位の機能の“疑いを晴らす”。スクリーニングは“優先順位付け”として働き、次にどの部位の評価をするか優先度を判断するのに役立つ。 FMSの大きな長所は、そのシンプルさです。このことは同時に、その感度の低下につながります ケガの予測の限界 ケガを予測するための動作のスクリーニングの性能は、スクリーニングの考案者たちによる多くの研究と伴に何度も詳細にわたり分析されてきました。FMSに関する研究のレビューは、ここをクリックすると見られます。ケガの予測はあまりにも複雑で困難です。私たちがFMSや他のスクリーニング方法にそれを求めるのは不公平でしょう。それよりも、考案者たちが提案するように、補填的なテストのひとつであるべきでしょう。身体機能の簡単なスクリーニングを使用する代わりに、スクリーニングの範囲を広げ、すべての動きを構成するすべての部位まで掘り下げる必要があり、さらに人間全体(たとえば、認知、心理社会的側面など)に取り組む一連のテストが必要であるとさえ示唆したいと思います。そこで、もし動作のスクリーニングが一連のテストのひとつになったとしたら、それは本当にスクリーニングなのでしょうか? 私にとって、それは今や多少の情報を与えてくれる一連の良いテストのひとつになってしまいます。もし、スクリーニングの範囲を広げさらに詳細を調べるテストを含めたとしても、まだそのスクリーニングを必要としますか? 私にとって、スクリーニングで行うそれぞれのテストは、確かにそれ自体は価値のあるものになるでしょうが、機能という範囲で捉えるとその代用にはならないのです。 現行の身体機能のスクリーニングに伴う限界 スクリーニングの感度は高くあるべき もしかすると、スクリーニングテスト自体はそれほど重要ではないかもしれません。スクリーニングテストで何かが表面化される何かが重要なのです。私たちが調べていることは、フォームの修正や動きの異常です。私たちは、もっとよい動き方があり、特定の欠陥がケガのリスクを高めると仮定するのです。そこで、良いスクリーニングをすることで、ケガに結びつくと推測される“欠陥”をテストで表面化できるはずと考えるわけです。ここに、ほとんどのスクリーニングテストが見落としをしてしまうポイントがあります。それは、機能に限界があることを見落としています。たとえば: 限界#1:スクリーニングは、修正された機能のちょっとした側面を見落とすことがある 仮に、足関節の背屈制限は、ランナーにとってケガのリスク要因になるとしましょう。スクリーニングのプロトコルでその欠陥は明らかになるはずですね。この機能を見るために、たいていの一連のスクリーニングテストでは、何らかのスクワットテストを行います。FMSでは、オーバーヘッドスクワットを採用しています。もし選手がこのテストで、腕が前方へ傾いたり背中が顕著に丸くならずに深くスクワットできなければ、何かが悪いと推測します。なぜスクワットができないのかはFMSでは分かりません。それから、ブレイクダウンを行い、股関節屈曲に制限があるか、胸椎の伸展が不足しているか、運動制御の問題や背屈制限があるかどうか見ていかなくてはなりません。それから、追加的テストに進み、どれに相当するのか調べます。ここでの問題は、もし腰椎や胸椎の伸展が十分にあり、もし下半身に対する身体前面の体重の比率が大きければ(幼児を考えてみてください、彼らの大きな頭部がおしりとのバランスをとっています)、深くスクワットするのにそれほど大きな足首の背屈は必要ないのです。これが、私たちが見つけようとしている欠陥を見落としてしまうケースです。FMSのその他のテストでも同様です。足首の背屈についてもっと把握するには、Yバランススケールを追加しなくてはならないでしょう。それでも、動きの中で何かが正しくないことを教えてくれるという意味でこのテストは素晴らしいですが、スクリーニングの役目はもっと包括的であるべきです。 限界#2:類似したタスクにおいても動きの欠陥を見落とすことがある 私は、片脚スクワットテストが好きです。これは、股関節がどのように膝を制御しているかを把握する手がかりになると思います。さらに、股関節の強度、ランニング時の膝の制御、ジャンプ時の膝の制御の手がかりになればよいとも考えています。ただ問題なのは、たぶんそうにはならないということです。オーバーヘッドスクワットでもランジ、またはステップオーバーテストでも同じことが言えます。私のお気に入りのスクリーニングテストは、それほどスクリーニングには向いていません。なぜなら、私が見つけようとしている欠陥(スポーツ中の膝の動的外反など)について教えてくれないからです。私は、ランナーを三次元運動学的に分析できる道具を持っていますが、ランニング中に股関節内転が増加してしまうランナーの内、半分以上の場合、片脚スクワットでは正常な股関節の内転を示すと推測します。

グレッグ・リーマン 3248字

すべてのムーブメントスクリーニングが抱える限界 パート2/2

現行の身体機能のスクリーニングに伴う限界(続き) 限界#3:負荷やスピードの汎用性に乏しい FMSでいつも教えられている優れたことのひとつに、動作のテストはその部位ごとのテストの総和よりも得ることが多いということがあります。筋の徒手テストや関節角度計から簡単に予測できないこと、その人がどのように動きを選ぶか(運動制御)の手がかりを提供してくれるのです。最近私たちが直面しているのは、検査台の上で行うテストと動作のテストとの間で一貫性に欠けているということ。両者のテストは諸刃の剣かもしれません。つまり、クリニックで実施されるテスト(たとえば、スクワット、片脚スクワットなど)は、日常生活や、スポーツ、異なる負荷やスピードを要する状況下でその人がどのように動くかを、反映していないかもしれません。デビッド・フロストとシュワート・マックギルは、この論文でそのことを強調しています。 私にとって、テストのポイントは、欠陥を表面化することです。もし片脚スクワットテストやFMSの他のテストが、別の機能的タスクにおける欠陥を見落としてしまうとすれば、もはやそのテストはスクリーニングではありません。欠陥を見落としたのです。スクリーニングは当然、過剰な感度を持つものであるべきです。偽陰性よりもはるかに多くの偽陽性を出すべきです。クスリーニングテストは、その与えられたテストをその人がどのように行ったかについて示すだけで、別の場面での動きや異なる内容の動きについては何も知らせてくれないかもしれません。それでも、選手がそのテストで不合格となれば、価値のある情報を提供してくれたことになるでしょうが、それではスクリーニングではないのです。 限界#4:スクリーニングは、必ずしも関節機能のすべての側面を評価するとは限らない もし私の記憶が正確であれば、運動評価テストが使用されるようになったきっかけは、筋力や持久力といった単純なテストを避けるためでした。しかし、スクリーンニングテストの使用者の人たちが、スクリーニングテストで不合格になるのは、股関節や脊柱が弱化しているからだとか、“安定性”がないからだと示唆するのをよく耳にします。私自身もそのように考えたことがあります。不十分な片脚スクワットは、股関節が弱いんですよね? 違います。そして、骨盤が傾くのは、股関節の外転筋群が弱いからかもしれないと推測してしまいます。驚くことに、これらは関連していないのです。股関節の外転筋の麻痺に関する最近の論文(ここに同様の論文があります)で、股関節の運動学には何の変化もないことから、トレンデンベルグは適切なスクリーニングではないとしています。二番目の論文では、片脚スクワットを評価し、股関節の内転は股関節の筋力と何の関連性もないことを発見しています。動きの技術に関わらず、股関節の筋力自体ケガの予防になるかもしれないと考えるのであれば、私たちが行うスクリーニングテストでは見落としてしまうので、さらなるテストが必要になります。この研究の中での股関節の内転運動は、大臀筋の動員と関係付けられ、つまりその動きのパターンは運動制御の問題であると示唆しています(FMSで絶えず教えていること)。従って、テストはそれ自体には価値があるのですが、代用にはならないということです。 私たちは、動作のスクリーニングはパフォーマンステストや関節の強度、関節可動域のテストの代用にはならないことは分かりましたが、このような情報も重要ではありませんか? コアの持久力は、あなたの関わっている選手にとって大切ではないですか? ホッケー選手にとって、股関節の外転筋と内転筋の筋力のバランスは重要ではないですか? ランニングでの股関節の外転筋群には高度な筋力が欲しいと思いませんか? おそらく、イエスでしょう。動作のスクリーニングは、これらのことを把握する手がかりを提供してくれません。みなさんが行っているテストをスクリーニングというレベルで終わらせてしまえば、この情報を見落としてしまいます。 片脚スクワットテスト(またはランジ、オーバーヘッドスクワットなど)で不合格ということだけでも、価値のある情報になり得ます。私はこれらのテストを完全に廃止するつもりはありません。しかし、今となれば、これらはテストであってスクリーニングではないのです。動作の“スクリーニング”が、それ自体が単なるテストであると私は思いません。これらの動作評価は、独立したものです。これらのテストを特定して行うことには価値があるかもしれませんが、私には、そのテストがその他の機能や状況を調べるための代りにはなるとは言えません。よって、これは、スクリーニングとしては限界があり、単なる一つのテストにすぎないのです。 あまり批判的にならないように:スクリーニングはそれでも役に立つ ここで、限界についてばかり指摘しているのでは不公平です。私は、これらの動作のスクリーニングテストのすべてを部分的に利用しています。動作のスクリーニング(表面化された欠陥)の背景にある考えは、自分独自のスクリーニング(たとえば、すべてのエクササイズが評価の対象になる)を開発するのに役立ちます。動作のスクリーニングは、動きの欠陥を見落とすかもしれないということ、筋力/持久力についての基本的な情報を提供するということ、関節の可動性を調べるテストとしては必ずしも正確でないということを述べてきました。しかし、テストをすること自体が、何かを知らせてくれるのです。もし、負荷のない状態のテストで“不十分な動き”をしていたならば、負荷下やスピードを付けた動きでは、間違いなくうまく行うことができないであろうと多くの場合疑うでしょう。これらのテストは、もちろんその人がどのように動きを選択するかについての情報を提供してくれます。そのこと自体、エクササイズを処方する際に役に立つことがあるかもしれません。 身体機能スクリーニングの代替 テストはテストをすることを目的にするよりも、欠陥を見つけること目的にしてみます。総合的な能力を調べるテスト。私たちが把握する必要のあることは、もっと様々なスポーツやアクティビティ、異なる人口においてケガを予測できるような身体制限は何か、または、フォームの変化は何かということです。たとえば、脊柱が側方に傾いていると特定のスポーツではケガのリスク因子になると考えられているとしたら、私達の使命はそのリスク因子を表面化するようにすることです。そういった意味で、FMSはぴったりのスタートになるかもしれません。しかし、テストに“合格”したらそこで終わりにしないようにしてください。スクリーニングが何かを見落とす可能性があるということに同意しているならば、すべてのテストをしなくてはなりません。もし、スクリーニングテストが身体に負荷やスピードがかかる状況下で、身体機能にどのような変化が起こるかに反映しないということに同意しているならば、これらの状況下で彼らの持つ欠陥を表面化するようなテストに修正しなくてはなりません。もし、その選手がランナーであればランニングでスクリーニングをすべきです。自分が使いたいスクリーニングを作るkとができるのです。私たちの仕事は、欠陥を表面化することですから。 動作のテストすべてにある限界:どのような時に“欠陥”が“欠陥”となるのか。 私は、まるで当然のことのように “欠陥”という言葉を使っています。私たちは、特定の動きが、よりケガに関連すると推測します。残念ながら、研究はそれほど絶対的なものではありません。研究上と臨床上で、私たちが抱える最大の困難と挑戦は、いつ“欠陥”が本当にケガのリスクを増加させるような“欠陥”になるのかを見分けることです。欠陥としての動きの“欠如”のもう一つの考え方としては、それらを異なった動きの選択肢として捉えることです。そのような人を見たことがありますね。 “ひどいフォーム”で動いているにもかかわらず、パフォーマンスは良く、ケガをしない人たちを。彼らはどうやっているのでしょうか? そのような姿勢でも耐えられるように十分トレーニングされているのかもしれません。 重要ポイント 動作のスクリーニングは、感度に欠けることから恐らく最適なスクリーニングではないでしょう。動作のスクリーニングは、特定のテストを実施している時にその人がどのように動きを選択しているかを表面化するのに適しているものです。残念ながら、私たちは、これらの動きのパターンを他の場面でも通用するように一般化できません。ですから事実上、動作のスクリーニングに合格することは、私たちが表面化したいと思っている欠陥がテスト中には起こらなかったということを知らせるだけです。しかし、それが、日常の動きの中で起こる可能性はまだ残っています。 動作のスクリーニングは、身体機能の他の部位にまで役割を果たすことはありません。スクリーニングは、脊柱の“安定性”測定や体幹の持久力/筋力、身体パフォーマンス、関節運動学の基本的測とそれほど関連しているわけではありません。このような測定基準のすべてに、ケガ防止にとっての価値がありそうです。 恐らく、動作のスクリーニングは、本来、単なる動きの評価として見られるべきでしょう。もし、他の動作への汎用性に欠けていて、他の部位の機能の代替えとして役割を果たさないのであれば、独自のものとして見るべきです。それでも、これらのテスト中に、その人がどのように動くかを見るには価値があるでしょう(そうなると、これらはテストであってスクリーニングではなくなります)。 みなさんは、自分で動きの評価を創ることもできます:動きのスクリーニングの背景にある考え(“欠陥”を表面化すること)が、役に立ちます。もし、みなさんが欠陥/動きの機能異常がケガのリスクやケガの再発に関連すると考えるのならば、すべてのテスト、動き、エクササイズ、パフォーマンスが評価の対象になりえます。FMSを教えている専門家たちから学ぶことは、自分自身の評価を構築するのに役立つかもしれません。グレイ・クック著の『ムーブメント(Movement)』という本を購入してみてください。彼らの教育、描写、理論的根拠の説明においてとてもよくできた本です。彼らに反論することもできますが、それでも彼らの成したことに敬意を払うことは大切だと思います。

グレッグ・リーマン 4322字

ムーブメントトレーニングに欠けているリンク パート3/3

解決策 とても多くのトレーニングプログラムを悩ませている大きな問題について力説してきましたが、どのように修正するかについてお話ししましょう。 幸い、疲れている時にも他の時と同じ原則をトレーニングに適用するので、主に2つの基本原則をトレーニングプログラムに取り入れるだけです: 第一に、運動の質は、低レベルのムーブメントスクリーニング中や動的ウォームアップ中だけではなく、すべての状態において一貫して評価されなくてはなりません。これらのようなツールに価値があることは疑いがありませんが、低レベルでのアスリートの動き方は、彼らの最高スピードの中での動きや最も疲労が高まった時の動きとはほとんど関係がありません。 運動とメカニクスを3つのカテゴリーに分けるのは最も簡単です:低閾値、高閾値、そして疲労です。 低閾値の運動は、力生産を主に遅筋線維に依存する、低レベルで自重の、比較的ゆっくりとした運動で構成されます。 高閾値のメカニクスは、より高いレベルのスピードとパワーを生産させるために速筋繊維が働くことを強いることによって実行されることができます。 しばしば低閾値と高閾値の運動の質の間にはいくらかのキャリーオーバーがあるものの、脳は基本的に低スピードと高スピードの運動の問題には異なって取り組みます。 例えば、多くのアスリートはFMSで良いスコアを出せるのに、実際競技をプレーしている時は比較的よくない運動とメカニクスだったりもします。 これが、低レベルのムーブメントスクリーンは、ただそれだけのことである理由です:一般的なスクリーンは、全体の運動の問題を拾い上げるためのものなのです。これらの類のツールは、決してアスリートの運動についてあなたが知らなくてはならないすべてのことを伝えるようには作られていません。 3つ目のカテゴリーである疲労したメカニクスは、私がちょうど述べたことですが、繰り返せば、低閾値と高閾値運動の間には限られたキャリーオーバーしかありません。 事実、低閾値運動は、運動の連続体の両端にあるために、疲労閾値運動パターンへの移行はほとんどありません。 完全な運動とコンディショニングプログラムは、常にこれら3つのカテゴリーそれぞれにおける運動の質と力学的問題の評価から始まります。 アスリートが疲労している中でどのように効果的に運動を分析するかについての詳細を述べることは、一つの記事の中で取り上げられる域を超えています。 アスリートが疲労している時どのように動くかを評価することの他に、第2の原則は、全てのトレーニングの側面において具体的に運動の質に注目しなくてはならないということです。 これは、ウォームアップ中、最もスピードとパワー生産のレベルが高まるとき、そしてもちろん疲労した時に、運動の質が重視されるべきであるということを意味しています。 事実、あなたはコンディショニングプログラムをただエネルギーシステム、精神的強さ、あるいは他のそのようなことを発展させるための方法として考えるのをやめるべきであり、むしろトレーニングを通して、疲労した状態の中で基本的に運動を向上させる機会として考えるべきなのです。 実際に疲労まで追い詰めていないにもかかわらず、疲労した状態を模擬して適切な運動を発達させることは無理です。 Yet fatigue itself is simply a means to an end; it should never be the sole goal of a conditioning program. Making an athlete tired just for the sake of making them tired serves no purpose and often does far more harm than good. しかしながら疲労自体は単に終了の手段にすぎず;決してそれがコンディショニングプログラムの唯一のゴールであってはなりません。アスリートをただ疲れさせるだけのために疲労させることは何の意味もなく、大抵きわめて有害無益です。 疲労は、運動の向上の目的のためのツールとしてのみ用いられるべきです。 To achieve this, it’s absolutely vital to give the athlete the right feedback. これを達成するためには、アスリートに正しいフィードバックを与えることが絶対に不可欠です。 アスリートに、疲れ始めたらできるだけ速く行けとか頑張れと伝えるのではなく、その代わりに、正しい運動の手がかりを与えることを重視しなくてはなりません。 格闘技選手が疲れ始めたら、コーチは選手に“もっと強くパンチしろ”や“君の持っているすべてを出すんだ”と怒鳴るよりもむしろ、彼または彼女に対して手を高い位置に維持し続けろ、姿勢を維持するんだ、良いメカニクスを使え、などのキューを与えるべきです。 決して、スピードを維持させるためにいい加減なテクニックやメカニクスを使ってもいいという考えを選手に与えないでください。 要するに、アスリートが疲れているとき、強調すべきことは、ただアスリートを出来る限り頑張らせることではなく、いつも運動の質の手がかりを与えることであるべきなのです。 運動の他の領域全てにおいてもそうであるように、疲労状態の中でよい運動パターンを発達させるには、時間と正しいコーチングを要しますが、それによってアスリートのパフォーマンス方法に大きな違いを生み出すことができます。 試合や大会が進むにつれて、運動の質が崩れていったり低下していくのではなく、アスリートは最も疲労が高まった時でさえ、彼らのメカニクスの変化を最小限にしたり排除する能力を発達させることができるのです。 この能力は非常に大きな競争上の優位性を与えるだけでなく、健康で怪我なくあるための重要な要素でもあります。 まとめ コンディショニングは、トレーニング全てにおいてもっとも誤解されているトピックの一つであることに疑いはありませんが、パフォーマンスのために最も重要なものの一つでもあります。 近年、運動の質への注目が高まってきたのを受けて、プログラミングは全体的に向上してきましたが、運動の考え方は、どういうわけか完全にコンディショニングプログラムの外へと置いていかれてしまいました。 頑張ってトレーニングすることに集中し、やみくもな強度で、運動の質など関係なくコンディショニングをただ向上しようとすることは、今日のトレーニングプログラムを悩ませる一つの最大の問題であり、変わらなければならないものです。 あなたがコーチ、治療家、アスリート、あるいはただフィットネスや健康のためにトレーニングしているのだとしても、この変化はあなたから始めることができるのです…。

ジョール・ジェイミソン 2945字

ムーブメントトレーニングに欠けているリンク パート2/3

学習するコンピューター 計算を行い運動とパフォーマンスの問題を解決することができる、脳の信じられないスピード以外で、脳の最も素晴らしい特徴は、学習し適応する能力です。 それは運動とコンディショニングの間のギャップを埋める学習過程です。 これがどのように働くかの核心に迫るために、私たちは、そもそも脳がどのようにその運動パターンを学習し適応するかについて、もう少しお話しなくてはなりません。 例えば、格闘技になじみのない人が、どのようにパンチを繰り出すかを学んでいるのを考えましょう…。 最初、彼らは効果的なテクニックでパンチを繰り出す正しい動き方が、まったく分かりません。事実、彼らはコーチが適切なパンチの運動パターンを実演するまで、何が“良いテクニック”なのかまったく知りさえもしないのです。 この場合、脳が解決しなくてはならない問題は、パンチを繰り出すための適切な運動パターンを導く方法で、全身に渡る何百もの筋肉の発火をどのようにコーディネイトするかということです。 練習を積んでいない目には、ひとつのパンチは単純な動作のように見えるかもしれませんが、実際は、正確なタイミングとコーディネイトされた回旋運動に依存する、非常に複雑な運動パターンなのです。 この運動を学習し完成させるために、脳はフィードバックに依存します。 コーチはアスリートに技術的なフィードバックを与え、やっていることの何が正しく何が誤りなのかを脳が理解する手助けをします。アスリートは他の人たちがパンチを繰り出すのを見て、視覚的なフィードバックも受け、彼らがどのように動いているかを分析することができます。 時間をかけ、数えきれない回数を通して、アスリートのメカニクスは向上し、彼または彼女のパンチはもっと速く、より強く、より正確になります。 脳はどのように正しくパンチを繰り出すか、という問題を解決するために学習をしました;アスリートがもっとパンチを繰り出せば、より多くの運動パターンが脳にしみこむでしょう。 このパンチ動作は、いまや脳内のジェネラルモータープログラムと私たちが呼んでいるものの一部となったのです。 ジェネラルモータープログラムは、脳内の似たような運動のグループを整理する一手段で、そうすることによって、脳は各々のありうるバリエーション全てを個別に保管する必要がなくなります。 脳がどのように時速1マイルで歩くか、どのように時速2マイルで歩くか、どのように時速3マイルで歩くか、あるいは平らな地面ではなく丘をどのように歩いて上るか、などのすべての詳細を学習し保管しなくてはならなかったらと想像してみてください。 わずかに異なる速さでの歩行は、同一の一般的な順序で動く同じ基本的な筋肉群を含んでいるため、これは明らかに学んだ運動を保管する最も効率的な方法ではないでしょう。 場合によって異なる歩行速度を生み出すために、ただひとつの一般的なモータープログラム、基本的な歩行方法を保管し、そしてタイミングのような変数に対し小さな調整をするのは、より理にかなっています。 これらすべてが意味することは、脳は基本的な運動を学び、それらをジェネラルモータープログラムの形式で保管するということです。そして脳は、状況や解決しようとしている特定の運動問題に基づき、どのように適応しジェネラルモータープログラムを変化させるかを学習します。 例えば、急勾配の丘を歩いて登ったり、食料品の重い袋を運びながら歩くことは、平らな地面をジョギングするのとは明らかに異なります。 異なる環境での似たような運動でさえ、脳はそれぞれについて特定のモータープログラムのバリエーションを作らなくてはなりません。オリンピックで満員の人々のスタジアムの前で100m走を走ることは、地元の陸上トラックで何回かスプリントを走るのとは全く異なる状況であり、解決がずっと難しい問題です。 コンディションされた運動 今頃あなたは、この運動と学習についての議論のすべてがコンディショニングと何の関係があるのかと疑問に思っているかもしれません。短い答えは、それは全てがコンディショニングに関わっているということ。 現実は、コンディショニングは運動の延長にすぎず、特定の問題を解決しようとしている脳の試みの一つの例にしか過ぎないのです。 疲労は、脳がトレーニングを通して解決の仕方を学ぶ特定の種類の問題であり、一つの特定の状態でしかありません。 ジムでヘビーバッグに向かってパンチを繰り出すことは一つのことですが、激しい5ラウンド勝負の最後の数分間に疲労困憊している時にパンチを繰り出すことは、脳を考慮する際にはまったく別の問題を表しています。 私が言おうとしていることを明確にするなら、疲労は脳がトレーニングを通して解決の仕方を学ぶ特定の種類の問題であり、一つの特定の状態でしかないということです。 パンチを繰り出す基本的なメカニクスがジェネラルモータープログラムとして保管されているとしても、あなたが疲れているときにどのようにパンチを繰り出すかを学ぶことは、脳が解決するために学習しなくてはならない別な問題を表しているのです。 それでは、脳はこれをどのように学ぶのでしょうか?初めて運動パターンを学ぶのと同じ方法です:主にコーチ、トレーナー、そして視覚的手がかりのような感覚フィードバックからのフィードバックを通してです。 これが、ほぼすべてのコンディショニングプログラムが完全に失敗する部分であり、問題のあるところなのです…。 ほぼどのコンディショニングセッションを見れば、あなたは必ずコーチが“もっと速くしろ、もっと強く投げろ、遅くなるな、やめるな、最後まで頑張れ、止めるな!”という意味の何かを叫んでいるのを聞くでしょう。 それではこの指示の何が問題なのでしょうか?結局のところ、何十年間何千人ものコーチたちによって、このようにコンディショニングプログラムが指揮されてきたわけです。 これが大きな問題である理由は、どのように脳が動きを学ぶかについて話してきた今、簡単に理解できるでしょう。 コンディショニングと疲労に関して、“もっと速く”と叫んでいたり、あるいは時計の残り時間をカウントダウンしているコーチは、文字通り疲労している時にどのように動くかを脳に教えています。 作業量に注目すること、つまりアスリートが疲れ始めるときに、スピードやパワーを維持することは合理的な取り組み方のように見えるかもしれませんが、それが失敗する理由は、脳は今、作業量を主な解決すべき問題として見ているからなのです。 言い換えれば、脳はテクニックと運動の質を犠牲にして、運動のスピードを維持しようとしているのです。 テクニックが完全に崩れ始めていても、コーチやトレーナーはまだテクニックを維持することよりももっと速くし、スピードを維持するためのフィードバックを与えています。 ラウンドの終わりに疲労困憊し、口は開いて手は下がり、いい加減な弧を描くパンチでフェンスに大きく振りかぶっている格闘技選手を想像してください。疲労はこう見えるべきなのではなく、選手がトレーニングで疲れた時の動き方としてこう教わってきたために、このように見えるだけなのです。 これは、疲労が始まった時にどのように速く動き続けるか、という問題を脳が解決しようとする際に起こることです。どのように運動の質とテクニックを維持するかを学ぶよりもむしろ、脳はただできるだけ速く動くことを学ぶのです。 選手が疲労した時、もしコーチが彼らにもっと速く、あるいはもっと強く行けと怒鳴る代わりに、基本的メカニクスに基づいた異なるフィードバックを与えていたならば(例えば手を高い位置に維持したり、姿勢を保つことなどを彼らに思い出させる、など)、彼らが発達させた運動パターンは極めて良いものになるでしょう。 これがコンディショニングとムーブメントトレーニングの両方で欠けている一つの最大のパズルピースであり、まったくうまくいかなくなってしまうところです。 運動の質とテクニックをはじめから終わりまで維持することのできるアスリートは、10回中9回勝つアスリートです。 コーチやトレーナーは、低レベルで低スピードのムーブメントドリルやコレクティブエクササイズを通して、運動の質を向上させようと限りない時間をかけますが、本当に重要な時の運動の質を指導し、向上させることを怠っているのです:アスリートが疲労した時の。 試合は第4クオーターで勝ったか負けたかだ、という古いことわざは真実です。運動の質とテクニックをはじめから終わりまで維持することのできるアスリートこそが、10回中9回勝つであろうアスリートなのです。 先ほど述べた通り、コンディショニングは運動の延長でしかなく、学習した運動パターン、そしてより大きいモータープログラムの一部なのです。そのため、もしアスリートが疲労した際によくない運動をするように教われば、それが試合で彼らが実行する運動の種類になるのです…。 多くの今日のコンディショニングプログラムが行われている方法のせいで、あまりにも多くのアスリートが、あるべきパフォーマンスよりももっと悪いパフォーマンスに終わったり、さらに/また、良くない疲れた運動パターンにより、予防できたはずの怪我に陥ってしまいます。

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究極のコンディショニングテンプレート パート2/2

私のお気に入りのコンディショニングテンプレート:ピースをつなぎ合わせる方法 多くの人々がトレーニングプログラムについて話すとき、彼らが最初に話すことの一つは、彼らのお気に入りのトレーニングスプリットです。これは実は、プログラムが一般的に特定の筋群に焦点をあてて曜日ごとに分けられているボディビルディングの世界からきているものです。 ストレングスの世界では、トレーニング週はしばしば特定のリフトを用いるスプリットを中心に、あるいは特定の方法を中心に立てられます。ウエストサイドテンプレートと5/3/1プログラムはこのよい例でしょう。 でも、コンディショニングはどうでしょうか? コンディショニングプログラムを、シンプルだけれども科学的につじつまがあう方法で、どのように曜日ごとに分けますか? 多くの人々は筋群、動作(エクササイズ)、あるいは方法について考えますが、これはコンディショニングに関してはあまり機能しません。 正直、私はそのプログラム作成のためのアプローチが、一般的に効果的だとは思いません。なぜなら、それはフィットネスの変化を本当に左右するものを欠いているからです。身体は実際、身体のパーツ、あるいは動作というような観点で考えてはいないのです。 身体はストレスに反応して考え、行動します。 何がストレスをもたらしているのでしょうか?2つのこと:量と強度。 私が身体のパーツやエクササイズに基づいてトレーニングスプリットを作らない理由はこれです。私は量や強度を中心に作ります。 私のトレーニングプログラムは、それぞれ異なる目的を持った3つのトレーニングデー・カテゴリーを中心に立てられています。 刺激(Stimulation):身体をジャンプスタートさせましょう。トレーニングデーのこのカテゴリーは、通常低―中強度で、中程度の量を用います。高強度を用いるときは、少ないセット数あるいは少ない回数のみ行いましょう。刺激の日の目的は、過剰な疲労や筋肉痛を避けながら、身体をジャンプスタートさせることです。これが、刺激トレーニングが休息日あるいは回復(リバウンド)日の後に特に効果的である理由です。 発逹(Development):限界にチャレンジしましょう。あなたのコンディショニングをもう一段上に上げるために、より多い量やより高い強度を使わなくてはなりません。ここが発逹トレーニングの出番です。これらのワークアウトは、身体を強制的に再構築し、同時にコンディショニングを向上させるために最も高い量と強度を用います。 リバウンド(Rebound):身体を回復ゾーンにシフトしましょう。昨今では、より多くの人々が回復の重要性を理解し始めています。回復はオーバートレーニングや怪我を防ぐのに役立つだけでなく、あなたのハードワークから得られる結果においてとても大きな役割を担っています。これは(休みの日をとる代わりに)回復を促進する特別なトレーニング方法です。 私がプログラムの中でこれらのトレーニングデー・カテゴリーをどのように使うのか、一つのコンディショニングテンプレートを見てみましょう。これは私のお気に入りのコンディショニングスプリットの一つであり、結果を出すために何度も繰り返し使ってきたものです。 月曜日&木曜日:刺激 月曜日と木曜日のトレーニングのゴールは、身体を刺激し、疲労を加えることなくより高いギアにシフトさせることです。これを身体の下地作りだと考えてください。この事前準備は、翌日に計画されているより厳しいトレーニングセッションをこなすのに役立つでしょう。 これらの曜日には、ストレングストレーニングとコンディショニングの両方を混合します。 1-2 低―中強度のコンディショニング方法: カーディアックアウトプット テンポインターバル 高レジスタンスインターバル 1RMの80-90%での全身のストレングス/パワーのためのリフトを2-3種類 スクワット デッドリフト オリンピックリフト 火曜日&金曜日:最大限まで追い込む 多くの人々がコンディショニングについて考えるとき、たいてい初めに彼らの頭に浮かぶことは、高強度インターバルでしょう。彼らは、コンディショニングのカギはジムで追い込むことだと信じてきました…来る日も、来る日も。 しかし、真実は、これは長い間できないということです。私たちの身体は、来る日も来る日もめちゃくちゃにされるように設計されていないのです。 数えきれない雑誌のカバーや記事があなたに伝えてきたことに関わらず、フィットネスはそんな方法では機能しません。 プロフェッショナルアスリートではない人々の大多数は、最高の量および強度でのトレーニングを行うのは週2日のみにすべきです。私のテンプレートでは、これは火曜日と金曜日に発逹トレーニングとして現れます。 1-2種類の 60-90分間の最大強度(最大心拍数の>90%)コンディショニング方法 乳酸トレーニング 閾値トレーニング カーディアックパワーインターバル 水曜日&土曜日:リバウンドと回復 回復はフィットネスの魔法が起こるところで、コンディショニングの大きな一部です。これは多くの人々が見逃している領域でもあります。なぜなら、彼らは回復に注ぎ込むよりもトレーニングに過剰なエネルギーを注ぎ込んでいるからです。 リバウンドトレーニングは、あなたの身体を回復ゾーンへとシフトするのを手伝う特別なトレーニングの形です。私は、トレーニングを回復ツールとして使うもっとも効果的な方法を試し、微調整をして、発展させるのに過去一年半を費やしました。 典型的なリバウンドトレーニングセッションに含まれるのは: 低-中強度コンディショニングx15-20分間 全身の筋力エクササイズx1 補足的なストレングスリフトx2-3 次に何をするか テンプレートはただのテンプレートでしかないことを覚えておいてください。トレーニングにおいて確固たるものは何もなく、あらゆるプログラムを最大限に活かすことは、あなたがやりながら調整していくことを意味しているのです。 これは、あなたの回復に細心の注意を払うとことを意味しています。必要に応じて量や強度を増やしたり減らしたりするのを手助けするために、バイオフォースHRV や Morpheusのようなテクノロジーを用いましょう。どんなプログラムも数週間は機能しますが、個別化は多くの人々が逃しているコンディショニングにおける長期的な結果を推進するものです。 コンディショニングはフィットネスの重要な一部です。コンディショニングはアスリートにとってだけでなく、もっと健康になりたい、もっと長生きしたい、もっと速く回復したい、そして最高の状態を感じたいと願うすべての人にとってのものです。 筋力かコンディショニングかの間で選ぶ必要はありません。もしあなたが、私が上で説明したテンプレートに従うなら、欲張りな希望を叶えることができるのです。

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ムーブメントトレーニングに欠けているリンク パート1/3

この数年間で、ストレングス&コンディショニングの現場は劇的な変貌を遂げました。ストレングスがすべてだという唯一の考えでプログラムを作成するのではなく、コーチとアスリートたちは“ファンクショナルムーブメント”のような用語を取り入れ、どのように身体が動き、それがどのようにトレーニングされるべきかをより学ぼうと理学療法士に問い合わせるようになってきました。 手短に言うと、“機能”や“機能不全”は現場において身近な用語になり、世界中のウエイトルームやプログラムはどちらもフォームローラー、ムーブメントスクリーン、そしてコレクティブエクササイズで満たされてきました。 これらのすべてがパフォーマンスを向上したり怪我を予防するのに役立つことには何の疑問もありませんが、何かが欠けているのです… ファンクショナルムーブメントが流行りだしたのとだいたい同じ頃、私はコンディショニングについてのベストセラーの本や数えきれない記事を書いたり、世界中のクリニックやワークショップで講演したり、またエネルギーシステムの専門家として業界に知られるようになり忙しくしていました。 ほとんどの人々が、ムーブメントトレーニングやコレクティブエクササイズをコンディショニングやエネルギーシステムとは全く異なるカテゴリーとしてきて、多くの場合はそれらをトレーニングセッションの両端に置いてさえもいるのですが、この記事で私があなたと共有したいのは、なぜこのアプローチが全くの間違いであるかということです。 さらに、私はなぜ多くのコンディショニングプログラムがしばしば有害無益であるのか、そして実際パフォーマンスを低下させ、怪我を予防するどころか引き起こしてしまうのかを説明しましょう。 同時に、なぜ運動の向上に焦点をあてた数多くのプログラムが、パフォーマンスパズルの大きなピースを欠いているのかもお伝えします。 私がお話ししようとしている原理原則は非常に重要で、文字通りすべてのコーチ、トレーナー、アスリート、そして治療家がパフォーマンスを最大化し怪我を予防したいなら理解しなくてはならないものです…しかしおかしなことに、誰もそれについて話してさえもいません。 この原理原則が何か、そしてどのように働くかについて詳しくお話し始める前に、私たちはどのように身体が動くかをもっと詳細に見ることから始めなくてはなりません… 運動とモータースキル101 いろいろな意味で、人間の身体は本当に運動の驚異です。 650以上の筋肉、何千もの腱や靭帯、そして全てをつなぎ合わせている終わりなき筋膜組織の迷路により、私たちはまさに動くために設計されていると言って間違いないでしょう。 (非常に明確ですが)もしあなたが動けなければ食料を探すことができないし、危険な環境から逃げ出すこともできない、あなたが生き続けて繁殖するために必要なことのほとんどをすることができないわけですから、これは生物学的視点から納得がいきます。 言い換えれば、自然の視点からすれば、運動とはサバイバル(生存)なのです。 たったこの数千年間の間に、人体の運動の目的は、いかに上手にボールをゴールに蹴ることができるか、あるいはいかに速くトラックを走ることができるかを含むまでに広がりました。 運動とコンディショニングの間に欠けているリンク、それは脳です。 サバイバルの方法として運動の主な機能を理解することが非常に重要な理由は、脳が運動を調整するためにどのように働くかの核心を突くからです…。 そして、脳こそ運動とコンディショニングの間の欠けているリンクなのです。 脳は主に巨大な問題解決機械で、直面しているどのような問題についても最良の答えを見つけ出すために、何千ものデータポイントを瞬時に計算することが出来るものです。 運動に関しては、適切な運動反応をコーディネイトするという問題に答えるために、脳はその異なる感覚システムを通して処理する膨大な量の情報を持っています。 例として、ファストボールを打つという問題について運動の視点から考察してみましょう… 表面的には、ボールをバットで打つことは比較的簡単な問題のように見えるかもしれませんが、実は非常に複雑なのです: 打者がボックスに立って投球を待つと、彼または彼女の脳は、投げられるであろう全ての起こりうる投球の種類を予測し始めます。ボールの軌道とスピード、そしてそれを打つために身体がどのように動いていかなくてはならないかをより良く予測できるよう、脳が各投球の可能性を計算します。 一旦ボールが投手の手を離れたら、脳はボールがどのように回転しているように見えるか、どれくらい速く動いているように見えるか、投手の手のどこで離れたかを特定しようと視覚的手がかりを使います。 これらの視覚的手がかりに基づいて、脳は正確にいつ、どこでボールがプレートを交差するかを予測するのです。 一度その予測が立てられたら、脳はボールが実際にプレートを越す瞬間にボールを打つための最良の動き方を計算します。 この計算の一部には、向かってくる投球を予測している間、脳が予期したボールの動き方と比較しながら、実際にボールがどのように動いているかを把握することが含まれます。 詰まるところ、ファストボールを打つのとチェンジアップやスライダーを打つのには、打者は振り方を変えたり異なるタイミングを持たなくてはならないため、脳がボールの軌道やスピードを見い出したら急いで調整しなくてはなりません。 もちろん、脳がより効果的に投球を予測し、いつどこでボールがプレートを交差するかをより正確に計算することができれば、正確に動き実際にボールを打つ可能性は更に高まります。 正しい運動を実行する一つの大きな構成要素は、脳が練習を通して異なる種類の投球に対するスイングをどのように学んだかということでもありますーこの後でもっと詳しくお話ししましょう。 この全過程における素晴らしいことは、これらの計算や予測全てがいかに素早く起こるかということです。 例えば、時速100マイルの速球はたった0.4秒間でプレートに達します。その短い時間の中で、平均的なメジャーリーグ選手は、ボールの通り道を計算して予測し、時速70マイルを超えるバット速度を生み出すのに十分な速さでスイングすることができるのです。 もちろんたった0.4秒間では、打者が意識的に考えたり、これら全ての計算を行う時間はありませんー過程はすべて、何年もの練習や何千ものスイングによって開発された、完全に潜在意識の、反射として起こるのです。 覚えておくべき一つの重要なことは、野球に関しては、脳が運動の問題に対する“正解”を得るのに成功したか失敗したかは非常に明確です:打者がボールを打ったか、あるいは打てなかったか。 この場合、運動の目的は非常にはっきりしています:ボールを打つということ。 メジャーリーグ投手によって投げられた投球を打とうとするユニークな挑戦であるにもかかわらず、平均的選手の脳と身体は、問題を正しく解決し、平均25~30%の確率でボールを打ち塁に出ることができるのです。

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究極のコンディショニングテンプレート パート1/2

およそ10年前、私は8週間で厳密にどれくらいの筋肉を増やせるのかをみるために、自分自身の身体でちょっとした実験を行いました。私がこれをやろうと決めたのは、同じ期間で、純粋に筋肉で体重が6 ポンド(2.7キロ)増えたと主張する同僚と軽く意見が対立した後です。 不可能だよ、と私は言いました。私は、そのほとんどは水とグリコーゲンであり、筋肉はたったわずかだと推測していました。 私は2か月間必死にトレーニングをし、可能な限り完璧に近い食事をして、出来る限り多くの睡眠をとり、誰が正しいかみたいと思いました。それは文字通り、私が筋肉をつけてもっと強くなるために考えられるすべてのことをするということでした。 結果を計測するのにただ体重計を使う代わりに、私は身体組成検査のゴールドスタンダードであるDEXAスキャンを使おうと計画しました。これは筋肉、体脂肪、水分、そしてすべてにおける変化の真の内訳を見る唯一の方法でした。 体重計はうそをつきますが、DEXAはうそをつきません。 2か月間ほとんどトレーニング漬けの生活をし、出来る限り教科書通りに近い食事をした後、何が起こったと思いますか? 私はちょうど6 ポンド(2.7キロ)総体重が増えました…しかし、そのうちのたった2.2 ポンド(1キロ)だけが筋肉量だったのです。 正直、私はどこかで自分が間違っていてほしいと思っていました。たった1,2 ポンドの筋肉を増やすのにどれほどのことをしたかを考えると、がっかりしました。 私はコンディショニングを向上させたい…でも筋力は落としたくない さて、人々が筋肉や筋力を落としたくないからもっと多くのコンディショニングを行うのは心配だと言う時… わかりますよ。 もっと大きくなったり強くなることは、簡単ではありません。一生懸命取り組んだことが水の泡になるのを見たいという人はいないのです。あなたが小さくなってきている、あるいはバーが軽くなるよりむしろ重くなってきているというように感じること以上に嫌なことはありません。 しかし、ここにいいお知らせがあります:あなたがコンディショニングに集中している時、筋肉や筋力を落とさなくてもよいのです。 私のお気に入りのコンディショニングテンプレート(筋力を台無しにしないもの)を用いて、それをどのように行うかをお伝えする前に、どのように身体が機能するのかについて少しお話ししましょう… なぜウサイン・ボルト選手はマラソンを走れないのか 下のグラフを見るとき、一つのことがあなたの目を引くはずです。スペクトラムの両極端における最大筋力と最大持久力の間には、常にパフォーマンスのトレードオフがあるのです。人体は、トヨタ・プリウスの燃料効率やトップフュエル・ドラッグスターの馬力を持つように設計されてはいないのです。 そうであれば素晴らしいでしょうが、私たちはそのように配線されてはいません。 これは、スペクトラムのどちらかの一端:世界レベルのスプリント走あるいはマラソンタイムを走るかーに至るためには、あなたは最大筋力あるいは最大持久力のどちらかを犠牲にしなくてはならないことを意味しています。 しかし、コンディショニングを向上しようとしているほとんどの人々はウサイン・ボルトではありません。彼らは9.58秒間よりもっと長くパフォーマンスをしなくてはなりません。 もしあなたが最大筋力あるいは最大持久力の両極端に至ろうとしていないのならば、コンディショニングのカギは、その二つの間に適正バランスを見つけることです。 多くの人々は、彼らのプログラムがこのバランスを見つけていないために、コンディショニングを向上しようとする一方で筋力や筋量を失ってしまいます。 すべてのストレングスワークを犠牲にしてあなたのエネルギーをコンディショニングに注ぎ込むことは、あなたを持久系に寄せ過ぎてしまうでしょう。もしあなたが持久力トレーニングなしでただ重りを上げているだけであれば、同じことが当てはまります。 あなたの筋力は上がるでしょうが、あなたのコンディショニングはダメになるでしょう。 筋力とコンディショニングのバランスを取るための3つのルール あなたの筋力や筋量を保つもっとも効果的な方法は、あなたが得てきたものを維持するのに十分なストレングスワークと併せて、コンディショニングプログラムを作成することです。 ここが、プログラムがしばしば道を踏み外してしまうところです。ストレングスワークを省きすぎてしまうか、十分に省き足りないのか、どちらかになってしまうのです。 あるいは、同じように悪いことですが、プログラムが干渉と呼ばれるものを最小化するために何もしないか。これは、あなたがストレングスワークに隣接してコンディショニングを詰め込み過ぎる時に起こる、十分に証明された問題に言及しています。 私は、この効果を最小限にし、トレーニングにおける正しいバランスを決めるための3つのゴールデンルールに従います。 あなたの筋力や筋量を損なわないコンディショニングプログラムを立てるための3つのルール: 筋量や中枢神経系機能を失うのを防ぐために十分な(最小有効量)ストレングス及びパワーワークを含める 週ごとのトレーニング計画を立て、筋力と持久力間の干渉の可能性を最低限にする正しい方法を選択する 漸進と疲労を監視し、必要に応じてプログラムを調節する

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痛みの科学と身体力学についての本当の真実:批判への対応 パート2/2

3. 姿勢は、痛みを誘発する要因として過度に強調されてきました。 姿勢のアライメント測定と痛みの関連性を見つけようとする大規模な調査がありましたが、ほとんど何も見つけることはできませんでした。私が手がけている本、『Playing With Movement(動きと遊ぶ)』(近日リリース!) から抜粋したものを紹介します。ここでは、30年以上の研究からの調査をまとめてあります: 脚長差と腰痛の関連性はない。(Grundy 1984) 重度の腰痛、中度の腰痛、腰痛なしの321人の男性において、腰椎前弯の程度や脚長差に違いはない。(Pope 1985) 45歳以上の107人において、頚部痛と頚椎の弯曲に関連性はない。(Grob 2007) 腰痛を持つまたは持たない600人の被験者において、腰椎の弯曲、骨盤の傾き、脚長差、腹筋やハムストリング、腸腰筋の長さに顕著な差はない。(Nourbaksh 2002) 胸椎や腰椎の弯曲亢進があり姿勢に左右非対称のある10代の若者が、大人になってから腰痛を発症する可能性は“より良い”姿勢の同年代と比べて高いわけではない。(Dieck 1985) 腰椎の前弯が亢進している妊婦が、腰痛を発症する可能性は高いわけではない。(Franklin 1998) 10件の研究のレビューでは、胸椎後弯と肩の痛みには関連性がないことが発見された。(Barrett 2016) 頭部前方位で猫背の10代に、頚部痛が多く見られることはなかった(しかし、鬱であることは多かった)。(Richards 2016) 腰痛と脊椎分離すべり症(脊椎が前方に滑り、たいてい固定手術で治療される)には関連性がない。(Andrade 2015) 年齢65-91歳の女性において、顕著な胸椎後弯があっても腰痛や行動に困難が多いということはなかった。(Ettinger 1994) 理学療法士が指摘するような“スマホ頚椎”と頚部痛には関連性がない。(Damasceno 2018) 人間工学に基づいたプログラムは、頚椎症の将来的な発症リスクを減らさないが、エクササイズは半分までリスクを減少する。(Campos 2018) 脊柱のアライメント測定と痛みの関連性を肯定する研究がいくつかありますが、規則の例外とも言え、関連性は比較的低いとされています(Chaelat-Velayer 2011; Smith 2008)。エビデンスの重要性は、恐らく、痛みと姿勢の関連性を扱った54件もの研究に対して2008年に行われたシステマティックレビューに表れているかもしれません。同時に、ここでは矢状面における脊柱アライメントの測定と痛みの関連性を支持するエビデンスは提示されませんでした(Christensen 2008)。腰痛の側彎症との関連性はあるにしても、これは比較的顕著な側方への非対称を呈する病状であり、人口の98パーセントには存在しません(Theroux 2015)。 さらに、関連のある研究として、悪いとされる姿勢や負荷が多いと考えられている姿勢を反復して行う職業の影響を調べたものがあります。これらの見解は: 職場で座っていることは腰痛と関係がない。(Hartvigsen 2010) 重いものを持ち上げる作業をしなくてならない職業が腰痛を引き起こすことはないだろうと、35件の研究におけるシステマティックレビューが示した。(Wai 2010) 妙な姿勢、荷物の持ち上げ作業、曲げたり捻ったりする作業を伴う職業と腰痛の間に因果関係を示す十分なエビデンスはないと、99件の研究におけるシステマティックレビューが示した。(Kwon 2011) 日常的に重いものを持ち上げる作業を伴うような職業は、腰痛のリスクを高くすると関連付けられているが、その影響はわずかである。(Waddell 2001) 上記の研究は、姿勢と痛みの間に何らかの関連性が存在したとしても、その関連性は低いということを示しています。さらに、もし姿勢と痛みの関連性が実際存在したとしても、これでは因果関係を証明することにはならないでしょう。痛みがあるから悪い姿勢になるのかもしれませんし、何か原因不明な要因がこれら両方を引き起こすのかもしれません。これはとても説得力があります。腰痛を誘発する液体を注射された人は、不快感を避けるために無意識のうちに異なる姿勢をするようになります(Hodges 2003)。他にもまだ立証されていないこととして、姿勢は矯正することができ、矯正によって痛みの軽減に役立つかということがあります。 これは、姿勢は痛みに全く関係がないということを意味しているのでしょうか? いいえ、痛みの科学の教育者たちはそれを認める準備ができているでしょう。たとえば、痛みをコントロールできると期待している様々な要因を示しているグレッグ・リーマンのワークブックからの図がここにあります。姿勢もこの中の一つであることに注目してください。しかし、重要なのは、それが数多くの要因の一つにすぎないということです。 溢れているカップ:信念、姿勢、睡眠、習慣、組織の健康、心配、ストレス、恐れカップを大きく作り直すか、カップの中身を減らすか。つまり:落ち着かせ、作り直す。 4. 生体力学は複雑で“修正”は容易ではない 痛みの科学が、物理学の基本的法則を覆すことはありません。したがって、高負荷下で悪い技術での運動は、明らかに深刻なケガにつながります。しかし、座ったり立ったり、呼吸をしたり、曲げたり、物を取ったりといった低負荷下であっても日々の習慣的な運動パターンによって慢性腰痛になる可能性があるのかといった疑問が残ります。これらは反復性のストレスを与えたりやケガを引き起こしたりするのでしょうか?または、エクササイズでのストレスに私たちの身体が適応していくのと同じように、定期的に遭遇するストレスにも対処できるよう、私たちは単に適応していくのでしょうか? 上記で論じられている姿勢についての研究と同様、大規模な研究を参考にしながら解決するのが最善策でしょう。次のように示しています: 一般的に機能不全と言われている運動パターンは、痛みや怪我のリスクの増加と関連性はない; ある特定の機能不全を修正することに重点を置いた治療は、たいてい一般的なエクササイズより優れているわけではない;そして 修正することに重点を置いた方法は、“修正”がされていなくても良い結果が出ることがある。つまり、これらの方法は何らかの他のメカニズムによって効果が出ることを示している。 たとえば、腰痛のための一般的なエクササイズでも、安定化エクササイズや運動制御エクササイズと同じぐらい効果があります(Smith 2014; Ferreira 2007; Saragiotto 2016.)。これは、診断された特定の動きの“障害”を修正しようとする治療であっても同様です(Riley 2018, Dillen 2016, Azevedo 2018)。 肩においても似たようなパターンが見られます。一般的なストレッチやストレングスは、 肩甲骨の“運動障害”を修正するための 運動制御エクササイズと同程度効果があります。さらに、運動パターンに変化がなくても、運動制御プログラムで改善します。つまり、有効成分は、単にエクササイズをするということで、協調性の欠如を修正することではないことを示しています(Camargo 2015, McClure 2005, Timmons 2012, Ratcliffe 2014, Struyf 2013を参照)。たとえば、Struyf 2013では、機能不全と言われている肩甲骨の運動パターンのほとんどは、 恐らく“正常な運動の変動性”を示しているのではないかと結論付けています。 膝の痛みに最も有効な治療は、単純に膝と股関節周辺の筋群を強化することのようです。たとえそれがニーエクステンションマシーンで行う“機能的でない”エクササイズといわれるもので行われたとしても同様です(Willy 2016, Rabelo 2018)。 シードマンは、正常に機能していない運動パターンを修正することの重要性について延々と論じていますが、彼の記事ではどのようなパターンを指しているのか、それをどうやって評価し修正するのか明確にしていません。腰痛のために臀筋とコアの強化が重要であると、漠然と言及しているのですが、この問題における研究をひとつも引用していません。事実、平均するとコアの強化の効果は一般的な腰痛のためのエクササイズより優れているとは限りません(Lederman)。さらに、不活発な臀筋群が痛みを引き起こすと言った考え方は、研究によって十分に裏付けされていません。研究では、たいてい痛みは、臀筋の活動の少なさではなく多さとの関係が深いと示しています。 (Kim 2014, Lehman 2006, Suehiro 2015, Dwyer 2013)。 ここでの教訓は、動きと痛みの関係は複雑だということです。エクササイズで痛みを軽減でき、機能を改善し、怪我の予防に役立つことには疑う余地はありません。しかし、“機能不全”の評価やその修正、そして、それらの日常の動きで起きる痛みとの関係について、私たちは懐疑的であるべきです(Tuminello 2017)。 5. 炎症 シードマンは、痛みの科学者たちは痛みにおける炎症の役割について無視していると言っています。ここで彼が何を意味しようとしているのか私には想像がつきません。侵害受容器を感作させる炎症の役割は、痛みの生理学において最も基本的な事実のひとつです。また、それは痛みの教育の重要な原理を説明しています—疼痛感受性は、組織損傷の状況が変わらなくても、変化します。 非常に長期にわたる慢性的な炎症は、健康不良、疼痛、歩行パターンの機能低下、歩行スピードの減速、筋力や安定性、運動性などの低下につながるとシードマンは述べています。これは驚くべきことでもありません。もし、健康不良で、しかも深刻な炎症があったとしたら、当然、そのような人が上手く動けるはずはなく気分も良くないことは想像できます。シードマンが引用しているエビデンスは、このような分かりきった関連性を示していますが、その炎症が不良姿勢や運動パターンが原因であるとは示していません。もしそうであるのなら、研究が姿勢と痛みの関係を簡単に発見したことでしょう。しかし、未だ発見されていないのです。 結論:痛みの重要性の真実 この情報を正しく把握することが非常に重要であると私は思います。慢性疼痛は、世界的にも最も大きな健康問題です。これを治す特効薬はないのですが、科学を通してより理解を深め、人々に運動をさせることで進歩できることを何よりも期待しています。この両方を行える絶好の立場にいるのがパーソナルトレーナーです。まだ多くのことが解明していません。前進するためにも健全な批評が必要です。私たちは行動に移すための十分な知識を兼ね揃えていますが、ここにはまだ慣行と確立された証拠との間の大きなギャップがあり、私達はそれを埋めていく必要があるのです。 参照 O’Sullivan, P. 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トッド・ハーグローブ 4706字

運動楽観主義 VS 運動病理学モデル パート2/2

適応性:分割する楔 さあ、あなたが考える番です。私は要点を伝えました。合理的な人は、同じ研究、同じ患者層を見ていても、異なる決断をします。これは、人がどのくらい適応できるかに対する潜在的な考え方に集約されると思います。 運動楽観主義者は、膝の外反のある人を見たときに、「素晴らしい、彼はきっとロッククライミングが得意で、ホッケーではキーパーをやるのだろう」と考え、この人は問題なく、安全であり、いずれ膝の外反による代償を払うことにはならないという仮説を立てます。あなたは、股関節の内旋は膝蓋骨の外側面に与える負荷を30-70%増加し得ると論議するいくつかの研究に詳しいかもしれません。しかし、あなたはこうも考えます。「たいしたことだ。負荷は適応をもたらす。負荷は良い。負荷は、力学的シグナル伝達の触媒であり、私をデカくしてくれるものだ!」 また、KPMの支持者としては、脊柱が丸まった人を見て、「わあ、あれでは脊柱の衛生状態が良くない。椎間板は時間をかけてゆっくりと層剥離し、核は後ろに追いやられ、今は痛みがなくとも将来は痛みが出るだろう。もしこの姿勢に、重い負荷が組み合わさって、分厚い脊柱と特定の椎間板形状が形成されれば、椎間板損傷につながりやすくなるだろう。椎間板に損傷があっても痛みがない状態にある人はたくさんいるが、このような姿勢は椎間板の該当部位に増長したストレスをかけるという死体研究やモデル研究の証拠がある。怪我や痛みにつながる可能性があるため、この人にはそのような姿勢を避けることを教えると価値があるかもしれない。」と考えるかもしれません。 運動楽観主義者は、これと同じ研究を知っているかもしれませんが、これをどう考えるかや、これに対する行動については二つの潜在的な方法に分かれます。 姿勢や負荷は、椎間板が良い方向に適応するのを実際に刺激しているかもしれない そのような姿勢や負荷が椎間板に悪い影響を与えるとしても、その椎間板の変化と痛みとの関係性は薄いかもしれない。より詳しい内容はこちら。 再度になりますが、要点は適応性に対するあなたの考え方次第なのです。あなたが、人がどのように適応するかに対して大きな余裕を持つ見方をする方であれば、あなたは運動楽観主義が支配するスペクトラムの端に当てはまるでしょう。あなたが、人は適応に対して限られた、少ない潜在能力しか持っていないという見方をするなら、あなたはより極端なKPMや動きの質アプローチの側のどこかに当てはまるでしょう。 私たちは知識の限界にきているため、このような意見の違いがあるのだと考えています。私たちは、実際には、各個人がどのくらい上手に適応できるかを知りません。適応能力は様々な要因(生物社会学が非常に関連するところです)によって影響されるため、誰かがどのくらい上手く適応できるかも知りません。反応が良い神経系を伴う生きた椎間板が、曲がった姿勢や負荷にどのくらい本当に適応しているかにより詳しくなることができれば、人がどのように動くべきかに対する考えの不一致は少なくなるでしょう。 最後に、もう一つ考え方があります。 KPMをその内側から非難する:生体力学が生体力学にチャレンジする時 私はよくKPM主義に挑むのは「痛みの科学」ではなく、生体力学それ自体だと言っています。多くの生体力学研究は矛盾していて、提唱している損傷や痛みの生体力学的リスク要因は必ずしも証明されていないことがこの考え方の一例です。しかし、これには他の考え方もあります。「ハードコア」生体医学男/女で、負荷や姿勢は痛み/損傷にとって非常に大切だと考えていても、KPMモデルの中で支持される一般的な考え方に異議を唱えることはできます。 脊柱の屈曲は、この完璧な例です。どうしたものか、どこかの時点で、脊柱はニュートラルゾーンにある時に負荷が与えられているのが、最も安全であるというのが主流な考えになりました。30-40年前は激しい「前かがみ姿勢 vs スクワット」討論がありましたが、生体力学の世界ではその討論は消えてしまったようです。しかし、消えるべきではなかったかもしれません。20年前には、脊柱が負荷に耐えるには最大屈曲の50-80%にあるのが最も安全だと唱えたパトリシア・ドーランのような偉大な生体力学研究者がいました。彼らは、この功績により賞さえ獲得しているのです。屈曲した脊柱に関する、しっかりとした生体力学的議論を扱う生体力学者がいるのです。 また、屈曲が少なく、剪断が高い重量挙げ選手のスクワットと比較して、身体を屈曲したリフティング姿勢は、脊柱に対する前方剪断負荷の減少につながるという、Kingmaの論文がここで読めます。 アキレス腱障害のリハビリに関する議論でも、こういった考えを見ることができます。どうしたものか、背屈によって起こる圧縮負荷は、一般に認められた生体力学的ブギーマン(恐怖が実体化したお化け)になりましたが、リハビリに重い負荷だけではなく腱の静的ストレッチ(高いレベルの圧縮を生み出す組み合わせ)を提唱するジェフリー・ベラルのような生体力学的考えを持つ臨床研究者もいます。 これは膝の痛み/損傷予防及び治療においても見ることができます。治療家は、動きの質は、誤った生体力学的パラメーターを重視して注意を散漫させるものだと言うかもしれません。これは、股関節の内転の最小化に対して脚の伸展筋力を最大化する議論にも見ることができます。 大雑把に言うと、運動楽観主義アプローチでは、「残念な動きの質」と考えられる姿勢において、特定の組織への負荷が高くなると認めているかもしれませんが(いつもではありませんが)、私たちは適応性を尊重しているので、このことについてはあまり関心がありません。しかし、この代替的な見方は適応性を認識すらしていません。適応性は、人によっては、「残念な貧しい動きの質」は、実際には良い動きの質であるかもしれず、その人にとって、より低い、より良い負荷につながるかもしれないことを示唆しています。そしてこれこそが、現在の生体力学者の討論なのです。 結論とまとめ 運動楽観主義者であれば、生体力学が無関係だと考えるわけではありません。それは、生体力学、及び、損傷や痛みを持つ人に生体力学が持つ意味に対して異なる見方をしているということです。伝統的な運動病理学モデルを非難することは、すべての力学的介入を非難するわけではありません。力学がいつどのように関連するかに対する解釈が異なるというだけです。

グレッグ・リーマン 2744字

痛みの科学と身体力学についての本当の真実:批判への対応 パート1/2

パーソナルトレーナーであるジョエル・シードマンによって最近、『The Truth about Pain Science and Biomechanics:痛みの科学と身体力学についての真実』という記事が書かれました。この記事には、 “痛みの科学の専門家”と言われる人たちに対しての批判が延々と綴られています。シードマンは、こう訴えています。彼らは、運動と痛みの関係についての誤った危険な情報、たとえば、痛みはすべて頭の中にある、怪我や組織の損傷は痛みと関係がない、正しい動き方や間違った動き方は存在しない、アスリートや高重量ウェイトリフターなど高負荷がかかるような場合でもけが防止のためにわざわざ適切なテクニックで動くことを気にしないでもいいなどという情報を広めていると主張しています。 このブログの定期的な読者や痛みの科学界に詳しい人は、このような主張が明らかに正しくないことに直ぐ気がつくでしょう。しかし、この題材にあまり触れたことのない人にとって、この記事は、説得力があるのかもしれません。下記に、ロリマー・モーズリーやデビッド・バトラー、エイドリアン・ルイ、ペーター・オサリバン、グレッグ・リーマン、ベン・コーマックなど痛みの科学の教育者たちの業績をあまり目にすることのない人たちを対象に、詳細な対応をしていきます。その対象となる人たちにとって、この投稿は、ソーシャルメディアでの討論において引用したり参照したりするのに便利かもしれません。 要約 シードマンの投稿は、かなりの長文ですが、要約すると主張していることをいくつかに絞れます。こそれに対して、私はこのセクションでは簡潔に、そしてその後詳細に説明します。 主張 1 痛みの科学の専門家と言われる人たちが、痛みは “すべて頭の中”にあるもので、組織の損傷や怪我、動きのテクニックを心配する必要はないと教えているとシードマンは主張しています。これらは、藁人形論法であり、シードマンが特定の個人や引用を全く明確にしていないことを意味しています。本当のところ痛みの科学者たちはこのようなことは言っておらず、たいてい否定しています。その多くの例を下記に示します。 主張 2 痛みの科学者たちは、痛みのない人たちにも高い確率で椎間板ヘルニアや回旋腱板断裂、関節の退行変性など顕著な組織損傷が見られるというようにMRI研究を誤って解釈している、とシードマンは主張しています。シードマンは、このような人たちはいずれ将来的に確実に痛みに見舞われるだろうと主張します。しかし、いくつかの研究では、無症状の人たちに行われたMRIの結果、5年または10年先の将来的な痛みを予知することはほとんど、または全くできなかったことが判っています。 主張 3 痛み、姿勢、運動パターンの“機能不全”との相関関係は乏しいと示している研究を痛みの科学者たちが誤って解釈していると、シードマンは主張します。シードマンが引用する研究は、都合の良いものだけを選び出したに過ぎず、研究のより徹底的な調査によって得られる証拠の重要性に対抗しています。姿勢や習慣的な運動パターンは痛みと無関係ではありませんが、一般的に臨床で過剰に強調され過ぎているということなのです。 主張 4 シードマンは、痛みの科学者たちが痛みを伴う炎症の役割、つまり本来ならば異常な動きと痛みを関連付けるものを誤って把握していると主張します。疼痛感受性を伴う炎症の役割こそが痛みの生理学における最も基本的側面ですから、これはおかしな主張です。慢性的な炎症が明らかに健康不良や機能低下に関係してはいるものの、これが悪い姿勢や悪い運動パターンが原因で起こるというエビデンスはありません。 主張 5 痛みの科学の教育は、痛みを軽減する効果は中等度しかないので、メカニズムにおいて効果的な方法は、痛みを患っている人にもっと動いてもらうことかもしれません。これは、正当な主張ではあり、痛みの教育者たちの見解と一致しないことではありません。慢性疼痛に効く特効薬はなく、解決困難な問題であるかもしれないというのが痛みの教育者たちの一様な見解です。 上記の論議をさらに詳しく、広範囲の信頼性の高い引用で裏付けさせながら見ていきましょう。 1. 痛みの科学者達は、痛みがすべて頭の中の出来事であるとは指導していません。 シードマンの記事は、“痛みの科学者達”を批判していますが、それが誰なのか、またどの文献なのかを特定していません。しかし、どうやら基本的な痛みの生理学を理学療法士やカイロプラクター、ボディーワーカーやパーソナルトレーナーの人たちに教えている教育者たちを指しているようです。この教育の目的は、臨床家が治療を向上させたり、クライアントになぜ痛いのかを説明したりすることで、彼ら自身が回復に積極的に関われるようにすることです。 痛みの科学についての最も有名な情報源は、ロリマー・モーズリー(痛みの科学者であり理学療法士でもある)とデビッド・バトラー(理学療法士であり教育に関わるスペシャリスト)による『Explain Pain: 痛みの説明』という本とその関連コースです。その他にも有名な教育者でグレッグ・リーマン(理学療法士でもありカイロプラクターでもある。スチュワード・マックギルの元で学んだ元生体力学研究者)がいます。リーマンは、“Reconciling Pain Science and Biomechanics(痛みの科学と生体力学の和解)”というコースを教えています。私は、これらすべてのコースに参加しました。そして、私も時折同じようなコースを教えたり、痛みの科学のカンファレンスで講演したりします。そして、同じような題材を扱った『A Guide to Better Movement(より良い動きのための手引)』という本の著者でもあります。そのようなことから、痛みの教育者たちが発信しようとしているメッセージに直接触れる機会があるのです。そこで私たちが考える皆さんにご理解いただきたい重要なポイントを下記に示したいと思います: 痛みは、多因子性で“生物心理社会的”です。それは、組織の損傷や怪我、炎症(これが生物の側面)だけではなく、認知、思考、感情、社会的ストレス(これは心理社会の側面)など末梢の要因に起因します。複雑でもあります。つまり、これらの異なる因子は、たいてい個体差があり、状況依存性があり、予測不可能でありながら相互に関係し合っています(O’Sullivan 2018)。 痛みは、アラームのように働く、非常に洗練された防御システムのアウトプットです。身体への潜在的な恐怖は、末梢で感知され、それから脳へ伝達されます。脳は、その情報の意味を解釈し、防御すべきであると認識すれば、痛みを発信します。このシステムの感度は、怪我や炎症、感情、ストレス、記憶、健康全般など多くの様々な要因によって変化することがあります(Melzack 2010)。 痛みは知覚によるものであるため、組織の損傷が必ずしも痛みを出すわけではなく、組織の損傷の存在なしに痛みを感じることもあります。たとえば、痛みのない人のMRIに顕著な損傷が観察されることがよくあり、また、腰痛も特定の病理にまったく結びつけられないことが多くあります(Brinjikji 2015)。 姿勢と不完全な運動パターンと痛みとの結び付きは、過度に強調されてきました。研究において、これらの要因の相関性は低い、または無関係と示されています(Lederman 2011)。さらに、特定の“機能不全”との相互関係に焦点を当てた痛みの治療が、一般的なエクササイズより優れているということはほとんどありません。 (Foster 2018; O’Sullivan 2016; Riley 2018; Smith 2014; Ferreira 2007を参照)。 一方、心理社会的要因は、十分強調されないできました。たとえば、楽天的で自己効力感があれば怪我からの回復は見込まれますが、逆に、動くことへの不安や破滅化、恐怖は、慢性疼痛のリスクを高めます(Marcuzzi 2016)。患者に教育を提供することの一つの目的は、これらの変数を好ましい方向に変えていくことです(Louw 2016)。 痛みの教育者たちが、痛みはあなたの頭の中で起きている、組織の損傷は痛みとは関係ない、動きは怪我とは関係ない、と教えてはいないと私は断言できます。実際、多くの場合において全く正反対のことを私はよく述べてきました。ここに数年前に掲載された、痛みと姿勢との関連性は乏しいということに関するブログからいくつかの例をご紹介しましょう。 生体力学と正しいフォームはまったく重要ではない、という姿勢に関する研究を誤解しないようにしてください。活発なエクササイズは、単に座っていたり立っていたりすることとは異なり、より正しいアライメントに注意する必要があります・・・ですから、高重量デッドリフトでの姿勢やアライメントは重要です。ジャンプの着地やスプリント、ウェイトリフティングなど大きな力学的負荷がかかるような活動を行うとき、それらは重要になります。このような場合、生体力学や脊柱のアライメントが負荷を分散するのに適切かどうか、怪我のリスクを低減したりパフォーマンスを向上させたりするのに最適かどうかを指導したり意識的に努力することは賢明です。 ここに、痛みを作り出す脳の役割を論じた“A Guide to Better Movement(より良い動きのための手引)”という私の本から引用します。 明確にしておきたい重要ポイント:これらいずれも、痛みは実存しなく、すべて頭の中のことであると示唆しているのではありません。痛みは実在するものです。痛みは現実的な感覚ですが、しかし、その感覚が身体に実際に存在する損傷を反映しているとは限らないのです。さらに、痛みは、存続のために脳の活動に依存していますが、それは痛みを簡単に追い払うことができるとか、痛みはあなたのせいだという意味ではありません。残念ながら、痛みを発生させるプロセスは、ほとんど無意識で、自分で制御できるものでもありません。痛みについて意識的に考えることでそれを変えられるとしても、多くの症例ではその効果は小さいとされています。 痛みの科学の混乱についてのブログから: 痛みは、身体の状態に関連していることは言うまでもありません。ただ、それらの状態によってのみ決定するものではないのです。痛みは脳活動を要求するとしても、多くの場合において、組織の損傷がほぼ確実にその脳活動を起こすことは依然として事実です。ですから、組織の損傷は多いより少ない方が良いのです。 グレッグ・リーマンでも同じ論点が指摘されています: すべて頭の中のことではありません!医療専門家でさえもこの点で混乱しています。感情や心理的要因、脳について話し始めた途端に、痛みは単に頭の中で起きていることのように私たちが言っているという方向に話がすり替えられてしまいます。心理的要因や脳が関与しているということだけで、身体が重要でないとか痛みはイマージネーションであるとかを意味しているのではありません。 2. MRI研究では、痛みを伴わない組織損傷はよく見られることで、しかもそれは正常であると明示しています。 さらなる研究では、20歳を超えた人の身体のどの部位(たとえ痛みがない部位でも)のMRIを撮っても、顕著な損傷が観察される確率が非常に高いと示しています。下記にヨーゲン・イエブネがエビデンスをまとめた素晴らしいインフォグラフィックがあります。  この研究は、損傷を痛みと関連付けられないということを意味してはいません。非常に大きな損傷は当然大きな痛みと関連していますが、私たちが考える以上にはるかに関連性が少ないとうのは依然として興味深い見解です(Brinjikji 2015)。グレッグ・リーマンが有用な比喩表現を提供してくれています;脊椎や他の関節への損傷というものは、何らかの要因によって発火するかしないか分からない火種を抱えているようなものです。 これらの研究に協力した人たちは、今現在痛みを感じていないだけで将来的には当然痛みを伴うだろう、とシードマンは論じています。しかし、この懸念に対していくつかの研究がすでに取り組んでいます。7年間の追跡研究では、当初撮られたMRI画像と将来的な痛みとの間には相関性がないということが分かっています(Borenstein 2001)。その他の研究では、椎間板の退行変性や脊椎すべり症、椎間板膨隆などの所見にまで範囲を広げ、10年間の追跡調査を行いました。結論として:“私たちのデータは、MRI所見を基準に将来的に発症するかも知れない腰痛を予測することはできない、ということを示唆している。” (Tonosu 2017)。また、オーバーヘッド動作を伴うスポーツをする痛みのないアスリートの肩を対象にした研究では、40パーセントに回旋腱板の断裂が見つかりました。そして、研究が終わった後5年間においても、痛みを発症したアスリートはいませんでした(Conor 2003)。シードマンは、自分の主張を裏付けするひとつの研究を引用しました。その研究は、狭窄症の証拠を写したMRI画像が将来患うかもしれない腰痛を予想したと示していました。しかし、同じ研究で、その他多くのMRIによる陽性所見は将来の痛みを予測しなかったとしています。そして、“MRI所見とその結果を予測することにおいて一貫した関連性はないと確認された”と結論付けています(Hill 2018)。 参照 O’Sullivan, P. 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トッド・ハーグローブ 5709字

成功するトレーニングビジネスを築く方法 パート2/2

ビジネスにおけるパートナー 今ここで言っておきますが、古い格言のように、パートナーはダンスのためのものです。もし、自分自身でできるならば自分でやりましょう。パートナーとの確執は間違いなくビジネスにおける最も恐ろしいものの一つです。 もし、あなたがパートナーと組むのであれば、他のトレーナーとパートナーになるのではなく、ビジネスパーソンと組みましょう。他のトレーナーと組むのであれば、あなたとそのトレーナーとでどちらが嫌な仕事をするかで喧嘩になるでしょう。誰がマーケティングをしますか?誰が経理をつけますか?あなたたちどちらもが、これらのことが得意でなく、やりたりたがらないのであれば、これらすべてを誰がやらなければならないのでしょう。 ビジネスとマーケティングに興味のある誰かを探しましょう。あなたと同じ好き嫌いがあり同じ考え方を持つトレーナーを探すはよしましょう。これらは(ビジネスとは)関係ないのです。ビジネス面のことを理解し、あなたの代わりに運営してくれる人が必要なのです。 現実主義者になりましょう。もしこれをしたいのであれば、それは奉仕活動であることを理解しましょう。自身のスタジオやスポーツパフォーマンスの施設を開くよりも良いお金の使い方がたくさんあります。 そのことについて現実的になる必要があります。このことを考えて、年に200,000ドルを稼いで足を投げ出して座っていられると思ってはいけません。そんなわけないのです。 施設の広さはどれくらい? 施設をオープンすることを決めたら、物件を探す時に施設の大きさに慎重にならなければなりません。小さすぎると、すぐに拡張しなければなりません。大きすぎると諸経費に埋もれてしまうでしょうから、最近では4,000から6,000平方フィートほどで考えましょう。もしあなたが優秀であるならば、1,000平方フィートの施設を開くのはよしましょう。そのサイズの施設ではあなたが必要だとおもうことができず、3ヶ月以内にオープンしたことを後悔するでしょう。すぐにフラストレーションが溜まって、再びリノーべーション費用を払ったばかりの次の場所へ引っ越すでしょう。 これは重大な決断です:どれくらいの広さか。そして簡単な決断ではありません。 ビジネスにおける数字 いくらの総利益をあげるということは無意味です;いくらの純益をあげるということに意味があるのです。結局のところ手元にのこるのはいくらでしょうか? ビジネスを始めた時、私はこれが理解できませんでした。総利益が上がれば、収入の数字は維持され、その差が私たちの稼ぐお金の全てだと、本当にそう思っていました。しかし、総利益は上がっても純益は基本的にそれに並行して沿っていったのです。常に売り上げの同じ割合を稼いでいたのです。特別な変化はないのです。 よりよくする方法は、より多くの人にサービスを提供することです。収入はサービスの数に等しいのです。より多くの人にたいしてサービスを提供します。総利益が増加します。より多くのお金を儲けることができます。サービスを提供しないと、私たちはより多くのお金を稼ぐ方法を見つけることができません。そう上手くはいかないのです。 人を管理する これは重要です:早くから始めましょう。大学を卒業したてのスタッフを獲得しトレーニングしましょう。一番性格がよくて、親切な学生を選ぶのです。 要約してさしあげましょう:人は変わらないのです。変わることを期待しないでください。変えようとしないでください。その人が酔っ払いであれば、彼は酔っ払いであり、あなたのもとで働くからといって酔っ払いで無くなる事はないでしょう。あなたがそのことについて彼に話したならば、もしかしたらしばらくの間やめるかもしれませんが、再び慣れが出てくると、前と全く同じことをするでしょう。将来の振る舞いを最もよく予測するのは、過去の振る舞いなのです。 ルールを守るいい人たちと仕事をしましょう。 あなたの時間のほとんどを、最高の人たちと過ごしましょう。問題解決に走り回って頭痛を抱えることに時間を費やさないようにしましょう。もし、問題解決に走り回っているようであれば、その人、クライアント、従業員−それが誰であれ、追い払ってしまいましょう。このような人はあなたを狂わせてしまうでしょう。 もし、すぐにこれらの問題を処理しないと、何が起きると思いますか?その人たちに愛着が湧いてしまうのです。しばらくの間、近くに居させてしまいます。誰かをクビにするのは楽しいことではありません。彼らの世界の全てが全て水に流されていくことに、彼らが気づく様子を目の前で見るのはいいものではありません。時々、あなたが慎重でなければ、このような人と深みにはまって出ることができなくなります。簡単なうちに、抜け出しましょう。 あなたの施設での子どもに対するトレーニング 難しいクライアントとは、自分の子供が次のマイケル・ジョーダンだと考える親たちです。このような人たちに対処するための能力と方針を作り出さなければなりません。私たちの方針は厳格です:親は見学できません。もし、彼らが譲らないのであれば、一度だけ見学させます。それだけです。彼らはクレイジーで近くにいてほしくないですし−そして数が多過ぎるのです。あなたの施設のスタッフ皆の気が狂ってしまうでしょう。 しかし、彼らは一番の顧客です。自分の子どもがバスケットボールの世界の救世主になると考えているクレイジーな親は、通常、あなたが子どもに対して良い仕事をしたときあなたのサービスを他の皆に触れ回ってくれる人になるのです。 あなたに一番の評判をもたらす子どもは良いアスリートではありません。 下手なアスリートが上手くなる、このことがあなたに多くのクライアントをもたらすのです。私たちはこれに特化しているのです−これで生計を立てているのです。太った子。がりがりの子。このような子達が私たちがお金を稼ぐ方法なのです。太った子を痩せさせます。がりがりの子をより強くします。最初はより上手なアスリートであってもトレーニングをしない子より、このような子は上手にプレーします。そのようにするべきなのです。 あなたの施設を優れたビジネスに押し上げるのは、チームに入りたい平均的な子どもです。施設における子どもに対するビジネスはそこにあるのです。 公平で、親切でありましょう 公平で、正直で、公明正大でありましょう。教えましょう、カルマは巡り戻ってくるのです。追いついてきます。言い回しで、行きに人に会えば、帰りにも同じ人にも会うとありますが、本当なのです。親切でありましょう。 素晴らしい人でありましょう。それが一番重要なことです。10年後に、皆に話題にして欲しいのは、私が誰に対しても絶対騙したりしなかったということです。私が気にかける唯一のことです。 あなたのクライアントは、あなたがどれだけ彼らのことを気にかけているかを理解するまで、あなたがどれだけ物を知っているかは気にしません。その言葉は私の座右の銘です。クライアントに対して、これは絶対的に明確な事実です。 もしあなたのクライアントが、あなたが彼らを気にかけていると理解し、あなたが彼らのことを考えているとわかったら、素晴らしい仕事ができるでしょう。オフの週にクライアントと連絡を取るのにはおそらく2秒ほどしかかからないでしょう−あなたの全てのクライアントにメッセージを送るのに2分ほどしかかからないでしょう。あなたが彼らを気にかけていると伝えるのです。 彼らが知る一番ポジティブで熱狂的な人になりましょう。 インパクトを残しましょう これを覚えてください:一番多くのおもちゃを抱えて死ぬ人は友達のいない嫌な奴でしょう。おもちゃについて言っているのではありません。もしあなたがクライアントを気に掛けるならば、ビジネスは成功し、結果的に多くのお金を稼ぐでしょう。 誰の近くにいるかは、全くわからないでしょう。どんな影響があるか全くわからないでしょう。他人のあなたに対する影響がどんなものかわからないでしょう。 そしてより重要なのは、他の人に対するあなたの影響がどのようなものかも全くわからないのです。 日々これを覚えていてください。

マイク・ボイル ストレングス&コンディショニング 3492字