マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
学習に混沌は必要か?
私の大学生活はじめの数年間と実習生をしていた頃、先生から常にスキルを細分化するように言われていた事をはっきりと覚えています。そうすることで学生達はスキルの組み立て方が腑に落ちるようになるから、と。最初の数年間、私はそのコンセプトに従っていました。何故かははっきりと分からないままに。なぜならそれによって常に成功に導けていたわけではなかったのです。 自由な遊び それから何年もたち、私はストレングストレーニングパターン、多方向へのスピード、そしてそれらの間にあるもの全てに関わる形で、ムーブメントのコーチングをしています。“自由な動き”やスポーツの試合の勝負を見ることで発見したのは、アスリートは多くのスピードスキルやストレングスパターン動作をランダムに、そして非常に効率的に行っているということです。もちろん、乏しいパターンを露呈しているアスリートも中にはいます。しかし多くの場合は素晴らしいものです。私が焦点をあてる、この“自由な遊び”とスポーツの試合の動作の側面は、短い時間枠の中での数多くの動作のランダム性です。アスリートは、その瞬間のニーズによって動いているのです。 試合を習得 ランダム性は特定のパターンを教えるのに重要なツールだと、私は常に思っていました。私の主なリソースは私の幼少期と友人でした。成長の過程において、私達のスポーツにスキルコーチはいませんでしたが、私達は高い技術を持っていたのです。なぜなら私達が目覚ましく向上した様々なスポーツにおいて、数多くの動作パターンと特定のスキルに何時間もさらされていたからです。私の数人の友人と私はテニスをしていました。ご存知のようにテニスは、単に“習得する”というのが非常に難しいものです、しかし私達はとても上手でした。実際私達は、大学は言うまでもなく、いくつかのトーナメントでプレーをし、かなりの高いレベルにおいて勝利を収めていました。私達には、テニスに特化したドリルのコーチはいませんでした。私達は、単に自分たちより上手な選手達とプレーをし、そこに身をさらすことで学んできたのです。私が育ってきた過去の経験から、事例を述べ続けていくことはできますが、大事なことは、実際の試合や活動での経験を、教えとして使っているということです。私達は順応することを学ぶか、さもなければ失ってしまうかのどちらかなのです。 私には、小さな裏庭で横幅の狭い中でフットボールゲームをし、タックルをされないように避ける術を学んでいた鮮明な記憶があります。繰り返しになりますが、順応するか失うかなのです。より多くの露出と経験をすることにより、私達は何が上手くいって、何が上手くいかなかったかを見つけてきました。この経験は反応し、動くという能力を築いてくれました。 部分と全体の動き 私達は、避け方を学ぶ為に動作スキルの一部を細分化する必要はありませんでした。経験が私達に教え、より多くの露出により解明する可能性が与えられていました。 動き方を学習する際の神経系システムは、混沌とした状況を好みます。私がこれを真実だと思う理由は、反射的動作というのは、人類の夜明けから、我々が生存するために使ってきたものだからです。我々の存在は闘争、または逃走することができるかどうかにかかっていたのです。反射的ではあるものの、フットワークのランダム性は、素早く身体を動かし“生存”するために非常に精密なものです。神経系システムは俊敏な退避、もしくは攻撃を必要とする予測不能な混沌状況を取り扱えるように張り巡らされていると信じています。それはスポーツと人生にも言えることではないでしょうか。 赤ん坊は、いくつもの全体の動作パターンを通して歩行を学びます。これらの動作パターンは、その初期において完全なる歩行ではないかもしれませんが、伸展パターン、屈曲パターン、そして回旋パターンが必要性、もしくは興味によっておこります。時間の経過と共に、赤ん坊は、自分が空間の中のどこにいるのかに基づいた感覚入力に対する、連続した反応によって歩行を習得します。つまずいた時は、バランスを得るために一歩踏み出し、横によりかかりはじめ、臀部と足をシフトさせます。私達は何かを成し遂げるために動くのです。アスリートは何かを成し遂げるために動きます。アスリートは部分的な動きではなく、全体的な動作で動くのです。 全体の動きは、非常にダイナミックなものではないかもしれません(ボクシングでジャブを避ける頭の動き)。動作は常に大きいわけではありませんが、常に全体性をもつのです。もし動作を区分けしたならば、闘争・逃走反応に基づいた神経系システムの発火パターンにとって、本能的に意味をなさない無益な反応となります。私は乏しい、もしくは活動的ではない筋肉グループ(神経系の発火)を再教育するために区分けをするべきではない、と言っているわけではありません。シンプルに、多方向的なスピードに関連する全体的な動作を学ぶことについての話を使用としているのです。 動作トレーニングに対する私のアプローチ 長年、私は多方向性のスピードスキルを細分化した動作パターン(部分)をスピードを教える初期のアプローチとして教えていました。その後長年に渡り、最初にスキル全体を正しく行うことができない場合にのみ、細分化したり、もしくは部分的なもの修正方法として指導してきました。繰り返しますが、わたしは多方向への動作スキルについて述べているのであり、ボールをシュートすることや、フットボールをパントするといったスポーツに特定されるスキルについて述べているのではありません。 混沌的トレーニングは私達の脚、腕、そしてコアに対して選択的に反射動作が起こせるよう即座に調整するように神経系に働きかけます。スポーツや人生のようですね。 私が追われたり追ったりしている時に、動きを部分に分解したりすることなく、助けを得ることなく歩ける方法を学ばせてくれる、素晴らしくデザインされた複雑なシステムを、なぜ私は取り入れたいのでしょうか?もし私の動作システムが、数回の試行の後でも失敗してしまうとしたら、その時私は部分の分解します。必要のある時のみです。 この信念システムが、私が競争的なドリルを、反応スピードをあげる導管としてスキルトレーニングに組み込んでいる理由です。例えば、もし私が5ヤードの加速能力を鍛えたいならば、私は選手にボールを最初のバウンドでキャッチする、もしくはパートナーを追いかけさせます。この方法は、我々皆に組み込まれている闘争・逃走メカニズムを使用しています。この方法を通じて、私はフィードバックを与えることができます。例えばもっと腕の動きが欲しいとか、より良い身体の傾斜といったものです。この方法が非常に効果的な理由は、私の意見と経験からですが、 選手はその瞬間の中にいて、正しい腕の動き、もしくは身体の傾斜がない状態で走ることがどういったものかと感じているからです。彼らが、より効率的なテクニックを次のレップで使用した時は、瞬間的に正しい感覚があるものです。彼らが経験をする前に私がアスリートに使用して欲しい全てのテクニックを細分化し、フィードバックを与えていたならば、同じような繋がりはうまれないでしょう。 もしあなたがトレーニングシステムをライブで、活動的で競争的な状況で発展させる事ができるならば、フィードバックとともに肉体的、精神的コンプライアンスをかなり楽に得ることができます。問題を解決するのにどの道具を使えばよいかわかるということは言う間でもありません。もしもあなたが先回りして問題を解決しようとするならば、選手にとって修正するテクニックを築き上げるための“過去の経験”が無くなってしまいます。 私のビデオの多くは、プログレッションに基づいており、矯正という観点からあなたの選手に与えることができるものとなっています。これらはあなたが見るべきこと、そして許容するべき自然に起こることを知ることができるツールとなっています。私のビデオは、動作がどうあるべきかというアセスメントのツールであり、段階的に前進するシステムでもあります。全ての状況は異なっています。だからこそ求めているものは何かを理解する必要があり、そうすることで必要性を見つけられた時に修正をすることができるのです。
ゴブレットスクワットよりも効果的な指導法
基礎の動きの一つである、しゃがむ動き=スクワット。基本的な動きであるにも関わらず、正しいアライメントでの実行を指導するのが難しい動きの一つでもあります。アルティメイトサンドバッグを用いることで、スクワットの姿勢を、自然に矯正するための方法とプログレッションを、DVRT開発者のジョシュ・ヘンキンがご紹介します。
すべての患者やクライアントに共通して行うべきこと
私のセミナーに参加される方から、よく聞かれることがある。「あなたが行っている事の中で、最も効果が出ると思われることをひとつ挙げるとしたら何ですか?」。なんと悩ましい質問であろう。そんな手品のようなテクニックを皆さんに教えられるほど単純であればよいのだが。数ヶ月間この問題を考え続けて、その答えをポストに書こうと計画してきた。この質問に対してどのように回答したいかを考えつくのに時間がかかったが、やっと答えが見つかった気がする。 私の行っていることで最も効果的なこと 私の行っていることで最も効果的だといえることは、恐らく私達皆が、全てのひとに対してするべきことだと思う。それはストレッチでもなければ、エクササイズでもない。最新式の流行の器具でもなければ、最先端の徒手テクニックでもない。あまりにも単純すぎて、答えを見つけるまでに時間がかかってしまったこと。それは、評価と再評価である。 適切な評価と再評価こそが、すべての患者またはクライアントにできる最良のことである。患者やクライアントに何が必要で何が効果的なのか、その個人を理解することがカギとなる。すべてはまず適切な評価から始まる。それから治療やトレーニング、その後、再評価が必要である。患者やクライアントを施術する際には、毎回この評価を行うこと。セッション中何回行っても構わないであろう。 まず、“主な愁訴は何か?”をたずねる。評価し、それを定量化し、治療し、再評価する。 この単純な概念には、大きな意味がある。最も単純なレベルでは、たとえば、体重減少を目指しているクライアントを指導しているにもかかわらず、体重を計測していなかったとすれば、何に効果があり何に効果がなかったのか知ることができるのであろうか?その場合、どれぐらい改善しているのかどのようにして知ることができるのであろう? 臨床医には、たとえば可動域、関節可動性、筋力、柔軟性など、他にも多くの評価方法と検査手段がある。しかし、これらの評価は患者にとって、ちぐはぐな定規に過ぎない。実際、患者は可動域が10°増えようが増えまいが気にしてはいない。彼らは単に快適に動けてパフォーマンスを向上したいだけなのである。 「肩が痛いんですね。どんな時に痛みますか?同じ痛みを再現できるような動きをしてもらえますか? いいですね」。と、ここで、今後再評価するための基準となる指標を設定したことになる。誤解してほしくないが、客観的な指標も必要ではあるのだが、ここでは実際に患者が感じていることを基準としての基礎的な評価を得ているのである。 FMSとSFMAのような手段が有用である理由がここにあるわけだ。動きを評価する体系的な方法である。評価に限度があるフィットネス界では特に必要だ。動きの質や主観的な感じ方を定量化すれば、その後の変化を測定することができる。 最終的に、これは必ずと言ってよいほどよい結果をもたらすことが多い。単に治療やエクササイズを適用し、効果がありますようにと祈るよりも、何で効果が出るのかを評価し、必要に応じて調節すればよいのである。 評価と再評価 では、どのようにすればよいのだろうか?悪い例として、背中が痛いと訴えているクライアントをすぐにマッサージテーブルに乗せて施術し始め、いくつかのマッサージ・テクニックやエクササイズに飛びついて処方するのでは、何の評価もなしに治療をしていることになる。評価もなく治療のみで、どうやって再評価をするのだろうか?痛みを基準にしてよいのであろうか?痛みはたいてい最良の評価にはならない。 より良い例は、いつ背中が痛くなり、どのように痛いのかを評価することかもしれない。どのような動きで問題が発生するのか?どのような動きに制限があるのか?そうした上で施術をし、いま観察した動きを再評価する。その患者が立ち上がり動いてみたとき「すごい、つま先に手がとどくようになった。効きますね。」と言った場合、いたって単純ではあるが説得力がある。 私が先日評価した患者を例に挙げよう。彼は左中背部と肋骨に放散する痛みを訴えていた。総合評価をしたが、ここでは重要な項目の追跡とアウトラインのみ紹介する。彼の愁訴は痛みだった。症状を軽減するためにその部位のみの治療を始める、つまり「痛みを追いかける」こともできたが、私の主な焦点は、彼の複数分節においての左回旋制限にあった。 複数分節の回旋といっても充分ではないので、詳細を調べてみた。胸椎の左回旋の動きが中程度減少していた。症状のあるその部位だけを治療することもできたが、さらに慎重に観察した結果、関節の可動性には問題がないものの、骨盤が左前方への傾斜をともなう変位を起こしていた。つまり彼の骨盤全体と仙腸関節は右回旋していたのである。それに伴って腰椎もやや右回旋位になっていたので、彼の「正中位」は、実際やや右に回旋していたわけである。結果、左回旋制限という所見になってしまった。 まずは胸椎モビリティ・エクササイズで評価しようと思い、胸椎のチェックからスタートしてみた。胸椎が何パーセント問題に関与しているかを調べ、軟部組織と関節可動性、そしていくつかの胸椎モビリゼーション・コレクティブ・エクササイズに取り組んだ。この時点の再評価で、胸椎の左回旋にかなり大きな改善が見られた。ここで終了することもできたが、さらに複数分節における左回旋をチェックしたところ、約50%しか左回旋が改善していなかった。 ここで治療を終了してしまっていたら彼の機能不全の半分しか回復させてあげられず、活動を始めればすぐにまた前の状態に戻ってしまっていたかもしれない。 次に骨盤に取り組んだ。いくつかのエクササイズと徒手療法で骨盤の配列を整えた。胸椎と複数分節の回旋を再評価した結果、正常な左右対称の動きが戻り、必然的に彼が訴えていた痛みの軽減に繋がった。 これが評価と再評価のパワーである。セッション中に、一度だけではなく幾度も繰り返し行うことにより、それぞれのテクニックの有効性を、可能な限り絞り込むことができる。 再評価のパワー 以上のことは、私がどのように評価と再評価によって問題を絞り込み、治療の向上を図ったのかを紹介する良い一例である。重要なポイントを下記にまとめると: 患者やクライアント各人に対して、何がどのくらい有効であるかを見極めることができる。これは簡単な概念であり、実施直後に改善が見られたならば、その時行ったことと直接関連付けることができる。 その個人に有効でないものを見つけることができる。 これは軽視されがちだが、適切な評価と再評価を行うことで、効果の低いものが分かってくる。有効な方法を見つけるのと同様の価値のある手順で、有効でないことが分かればアプローチの方法を切り替えればよいだけである。 診断に繋げることができる。 何が有効で何が有効でないかを評価しながら、機能障害を正確に鑑別できる。胸椎の回旋制限は関節の可動性の問題ではなく、軟部組織に起因するものであるかもしれない。 患者やクライアントから信頼を得ることができる。 最後になったが、最も重要なこととして、評価と再評価によって患者から信任、信頼、コンプライアンスを得ることができる。行ったことによる改善を、即座に患者自身が体験するからである。
アセスメントとコレクション ケーススタディ
2013年11月9日&10日の2日間、SYNERGYで開催したITTピラティスの創始者、ジーン・サリヴァンのアセスメントWSから、立位での、股関節、骨盤のアセスメントと、コレクティブエクササイズの実践、そして再アセスメントの模様をお届けします。2014年6月、ジーンの再来日が決定いたしました!詳細が決定次第、お知らせしますね。
TRXパートナードリル スタックセット(ビデオ)
2人組のパートナーでTRXローロウ、バイセプスカール、Iフライという3種目を、積み重ねながら、パートナー同士交互にエクササイズを行うスタック方式のセットの実践方法をご紹介します。パートナーを見つけて、すぐにもトライできそうですね。
ハングクリーンのプログレッション
マイク・ボイル ストレングス&コンディショニングの最近の変化の中で、一番大きなものである、ハングクリーンの指導法。他の指導者に指導法が、自らの指導法よりもより効果的であることに気づけば、今までの方法にこだわることなく変更することができるマイクの指導者としての柔軟性、見習いたいですね。
ジャンプ能力と長距離走のパフォーマンスはどのような関係にあるか? パート1/2
ジャンプ能力とスプリントパフォーマンスでは筋力を発現させる能力が共通しているようであるため、ほとんどの場合、我々はその2つの良好な相関関係を期待している。 また一方、突き止め理解するのはとても困難ではあるものの、筋力と長距離走の能力の間にも関連がある。この研究は水平跳びの能力と5キロまでの長距離走の能力との間に良好な関係があることを示しているものである。 研究論文:ジャンプ能力と様々な距離のイベントにおけるランニングパフォーマンスの関係、ヒュージン、スキャフェンバーグ、トリプレット、マクブライド、ストレングス&コンディショニングリサーチジャーナル、出版前発行 *** 背景 ジャンプ能力とスプリント能力には相関関係があるか? ジャンプ能力とランニングパフォーマンスの関係を調査した以前の研究のほとんどは、100-300mの短距離走に焦点を置いていた。 これらの研究は、スプリントパフォーマンスとジャンプ能力の間に良好な相関関係を発見している。異なるタイプのジャンプとスプリントスピードの相関関係を示した主要な論文は下記のものである。 スクワットジャンプ (Chelley, 2010, Smirniotou, 2008) ドロップジャンプ (Kale, 2009, Barr, 2011, Bissas, 2008) カウンタームーブメントジャンプ (Vescovi, 2008, Young, 2011) スタンディングロングジャンプと三段跳び (Brechue, 2010) しかし、以前にジャンプ能力と長距離走のパフォーマンスの相関関係を調査した研究は無い。 *** ジャンプ能力が長距離走のパフォーマンスと相関関係にある可能性があるのは何故か? 一見奇妙に思えるかもしれないが、ジャンプ能力には長距離走の能力にも影響を及ぼすかもしれない側面があるという可能性がある。これは下記の研究で示されているようなパワーベースのトレーニング方法による長距離走のパフォーマンスの向上により示されている。 レジスタンス(Millet, 2002, Paavolainen, 1999, Kelly, 2008, Johnston, 1997, Ferrauti, 2010, Taipale, 2010, Støren, 2008 and Mikkola, 2007) プライオメトリック (Turner, 2003 and Spurrs, 2003) これらの研究のほとんどは、ストレングストレーニングやプライオメトリックトレーニングによる筋力の向上がより良いランニング効率(実測または含意)をもたらし、それがパフォーマンス向上へとつながると示唆している。 *** より優れた筋力が、いかにしてランニングパフォーマンスの向上へとつながるのか? 長距離走のパフォーマンス向上は、より良いランニング効率によって得られるようである。しかしながら、パワートレーニングがどのようにランニング効率を向上させ、ランニング能力を向上させるのかは、完全に明確ではない。ある理論では、より優れた筋力は各ストライドで使われる最大脚力の割合の低下につながるとされている。これはランニングの際に動員される運動単位数を減少させると考えられ、よってより効率的である可能性がある。 他の理論では、より優れた筋力は力発生率の増加を意味するとしている。これは、各ストライドでのより長い弛緩時間につながる。収縮した筋肉はその筋肉内の血流を妨げるため、より長い弛緩時間は、働いている筋肉内の血流を向上させ酸素と代謝基質へより多くアクセスできるということを意味する。これにより、疲労に至るまでの時間が延びるかもしれない。 *** 研究者たちは何を行ったのか? 研究者たちは、水平三段跳によって評価されたジャンプ能力が様々な距離のランニングパフォーマンスと関係があるかどうかを調査した。三段跳は単に、立位で両脚での3回連続した水平跳びで実施された。評価対象となったランニングの距離は60、100、200、800、3000、5000mトラックのランニングイベントであった。彼らは、異なる距離を専門とするランナー達のベストタイムを集め、彼らの三段跳のパフォーマンスとの相互関係を比較した。 研究者たちは定期的に60−5000mのランニングイベントに参加している33名の陸上競技ランナーを集めた。ランナーは10名のスプリンター(男性5名、女性5名)、11名の中距離ランナー(男性6名、女性5名)、12名の長距離ランナー(男性8名、女性4名)から構成されおり、すべての被験者はNCAAディビジョンIの競技選手たちであった。60,100,200mのイベントにおいては2名のスプリンターを除いてすべての被験者の実際の競技でのタイムが使われ、同様に800,3000,5000mのイベントにおいては全ての中距離と長距離ランナーの実際の競技タイムが使われた。三段跳テストは研究所内で行われた。 *** 研究者たちはどのようにしてデータの相関関係を証明したか? 研究者たちは変数間の関係を確定するためにピアソンの相関係数を使用した。ピアソンの相関係数(rで示される)は変数間を直線関係で表しており、-1から1の範囲で構成されている。1という値はYが増加すると共にXが増加するというように全てのデータポイントが直線に沿って位置し、XとYの間に完璧な直線関係があるということを意味する。一方、-1という値はYが減少すると共にXが増加するというように全てのデータポイントが直線上にあることを意味する。 0という値は、変数の間に直線関係がないということを示唆する。1、0、もしくは-1に近い値は、明確な関係性があるのか、否定的な関係性があるのか、もしくは全く関係性がないのかを知らせてくれるため、研究者や我々のように研究論文を読む人にとっては貴重である。 *** 何が起こったのか? ジャンプ距離とスプリントタイムの相関関係 研究者たちは、水平三段跳テストとスプリンターたちの60mのタイムの相関関係が非常に高いことを発見した(r = 0.97)。彼らはまた、三段跳テストのパフォーマンスと100mと200mのタイムの相関関係も同様に高いことを発見した(それぞれにつき r = 1.00 and r = 0.97)。 *** ジャンプ距離と長距離走の相関関係 研究者たちは、ジャンプ距離と800mのタイムの相関関係は良好であり(r = 0.83)、ジャンプ距離と3000mと5000mのタイムの相関関係は中度から良好の間であるということを発見した(r = 0.72 and r = 0.71)。 ***
ランジモビリゼーション 2
(パート1はこちらへ) (パート3はこちらへ) 前方に向かって、同側方に向かって、そして同側への回旋という方向へ向かってのダイナミックなランジモビリゼーションドリルに前額面への腕の動きを加えたランジリーチシリーズの第二弾。オリジナルのビデオのサイズがとても小さいのですが、レニーの分かり易い解説が映像を補ってくれます。
ジャンプ能力と長距離走のパフォーマンスはどのような関係にあるか? パート2/2
研究者たちはどのような結論に達したのか? 研究者たちは、スプリントと5000mまでの長距離走のパフォーマンスは、共に三段跳テストによって得られた水平ジャンプの能力と相関関係があると結論付けた。ゆえに彼らは、スプリンター同様、中距離ランナー、長距離ランナー、に対しも、ストレングス&パワートレーニングが考慮されるべきであると示唆している。 *** 制限要素は何か? 三段跳びテストは、繰り返し行われるジャンプであるため、伸張・短縮サイクルが多大に関わっており、ジャンプパフォーマンスのどの側面が重要な要素であるのかを見つけるのはより困難である。単一の水平ジャンプとランニングパフォーマンスの相関関係、及び三段跳びテストと報告されたランニングパフォーマンスとの相関関係を調べていれば興味深かったであろう。 筋肉と腱の硬さはランニング効率と関連がある可能性があり、これは優れた三段跳びテストのパフォーマンが長距離ランナーにとって有利であるということの説明となるかもしれない。さらに、ランニングのタイムが三段跳びテストとは異なった時間に記録されているため、シーズン中のパフォーマンスの浮き沈みや、体重の変化、もしくはその他の要素が結果に影響をもたらした可能性がある。 *** 研究者たちは何故垂直跳びではなく水平跳びを調査したのか? 研究者たちが垂直跳びではなく水平跳びを調査することに決定したということは注目に値する。この決断には多大な背景があり、ここで簡単に説明することにしよう。 *** ほとんどの研究は何故水平跳びではなく垂直跳びを調査するのか? ジャンプ能力と短距離走のパフォーマンスを調査しているほとんどの研究が、垂直跳びに焦点を置いている。ランニングは水平動作であるため、これは直感に反しているように思われる。しかしほとんどの短距離走のコーチは、短距離走の補助的なトレーニングの多くに垂直方向の力を使っている。 これは、垂直の力が素早く地面を蹴るために最も重要であると信じられているためである。ゆえにレジスタンスエクササイズではスクワットとデッドリフトを行う傾向にあり、プライオメトリックエクササイズではカウンタームーブメントジャンプやドロップジャンプを行う傾向にある。その結果として、研究者が追随しているのである。 *** 水平力に焦点をおいたエクササイズはスプリンターにより適しているのだろうか? 幾人かの研究者たちは、より速いスピードに達するためには、垂直床反力よりも水平床反力の方が重要であると提案している。例:Mero (1986), Nilsson (1989), Kyröläinen (2001), Kuitunen (2002), Nummela (2007) & Brughelli (2011)。これは、ヒップスラストやケトルベルスイングのような水平方向のエクササイズがスプリントのパワーを生み出すことに優れている可能性があると示唆している。また同様に、垂直跳びの能力よりも水平ジャンプの方がスプリント能力をより予知できる可能性があると示唆している。 *** では、水平力を含むエクササイズは長距離ランナーにより適しているのだろうか? 水平力が同様に最良のランニング効率にとって重要であるかどうかは、明確ではない。Nummela(2007)は、ランニング効率は実際、床とのより短い接触時間と関連性があり、おそらくより関連があるのは、接地前のハムストリングスの硬さ、弾力性、もしくは運動前の高いレベルでのハムストリングスの活性化であろうと示唆している。それゆえ、水平のストレングス&パワーエクササイズが長距離ランナーにとって最適であるかを見定めるのは困難である。 *** キーポイントは何か? 短距離及び、5000mまでの長距離ランナーのパフォーマンスは、三段跳で示されたような水平跳びの能力と相関関係にある。ゆえにストレングス&パワートレーニングは、ほとんどの場合ランニング効率を向上することから、中距離から長距離のランナーには有益である可能性がある。 *** 実践的意義は何か? 長距離ランナーに対して 水平跳びテストと持久性のランニング能力の相関関係は非常に良く、以前の研究ではレジスタンストレーニングとプライオメトリックトレーニングがランニング効率を向上させると示しているため、長距離走のトレーニングルーティンに、少量の水平跳びと垂直跳びを組み込むことは適切であると思われる。 プライオメトリックトレーニングからの回復には時間がかかる可能性があるため、この種類のトレーニングは週に1-2回程度少量行うよう注意すべきである。高いレベルの力が加わるものや多大なエキセントリックの要素があるものは、疲労や筋損傷、痛みへとつながる可能性がある。よってアスリートはこの種のトレーニングを最低量から始めるのが理想的である。
MMA のためのサンドバッグトレーニング トップ8
DVRTの開発者であるジョシュが、FIT QUEST USA のセムと共に、MMA(総合格闘技)の選手のトレーニングに有効に使える、アルティメイトサンドバッグならではのユニークなエクササイズを8種類選んでご紹介します。格闘技をしない人も、試してみたくなるエクササイズがいっぱい。
ムーブメントスクリーニング
近年、私はムーブメントスクリーニングやオーバーヘッド・スクワット、シングルレッグ・スクワットのような特定の“ファンクショナル・テスト”に関して、数多くの刊行物に目を通しています。これらの成果を褒め称える人達も、また、これらの有効性について、確信を持てていない人達もいるようです。 これらのスクリーニングに関しての、私の見解を加えてみようと思いました。問題の一つめは、私達がファンクションを一握りの評価の中に押し込もうとしていること。数えきれないほど多くのファンクション=機能を考慮する際、これはかなり難しい注文でしょう。もう一つの問題は、人間のファンクションを“定義”しようとしていること。“ファンクショナル”トレーニングにおいて、これは常に問題であり、クライアントの必要な機能がファンクションを定義づけるのではなく、トレーナーたちが、クライアントのファンクションを定義する傾向にあります。容易ではありませんが、成功するアプローチとは、その人のファンクションの背景にある生体力学を、私達に理解させる思考過程を持つことと、 その人がいかに良く機能的活動と関わるかを私達に示してくれるテストを考案することができることです。コーキネティックにおいて、これは私達がどのように身体にアプローチし、どのようにクライアントに身体へのアプローチを指導するかの基礎、もしくは基本原則を形成しています。 あなたはテストをテストしているのですか?それとも、その人のファンクショナル・ニーズ=機能的必要性をテストしていますか?それが、あなたが自分に問いかけなければならない質問です。テストがクライアント、もしくは選手のニーズと無関係であれば、そのテストの答えにどんな有効性があるというのでしょうか?私達はただ単に、テストをテストしているのです。 全ての動作は、特定の技能です。スポーツの多くの動作は、長年にわたって磨かれた非常に特定な技能です。練習していなかった動作のテスト結果が思わしくないのは、ただその動作の洗練に時間を費やすことがなかったために技能に乏しいのではないでしょうか?動作の上達は技能ベースなのでしょうか?もしそうであるならば、そのスポーツに本当に必要な技能を実践するために時間を費やすべきではありませんよね?これら全てが、私達が問うべき質問です。 動作パターンは脳内に存在し、1千億から1千2百億個のニューロンがあり、それぞれに1万個の神経連絡があるため、私達がどのように機能するかを定義する多くの動作を保持するために、神経系の不動産を脳内に持っているということは、まず間違いないと思います。 テニスはラグビーのように見えますか?そのように見えなければ、これらを具体的にスクリーニングする方法を見つける必要があります。 シングルレッグ・スクワットは、機能的な思考過程を、少し取り込むことができます。歩行において、立脚相(シングルレッグ)が50~85%(諸説ある)を占めるという事実には、特異性が少しあります。私は、歩行の場合は50%に近く、ランニングの場合は85%に近いとおもいますが、歩行時のスクワットの総量は、わずかにすぎないでしょう。 これは人間の歩行の逆振子モデルで、重心を移動させるために、私達は効率的に重力を利用することができることを意味します。これは、ランニングのばね質量モデルの反対です。歩行の目的は、過度にスクワットをするためや、重心を下げるためではありません(ファーリー 1998)。 スクワットの深さは大きくないかもしれませんが、シングルレッグ・スクワットは、ランニングにおいては、よりファンクショナルであって、歩行においてはそうではないかもしれません。ファンクションのバリエーションがわかれば、私達の“機能性”を定義するために、たった1つのテストだけでは、その価値が限られてくるかもしれません。より有効な過程は、私の目の前に立っている、クライアントのファンクションのバリエーションを理解することなのかもしれません。 歩行とランニングのファンクションにおける主要因子は、重心を効果的に動かすことができることです。平行移動させる能力は、回旋と同様に、人間動作の重大な構成要素です。ほぼすべての“ファンクショナル”テストは、私達がどこかに移動したいのであれば、少なくとも同程度に重要である水平面ではなく、矢状面での垂直成分における私達の運動能力を評価しているように見えます。ダイナミックな重心の移動・制御能力は、いかなる“ファンクショナル”テスト・スクリーニング、もしくはプロトコールの原則部分であるべきです。 これは、シングルレッグ・スクワットが示すことではないものの、私達が実施することのできる最も重要な“ファンクショナル”テストの中の1つということなのです。また、シングルレッグテストによって、シングルレッグ姿勢において、大腿骨に対して骨盤がどのように回旋して、股関節に相対的な内旋を作り出すのか?を解明することはより効果的な適合ではないでしょうか?これは、歩行とランニングの両方においてより“ファンクショナル”でしょう。シングルレッグ姿勢において、私達が切望する安定性は、数多くの外旋筋群と内転筋群(内旋時に伸長されている筋肉)の遠心性収縮の張力によって生成されているかもしれません!骨盤の回旋がなければ、この安定性も損なわれてしまうかもしれず、歩行時のシングルレッグにおける骨盤の回旋が無い状態でのテストは、自動車にタイヤを3輪付けてのテスト走行のようなものです!!!ファンクションは特異的で、私達が“ファンクショナル”になりたければ、より特異的になる方法も習得しなければなりません。 オーバーヘッド・スクワットは、もう一つの“ファンクショナル”テストですが、ファンクショナルな活動において、私達は左右対称に、もしくは頭上で何かをするような動作を行いますか? 全員に共通する歩行のファンクションに戻ってみましょう。2本の腕が異なった動きをするのがわかります。片側は屈曲し、反対側は伸展しています。片側は外旋し、反対側は内旋しています。これは、肩甲骨も挙上、下制、後退、前突と左右異なる動きをすることを意味しています。実際、回旋を含むいかなるファンクションにおいて、(ほぼ全ての動作)、これは、関節窩上腕関節、肩甲骨胸関節において生じます。このことを考慮に入れることを失敗したテストは、単一面で行われるオーバーヘッド・スクワットから、身体の機能不全の動作パターンを予測するために信頼できるものなのでしょうか?日々のファンクションにおいて、私達は他の誰かによって定義された、不自然な姿勢からスクワットをすることは滅多にありません。庭仕事をするとき、もしくは冷蔵庫から何かを取り出すときにしゃがみ込む際、ジムで行うように骨盤はニュートラルではなく、つま先も外向きではなく、直線的な動きでもないことを保証します。このように評価・トレーニングし、それを“ファンクショナル”と定義することは、思考過程と有用性の両方において的確ではありません。足の位置の変化、それに基づく股関節の位置の変化、3つの面全てにおける変化は、ファンクショナルなスクワットにおいて、大きな影響力を持ちます。機能不全、もしくは痛みは、この不自然な位置のせいで生じているのかもしれません。そして、ひとつの動作において、より多種多様な位置でのテストを可能にさせる思考過程が、私達により多くの情報を与えてくれるのかもしれません。 最後に、一平面における筋肉の可動域は、三次元的な張力と圧縮力が筋線維に作用している際に、自然に緩和されているのかもしれません。単純に構造は、別の方向や平面によって引っ張られた際に、一平面において十分な長さを得ることができないのかもしれません。よって、一度に単一面しかテストできないテストも、三次元のファンクショナルな筋動作と一致しない情報を与えてしまうかもしれません。これは、力が三平面にわたって、バランスと取らなければならない三次元の環境では適合しない、単一面の力発生(孤立した)と類似しています。 いつものように、これは明確な回答が無く、多くの疑問だけが残ってしまう、複雑なテーマに関する私の見解です。
ストレングス&コンディショニング:2013年に学んだこと。
前年度に発見したことを記事でおさらいするのは、今年で8年目になります。振り返ってみると、過去7年間の内容が、現在の選手の指導とプログラム作製に与えた影響は計り知れないものがあります。そういう意味で、今回の2013年度のおさらいを通じ、皆さんが即座に応用することのできる、貴重な知恵のいくつかを提供できればと思います。 1) 筋膜リリースは一日を通して高頻度で行うのベスト フォームローラー、マッサージ、補助器具などを使った軟部組織へのアプローチがなぜ効果があるのか、明確には理解できていないものの、実施すると身体が楽になり、動きやすくなることは明らかです。不快感をできるだけ少なく、より迅速に結果を出す方法を、我々は常に模索し続けています。 今年の前半、クレッシーパフォーマンスのマッサージセラピストであるクリス・ハワードが、昔のマッサージセラピーの教科書に目を通している際、ちょっとした貴重なものをみつけました。それは「筋膜リリースは、短時間高頻度に行う方が長時間低頻度で行うよりも効果的である」というものです。人の身体は頻繁に変化にさらされたほうが”学習”し適応することができるという性質を考えると、理にかなったアプローチといえます。