股関節内側のモビリゼーション

深くしゃがむことができる能力、これは私達誰もが、子どもの時に持っていた能力であるにも関わらず、その可動域を充分に使わない生活習慣が続くことで、失ってしまいがちです。関節の本来持っている自由さを取り戻すため、そして組織の弾性リコイルを取り戻すためのモビリゼーションをレニーがシェアしてくれます。

レニー・パラシーノ 6:16

なぜ動作が重要なのでしょうか?

これまでに、私は、基本原則に基づくアプローチを持つことが、私達のクライアントへのトレーニング、治療、評価の方法の礎を築きいていると言いました。私達はまた、基本原則の幾つかについても触れ、そして、それらが私達のエクササイズと評価の戦略・技法の両方を、どのように導くのかについても触れました。今回は、なぜ動作を理解することが重要なのか、なぜ私達は、筋肉を評価・トレーニングするのではなく、動作を評価・トレーニングするのかについて、もう少し話をしたいと思います。 身体に関わる仕事をする専門家として、動き方を理解することは、私達の学習項目において、最初の項目であるべきです。実際は、おそらくあなたが勉強する際に、教わることの無いものの一つかもしれません。教わるほぼすべてのことは、身体を静的に保った状態で、一部位の動作のみに基づいています。それは、私達の動き方ではありません。実のところ、歴史的にみて、人体解剖学の研究の多くは、テーブルの上に横たわっている身体、もしくは解剖用死体を対象に行われています。最後に解剖用死体が動くのを見たのはいつでしたか?もし見たのであれば、実に怖いことです。 私達は、個々の筋肉に関して多くのことを学習していますが、実際は、身体は個々の筋肉を識別せず、筋肉が集合的に作り出す動作を識別します。19世紀の時点で、有名な解剖学者、チャールズ・ビーヴォーは、このことを示唆していたのです!私達のクライアントは、ほぼ常に動いているわけですから、これは非常に重要なコンセプトです。私達が一つの関節を動かすときはいつでも、その関節周辺の多くの筋肉が大きな役割を果たしています。いくつかの筋肉は伸長し、いくつかの筋肉は収縮し、そして、またいくつかの筋肉は関節を安定させています。実際、もしあなた肩の筋肉周辺に、小さなライトが沢山ついた状態で、腕を動かすならば、そのライトの一群全体が点灯するでしょう。関節の角度の変化や異なる筋肉の強調によって、ライト点灯のパターンが変化するでしょう。実のところ、筋肉は、動作を作り出す前に、動作に反応します。筋肉は、身体に作用している重力、地面反力、推進力のような力に反応します。筋肉は、これらの力に対して、動作をコントロールし、関節を安定させ、その際、求められる動作をもたらす力を作り出します。 従って、それは、私達は動作と動作がどのように作り出されるのかについて、もう少し詳しく学ぶべきで、個々の筋肉ついてはあまり悩むべきではない、ということを意味しています。よって、“筋肉ではなく、動作を評価、トレーニングする”が、コーキネティックにおいて、根本的な基本原則の一つです。事実、私達は、努めてどのように動作が作り出されるかを、理解しようとしています。一つの関節には、同一の関節動作を作り出すために、5通りの方法があります。よって、動作を作り出すために、私達は動作をトレーニングしたいだけではなく、最も機能的で本質的な方法をトレーニングしたいのです。 動作が誤ってしまう時 身体は、筋肉ではなく動作を認識するために、動作を評価しトレーニングすることは、私達の機能の基本原則です。私達が大切にしている、もうひとつの重要な基本原則は、動作はタスクによって駆動される、ということ。 これは、意識的に、テニスボールを打つというようなタスクを遂行したい場合、その人の身体が、そのタスクを達成する方法を決定している、ということを意味しています。あなたは意識的に筋肉を活性化したり、関節を動かしたり、どの動作がどの部位から来るのかを決定したりはしません。それらすべてが、潜在意識で発生します。これは、身体は最も抵抗の少ない方法をとり、制限された筋肉や関節を動かさず、より多くの動作は、しっかりと動く関節からもたらされる必要がある、ということを意味しています。残念ながら、これは、組織へのストレスと慢性的な使い過ぎによる損傷を招く可能性があります。 クライアントが動作を遂行しているからといって、彼らにとって、その動作が良いというわけではありません。実際、多くの場合において、私達は一番大きな動作、もしくは一番重い重量を探求しています。私達は、これが達成、もしくは成功を指し示すと思っているのです。 短期間においては、これは真実なのかもしれませんが、能力以上かもしれないタスクを達成するために、身体は、変容、もしくは代償性パターンを見つける必要のある可能性が更に高い、ということも意味しています。私達のクライアントの動作の漸進方法のプロセスはまた、クライアントにとってのコントロールされていない、誤解された、障害を与える可能性がある動作を避けるために重要なのです。クライアントを上手に扱うことができれば、彼らは何度でも戻ってきますが、そうでなければ、二度と戻ってはきません。これは同様に、私達が、どのように彼らの動作を向上させるか、もしくは妨げるかにも当てはまりまるのです。 クライアントにタスクを実行してもらう際、どのように彼らがタスクを遂行するかに注目していますか?どの関節や筋肉が、十分に活用されていないか、過度に使用されていて、障害の危険性が高いかを理解しようと努めていますか?クライアントを効果的、かつ効率的に動かすための準備をしようと努めていますか?コーキネティックにおいては、これら全ての点が考慮されています。

ベン・コーマック 2300字

コンペティションのための最善なテーパリング方法とは? パート1/2

コンペティションのためのテーパリングは、最近まで研究者によりあまり研究が成されていなかったという理由からか、科学というよりもむしろ芸術のように思われている。しかし現在は、テーパリングや、様々なタイプのアスリートにおいてパフォーマンスを最大に引き出すための計画に関する論文が数多く存在している。 この総説は、テーパリングに関する研究内容を理解するための有益な枠組みを提供する。最新の情報を提供するため、この総説には最近の系統的レビューからの結論も含むこととした。 研究論文: コンペティション前のテーパリング戦略に関する科学的基本原理、ムジカ&パディラ、スポーツ&サイエンス、メディスン&サイエンス2003年 背景 テーパリングとは、重要なコンペティション前の最終週において、激しいトレーニングにより蓄積された疲労の影響を減少するために、トレーニング量やトレーニング強度、もしくはその両方を減少させることである。 正しく行えば、様々な有益な生理的変化が起こり、著しいパフォーマンスの向上へとつながる。間違った方法で行うと有害となり得る。テーパリングの際に起こる生理的変化には下記のものが含まれる。 最大酸素摂取量の増加 (e.g. Banister, 1999 and Neary, 1992) 無酸素性作業閾値の上昇 (e.g. Zarkadas, 1995) 筋パワーの増加 (Johns, 1992) 酸化酵素の増加 (Neary, 1992) 筋グリコーゲンの増加 (Neary, 1992) ヘモグロビン値とヘマトクリット値の上昇 (Mujika, 1998 and Mujika, 2000) テストステロンの増加とコルチゾールの減少 (Mujika, 2000 and Mujika, 2002) 筋力の増加 (Martin, 1994) タイプIIa筋繊維のサイズ、強度、速度、パワーの増加 (Trappe, 2001) 睡眠の質の変化 (Taylor, 1997) 気分の変化 (Raglin, 1996) これらの生理的変化のほとんどは、テーパーの有益な効果に貢献すると考えられているが、それぞれの変数要素のカテゴリーが一般的に観察されるパフォーマンスの向上にどれほど貢献しているかは明らかではない。 テーパーの3つの主なタイプは、段階的なテーパー、直線形のテーパー、急激なテーパーである。段階的なテーパーにおいては急激なトレーニング仕事量(ワークアウトの量、強度、頻度の組み合わせ)の減少が起こる。直線形のテーパーでは、トレーニング仕事量が直線的に減少する。 急激なテーパーでは、仕事量は非直線形で減少し、テーパーの早い時期に仕事量が加速的に減少する。テーパーはトレーニング仕事量の減少速度によっても定義することができる。直線形の減少、急激な減少共に、仕事量の減少速度によりさらに調節することが可能である。 *** 評論家たちは何を発見したか? トレーニング強度を維持することの重要性 持久系アスリートに対して評論家たちは、トレーニングされている選手と (e.g. Hickson, 1985) されていない選手の (e.g. Shepley, 1992) 両方において、有酸素プログラム後の最大酸素摂取量向上を維持するためにはトレーニング強度を維持することが重要であると発見した。 ストレングス&パワーアスリートに対しては、かなり少数の研究しかなされてはいないが、強度を維持することによる効果は同様なようである (e.g. Gibala, 1994 and Izquierdo, 2007)。 下記のグラフは、4週間に渡る少量で高強度のテーパリングによる、上半身と下半身の強度とパワーに対する有益な効果を示している。 研究者たちは、テーパーを行う際に強度を維持(もしくは増加)する重要な役割に対する様々なメカニズムを提案した。少量で高強度でのテーパーに関するこれらの要素には、全血液量、赤血球容積、クエン酸シンターゼ活動(酸化容量の指針)、筋グリコーゲン濃度、テストステロン値が含まれる (e.g. Shepley, 1992 and Mujika, 2002)。 この点において、テストステロンが垂直跳びのような下半身の爆発的なパフォーマンスと良好な相関関係にあるということは興味深い (e.g. Cardinale and Stone, 2002)。 *** トレーニング量を減少させることの重要性 評論家たちは、持久系アスリートにおいては、テーパーを通じてトレーニング量を減少させることはトレーニング量を加減するよりもパフォーマンスの向上に対して良いということを発見した。しかし、パフォーマンスを向上させるために必要であるトレーニング量の減少度合いに関しては、多少驚きがあるかもしれない。 トレーニングを積んでいる持久走の選手 (e.g. Houmard, 1990)と自転車競技の選手 (Rietjiens, 2002) において、50−70%のトレーニング量の減少はパフォーマンスを維持もしくは多少向上させるように思われるのに対し、約85%の減少はパフォーマンスの著しい向上につながるようである (Mujika, 2002)。 しかしながら、競技選手におけるテーパリングの効果についての後の系統的レビューとメタ分析において、最適なトレーニングの減少量は実際にはこれよりもかなり少なく、テーパーを行う前の量の41−60%である、とバスキット(2007年)が発見したことは注目すべきことである。 今までに行われたこれらの研究は中レベルや低レベルのトレーニング量との比較をしておらず、脱トレーニングとの比較しか行っていないため、ストレングス&パワーアスリートにおいてのトレーニング量減少の効果を評価するのは困難である (e.g. Gibala, 1994 and Izquierdo, 2007)。 ***

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 2640字

TRX 40/40チャレンジ(ビデオ)

TRX 40/40チャレンジは、TRXアトミックプッシュアップとTRXローロウという2つのエクササイズを組み合せて行います。運動強度の高い複合的な種目を、誰もが確実に成功しつつ漸進することができる、効果的なリグレッションの方法を、ダン・マクドウが指導してくれます。

TRXトレーニング 4:04

コンペティションのための最善なテーパリング方法とは? パート2/2

評論家たちは何を発見したか?(続き) トレーニング頻度を維持することの重要性 評論家たちは、持久系のアスリートに対して有酸素トレーニングの適応は、テーパリング前の頻度の30−50%というかなり低い頻度で維持できることを報告した (e.g. Houmard, 1990)。しかしながら彼らは、それよりもかなり高い頻度でのトレーニングもまた、パフォーマンスの向上をもたらすと指摘している (e.g. Mujika, 2002)。 ストレングストレーニングを行う人において、レジスタンストレーニングの適応も同様に、テーパー前の値の33−67%というかなり低い頻度のトレーニングで維持できるようである (e.g. Graves, 1988)。しかしながら、この研究での被験者は高いレベルでのアスリートではなかったようである。 *** テーパーの期間を決定する際の重要な個体性 アスリートから頻繁に聞かれるテーパーに関する質問の一つは、テーパーの期間の長さである。評論家たちはこの期間に関する研究は限られていると観察している。さらにこれはアスリートによって個人差があるようである (e.g. Mujika, 1996)。 この総評には含まれていないが、後の研究では、エリートアスリートにおいて最適なトレーニングの減少特性はテーパー前に行っていたトレーニングの仕事量によって決まると発見されている (e.g. Mujika and Busso, 2008)。この研究から、無理をしすぎたトレーニングは通常のトレーニングよりもより長いテーパー期間を必要とすることがわかっている。しかし、この研究で確認された最適な期間は2−3週間であり、これはアスリートのテーパーを評価するための有益な指針となるかもしれない。 後の競技選手におけるテーパリングの効果に関する系統的レビューとメタ分析においてバスキット (2007) は、テーパーの有益な効果が発揮されるか、悪影響を回避するかの境界線は8−14日の期間であるということを発見した。 *** テーパーはどの程度パフォーマンスの向上を可能にするか? もちろん正しく行われたテーパーによるパフォーマンスの向上が微々たるものであれば、上記のポイントは興味をそそるものではない。しかし幸運なことにそうではなく、評論家は標準的なパフォーマンスの向上率は3%程(0.5-6.0%の範囲)であると示唆している。 後の系統的レビューとメタ分析においてバスキット (2007) は、競技選手を調査した27の選択された研究結果によると、パフォーマンスの向上率は-2.3%から8.9%の範囲であり、平均の向上率は2%であったと発見している。 これらの結果は魅力的ではないかもしれないが、2-3%の差は一般的には、持久系のスポーツにおいて表彰台に上がるか上がらないかの違いよりも大きいということに留意すべきである。(例として、トレウィン (2004) はオリンピックでの10名のトップ競泳選手において約0.6%の違いを発見している)これは選手が競技において戦うためには正しいテーパリングが必要不可欠であると示唆している。 *** 制限要素は何か? この総評の主な制限要素は、論文が異なるスポーツを基に整理されていなかったことである。ゆえに主に持久系スポーツに関しての研究が考察されていたが、スポーツよる区別がされておらず、ランニングの研究が自転車競技、スイミング、ロウイングに関する研究と一緒に報告されていた。さらに総評は、トレーニングされている人とされていない人によって行われた研究や、異なる力量のアスリートによって行われた研究を注意深く識別していないものであった。 *** 実践的な意義は何か? ストレングス&コンディショニングコーチに対して: テーパー中にトレーニング強度は落とすべきではない。むしろトレーニング強度を維持するか、もしくは増加するべきである。 テーパーの際、テーパー前の量の60%程の著しいトレーニング量の減少が必要である。 テーパー中にトレーニング頻度を減少させることは、パフォーマンスの維持に繋がるが、高いレベルでのトレーニング頻度を保つことは更なるパフォーマンスの向上につながる可能性がある。 テーパーの期間の長さは決定するのが困難であり、かなりの個人差がある可能性がある。また、アスリートがトレーニングをしすぎている場合にはより長くする必要があるかもしれない。しかしテーパーの期間としてはおおよそ2週間がよい指針とされている。 テーパーは正しく行えば、競技選手において平均2-3%程パフォーマンスを向上させることができ、これは、この集団においては大きな違いである。これは大切な競技の前にアスリートとコーチは非常に真剣にテーパーに取り組むべきであるということを示唆している。

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 2127字

受動的な股関節内旋及び外旋のアセスメント

2013年11月9日&10日の2日間、SYNERGYで開催したITTピラティスの創始者、ジーン・サリヴァンのアセスメントWSから、仰臥位での股関節屈曲位において、また伏臥位での股関節伸展0度においてのパッシブな内旋及び外旋の可動域のアセスメントをご紹介します。

ジーン・サリヴァン 11:05

クロスパターンの強化トレーニング

反対側の四肢が恊働する、クロスパターンのシステムは、身体の前面、後面、側面に様々なパターンで存在します。アルティメイトサンドバッグを道具として用いながら、身体と負荷のポジションと動きによって、クロスパターンを強化するエクササイズをご紹介します。

ジョシュ・ヘンキン 2:50

ランジモビリゼーション

(パート2はこちらへ) 矢状面、前額面、横断面、動きの面それぞれにおいて、より一般的な方向に向けて体重移動をするランジのパターンを行うことで、よりグローバルにダイナミックに可動性を高めるためのシンプルなモビリゼーションをご紹介します。オリジナルのビデオファイルのサイズがかなり小さいため、多少画像が見えづらいところがあることをご了承いただけますようお願いいたします。

レニー・パラシーノ 5:03

筋肉の実際の働き方

このシリーズの最終回として、筋肉に関する話題に戻ってみたいと思います。以前の記事において、身体がどのようにして、筋肉ではなく、動作を認識するのか、そして、これがどのように、最も重要なファンクションの基本原則の一つを形成するのかについてお話ししました。また、筋肉が、動作を作り出すというよりも、いかに動作に反応するのかについても触れました。この概念は人によっては理解しづらいものです。今回のレッスンにおいては、筋肉の実際の動き方について説明してみようと思います。 ほとんどの人達が一度も教えてもらわなかったことの最初の一つは、機能において、筋肉は収縮する前に伸長するということです。この点を説明するために、ジャンプしていただきたいと思います。そして、“どのようにジャンプしたのか?”と自問してみてください。最初に、沈み込み、それから跳び上がりました。あなたの意図は跳び上がることでしたが、身体は、最初に、筋肉に負荷をかける必要がありました。伸筋群は、爆発して伸展の状態になる前に、負荷をかけるために、屈曲の状態になる必要がありました。ボールを投げようとする時にも、同様のことが起こるでしょう。最初に、私達は反対方向へ回旋します。もし回旋しなければ、とんでもない投球になることでしょう。 このように、実際、筋肉は、私達が教えられたものとは反対の動作を行いたい、と言えるかもしれません。もしこれが筋肉の真の活動の仕方ならば、私達がクライアントを評価、治療、トレーニングする際に、考慮に入れているかどうか?クライアントの求心性収縮的に爆発する能力と同様に、遠心性収縮的に負荷をかける能力に、目を向けているかどうか?を自分自身に問いかける必要があります。もし負荷をかける能力が、爆発する能力を決定づけるのであれば、これは、クライアントの痛みの理解とパフォーマンスの向上において、欠けている部分なのかもしれません。 筋肉は、常に、私達が教えられてきたように活動するのでしょうか?私は、常に、ハムストリングスは、膝の屈曲時に短縮性収縮すると教わりました。これを機能的背景に置き換えてみるとするなら、歩行のような場合には当てはまりません。脛骨は、前足が地面に接地する際に、骨盤の前方回旋よりも素早く後方に回旋しています。これは、ハムストリングスの伸長を作り出しますが、膝は屈曲しています。ハムストリングスは、膝が伸展する際にも、短縮性収縮をすることができます。もし骨盤が、脛骨の前方回旋よりも素早く後方回旋するならば。これは筋肉の機能的背景が、筋肉が伸長、もしくは短縮するかどうかを、決定づけているということを示しています。 ハムストリングスを治療、もしくはトレーニングするとすれば、ハムストリングスをトレーニングする理由と、ハムストリングスの反応の仕方を知りたいでしょうか?もちろんです!これは、皆さんのクライアントのニーズを援助するための、最速で最も効果的な方法です。私を信頼してください。クライアントの方々は、皆さんに感謝してくれますよ。ただ単に、レッグカールやトータッチを行わせるのではなく、少し時間を取って、この状況下で、ハムストリングスが何をするかを考えてください。クライアントがランナーならば、彼らのハムストリングスは、本質的で効果的であるために、膝の屈曲時に伸長する必要があるでしょう。何人の人達が、ハムストリングスの柔軟性に変化が無いのに、ストレッチをしているでしょうか?答えは、“大勢の人達”です!筋肉がどのように働くかを本当に理解するためには、生体力学と筋肉の機能をもう少し知る必要があります。これは、コーキネティックにおいて、私達が重点的に取り組んでいることなのです。

ベン・コーマック 1589字

トミージョン手術の神話 パート2/2

トミージョン手術からの復帰は早く簡単である 何年にもわたって一般の人々がこのような間違った安心感を得るようになったのは、手術からの復帰が早く、かつ簡単であると一般には考えられているからである。繰り返しになるが、アマッド博士の報告では、44%の両親が9カ月以内に投球できるまでに回復すると考えているのである。 一般的に、復帰までは9-12カ月かかります、と我々はいつも伝えている。これは過去の研究において、この期間が一般的であると示されているためである。野球界では早めに、9カ月に近い時期に復帰を試みる傾向があるということを認めざるをえない。 アンドリュー博士の研究結果では、競技復帰までの平均期間は11.6カ月であると報告されている。 安全な復帰時期がいつであるかを決定するには、個々の選手において数多くの要因がある。年齢、競技レベル、手術の時期、そしてどれだけ円滑にリハビリがすすめられているかなどがこの要因に含まれる。正直に言うと、9カ月で復帰した選手を今思い出すことができない。私が担当したトップレベルのメジャーリーガーの選手は、大体術後10.5から11.5カ月で復帰しているが、もっと若い選手達に、この期間で復帰することは奨励しない。 個人的には9-12カ月と書くことをやめようと思っている。というのも、この表記は、多くの人々に間違った希望や情報を与えてしまうと感じるからである。私個人としては、単純にトミージョン手術からの復帰には1年かかります、と伝え始めるつもりだ。これを基準としながらも各個人に合わせていくことになるが、トップレベルの選手であれば復帰まで約11カ月、アマチュアの選手であれば約12カ月というのがおそらく選手達にとって最良であろう。 手術をするということは、競技に復帰するまで12カ月かかるということになる。 トミージョン手術後球速が上がる これまで話してきた神話のなかで、術後に球速が上がるというという思い込みを否定することがもっとも重要だと考える。これは、長年にわたってメディアで取り上げられ騒がれてることなのである。 最近、メジャーリーガー投手におけるトミージョン手術前後の球速を計測する、2つの予備研究が行われている。レベッカ・フィッシュビンが2013年、ボストンでのサバーメトリクスセミナーで結果を公表している。彼女は、2007年から2011年の間でトミージョン手術を行ったメジャーリーガー投手44名の、術前と術後の球速を解析した。 術後の球速には有意差はなかったと報告した(実際には時速0.875マイルの減速がみられたが、大幅に下がったわけではない。)スタン・コンテは2014年の全米スポーツ医学機構、野球における傷害のセミナーにおいて、2007年から2012年の間に32名の選手を調査し、同様な結果を報告している。スタンの研究においても、術前と術後で有意な差はなかった(時速0.79マイルの減速がみられたが、これも大幅な減少ではなかった)。 私個人として、術後に球速が上がった選手を数多く見てきたが、ここで重要なことは平均では球速に変化がなかったということである。なぜ球速の上がる選手がいるのかについては、多くの理由がある。おそらく、長い間、靭帯が機能不全の状態で、あるいは痛みのあるなかで投球していて、手術前はろくにトレーニングができなかったのか、あるいは、リハビリをしている間に急激に成長したのかもしれない。 一般的に信じられていることとは異なり、メジャーリーグの投手では、術後に球速が上がるとは示されていない。 すべてのトミージョン手術のリハビリは同じである 最後の神話は、私にとって個人的な意味合いを持つ神話である。野球の投手達はとても独特のアスリートで、最高の結果を出すためには優れた経験をもつスタッフと共同して取り組まなければならない。多くのことを注意してみなければならず、それを見落とすと簡単にリハビリが停滞してしまうことがある。 私は、自身のキャリアの全てを、野球選手との仕事に費やしてきた。そして、今でも常に、何が彼らを特別にするのかに関して多くのことを学び続けている。何かを解明したと思った途端、誰か選手がやってきて、彼らの身体で何ができるのかに関して驚かされてしまうというような。 トミージョンのリハビリテーション トミージョン手術のリハビリにおいては、野球の投手がもつ独特の特性を理解すること、どのようにこれらの傷害が起こったのか、その本質を理解すること、そして、復帰までの間、投球時にかかる身体へのストレスについての理解が要求される。プロトコールに従って進めることは誰でもできるが、ジェットコースターのようにプログラムがスピードアップしたりスローダウンしたりしないよう、各個人に合わせてプロトコールをどのように調整するかを理解する必要がある。 可動域の減少は問題となり、尺骨神経にストレスを与えないでおくことは重要であり、投球を開始するのに靭帯の回復が間に合っているのかを確認しながら、徐々に活動レベルを上げていくことはとても重要であり、また、投球プログラム強度を徐々に上げながら、ストレングストレーニングの運動強度をコントロールするためには、技術と経験を要する。 トミージョン手術後のリハビリにおいては、誰しも悪い日、あるいは悪い週がある。これらの時期をいかに乗り切っていくかが、安全で効率のよい競技復帰に導くのである。 まとめ 結論として、トミージョン手術を受けたなかで83%の選手が、手術をする前と同等かそれ以上のレベルで、球速の向上はなく、術後11.6ヶ月で復帰している。 トミージョン手術は、確実に回復するという方法ではなく、最良な選択は、常に極力手術を避けるようにすることである。これがいつも可能であるわけではないが、競技力を向上させるだけでなく、野球選手の傷害を減らすためのプログラムを構築していくべきである。 一般に信じられていることとは異なり、トミージョン手術を受けた場合、合併症なしに手術前の競技レベルで復帰できる保証があるわけではなく、また、リハビリも短期で簡単なものではなく、結果として球速が上がるというわけでもない。

マイク・ライノルド 2698字

トミージョン手術の神話 パート1/2

2014年、全米スポーツ医学機構主催の、野球における傷害セミナーでの大きな話題の一つは、トミージョン手術として広く知られている、肘内側側副靭帯再建手術の術後経過に関する理解の進化であった。我々は、初めてフランク・ジョーブ博士が手術を行って以来、トミージョン手術を受けたことのある選手の手術結果に関するデータを毎年蓄積し続けてきた。 ジェームス・アンドリュー博士とフランク・ジョーブ博士 過去数年間、我々は、間違いなく世界中で、最もトミージョン手術を行っている医師であるジェームズ・アンドリュー博士による、とても重要な研究結果を見てきた。2010年に彼らは、19年以上にわたって調査してきた1281名のアスリートの2年間の短期的結果を発表した。さらに最近では、少なくとも10年以上前に手術を受けている256名の、10年間以上のフォローアップの結果を公表した。 これらの画期的な研究から得られる情報をもとに、現在我々は、トミージョン手術の結果についてより多くのことを理解している。しかし、トミージョン手術に関する一般の理解は正しいのだろうか、また、我々の見解はメディアで騒ぎたてられている情報に左右されていないだろうか? ニューヨークヤンキースのクリス・アマッド博士はトミージョン手術についての 、選手、コーチ、両親の見解を調査し最近その論文を公表した。著者の言及によると: 28%の選手と20%のコーチは、トミージョン手術を受けることで競技力が向上するだろうと考えている。 23%のユース世代、32%の高校生、53%の大学生投手、33%のコーチ、そして、36%の両親がトミージョン手術後に球速が上がると考えている。(私は昨日ツイッターとフェイスブックのフォロワーにも調査し、大多数の人々がトミージョン手術後球速が上がると考えているという結果を得た) 24%の選手、20%のコーチ、そして44%の両親が9カ月以内に復帰できると考えている。 もっとも衝撃的なものとしては: 33%のコーチ、37%の両親、51%の高校生選手、26%の大学生選手が、肘の傷害がなくても、パフォーマンス向上のためにトミージョン手術を受けるべきだと考えている。 これはまったく的外れである! この話題におけるアマッド博士の研究と最新の調査に基づいて、これらの考えに関して討論し、これらの考えの多くが間違っているということを人々に理解していただきたい。 選手、コーチ、両親が正しく理解すべきトミージョン手術に関する間違った神話は以下のとおりである。 すべての選手がトミージョン手術から復帰する 肘の傷害がなくてもトミージョン手術を受けるべきだと、37%の両親と51%の高校生選手が考えているとすると、その考えではすべての選手が元通り投球できると推測しているわけだが、本当にそうだろうか? まず、大リーグ関係者は同意しない。ロサンジェルスドジャーズのヘッドアスレティックトレーナーであるスタンカントが、2014年全米スポーツ医学機構主催の野球における傷害のセミナーで興味深いデータを公表している。 その中で、メジャーリーグ、マイナーリーグを合わせたすべてのプロ野球投手のうち16%の投手が、そしてメジャーリーグ投手の25%がトミージョン手術を受けていると言及している。仮にトミージョン手術が確実な方法であるなら、その数字はほぼ100%近くになっているはずである。 アンドリュー博士が行った短期的、長期的研究のどちらにおいても、83%の投手が手術前とほぼ同レベルか高い水準で競技復帰している。83%はとても良い結果であるが、100%ではない。 必要としない限り、だれもトミージョン手術を受けようとは思わないということが言える。手術からの復帰は保障されているわけではない。 トミージョン手術では合併症がない 良質な手術とリハビリテーションで、合併症というものは最小限に抑えることができるということに賛成しているが、トミージョン手術が常にうまくいくわけではなく、合併症が起こることもあるということ忘れてはいけない。 上記に言及されているケイン博士とアンドリュー博士が行った研究では、アンドリュー博士が執刀したすべての手術において20%の合併症が発症し、そのうち16%は深刻な合併症ではなかった。これらの合併症は尺骨神経の問題から感染症、さらには移植片不全にいたる。 この合併症の発生率は、この術式において最高と考えられ、もっとも多くトミージョン手術を行っている医師によって報告されていることを忘れないこと。 100%完璧な手術などはなく、常に合併症が起こるリスクがある。 トミージョン手術

マイク・ライノルド 2069字

学習に混沌は必要か?

私の大学生活はじめの数年間と実習生をしていた頃、先生から常にスキルを細分化するように言われていた事をはっきりと覚えています。そうすることで学生達はスキルの組み立て方が腑に落ちるようになるから、と。最初の数年間、私はそのコンセプトに従っていました。何故かははっきりと分からないままに。なぜならそれによって常に成功に導けていたわけではなかったのです。 自由な遊び それから何年もたち、私はストレングストレーニングパターン、多方向へのスピード、そしてそれらの間にあるもの全てに関わる形で、ムーブメントのコーチングをしています。“自由な動き”やスポーツの試合の勝負を見ることで発見したのは、アスリートは多くのスピードスキルやストレングスパターン動作をランダムに、そして非常に効率的に行っているということです。もちろん、乏しいパターンを露呈しているアスリートも中にはいます。しかし多くの場合は素晴らしいものです。私が焦点をあてる、この“自由な遊び”とスポーツの試合の動作の側面は、短い時間枠の中での数多くの動作のランダム性です。アスリートは、その瞬間のニーズによって動いているのです。 試合を習得 ランダム性は特定のパターンを教えるのに重要なツールだと、私は常に思っていました。私の主なリソースは私の幼少期と友人でした。成長の過程において、私達のスポーツにスキルコーチはいませんでしたが、私達は高い技術を持っていたのです。なぜなら私達が目覚ましく向上した様々なスポーツにおいて、数多くの動作パターンと特定のスキルに何時間もさらされていたからです。私の数人の友人と私はテニスをしていました。ご存知のようにテニスは、単に“習得する”というのが非常に難しいものです、しかし私達はとても上手でした。実際私達は、大学は言うまでもなく、いくつかのトーナメントでプレーをし、かなりの高いレベルにおいて勝利を収めていました。私達には、テニスに特化したドリルのコーチはいませんでした。私達は、単に自分たちより上手な選手達とプレーをし、そこに身をさらすことで学んできたのです。私が育ってきた過去の経験から、事例を述べ続けていくことはできますが、大事なことは、実際の試合や活動での経験を、教えとして使っているということです。私達は順応することを学ぶか、さもなければ失ってしまうかのどちらかなのです。 私には、小さな裏庭で横幅の狭い中でフットボールゲームをし、タックルをされないように避ける術を学んでいた鮮明な記憶があります。繰り返しになりますが、順応するか失うかなのです。より多くの露出と経験をすることにより、私達は何が上手くいって、何が上手くいかなかったかを見つけてきました。この経験は反応し、動くという能力を築いてくれました。 部分と全体の動き 私達は、避け方を学ぶ為に動作スキルの一部を細分化する必要はありませんでした。経験が私達に教え、より多くの露出により解明する可能性が与えられていました。 動き方を学習する際の神経系システムは、混沌とした状況を好みます。私がこれを真実だと思う理由は、反射的動作というのは、人類の夜明けから、我々が生存するために使ってきたものだからです。我々の存在は闘争、または逃走することができるかどうかにかかっていたのです。反射的ではあるものの、フットワークのランダム性は、素早く身体を動かし“生存”するために非常に精密なものです。神経系システムは俊敏な退避、もしくは攻撃を必要とする予測不能な混沌状況を取り扱えるように張り巡らされていると信じています。それはスポーツと人生にも言えることではないでしょうか。 赤ん坊は、いくつもの全体の動作パターンを通して歩行を学びます。これらの動作パターンは、その初期において完全なる歩行ではないかもしれませんが、伸展パターン、屈曲パターン、そして回旋パターンが必要性、もしくは興味によっておこります。時間の経過と共に、赤ん坊は、自分が空間の中のどこにいるのかに基づいた感覚入力に対する、連続した反応によって歩行を習得します。つまずいた時は、バランスを得るために一歩踏み出し、横によりかかりはじめ、臀部と足をシフトさせます。私達は何かを成し遂げるために動くのです。アスリートは何かを成し遂げるために動きます。アスリートは部分的な動きではなく、全体的な動作で動くのです。 全体の動きは、非常にダイナミックなものではないかもしれません(ボクシングでジャブを避ける頭の動き)。動作は常に大きいわけではありませんが、常に全体性をもつのです。もし動作を区分けしたならば、闘争・逃走反応に基づいた神経系システムの発火パターンにとって、本能的に意味をなさない無益な反応となります。私は乏しい、もしくは活動的ではない筋肉グループ(神経系の発火)を再教育するために区分けをするべきではない、と言っているわけではありません。シンプルに、多方向的なスピードに関連する全体的な動作を学ぶことについての話を使用としているのです。 動作トレーニングに対する私のアプローチ 長年、私は多方向性のスピードスキルを細分化した動作パターン(部分)をスピードを教える初期のアプローチとして教えていました。その後長年に渡り、最初にスキル全体を正しく行うことができない場合にのみ、細分化したり、もしくは部分的なもの修正方法として指導してきました。繰り返しますが、わたしは多方向への動作スキルについて述べているのであり、ボールをシュートすることや、フットボールをパントするといったスポーツに特定されるスキルについて述べているのではありません。 混沌的トレーニングは私達の脚、腕、そしてコアに対して選択的に反射動作が起こせるよう即座に調整するように神経系に働きかけます。スポーツや人生のようですね。 私が追われたり追ったりしている時に、動きを部分に分解したりすることなく、助けを得ることなく歩ける方法を学ばせてくれる、素晴らしくデザインされた複雑なシステムを、なぜ私は取り入れたいのでしょうか?もし私の動作システムが、数回の試行の後でも失敗してしまうとしたら、その時私は部分の分解します。必要のある時のみです。 この信念システムが、私が競争的なドリルを、反応スピードをあげる導管としてスキルトレーニングに組み込んでいる理由です。例えば、もし私が5ヤードの加速能力を鍛えたいならば、私は選手にボールを最初のバウンドでキャッチする、もしくはパートナーを追いかけさせます。この方法は、我々皆に組み込まれている闘争・逃走メカニズムを使用しています。この方法を通じて、私はフィードバックを与えることができます。例えばもっと腕の動きが欲しいとか、より良い身体の傾斜といったものです。この方法が非常に効果的な理由は、私の意見と経験からですが、 選手はその瞬間の中にいて、正しい腕の動き、もしくは身体の傾斜がない状態で走ることがどういったものかと感じているからです。彼らが、より効率的なテクニックを次のレップで使用した時は、瞬間的に正しい感覚があるものです。彼らが経験をする前に私がアスリートに使用して欲しい全てのテクニックを細分化し、フィードバックを与えていたならば、同じような繋がりはうまれないでしょう。 もしあなたがトレーニングシステムをライブで、活動的で競争的な状況で発展させる事ができるならば、フィードバックとともに肉体的、精神的コンプライアンスをかなり楽に得ることができます。問題を解決するのにどの道具を使えばよいかわかるということは言う間でもありません。もしもあなたが先回りして問題を解決しようとするならば、選手にとって修正するテクニックを築き上げるための“過去の経験”が無くなってしまいます。 私のビデオの多くは、プログレッションに基づいており、矯正という観点からあなたの選手に与えることができるものとなっています。これらはあなたが見るべきこと、そして許容するべき自然に起こることを知ることができるツールとなっています。私のビデオは、動作がどうあるべきかというアセスメントのツールであり、段階的に前進するシステムでもあります。全ての状況は異なっています。だからこそ求めているものは何かを理解する必要があり、そうすることで必要性を見つけられた時に修正をすることができるのです。

リー・タフト 3491字