マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
痛みを詮索することが成功を生むメカニズム
痛みがあったとしても、あるいは痛みを引き起こしたとしても、自分自身にとって意義深い大好きな活動を再開することが、長期的に痛みを克服するために効果的であり得ることの背景にはどのようなメカニズムがあるのか?理解してみたいとは思いませんか?
打破された迷信を打破する:ランナーにおける静的ストレッチと怪我のリスク
2007年のこと、私はランニングの怪我とストレッチについての講義の際に次のように記載された資料を配布しました: 怪我を予防するためにストレッチしなければならない。間違いである これは、怪我の予防に関して最も有名な考えでありながも非常に少ししか科学的根拠をもっていません。実際に、多くの研究は、ストレッチすることは怪我を予防せず、実際にはパフォーマンスを阻害するかもしれないことを示唆しています。同様の研究では、より柔軟性が高いことは怪我の予防について重要ではないことも示しています。しかし、研究は一般論を提示し、そして私たちは研究において人間の多様性を考慮するほど洗練されてはいないのです。 少数の人たちは、ストレッチをすることで効果がでるかもしれません−そのため、ストレッチをすることが大好きでこれまでもやってきたならば続けてください。 私は、少なくとも10年間はストレッチ反対派でした。少なくとも、私は怪我を予防するためにはストレッチが必要であると言って回る人達に反対でした。それは私にとっては理に適っていなかった(いまだにそうですが)ので、その時点での研究が怪我の予防方法としてのストレッチを支持していない(再度になりますが、いまだにランナーにとってはそうです)ということを言うのを楽しんでいました。 しかし、私が間違っていた点は、それを迷信であると言っていたことです。そして、多くの人達はいまだにそれを迷信だと言っており、私たちは依然として間違っているのです。Todd Hargrove が言うように、それは単に過大評価されていると言った方がいいでしょう。 ストレッチの有効性(ランの前であれフィットネスの方法の一部としであれ)が本当に証明されていないため、それは迷信であるとも言えないのです。私たちの多く(私も含めて)が行ったのは、他のスポーツ種目における研究をもって、その結果をランニングに応用したことです(Lauersen 2018を参照)。 もしくは、私たちがしたのは、怪我の予防法としてストレッチすることを実際に支持したいくつかの研究を無視することでした。例えば、多くの研究者達がストレッチすることは、筋損傷が多く起こる活動(例、スプリントやカッティング)において怪我のリスクを減少させるようであると10年間以上も議論していました。このことは、この論文で検証され、そしてこの論文でも支持されました。もしあなたがLauersen 2018の論文だけしか読んでいなかったのであれば、ストレッチすることは怪我の予防の役に立たないと考えていたでしょう。しかし、怪我やスポーツの種類を分けることで実際に怪我が減少するのがみてとれることを提唱する研究者の集団がここにいるのです。 しかし、持久走のみに注目してみましょう かなり昔、そして長年私がしなかったことは、運動前のストレッチのランニングの怪我に対する有効性を具体的に調査したそれらのエビデンスの質を実際に調べることでした。システマチックレビュー、主にLeung 2011とBaxter 2016、において、6つの論文が引用されているのが見られました。これらの論文における大きな制限因子の一部を抜き出してみましょう。 Popeらの研究1998年 軍隊入隊者の大きな母集団(典型的な長距離ランナーではない) 腓腹筋とヒラメ筋のストレッチを2セット行った 20秒間保持。20秒は長いと思いますか? 両群(コントロール群と介入群)はその他の下肢と体幹部のストレッチを行っていた! これではストレッチが怪我を予防しないと言うに十分であると思えますか?極めて過小な介入であり、実際に両群ともにストレッチをしていたのです。 Popeらの研究2000年 再び軍人の大きな母集団 介入群は6つの異なる筋のストレッチを行ったが、単に20秒を1セットのみであった。 どう思いますか?これは何らかの結論を出すのに良い処方量でしょうか? Andrishの研究1974年 ~ ノーコメント、見つけられません.アブストラクトがありませんでした。 Liuの研究2008年 ~ 中国語で、アブストラクトがなく、見つけることができず、読むことができませんでした。 Hartigの研究1999年 彼らは怪我の減少を認めました。 Van Mechelenの研究1993年 静的ストレッチはウォームアップとクールダウンの介入の一部でした。 彼らは下肢全体を、10秒間を3セットストレッチしました。 尊守率は46.6%でした。 再びですが、処方量が過小で、かなり低い尊守率です。しかし、私が最も興味深いと感じたのは、この研究でストレッチを誹謗する多くは、ダイナミックストレッチやウォームアップ、そしてクールダウンを支持しているのです。それにも関わらず、これらの要素もまた「検証され」そして(エビデンスが)不十分であるのがわかっているのです。一貫性があるでしょうか? ここでは一貫性が最終的なテーマとなる 私たちの批評には本当に一貫性があるでしょうか?怪我の予防に対してストレッチすることに特別なスタンダードを設けているように思えます。非常に僅かで乏しい研究が、ストレッチすることでランナーにおける怪我のリスクを減少させることができると示唆していますが、私たちの大好きな怪我の軽減方法がランニングの怪我を予防することを示唆している研究もまた非常に乏しい、または全くないのです。 これら全てのことはエビデンスに欠けています: 急性的:慢性的な負荷比率(ACWR) ストレングストレーニング 「トレーニングエラー」の回避 ウォームアップとクールダウン そしてこれら全ては、私が2007年の障害予防のガイドで推奨し、今もなお推奨していることです。 怪我を予防する 怪我を予防するために2つの一般的な方法があります: 組織への負荷/ストレスを減少させる 急いで多くのことをし過ぎない−漸進的なボリューム/強度の計画に従う。 常に痛みを抱えているならば上記のA)を無視する…異なるプログラムを試してみる。 走る路面やルートを多様にする。 組織の強度/抵抗を向上させる ストレングストレーニングを行う−体幹だけでなく、全身を。 既存の怪我を治療する−治っていない怪我は将来の怪我に関連する。 トレーニングはゆっくりと増加させる。 しかしながら、上記全てについては良いエビデンスが欠けています。ストレッチすることにエビデンスが欠けているように。しかし、それらが迷信だとは言いません。私たちの先入観を支持しない研究が出てきた時、私たちは単に怪我は複雑だからと言ったり、またはその研究がくだらないから関連性がないと言うために、詳細まで吟味したりするでしょう−しかし、研究が私たちの先入観を支持した際はこのようなことはしません。 ストレングストレーニングとランニンングに関する怪我についての論文を見てください。このプログラムは怪我を減少させるのには効果的ではありませんでした。この研究はストレッチに関する研究の大部分よりおそらく優れたものですが、怪我予防のためのストレングストレーニングを迷信だと呼ぶ人たちをあなたはみることはないでしょう。現在は(エビデンスに)支持されておらず、研究が不足している(本当です)とは聞くでしょうが、それでもそれを主張するでしょう。 実用的意義 ありません。ごめんなさい、ここまで読んでもらいましたが、私は投げ出してしまいます。口うるささ以外、私にとって過去20年間に何も変わってないのです。いまだに怪我を予防するためにストレッチをしなさいとは言いません。それはエビデンスに支持されていない主張です。私は、個人的にはランナーとしてストレッチをする必要があるとは信じていません。しかし、同時にそれが非効果的か効果的かについて本当に知らないと自身で認識しています。誰もわからないのです。私は、人々にはストレングストレーニングや昼寝、友達と時間を過ごすことに時間を費やしてほしい。全てのことは怪我を予防するかもしれませんし、しないかもしれませんが、確実に良い二次的な効果があります。怪我の予防については同じことを勧めますが、私は自身の批評と反省にはより慎重で一貫的であるように心がけています。
組織の強度とランニング耐性:わたしたちは思考を変え拡大する必要があるのか?
痛み、怪我、そしてラントレーニングについての仮定 組織の損傷や衰弱は、ランニング関連の怪我や痛みの原因であると考えられています。組織の強度の向上が怪我のリスクを減少させるものと仮定されています。それでわたしたちは、負荷が許容量(キャパシティ)を超えると怪我が起きるなどと言うのです。(そう、その許容量(キャパシティ)という用語には問題があるのですが、それは別のブログで。) 骨や結合組織(腱、筋膜、靱帯、軟骨)は、機械的負荷に対して確かに肯定的に反応する(例えば、より強くなり、よりレジリエンスが高くなる)けれども、短時間(10分間)の機械的負荷を与えた後は、組織がストレスに“耳を傾けなくなる”と示唆する研究もあります。つまり、より負荷が構造的適応の向上及び組織の強化(骨に関する研究はこちら)にはつながるわけではないのです。しかし、少し時間をおくと(4-6時間)、組織は再び反応できる状態になります。 骨や腱、または関節に負荷をかける特定の関節運動は、その組織を”頑丈にする”ために推奨されています。これにより、組織は構造的に強化され、損傷する可能性が低くなるとされています。 怪我を避けるべく、ランニングの量や強度を徐々に増やしていくことは、良いランニングプログラムの基礎です。徐々に増加させることで組織は強化され、わたしたちが怪我(すなわち組織の損傷)をする可能性が低くなるとされています。 問題点及び思考実験 短時間の負荷をかけた後は組織が反応しないことを考えると、あなたはこう思うでしょうか… …週5回20分間のランニングを3年間続けている人の組織のレジリエンス強度は、週5回60-90分間のランニングに合わせてゆっくりと(3年間にわたり)鍛えた人のものと同じになるのでしょうか? もし仮定#2を考慮するなら、組織のレジリエンシー及び強度において、この人たちは同等の組織の強度を持つことになるでしょう。なぜなら、もしこの仮定が正しければ、たくさん走っている人における追加の“足をついた時間”が触媒となり、さらなる肯定的な組織または構造上の適応を引き起こすことはないからです。そう、身体のその他のシステムには別の適応があるのはわかっています。しかし、構造的には違いはないはずです。 それに関連して、もし仮定#2が本当ならば、定期的にランニングしている人(20分間を週5回)は、一週間のランニング量を2、3倍にして、それを維持することが可能でしょう。彼らは週5回60-90分間走る人の構造的レジリエンシーを持っているのです。徐々にランニング量を増やして鍛えても構造的適応の向上にはまったくつながらないため、ランニング耐性をゆっくりと増強させる必要はないでしょう。はいはい、あなたが考えていることはわかっていますよ。恐らく、構造はここで最も重要なことではないかもしれません。そう考えていてください。 含意 – または別な見方 1.構造的世界にとどまってみよう もし構造的破損/損傷/強度が、ランニングに関する怪我において一つの重要な変数であるならば、恐らくわたしたちには皆、大きな影響を与えることのできない遺伝子的限界があるでしょう。あなたは週60㎞走ることができるかもしれませんし、それがあなたの限界かもしれません。そしてあなたは恐らく、トレーニング人生の中でその限界にかなり早く達するかもしれません。その限界を上げることは可能ですが、それはわたしたちの身体が言うことを聞くたった15-20分間の機械的負荷に伴って上がるものです。つまり、それ以上は無理ということです。あらかじめ定められた閾値を変えるには何年もかかることでしょう。 2.怪我と適応能力は組織のレジリエンシーよりはるかに大きな問題である これは言うまでもないことでしょうが、言いましょう。これが意味しているのは、わたしたちが抱えるランニング関連の“怪我”の多くは、怪我の問題というわけではないということです。それは身体的ストレスに対する神経免疫反応の問題かもしれません。侵害受容は化学的プロセスの影響を受け、痛みに向かう途中の侵害受容は非常に多くのものに影響を受けます。少量のトレーニングは確かにわたしたちの組織に変化を与えるようですが、トレーニングはまたわたしたちの身体の他のシステムすべてにも影響を与えるのです。トレーニング量をゆっくり漸進させること(あなたが自分の身体に耳を傾けているとき)は、組織のレジリエンスよりもはるかに重要な数多くのシステムを鍛えているかもしれません。そして安全な適応能力及びランニングにおいて最も重要なのは、これらのシステムであることに間違いないでしょう。 3.クロス“トレーニング”の意義 痛みに結び付くランニングに関しては、組織の損傷を無視するのは公平でないと思います。それは依然として関連しているかもしれません。筋力トレーニング及びプライオメトリクスはすべて、組織の適応を刺激してその組織を強化することができるかもしれません。しかし、もし仮定#2が成り立つのなら、これらのワークアウトはランニングから4-6時間空けて行われ、10-15分間だけ行うべきだと示すことができます。あるいは、クロストレーニングでは、ランナーが安全に走るために必要な他の身体的特性(例えば筋肥大)を発達させるべきなのかもしれません。また反対に、一日2回、4-6時間空けてランニングすることの価値を主張することもできるでしょう。それは多くのランナーが何世紀にもわたって行ってきた方法です。 最後に、もしより全体的なアプローチを選択して、多くのランニングの痛みの問題が単なる組織の“怪我”ではないと認識するならば、他のシステムを改善するための介入方法を特定し実行するスキルを上達させなければいけません。私はいまだに、ランニングそのものが、人をランニングに備えさせるための最良の方法であると考えています。
痛みがあるときでも意義のある活動を再開する方法(A)
痛みが起こることを恐れて、自分自身にとって意義のある活動を諦めてしまったりやめてしまった経験はありませんか?これらの活動を再開することには沢山のメリットがあります。ただ闇雲にスタートするのではなく、どうすれば良いのか?グレッグの提案をシェアします。
痛みがあるときでも意義のある活動を再開する方法(B)
痛みが起こるかもしれないけれど、自分自身にとって意義深いことを再開するにあたって、具体的にどのようなことに注意しながらスタートしていけば良いのか?なんだか元気になるグレッグのビデオの後半をご覧ください。
筋肉の硬さを心配しなくていい理由
硬さを心配しなくていい理由 筋肉及び関節の硬さは、2つのこととして捉えることができます: 1.実際の、または知覚的な関節及び筋肉の剛性として。剛性とは、ある関節や構造を動かすのに必要な力の大きさを表す力学的な概念です。より剛性の高い物質または関節は、伸ばしたり動かしたりするのにより大きな力を要します。 2.可動性とは可動域全体を指します。可動域が低下していることを、硬くなっていると言う人もいます。硬さという用語をこのように使うべきではありません。可動域の低下は、可動性の制限と考えましょう。これは、つま先を触ることができるか、背中でどこまで手が届くか、またはバックベンド(後屈)をすることができるかどうかに表れるでしょう。 ところで、”硬さ”とはかなり無意味な用語です。それはよく、硬く感じることと可動性が制限されているように感じることの両方を意味するために使われます。私はその用語を、硬直の意味か関節可動性における制限を示す意味のどちらかで、とても一般的に使っています。その意味が重要な場合には、もっと具体的に説明するでしょう。 伝統的な理学療法では、痛みの原因として”硬い”筋肉をしばしば非難してきました。それらの理論のいくつかを見てみて、どうしてそれらが痛みに関しては恐らく無関係なのかを見てみましょう。この記事ではこの剛性と可動性の感覚的な側面に焦点を当てており、次の記事では剛性と可動性の力学的な側面に焦点を当てていきます。しかし、どちらの記事も概ね、それを心配しすぎないようにという内容です。痛みの世界では、硬さや可動性の制限があまりにも責められすぎているのです。 理由その1:自分が感じていることを信用できない。すなわち:あなたは本当は“硬く”ない 私が“硬い”と引用符で囲んで表しているのを見たことがあるかもしれません。これはなぜかと言うと、筋肉が硬いまたは硬直していると感じたりすることがありますが、それは本当に可動性が低下しているというわけでも、客観的に硬くなっているわけでもないからです。ごく簡単に言うと、わたしたちは自分が感じていることを常に信用できるというわけではありません。特に痛みがあるときは。痛みは、わたしたちが自分の身体を知覚する方法を乱します。そのため、多くの関節(脊椎、膝、首)に痛みを抱える人々はより硬さの知覚を報告するでしょうが、これは実際に計測された硬さとは一致しません(これについてはこちらの素晴らしい論文が調査しています)。首の痛みがある人々が硬さを報告してきても、痛みのない人より客観的に硬いかというとそういうわけでもないのです(参考文献はこちら)。 これは非常によくあることですーわたしたちは痛みのある時に感じることを常に信用できるわけではないのです。膝の痛みがある人は不安定感を報告するでしょうが、彼らの不安定性や弛緩性の客観的な測定値は、彼らの知覚と相関がありません(参考文献はこちら)。そしてこれはまた、腫脹の知覚にも当てはまります。実際の腫脹は、膝の痛みがある人の知覚された腫脹とは相関がありません(参考文献はこちら)。 それは、何かがなんとなく痛かったり気になるということを伝える手段がないので、ただ”硬い”とだけ感じてしまっているようなものです。繰り返しますが、これは奇妙なことではありません。わたしたちの知覚が、必ずしも実際に起きていることの良い指標になるとは限らないのです。長期的なストレッチ法を受けると、可動性または可動域は増加しますが、関節の硬さには変化は見られないでしょう(参考文献はこちら)。しかし!!!実際の硬さには客観的な変化がないとしても、その人は硬さが軽減されたと感じるのです(参考文献はこちら)。身体は時に素晴らしく、時に愚かです。 多くの人が示唆しているのは、硬いと感じる知覚は、ただ不安や不快感、疲労、痛み、または過敏性という感覚が現れる一つの方法に過ぎないということです。また、あなたが痛みを抱えているとき、ある善意のセラピストがあなたにどこかが硬い(例えばそのセラピストがあなたの僧帽筋をぐっと押して、「これは今まで見てきた中で最も硬い僧帽筋だ」と言う)からそれが痛みの原因ですよ、と言ってくるとしましょう。そうすると、本来は決して問題ではなかったはずの偽りの硬さ/硬直の問題を“治そう”として多くの時間を費やすという、この沼にはまってしまうのです。わたしたちは正常な感覚を病的なものとみなしているのかもしれず、そうなるとすべての“修正法”(例えばストレッチ、フォームロール、マッサージ、手技)は間違った標的を追いかけているため、失敗のお膳立てをすることになってしまうでしょう。 理由その2:硬いと感じることや実際の硬さは、付帯現象または痛みの副作用である 付帯現象とは一体何でしょう?付帯現象とは、一次現象と同時にまたは並行して起こる二次現象のことです。痛みに伴い硬直が起こりますが、実は硬直は痛みの原因ではありません(例えば痛みがある人にはより脊椎の硬さが見られます。参考文献はこちら)。つまり、他の何かが痛みと硬さの知覚の両方を引き起こしているのです。痛みそのものが硬直の原因となるという考えは、これに関連したものでしょう。このことは、状況を大げさにする傾向のある人は筋の剛性及び安定性が高くなるという、実験的に誘発された痛みの研究のいくつかにおいて見られます(参考文献はこちら)。 単純な例は、変形性膝関節症です。変形性膝関節症を患っていると、朝に硬直があるでしょう。これは症状の一部です。また、痛みを伴う場合もあるでしょう。痛みと硬直はどちらも、変形性膝関節症の過程で引き起こされるものです。それらはただ相関しているだけなのです。硬直が痛みを引き起こしているわけではありません。 もう一つの例は、付帯現象が副作用に発展し、そこから痛みの原因に変化する場合です。あなたが腰痛持ちで、脊椎屈曲に敏感であり、脊椎屈曲を恐れているとしましょう。恐らく、脊椎を曲げると椎間板がすり減るとか、脊椎を固定して屈曲を防ぎ、それを守らなくてはならないというような、くだらないことを言われたことがあるでしょう(ところで椎間板は順応することができ、ストレスは良いものですー参考文献はこちらとこちら)。ほとんどの場合、これはかなりひどいアドバイスで(一時的に屈曲を避けるべきいくつかの例外はあります)、多くの人々を混乱させてきたのはこの類のアドバイスです。そこであなたは、無意識または意識的に体幹をブレーシングし、動きを制限させ、体幹筋を”締める”ことでしょう。自然と硬さや痛みを感じるようになるかもしれません。あなたは、がちがちに防衛性筋収縮した状態になり、脊椎の動きの流動性を失ってしまうかもしれない、それでもなお腰痛に苦しんでいるのです。それでは、痛みの本当の原因は何なのでしょうか?私は、硬直はちょうど痛みと同じように最初の被害者であったものの、今では問題を永続させることに関与していると思います。 恐らく、恐怖、心配、そして脊椎には多くの保護が必要だという思い込みが、脊椎を固定し動かさないようにさせ、それが筋肉や関節の硬さの原因となって、痛みの定着につながったのでしょう。脊椎は動くことが大好きなのに、あなたが脊椎の健康的な活動を否定しているため、動きの欠如は今や痛みの永続化を手助けしています。そしてブレーシングや防衛性筋収縮が背中に対するネガティブな思い込みを生み、それが今度はあなたを過敏にしているのです。痛みを維持し続けている主な問題は、あなたがこれまで与えられてきた、くだらないアドバイスだったのです。背中について抱く思い込みや恐怖、そして心配が、何も考えずに、恐れることなく自信を持って背中を動かすというような健康的なことをやめさせる原因となっていたのです。つまり、筋肉及び関節の硬さは、当初は痛みとあなたの思い込みの副作用でしたが、今では痛みの問題を促進させているわけです。 ここでの解決策は、脊椎にフォームロールを行うことや、背中をポキッとしてもらうこと、またはマッサージで何かを”緩めて”もらうことではありません。そうではなく、痛みの問題である脊椎の健康を高め、自分のできることに再び自信を持ち始めることが解決策となるでしょう。 理由その3:実際にある硬直ではなく、硬いことを心配することこそが問題なのである 痛みと硬さの知覚は痛みがあるときに結び付くことが多いため、硬さの知覚が重要な問題だと考え始めるかもしれません。もしあなたが私のような人なら、あなたは熟考する人であり、大げさな人かもしれません。人間には、無害なセンセーションを、苦しみや障害を引き起こしうる厄介なものへ実際に変えてしまう能力があります。そして残念ながら、硬さの知覚でもそれはありうると思います。人間であれば、硬さを感じるでしょう。そして痛みを感じるでしょう。これらは避けられないものです。そしてそれらが問題だと言われたら、これらのことを常に修正しなくてはならないと考えるかもしれません。そうして、フォームロールをし、マッサージをし、ストレッチをし、リリースをしようとするというこの過剰警戒列車に乗ってしまうのです。 残念ながら、私の専門職は、正常な身体感覚を病理学的に捉えてきました。それがわたしたちの一部を本当に苦しめている可能性もあります。それは夜に何かが滴るのを聞くようなものです。眠りたいのに、どうもその滴る音が気になり考え始めてしまうのです。ただ水滴が落ちているだけなのです。水滴は排水溝へと流れていきます。なんでもないことです。しかしそれを考え続けてしまうと、その音しか聞こえなくなり、眠れなくなってしまうのです。関連して、それは眠ろうとすることと同じです。眠ろうとすればするほど、また眠らなくてはと考えれば考えるほど、眠れなくなってしまいますよね。 あるいは、腸脛靭帯が硬いのでリリースやストレッチが必要だと言われたことがあるかもしれません。もしくは、ある腱が硬い、または大腿筋膜張筋が硬くて、腸脛靭帯を引っ張って膝の痛みを引き起こしているのだと言われたり。これらのことは実際には存在せず、問題ではありません。しかし、腸脛靭帯をつついてみると圧痛を感じるかもしれませんし、硬いと感じるかもしれません。ですが、それはそう感じるものなのです。結合組織を伸ばすことはできません。繰り返しになりますが、ここで問題なのは、正常な感覚を問題にしてしまっているということです。それはやめましょう。 それでは、ここでの解決法は何でしょうか?ストレッチし、モビライゼーションをし、フォームロールをし、マッサージを受けるのはよいのでしょうか?もしこれらの方法を試したところうまくいったのであれば、素晴らしいことです。そのまま続けてください。しかし、それを試したけれどもいまだに苦しんでいる、あるいは何かをする前後に20分間フォームロールをする必要があるのだとしたら、恐らくそのセルフケアを止めるべき時なのかもしれません。その硬さが本当に意味するものを再評価しましょう。それは本当にあなたを苦しめている問題なのでしょうか?誰かがそれを問題だと言っただけで、あなたは今、何かを“リリース”しようと人生の半分を費やしているのではないでしょうか。硬いという感覚を偏見なく見て、「おや、この動きは硬いと感じるな。興味深い。でもこれは、本質的に問題があるわけでも病的なものでもないんですよ。それはそういうものであり、修正が必要なものではないんです。」って言えるでしょうか? それは必ずしも簡単なことではありません。ただこれらの感覚を受け入れて、それらを増幅させないようにするのです。すると面白いことに、そうすることでそれらの感覚が実際にそれほど煩わしくなくなり、それに気付かないことさえあるかもしれません。実際には修正する必要のない”何かを修正“しようとすることをやめて、自分自身を受け入れるのです。
コアの安定性と腰痛に関わる10の問題
理学療法士のグレッグ・リーマンが、数々のリサーチエビデンスをベースにして、私達が長年思い込んできた「腰痛の原因は脊柱の不安定性のためである。」という概念にチャレンジします。思い込んできたほど、コアの安定性について心配する必要はなかったのか?興味深い提案をぜひチェックしてみてください。
関節や組織のこわばりはいつ問題になるのか?
関節の硬さ、組織の硬さ、関節の可動性が問題になりそうないくつかのエリアを早速取り扱ってみましょう。この内容が、網羅的なものであるとは考えないでください。 1. あなたにとって重要なときに 簡単でしょう? もし、硬さが気になり、それが痛みの原因になっていると思われるのであれば、それは話し合う必要のあることです。 それが本当にあなたの痛みや機能に貢献しているのか、それともあなたのこわばりの感覚は、痛みを引き起こしている他の何かの「犠牲者」に過ぎないのかを見極める必要があるのです。 ここで考えるのは、私たちは時に、実際には問題ではない「何か(窮屈さの知覚)」を「直そう」とすることがあるということです。 そして、変える必要のないもの、変えられないものに注目を向けることは、問題を悪化させるかもしれません。 2. こわばりが、何か他のネガティブで役に立たない習慣や信念によって引き起こされている場合 このことは、認知機能療法グループの研究によく現れています(レビューはこちら、私はこのグループのスポークスマンではないことにご注意ください。下記は彼らの出版された文献やディスカッションに対する私の解釈です。) 痛みのある人が避けていた、あるいは恐れていた動作に誘導する「行動実験」も彼らの介入の一部として関わっています。これらの活動をしていると、人々は自然と躊躇したり、警戒したりすることがよくあります。 私の考えでは、その筋肉をガードすること/ブレースをすることは、本来、誰にとっても悪いことではない(例えば、短期間なら助けとなる人もいるかもしれない)と思います。 しかし、一部の人々にとっては、そのようなガード(例えば、実際に機能するために必要な以上の筋肉の緊張)は役に立たず、本質的に、自分の腰部は弱く、傷つき、保護を必要としているという信念の身体的な現れです(これは私の言葉で、CFTグループによるものではありません)。 「エクスポージャー」の世界においては、これらは「安全行動」と呼ばれ、これらの安全行動は、解決策の一部となるどころか、問題を永続させることになります。 この場合、より少ない緊張で曲げたり動かしたりしようとすることは、人々が自分の症状をコントロールできるようになるための一つの可能性です(つまり、コントロールしながら経験に露出し、これらの安全行動を取り除くことです)。 繰り返しになりますが、筋肉の緊張は本来、間違ったものではありません。 関節に負担をかけすぎて「すり減らす」ということはないのですが、この場合、一つのことで感作し続けるために、もう役に立たなくなってしまうのです。 緊張、ブレース、ガードは不適応な動作パターンの一部であり、痛みの持続を助けている可能性があります。 したがって、動き方を変え、以前は恐れられ、避けられていた活動に自信を持たせることには価値があるかもしれません。 3. 動きの選択肢とパフォーマンスのためにモビリティが必要 例えば、スクワットが大好きなのに、腰が痛くなってきたとします。 そして、ゴブレットスクワットをすると、腰痛が軽減されることが判明しました。 そうすると、体幹を起こした方が腰痛になりにくいような気がします。 さて、どうすれば痛みの少ないスクワットを続けられる、より直立したスクワットができるでしょうか? セーフティーバーを使うとか(私は使いましたが、それは五十肩のためでした)、リフティングシューズを使うとか(私は使いました)、足首の背屈を増やすとか(そうすべきですが、私は怠け者なので)。 足首の背屈が大きくなると、重心が前方に移動し、お尻の重さとバランスが取れるため、より直立にしゃがむことができるようになります。 また、症状の改善、ストレスの緩和、パフォーマンスの向上など、モビリティが重要な役割を果たす分野もあります。 下のビデオ(バックハンドスプリングで頭から着地しているところ)では、私の多くの限界の1つは足首の背屈なのがわかります(他にもありますが、リストを作って私にメールする必要はありません)。 後方へと上がる力を生み出すスピードが足りないし、足首がROM最終域に達して押し出しを始める時に身体の位置が適切な場所にないのです。 ですから、なんだか早く上がりすぎて、空中で霧散してしまうのです。) かなり簡単に言うなら、誰かが違う動きをすることが合理的で、違う動きをするための要件として、その新しいROMを持つことが必要であると考えるなら、ROMは重要かもしれません。 バックハンドスプリングに関連することですが:モビリティが重要なもう一つの分野は、手で地面を押し出すのに良いポジションを取りたいと思った場合です。 理想的には、胸椎と腰椎をもっと伸ばせるように努力すべきでしょう。 そうすることで、よくありがちな、肩がROM最終域で地面を「受けとって」しまうということをしないようにすることができるのです。
リハビリ101:バイオメカニクスと痛みの科学を調和させるための回復の基礎
この20年間で、良いリハビリテーションが劇的に変わったとは思いません。 誰かが5年後、10年後に同じことをしていたら、それはセラピストとして失格だと言うのをよく耳にします。 戯言です。 基礎的なことは何年も前から知っていますが、臨床家として上達するのは、それをいつ、どのように応用するかということです。 バイオメカニクスと痛みの科学の調和には3つの主要分野があります: 臨床的意思決定を改善するための批判的思考法の開発 治療の基礎を支持、反論、発見するための研究の掘り下げ 治療の簡素化を目的とした、治療選択肢の緩やかな枠組み 1、3のポイントを見てみましょう。 批判的思考法の発達と臨床的意思決定 これは、破壊のための神話解体ではありません。物事を粉砕してアプローチを嘲笑うことは簡単ですが、それが役に立つとは思えません。 私は、代替案を示さずに批評することに興味はありません。 ここでは、一般的なアイデアやアプローチを分解し、そのアプローチの中にある優れた点を見つけます。 一見異なる2つの治療アプローチが、どのように同じことを行っているのかを調停しようとするところです。 私たちがやるべきことをより良くするために、治療の有効成分を見つけるための分解なのです。 私たちはこのような質問をします: 暴露 対 保護? なぜ運動が役に立つのか? 特化する必要があるのはどのような時か? 回復のためには何を変えなければならないのか? どのような場合に機能障害が重要となるのか、また、良くなるために「修正」する必要があるのか? これらの質問に答えることで、私たちはリハビリテーションの一般的な枠組みを導き出し、その枠組みの中で具体的な方法を導き出すことができます。 治療の簡素化を目指した治療選択肢の緩やかな枠組み このフレームワークには、基本的に「ハウツー」あるいは実践的構成要素である4つの要素があります。 それらは、患者さんと一緒にする「こと」で」成り立っています。 見てみましょう: 1. 認知の再構築:痛みの再構成と理解 これは「痛みの科学」の部分ですが、痛みの神経科学についてはあまり詳しくは触れません。 痛みを理解する手助けをするのに、神経科学者である必要はありません。 そうではなく、回復に関する重要なメッセージを理解し、患者さんにどのように説明し、それらのメッセージをいかに患者さんに適合させることができるかを考えることです。 それは本当に実践的であることであり、身体的介入やその他の介入を補完するような、なぜ痛むのかについての説明を提供することなのです。 2. 特定の負荷:部分と遠位 これは、膝蓋大腿痛症候群、腱障害、変形性膝関節症、肩の痛み、腰痛など、特定の痛みの問題に対する運動処方箋となるでしょう。 私たちは、運動を選択する際の一般的でシンプルな原則、それが痛みや回復にどのような影響を与えるか、そして私達が持つ素晴らしい選択肢のすべてを理解する必要があります。 文献を深く読んでみると、ローマへの道は数多くあり、選択肢も沢山あることがわかります。 私達が答えようとしている具体的な質問は以下の通りです: いつ控えるのか、いつ暴露するのか? 具体的なエクササイズはいつ、何が必要なのか? 運動処方の成功のターゲットや媒介者は何か? 機能障害が重要となるのはいつか(例:筋力、腱の硬さ、可動域、運動制御)? 運動準備が質に勝るのはなぜか? 研修の複雑さを経験した後で、実践的アプリケーションは実にが実はかなりシンプルであることがわかるでしょう。 3. ミクロ負荷修正:症状の修正 私達が治療法の共通点を見つけようとするのはここです。 いかにして、マリガン、マッケンジー、CFT、グレーデッド・エクスポージャー、ニューロダイナミック・テクニック、キネシオパソロジカル・モデル、そして徒手療法が、同じテントの下に収められ」るのでしょうか? 単純化してそれらの共通項を見出せば可能です。 私達は治療のオプションを開発することができ、あなたの現在のスキルは、最初に教えられたこととは異なるかもしれない枠組みの中で使用することができます。 4. マクロ負荷管理:生活/健康の改善と有意義な活動 これはちょっとした包括的なものです。 痛みは多次元的なものであり、さまざまな要素が役に立つということを認識することです。 それゆえ、「より健康になる」という単純な考え方が、実は痛みの改善に役立つのです。 しかし、私達は目の前の患者さんに合わせた治療を望んでいるわけですから、それをどのように理にかなったものにし、患者さんとどのように協力していくかが課題です。 部位的な負荷は、意味のある活動の再開や進行(すなわちマクロ負荷管理)に伴って発生することがよくあります。 スポーツのリハビリにおいて、これはかなりリハビリ101です。 治療の枠組みのこの部分では、段階的な活動と、有意義な活動(例えばスポーツへの復帰)を再開するための段階的な活動とペース配分が、リハビリの重要な部分であると認識しています。 実際に、部分的な運動や症状修正を省略できることもあります。 つまり、ランニング(スポーツに特化したものなど)もリハビリの一部となり得ますが(詳細はこちら)、痛みのため、あるいはこれまで受けてきたアドバイスが適切でなかったために、できなかったり、恐れたりしていることを再開することもできるのです。 スポーツの世界では、これは「スポーツに特化したトレーニング」ですが、しつこい痛みの世界では、これは「生活に特化したトレーニング」です。 目標の活動を再開することは、回復の基礎なのです。これらの領域はどちらも、私達が自分自身に課したストレス要因に適応する素晴らしい能力を持っていることを認識していますが、おそらく私たちは、それらのストレス要因に最適に対応するために個人を最適化する必要があるかもしれません。 そしてそこで、治療同盟、楽観主義、痛みを理解すること、自己効力感などが、段階的活動、ペーシング、エクスポージャーと相互作用して、素晴らしい結果をもたらすのです。 良いリハビリは私達の基礎に働きかけるものです。 自分の基礎を見つけ、その基礎を応用する際に、どのような細部を改善する必要があるのかを考えましょう。 研究結果を見て「何も効果がない」と言う人は間違っています。 研究者達が本当に言いたいのは、人々を助けるには様々な方法があり、私達はそれらの原理原則を適用する新しい方法を学ぶことにオープンであるべきだということなのです。
背部伸展ヒンジは欠陥ではない
自分自身も体操を練習している理学療法士のグレッグ・リーマンが、自身の子供に体操を指導する微笑ましい場面において、動きの中で見られる脊椎の伸展方向へのヒンジを、欠陥と捉えるか否かに関しての考えをシェアします。
摩擦のない接触面と徒手療法
皮膚の上から骨をスライドして動かそうと思っても、実際にスライドしたりグライドしたりするのは皮膚の表面と皮下組織であって、骨を動かすことはできない、ということをしましているリサーチが存在することをご存知でしたか?理学療法士のグレッグ・リーマンがお子さんたちを使ってデモを紹介してくれます。
理学療法士はエクササイズ処方がひどく苦手?
私は最近、理学療法士が運動処方をひどく苦手としているかどうかについてのポッドキャストを公開しました。理学療法士やリハビリ専門家が批判されているのを聞いている、ここ数年の傾向への反応として。 批判は次のとおりです: 「理学療法士はストレングス&コンディショニング(S&C)の基本を理解しておらず、もし彼らがよりよく知っていれば、患者により良い結果を得ることができるはずである。」 ポッドキャストの後に続いたディスカッションの間、私のポイントについて多くの誤解があり、多くの人々が「お互いに話し合っている」ようです。誤解の多くは私のせいだと認めましょう。 「S&Cの基本」という用語を定義するのは難しいものです。そして、具体的な詳細を取り上げるには、具体的な主張を聞かなければなりません。私は長年にわたって遭遇した例を挙げることしかできません。ですから、私が聞いたことに取り組み、いくつかのニュアンスを追加しようと思います。 私の立場は次のとおりです: 理学療法士はS&Cの基礎を理解しています。 ただし、S&Cの基本は、多くのリハビリのシナリオに関連しないことがよくあります。 理学療法のリハビリプログラムは、優れたS&Cプログラムが何であるかの恣意的な基準を満たしていないため、それらの基準が不正確である可能性があるにもかかわらず、否定的に判断される可能性があります。 S&Cは、従来のリフト(スクワット、デッドリフトなど)や、従来のレップ範囲を伴うジムベースのレジスタンスエクササイズでしかないと考えられているように感じることがあります。 議論とアイデアのいくつかを見てみましょう: 1. 理学療法士はS&Cの基本を知りません。 これは実際には議論するのが非常に難しい発言ですが、私は2つの方法でそれに挑戦します: A)私は何千人もの理学療法士を教えてきましたが、私のコースの大部分はスポーツ障害のための運動処方です。コース参加者の大多数は、優れたエクササイズベースのリハビリテーションプログラムを作成する上で優れた仕事をしています。特定の属性(筋力、パワー、腱のスティッフネスなど)を発達させ、運動を漸進させ、後退させることができるように見えます。 B)私の理学療法トレーニングは、S&Cの基礎を含んでいました(少なくとも私の基礎の解釈)。 しかし、これらの基本は、多くの人が基本と考えているものを満たすものではなかったかもしれません。私達は、デッドリフトのコーチング方法や、重いバーベルでスクワットする方法を教えられていませんでした。ピリオダイゼーションの詳細については触れておらず、反復回数の範囲の連続体について深掘りすることもありませんでした(そうすることで、運動を処方することがいかに簡単であるかがわかるにも関わらず)。 一方で、誰かが何をするのに苦労したかのタスク分析を行います。誰かがベッドから出るのが難しかったり、座位から立ち上がることに制限があったり、歩行が遅かったりした場合(たとえば)、様々な高さからのアップ&ダウン、座位からの立ち上がり、歩行修正を組み込んだアクティビティベースのリハビリテーションプログラムを設計します。そこには確実にスクワットやランジもあるでしょう。私にとってそれはS&Cです。そして良いリハビリです。 私達は人々をジムに連れて行き、デッドリフトやダンベルスプリットスクワットをしていましたか?いいえ。ですから、バーベルとダンベルベースのアプローチが優れていると考えるとするなら、理学療法士が何をするかを否定的に判断することもできるでしょう。しかし、私はそれを拒否します。 2. 理学療法士は人々を理解し、10回を3セットは最悪です。 理学療法士が、中程度のローディング(8-12回)を使用しているため、リハビリが劣っていると言われているのを何度も聞いたことがあります。彼らは、これは筋力の向上、機能、そして痛みと回復に劣ると言われているのです。この発言は通常、エクササイズのプロでもある理学療法士からのものです。彼らは、S&Cに関する高度な知識を持っていると考え、人々はより強くなるために5x5をローディングする必要があると考えています。繰り返しになりますが、私はそれを拒否しますし、S&Cの文献もまた同様です。10回を3セットは間違いなく人々をより良くすることができます。 同様に、数多くの疾患(膝蓋大腿痛、膝OA、GTPS、腰痛)は高負荷を必要とし、低負荷介入(ストレッチ、グルートブリッジ、手技治療)は疼痛および機能にとって劣るという考えがあります。 ここでも、私は個人的にこれらの条件を持つ人々に高負荷をかけたいと思ってはいるものの、これを拒否します。それは私の治療スタイルですが、高重量負荷をかけない人達を責めることができるとは思っていません。なぜなら、これらの問題はしばしば痛みの問題だからです。機能を損なわせるのは痛みであって、その逆ではありません。つまり、多くの異なる動きやエクササイズが痛みを和らげるのに役立ち、それが機能に役立つことを意味しています。これは、Jared Powellの論文でよく説明されています。膝のOA文献中にもあり、ここでは、筋力の増加が回復を媒介するようには見えず(ここ)、高負荷は低負荷よりも優れてはいません(ここ)。 3. 痛みと同様に機能を考慮する必要があり、S&Cが必要です。 はい、同感です。だからこそ、S&Cが無関係だと言っているわけではありません。しかし、S&Cの原理原則は、重いバーベルやジムベースのプログラムだけではないのです。リハビリは、従来の筋力トレーニングプログラムに従うだけではありません。誰か階段を歩くのに苦労している人がいる場合、あなたのリハビリプログラムは、シンプルに階段を歩かせるものでありえます。ただこれを適切な量で提供するだけです。5x5プログラムに捉われる必要はないのです。その人は、退屈で古いヒップブリッジ、クラムシェル、黄色いセラバンドでの股関節外転エクササイズからも恩恵を受けることができるでしょう。 では、そのルーティンは、脛骨を骨折してバレーボールに復帰しようとしている17歳にとって素晴らしいものでしょうか?まあ、最初はそうかもしれませんが、もちろんその先へと漸進することになります。そして、従来のS&Cレジスタンストレーニング、ジャンププログラム、およびプライオメトリクスが確実に示されるでしょう。なぜなら、S&Cは絶対的に重要だからです。 私達の最大の問題は、人々が基本を知らないことではないと思います。問題は、私達の臨床上の意思決定と、従来の高負荷ジムプログラムの基本が回復のために必要なのがいつかを理解することです。回復のために特定の属性の開発が必要なのはいつなのか?これは私達が問いかけたい質問です。なぜなら、それが必要でない時には、より多くの選択肢があるからです。 4. 多くの理学療法士は、レジスタンスエクササイズを教えることができないと感じています。 そうですね。いいでしょう。私は人々がそのように感じていることを知っているからこそ、理学療法士達がこれらのタイプのエクササイズを学ぶのを助ける同僚達をサポートしているのです。レジスタンストレーニングとジムベースのエクササイズは、健康、長寿、加齢、多くの疾患のリハビリに間違いなく役立ちます。 そして、それは確実に(他の多くの便利なオプションに)数多くの疾患のためのオプションです。レジスタンストレーニングのアプローチには素晴らしい副作用があるため、私はそれを支持しています。 しかし、それはあなたが思っているよりもはるかにシンプルなのです。そして私が拒否するのは、運動を処方する方法を限定してそれを困難にしようとする人達です。 繰り返しになりますが、これらの特定のエクササイズや従来のS&Cレジスタンスプログラムがリハビリの回復に絶対的に必要とされるのはいつかを問いかけることに論議は向かうべきです。それは、あなたが思っているほど頻繁ではなく、私達は理学療法士である友人のリハビリプログラムを、本来よりもはるかに否定的に判断しているかもしれないことに気づくと思います。 これで問題が解決することを願っています。