バイオメカニクスと細胞間のコネクション

身体構造のバイオメカニクスは、維持継続できるものでなくてはなりません。人体の70兆個(ビデオでは7兆個と言い間違えていますが)もの細胞や、それらの細胞から成り立っている全ての組織は、機械の部品のように組み合わされたものではなく、一つの細胞から成長したもの。トムの解説をご覧ください。

トム・マイヤーズ 8:17

間質:トム・マイヤーズからの声明

間質:アナトミートレインズの著者であり筋膜の講師であるトム・マイヤーズによる観察 すべての観察という行為は、何か他のことを見えにくくするという犠牲を払って、ある一つのことを明らかにします。身体の内側の観察における新しい技法―この場合共焦点レーザー内視鏡―は、従来型のスライドと染色技法というシステムの崩壊を表しており、つまりそのせいで、決して今まで“見られなかった”ものであったのです。 こちらからサイエンティフィック・アメリカンの“新しい”発見について読の記事をお読みください: https://kinetikos.jp/news/2856 Image credit: Getty Images このシステムー最近“間質”と称され、治療家達が治療上何年間も探してきた“筋膜システム”の一部-は、力学的情報のプッシュプルのための全身の伝達システムです。間質(細胞間)液と結合する粘液性のジェルの中を浮遊するコラーゲン繊維とエラスチン繊維のシステムは、リンパ系と免疫系の白血球細胞と足並みを揃えて働き、癌が拡散したり、拡散を抑えられたりしうる過程の部分として調査されています。 力学的な意味で、この泡状ジェルは様々な形で働きます: その粘性は、組織へのダメージを最小限にするために急劇な力を放散する その弾性は、一時的な力がやわらいだ時に変形を元に戻らせる その可塑性は、持続的な力(姿勢における重力の力、あるいは傷の瘢痕のような)に応じて再構築(接している細胞により再構築されること)させる。 この組織システムは、もともとフランス人外科医のジャンークラウド・ガンベルト医師によって生体内で録画され、数多くの論文や本の中で説明されており、ユーチューブでは、ギル・ヘドリー氏により筋膜周囲膜として説明され、そして私はアナトミートレインズの中で書いています。 このシステムは、望むならば新しい臓器システムと称されうるものでしょうが、(私がしばらく言及している)連続的な生体力学的自動制御システムーそう呼んでもいいでしょうーの一部であり、微小管を経由し核膜を通じてDNAから細胞膜へ、膜貫通タンパク質からグリコカリックス(細胞の外側の最初の粘液層)、この間質、そしてより大きく解剖可能な、筋膜構造に至るまで連続的な力学的つながりの中を走っています。 ここでの真の興奮は、細胞から生命体への力学的連続性です。これらの科学者たちが、彼らが何年間も見逃している何かを映像化したことは素晴らしいことですが、より大きな洞察は、我々の“生体力学”-腱を通して、靭帯によって抑制された関節をまたいで筋肉が働くーは、分子から細胞、組織、そして人体全体に至るまで、力学的連続性のこれらの新しい発見の見地から、まったく新たな再思考を要求しているということなのです。 ああ、発見のスリルーしかし私たちはこれについて何年間も関わっているのです。 ベルリン近郊で行われている、筋膜プラスティネーションプロジェクトからのこの新しい写真(上)は、この新しい間質の“臓器”のより大きな部分のいくらかを示しています。筋膜層中の管が見えますか?これらの層は長い間知られていましたが、それらは“個体の”筋膜層だと思われていました。新しい画像技術により、外縁を形成する高密度な組織の二つの層の間を、液体がどのように流れるかを見ることが出来ますが、我々の身体の液体のおよそ3分の1を吸収する中間の液体交換システムはまだ視覚化していません。 これを“発見し”、癌の転移と結び付け、膜の維持における重要性を示した科学者たち、わーい、おめでとう。このシステムの重要性(生理学的な重要性はさほどではなくその力学的な重要性であるが)を過去25年間理解していた“私たちに、おめでとう” この写真で見えるすべての層は、流体流動間質あるいは私が筋膜と呼ぶもの、またはギル氏が筋膜周囲膜と呼び、ガンベルト氏が微細液胞システムと呼ぶものも含めてすべて、実際二層になっています。我々は皆、どのように身体が働くのかを理解するという、同じ山を登っているのです。 このシステムは区画、一般的な“部分”のアイデア自体に加わるものではないため、以前は見られていませんでした。このケースでは、それは生理学のための背景であり、我々のフィールドにおいては、すべての運動のための背景です。一つの背景として、このシステムは“環境”であり、多くの環境と同様に、誰かが指摘するまで見つからないものなのです。 私たちはコラーゲンの筋により編み込まれ、粘性のグリコサミノグリカンによってくっつけられています。70兆個の細胞が良い状態に保たれ、ガスや食べ物の循環を機能させ老廃物を取り除くことができるのと同様に、このシステムが働くことは、無神論者が「システムがこのようにうまく働かなかった者は皆死んだ」としか言えないほどに、素晴らしい奇跡なのです。

トム・マイヤーズ 2077字

消化器系が最初に生まれた

2019年4月にボルダーで開催のアナトミートレイン解剖クラスにおけるレクチャーからの抜粋。トム.マイヤースが、生命体としての進化のプロセスにおいて、いかに消化器系が他のすべてのシステムに先行したかを解説します。

トム・マイヤーズ 3:38

筋膜の層

解剖のスキルがあれば、筋膜の層を何層にでも分けていくことが可能である。という解剖学者トッド・ガルシアの言葉を引用しながら、トム・マイヤースが、筋間中隔、筋外膜、筋周膜などまるで植物の葉脈のようにも見える筋膜の層について解説します。

トム・マイヤーズ 9:01

身体のシステムの連続性

神経系においても、体液/血液の循環系においても、特定の部位のみを孤立させて捉えることはないのにもかかわらず、なぜ筋筋膜系のみが、人工的に孤立させた捉え方をされ続けているのでしょうか?トム・マイヤーズが問題提議します。

トム・マイヤーズ 8:51

筋肉が靭帯をアクティベートする

日本初開催となる、アナトミートレイン・ストラクチャー&ファンクションコースからの収録。トム・マイヤーズが、見逃されてしまいがちな筋肉と靭帯の間の関係性について解説をします。

トム・マイヤーズ 3:53

動眼運動反射

東京にて開催された、アナトミートレイン ストラクチャー&ファンクションのセミナーから。実際にパルペーションを行うことが難しい深部組織の一つである後頭下筋群を感じるために、目を動かすことに対しての反射である動眼運動反射を利用して、上部頸椎に付着する深部の筋群の活動を感じ取る方法をご紹介します。

トム・マイヤーズ 3:23

小胸筋の影響

姿勢のバランスを向上させるための「魔法の」筋肉など存在はしないものの、現代人の生活習慣による姿勢に小胸筋の過度のトーンが影響しているのは否めません。トム・マイヤーズが、小胸筋の姿勢への影響について語ります。

トム・マイヤーズ 7:06

股関節前面の構造&股関節伸展

アナトミートレイン・ストラクチャー&ファンクションのコースからの抜粋。股関節前面の筋群の構成と、股関節を完全伸展することができる人間のユニークな能力について、トム・マイヤーズが解説します。

トム・マイヤーズ 4:07

骨盤のティルトのバランスをとる

骨盤の前傾、または後傾を改善するための軟部組織へのアプローチ方法に、違いはあるのでしょうか?エキセントリックにローデイングされている組織へのアプローチと、コンセントリックにローディングされている組織へのアプローチの違いをトムが解説します。

トム・マイヤーズ 7:31

要因と影響:動きのエリア 1, 2 & 3

身体の動きの範囲を1,2,3 というエリアに分けて考えるアイデアをトム・マイヤーズが紹介します。痛みや問題の要因となっていることの多いエリアとは?私達が注目すべきエリアと目指すべきこととは何なのでしょうか?

トム・マイヤーズ 8:19

普通ではないコネクション

身体に起こっている変化が、必ずしもバイオメカニクス的な問題であると限定されているわけではないかもしれません。神経系のコネクションかもしれず、結合組織によるコネクションかもしれず、そのコネクションが何であれ、私たちが直接考えつかないところに答えが見つかるかもしれません。

トム・マイヤーズ 10:28