マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
筋膜切開と筋膜リリーステクニック
最近は良くなってきていますが、多くの医者は、(もし彼らが筋膜という言葉を聞いたことがあるとしたら )「筋膜切開」と呼ばれる処置の一環としてしか筋膜を知りませんでした。気管切開が気管を切って開くことであるように、筋膜切開とは筋膜を切って開くことです。でもなぜ筋膜を切り開くのでしょうか? 血管や神経は、神経血管の束として筋膜のスリーブに覆われた状態で、四肢に張り巡らされています。このような束は、片手の親指を反対側の脇の下に入れて、上腕骨(上腕骨の中央)の内側の表面に向かって押し出すことによって感じることができます。親指の腹を行ったり来たりさせて神経の束を感じてみてください;この束は、上は腕神経叢、下は肘頭まで辿ることができます。 これらの束になっているけれども、もろい「内臓器官」は、四肢の骨、筋肉、関節をとても巧妙に張り巡っています。神か、母親か、ダーウィンか(あなたの信じるものを選んでください)が作り出した賞賛に値するデザインにより、この束は直接の圧力や外部からの攻撃から逃れ、私たちが普段、四肢にかけている相当な負担も、この束の主要な役割である、手や足に向けての、そして手や足から向けられる血液の運搬や信号の発信を阻害することはまずありません。確かに、腕を枕にして寝て、しびれが切れてしまうことや、椅子の角に肘(尺骨神経)を打つこともありますが、こういった些細な不快感は、筋膜切開が必要になるほど長くは続きません。 下腿の筋膜区画 かわいそうな男性、マイルズは、不運にも長期間治まらないほどの腫れをもたらす怪我を患い、その腫れにより血管に相当な圧力がかかった結果、血液循環が止まり、腕を失いました。しかし、筋膜切開が必要とされる大半のケースは、アスリートの脚で起こります。脚の筋肉が発達し、とても強力になっても、筋膜が筋肉の発達に見合うほど拡張しない場合です。このような場合は、このコンパートメント内(ゆえに「コンパートメント症候群」以前は「シンスプリント」と呼ばれる)に圧力が生じ、神経血管の束を圧縮し、血液循環を阻害します。これは始めはやっかいなだけですが、危険な状況につながる可能性があります。 こういった場合には、筋膜切除が手術手段となり、このビデオで詳細に示されているように、外側区画の筋間中隔付近で行われます。 この映像がちょっと強烈に感じる方、私も同感です。手術が成功する場合もあれば、手術の効果が表れなかったり、一時的にしか効果がなかったりする場合もあります。これには、1)患者が術後も激しく競技を続け、「拡張性のある」筋膜を持ち得なかった(エラスチンが少なすぎる?繊維交差が多過ぎる?私にはわかりませんが)か、2)手術によって生じた瘢痕組織が、術後数ヶ月にわたり、筋膜が筋肉の成長に応じて変化する力を無能にしてしまうからです。正直なところ、成功より失敗した方が訪ねてくることを多く経験してきたため、私の見解は少しゆがんでいます。 術後に、施術者としてあなたができること、筋筋膜ローラーやボールを使ってできることは、伸ばしたり空間を作ることに対する瘢痕組織の反応が低下しているため、手術前にできることに比べると、あまり効果はありません。それでもとにかく、やってみる価値はあります。しかし、患者がまずあなたのところに来たのなら、症状が手に負えなくなる前に、時々またはしばしば、一時的に症状を取り除くことができます(これは患者が、痛みや活動レベルに応じて時々、あなたのところに来る必要があることを意味します)。 まずは、縦方向から始め、腓骨筋のどちら側かの二つの筋間中隔を開いていき(上記のNetterの図を参照のこと)、その後、横後方中隔を開きます(私たちの「ピンチ」技術を使うといいかもしれません – ディープフロントライン パート1のDVDを参照)。ヒラメ筋と腓腹筋への施術は、あまり効果がないので、脚の深層にある小さい区画を、届く範囲で上から下へ開いていく必要があります。
Q&A:ファズスピーチについて
ファズスピーチ(結合組織間の産毛のような繊維発生に関するギル・ヘッドリー博士のビデオ)に対する最近の考え方はどのようなものでしょうか?これが動くということについては、さまざまな説が出ていて、どれも完璧な説得力がありますが、これらには、生体ではなく検体におけるデータが使用されています。数年前のウェビナーで、あなたが次のようにおっしゃっていたことを思い出します。生体におけるファズは、それほど速く厚みを増すことはなく、改善するのも比較的簡単であると。今もそのようにお考えですか?動きとファズについて、クライアントに伝える時、最新のリサーチをもとに、より正確でありたいと思っています。 トムの返答: 今年末に取り上げる予定の大きなテーマではありますが、とりあえず簡単にお答えしましょう: すべては互いに“ファズ (産毛のようなもの)”によってつなげられています。“ファズ”とは、グリコアミノグリカン(糖タンパク質、粘液)とコラーゲン線維が結びついている疎性組織であり、脂肪細胞もよく含まれています。 おっしゃる通り、防腐処理を施した検体でみることができる“ファズ”は、何も処理されていない組織でみられるものよりも、より乾燥し、固定されています。そして、処理されていない組織のファズは、人工的に作られた動画の組織よりも動きが少ないでしょう 。これは、多くの生体に触れることによる感覚や未処理の検体を解剖してきた経験に基づいています。間違いなく、通常、書籍に記載されているいるものよりも、もっと、全ては筋膜でつながっているのです。 なにも処理が施されていない検体の“ファズ”です。上が上腕二頭筋で下が上腕筋です。解剖では通常切り離すことになっているため、解剖学の本に登場することはほとんどありません。ファズは、筋と筋の間の動きを可能にはしますが、と同時に、動きを制限し、筋間の力が側方へ伝達されることも明らかです。たとえば、上の筋が左方向へ収縮または伸長したとしましょう。そうすれば、下の筋の筋膜に力が分散することになります。 私達は、筋は相互に“スライドする”と言いますが、私が行ってきた解剖では、僧帽筋は菱形筋に産毛のようなものでからみつき、広背筋は前鋸筋に同様にからみついています 。必ずそうであり例外はありません。教科書通りの個々の筋の起始・停止の様子を得るためには、このけばだったファズを指でなぞり“壊し”たり“溶かし”たりしなければなりません。 実際の生体内で隣接する組織の面と面の間に動きがあるということは、ファズの2つの要素によって決定されます。それは、組織の流動性と線維の長さです。 A) 組織内の水分が多ければ多いほど、グリコアミノグリカンは水分を吸収し、セラピストの手により、または身体を動かすことで生じるストレッチにより動き易くなります。 B) 線維が短ければ短いほど、隣接する面間では、一方の面が動いてからもう一方の面がそれにつられて動き始めるまでの動きは少なくなります。ガタガタな古ぼけたはしごで例えると、両サイドの支柱が筋膜の面で、横木がファズだとします;横木が長ければ長いほど、支柱と支柱はお互いにシフトしやすくなります。 よって、より緩くて水和されたファズは、十分な動きを可能にするでしょう。一方、固く乾燥したファズであれば、ひとつの筋からファズで繋がっている筋や骨、血管、膜構造へと効率的に力を伝達するでしょう。線維が乾燥して短いほど、より高い安定性を生み出します(もちろん、これは時には好ましく、安定性が必要な部位ではファズが動きを制限してくれていると推定します)。緩すぎる組織(過可動)は、可動性が低下した組織と同様に問題になることがあります。ここで疑問となるのは“どこで?”そして“だれにとって?”なのです。 たとえば、前腕を例にとると、筋群の近位端である肘の付近では、ファズがしっかりと筋をつなげ、まとめています。これらの筋群が、最良のコンディションであっても互いにスライドし合うとは考えにくいでしょう。それぞれの筋間で多少のスライドはあるにしても、私がこれまでに解剖してきた前腕では、これらの筋群はすべてしっかりと束ねられ、完全につながって力を側方へ互いに伝達できる仕組みになっています (私はそのように考えますし、フイジン氏の見解とも一致しています)。これは、効率の良い力の分散機構です。筋間の壁(筋間中隔)も互いを固く結びつけており、グレープフルーツの薄皮の仕切りに少し似ています。むいて離すことはできますが収穫前のグレープフルーツでは、ファズでしっかり結びついています。 手首に近い遠位端では、腱は周辺組織に対して明らかにスライドします。少し近位の筋腹より遥かに多くスライドします。ガンベルト医師は、腱組織と周囲組織は“筋膜の泡のようなもの”(多数のマクロ液胞スライドと緩衝機構)でできているフラクタクルな構造でつながっており、腱はこの複合体の中をスライドするということを発表しました。 興味深い部位は、筋の半分ぐらいの位置にあります。どのぐらい遠位になるとつながっているべきで、どこでスライドが始まるべきのか?それは、その人の遺伝的性質や身体が受けている負荷によります。そして、“筋の約半分ぐらいの位置”は通常、動きを制限している“ファズ”を分解するのに最も施術効果が高い部位です。言うまでもなく、ここは筋紡錘やゴルジ腱受容器、その他の伸張受容器などの筋膜のセンサーが豊富な部位で、つまりこの部位での施術は、筋膜的にも神経的にも意義深いものになります。 たとえば、ハムストリングは、坐骨結節までの全域を3つの筋に、かなり容易に分けることができますが、臨床では、たいてい大腿後面の中部から膝上5センチまでかなり厚い“ファズ”で筋膜同士がつながっています。これらを離して下肢にもっと“自由”を与えるべきでしょうか? ダンサーやヨガを実施する人には“イエス”ですが、ランナーやフットボール選手にとっては“ノー”でしょう。
筋膜101
筋膜とは、何か?身体全体を包み、組織に内在し、全てを通り過ぎている大きなネットワーク、筋膜のネットワークに関してアナトミートレインの著者、トーマス・マイヤースがわかり易く解説をしてくれます。
深く書き込まれたパターン
神経系が重要か?筋膜系が重要か?すべては繋がっていて影響を与え合う。実験的な動作が、仕草になり、仕草は習慣となり、習慣は姿勢を要する。随意的なコントロールよりもより深いレベルに書き込まれたパターンを書き換えるには、何が必要なのか?
神経系と身体構造の代償
神経的な問題やパターンが、筋膜/身体構造に書き込まれ、動作を制限するようになる。神経系の問題と身体構造の代償の関わりと、変化のプロセスに関して、わかりやすい例を使ってトーマス・マイヤースが解説します。
筋膜のトレーニングの基本原則
近年のリサーチによると、筋膜のトレーニングをするのに、あるひとつのトレーニングが他より優れている、というような方法はないが、孤立化させるのではなく、様々な方法で筋膜の長い連鎖をトレーニングをすることがより効果的です。
関節弛緩性の評価
結合組織にも様々なタイプや個人差が存在します。関節に弛緩性を持つ結合組織の密度が低いタイプの個人と、結合組織の密度が高い個人では、必要な運動のタイプも異なるはず。関節の弛緩性の有無を確認する方法をご紹介します。
筋膜の4つの構成要素
筋膜を構成する4つの要素とは、結合組織細胞、水分、繊維、基質。これらそれぞれの特徴と、繊維芽細胞の活動を、筋膜のエキスパートであるトーマス・マイヤースが解説します。
脊柱のテンセグリティーモデルの発達
私たちの初期の脊柱モデルは、ブロックを積み重ねた圧縮モデルでした。この圧縮モデルから、軟部組織による張力の海の中に椎骨が浮かぶというテンセグリティーのコンセプトへのシフトに関してトーマス・マイヤースが語ります。
ロックドロング vs. ロックドショート
筋筋膜への、遠心性、求心性の慢性的(長期的)な負荷がかかることで、いかに筋膜が引き伸ばされてロックがかかる=ロックドロング、あるいは短縮してロックがかかる=ロックドショートの状態となり運動を制限するか、そのメカニズムと対策をトム・マイヤースが解説します。
脊椎と肋骨の関係性
脊椎と肋骨とのユニークな関係性を、進化の過程における脊椎の発達から、トーマス・マイヤースが解説します。
2つのタイプの歩行
トーマス・マイヤースのセミナーから。よく見られる2つの歩行のタイプと、それぞれのタイプが身体に与える影響を解説します。