マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
縫工筋と膝の痛み
台湾で開催されたイマキュレートダイセクションのクラスから、膝の痛みに関与する要因の一つである縫工筋の機能不全と、その修正方法に関してDr.ドゥーリーがご紹介します。
ヒップヒンジの基本
ケトルベルやバーベルなどのツールを使って、ジムでトレーニングするデッドリフトの動きを日常生活で十分に活用できているでしょうか?洗面台やお手洗いでの動作にどのくらいヒップヒンジが含まれているのか、考えたことはありますか?
アナトミーエンジェル:帝王切開の傷痕とそのコアスタビリティーへの影響
帝王切開は、腹部の切開による外科的除去(通常胎児あるいは塊)処置です。 その傷痕の古さに関わらず、帝王切開の傷跡は、特に下腹部における患者の腹腔内圧(IAP)構築能力に関して分析されなければなりません。 帝王切開は、2つの主な術式によって実行されます。ひとつは白線に沿って垂直に切開する方法です。 現代の帝王切開に、より多く使われているのは、恥骨の上の腹部腱膜(幅広い平らな腱)を切開する横行切開です。 白線は、胎生学的発達過程においてかつて開いていた、私たちの生命の自然な傷跡ですから、解剖学的見地から言えば白線を切開する方が、よほど理にかなっています。私達の腸は実は身体の外側で発達し、出産の直前に、この血液を含まない白線と呼ばれる面がジッパーを締めるように閉じてゆく際に、腹部内に戻ってくるのです。 このエリアは、前外側及び前側の筋肉群のすべてが、幅広い基底部を持つ腱を介して左右から中心線に繋がっているエリアです。血液を含まない面構造であることから、外科手術中の過度の出血を防ぐことにもなります。しかしながら、これはよく行われる切開ではないのです。 横行切開は見た目が良く、いくつかのリサーチでは、垂直切開と比較し、より胎児の罹患率マーカーを低下させるという報告もされています。 横行切開の問題は、恥骨とのコネクションであり、大腿部前面にまで延びる腸腰筋筋膜と繋がる重要な腱膜を切ってしまうことです。 外科医は筋肉は切っていないと議論するかもしれませんが、これらの腱膜のコネクションは、IAPにおける骨盤のポジション維持のためにも重要であり、腹横筋と内腹斜筋の結合腱を通り腸腰筋筋膜を介しての安定性の伝達にも重要です。 腱を切断すれば、力の伝達のコネクションも切断してしまいます。 横行切開は、白線のように血液を含まない面ではありません。白線のように自然な傷跡でもないのです。 帝王切開の傷跡を過去10年間にわたって観察してきた経験では、その99%が横行切開によるものでした。そして私が評価をした帝王切開の傷跡の100%は、それらの傷跡のどこかに組織の伸張性と固有需要的入力が欠落し、IAPの不適切な構築を引き起こしていました。 帝王切開の傷痕とIAPの構築のコネクションに関してよく報告される症状は下記のようなものです: 1. 両側性の四肢の痛み、特に膝と股関節前側 2. 腰痛 3. 自然分娩をしていないにも関わらず、尿失禁あるいは便秘/下痢などの骨盤底症状 4. 下腹部の収縮性のコネクション喪失を伴う、傷痕周囲の無感覚あるいはセンセーションの欠落 5. 股関節は受動的/そしてあるいは能動的に可動するにも関わらず、両側の股関節前側の硬さを知覚する 多くの女性たちは、帝王切開の傷跡の存在とこれらの症状を関連付けたことがありません。彼女たちの症状は、帝王切開の傷跡から近いところに常にあるわけではないのですから! 傷跡の重要性は、IAPの構築とリリースの解剖学的学習となります。これが何を意味するのか、そして傷跡から離れている多くの部分に影響を与えるのはなぜかを話し合うのは重要なことです。 最大吸気時に適切なIAPの構築を伴い、横隔膜は下降し、骨盤底が下がりますが、この下に向かう圧を上向きに支えて、裂孔から脱が起こるのを防ぎます。次に、呼気に関わる筋肉(腹横筋、内腹斜筋、外腹斜筋、大腰筋、腰方形筋、多裂筋、腰部起立筋)が伸張し、重心の周りで角の腰椎の動きが起きるのを防ぐためにコアに圧をかけます。 私たちが適切にIAPを構築すれば、胸腔の圧は急激に低下し、空気が肺に吸い込まれる真空を作り出します。もしIAPが適切に構築されていれば、胸を能動的に持ち上げる必要はなく、呼吸の補助筋群がそれぞれの主な働きをするための、安定した土台を受け取ることができます。 もし前面の腱によるコネクションが切断されれば、固有受容感覚は変化します。IAPは失われ、その生産もリリースも協調性を失います。 腸腰筋筋膜が、その緩みと安定した近位の土台を失うことで、結果として股関節がタイトになります。 これは恥骨陵における腹横筋と内腹斜筋のエキセントリックなローディングであるために、骨盤底の反応への不適切なキューイングという結果を呼ぶかもしれません。 前鋸筋が、その肩甲骨縁を上肢の動きのために自由にさせるのではなく、アクティブに呼吸をする筋肉として動員されてしまうことから、IAPの喪失はまた、肩の機能不全という結果を呼ぶかもしれません。 協調性を失ったIAPの損失は、身体を、前傾した骨盤と過剰な腰椎前弯、または胸椎との負荷の進展負荷の共有不足を伴う過度に負荷のかかった腰部という、下部交差症候群に陥れ、ほぼ常に何らかのレベルの腰部の硬直や硬さと同じように考えられます。 ですから、この傷痕、そして他のすべての腹部の傷痕を、問診時の質問票に加えてください。 皆さんが患者さんに、腹部前面の外科的手術が、股関節の痛みや、骨盤底機能不全、肩の問題、腰痛、膝の不快感などにリンクしている理由、あるいは傷ができることによるIAPの損失にもリンクしているかもしれない理由を解説することを、喜んでお手伝いします。 いつもの通り、これはあなた次第なのです。 Dr.キャシー・ドゥーリー 横行切開vs.垂直切開と罹患率に関する論文は: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3228350/ 傷痕とこれらがいかに神経学的関係性に影響するかに関するさらなる情報は: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3883554/
アナトミーエンジェル:斜角筋
斜角筋は、臨床的に重要で大きな影響を与えるにも関わらず、誤解されがちで間違って取り扱われがちな筋肉群です。 前斜角筋は、協働筋である頸長筋と同じ部位に起始を持ち、C4-C6の横突起の前小結節で停止します。そしてこの筋肉は、第一肋骨に筋自体をアンカリングしています。 中斜角筋、後斜角筋は、多くの場合双方の筋繊維が混合し、ひとかたまりになっています。もしこれらの筋腹が識別できるようであれば、中斜角筋はC1-C3の横突起の前小結節から第一肋骨に伸びているのがわかります。後斜角筋は、前斜角筋と同様の起始を持ちますが、第二肋骨に停止しています。 これらの筋肉の位置と繊維の方向性のために、これらの筋肉は、肋骨が固定されている時にコンセントリックに働くことで、頚椎の屈曲と側屈を起こします。 もし運動の固定ポイントが首であるとすれば、上部肋骨を挙上することで呼吸の補助筋としても働くことになります。 これらの筋肉が肋骨を挙上するために使用されると胸郭圧の減少が最小化されるため、これらの筋肉は、一時的な呼吸筋としてのみ使われなければなりません。 さらに問題となるのは、前斜角筋の過伸張です。 前斜角筋が伸張されロックがかかった状態で固定されると、クライアントは頸部を屈曲する能力を失います。伸筋群に拮抗するものがなくなると、結果として後部頸筋群の過度の活性化とそれに続く頭痛、肩甲胸郭機能不全、そして偏頭痛さえも起こり得ます。 最悪のシナリオにおいては、伸張されロックのかかった斜角筋は、神経血管系の障害をも起こし得ます。上肢全体に血液供給をする鎖骨下動脈は、前斜角筋と中斜角筋の間に挟まれています。動脈の後方には、上肢全体を神経支配する上腕神経叢の神経根と神経幹があります。 このため、斜角筋がうまく管理されず、特に伸張されロックがかかった状態になってしまうと、この神経血管束の真上を押さえ込むようになってしまい、手全体のしびれや血行障害を引き起こす可能性もあります。 ただ、必ずしもこのように劇的な変化から始まるわけではないかもしれません。 通常最初に失われる感覚は、脊髄後索媒介によるもので、患者自身に認識される、あるいはされない程度の振動の感覚の喪失を経験するかもしれません。患者がしびれを経験するよりもかなり前の時点で、固有受容感覚(位置の感覚)の急激な変化を経験するかもしれません。これは運動制御の機能不全のために、筋肉の認識される強さが失われるということを意味します。 これは、正中神経と尺骨神経がそれぞれに、グリップの親指側と小指側に神経供給をしているため、手の ”OK” グリップテストで、テストすることが可能です。 もしこのテストにおいて、親指側と小指側のみが低下しているようであれば、テスト対象者は、斜角筋抑制(伸張ー脆弱化)の傾向があり、それが神経病の兆候の原因となっているかもしれません。 対象者は、また頸部がかなり伸長された見た目を有し、反対側への頚部側屈の傾向を持つこともあり得ます。 対象者は、両側に筋緊張亢進の傾向がありながらも、伸長された側(神経症状のある側)に、常に不快感を感じています。 追記される警告として、彼らは、頚部のすでに伸長されてしまっている側へのストレッチの必要性を感じるかもしれず、これが神経血管束に対しての伸長をさらに悪化させることになります。 グリップテストを行う際、前額面において反対側をストレッチすることで、すでに伸長されている側を短縮すれば、テスト結果は向上することになるでしょう。これによって、圧迫されている神経血管束への伸長性の緊張が取り除かれ、より良い血液循環と神経支配という結果をもたらします。 対象者が、手全体のしびれを経験している場合、もし斜角筋が問題であるならば、問題のある側へのストレッチを行うことによって、しびれは解消されることになるでしょう。 斜角筋は、頸部において両側で短縮されてロックがかかることはほとんどありません。頭部前突の姿勢を持つ人の場合においても、上部頚椎、中部頚椎を伸展することで(上部斜角筋のストレッチポジション)頭部を水平にしようとします。 しかしながら、斜角筋が静かな状態での呼吸に使用される時には、肋骨部位において両側ともに短縮します。硬い緊張した首と腹腔内圧構築の喪失といった症状がみられ、偏頭痛や、緊張性頭痛、腰痛などのケースとして現れます。 斜角筋のより良い運動調整を考慮し、間違っているかもしれない側への徒手的なストレッチセラピーなどを実行してしまう前に、これらの観察を考慮すべきでしょう。 常に、どうするのかはあなた次第です。
米を使った手の内在筋トレーニング
手の屈曲、伸展、外転、内転などの動きを司る筋群の強化と、関節の可動性を自宅でのんびりしている時にトレーニングする方法とは?簡単で安価に実行できるトレーニング方法をDr.ドゥーリーがご紹介します。
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前額面での股関節の動きである、外転&内転の動きがスムーズに起きているかどうか?水平面の動きや腰椎の動きで代償をしていないかどうか?簡単に行えるテスト方法とそのコレクティブエクササイズをDr.ドゥーリーがご紹介します。
ハイプル
肩の後ろ側にある筋群の働きを整えることで、オーバーヘッドの腕の動きを改善することができれば、肩の動きの機能の向上に繋がります。効果的に使えるドリルであり、スナッチテストに向けて練習する人にとっても効果的な、ハイプルのドリルをキャシー・ドゥーリーがご紹介します。
ランジポジションでの股関節減圧
発達過程で経験するポジションを十分に経験しなかった人たちにとって、特に重要となる左右の股関節の圧縮と減圧を練習するためのポジションとは?DR.ドゥーリーのイマキュレートダイセクション:コア のコースからの抜粋をご覧ください。
骨盤底のペンジュラム
2018/7/3 に東京で開催のイマキュレートダイセクション コアのコース1日目から。骨盤底筋群の機能障害に対しての、動きによる介入方法を、イマキュレートダイセクションチームのエクササイズメソッドであるペンジュラムの応用形を用いて紹介します。
胸腰筋膜の3層構造
キャシー・ドゥーリーのイマキュレートダイセクションに欠かすことのできない存在である、解剖学アーティストのダニー・クィークが作成、解説した、胸腰筋膜の3層構造の解剖をご紹介します。もっとも表層である後層から、もっとも深層である前層までの複雑で立体的な構造を視覚化できる素晴らしいデモをお見逃しなく!
テンションのダイアル
東京で初開催となった、イマキュレートダイセクション コアのクラスから、呼吸のドリルをご紹介します。獲得した腹腔内圧をできるだけ失わないように呼吸を吐く方法を、タスクに必要とされるレベルに合わせて調節できるように、ダイアルのメモリをイメージしながら実践します。