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筋膜の粘弾性

トムが主催するKMI というスクールの授業風景の一部を捉えた映像です。アナトミートレインの書籍の印象とはことなる、親しみ易くカジュアルな口調で、筋膜の粘性と弾性の特徴を生徒に指導している風景は貴重な映像と言えるでしょう。

トム・マイヤーズ 4:08

DVRT ファンクショナルメタボリックトレーニング®

アルティメイトサンドバッグを使用した、ファンクショナルなメタボリックトレーニング®のプログラム例を紹介しています。負荷の重心、負荷の持ち方、身体のポジション等によって、動きや強度に変化を加えるこの考え方は、USBに限らず、全ての道具を使ったトレーニングに応用できます。

ジョシュ・ヘンキン 9:37

ニュートラルスパイン/ニュートラルな背骨

背骨のニュートラルなポジションというのは、固定されたものではなく、通り過ぎるもの。ただ固めたニュートラルのポジションを維持するのではなく、動きの中で一番ストレスの少ないニュートラルのポジションを確認するフィードバックツールの利用をご紹介します。

マイク・ロバートソン 2:21

動きのなかでのバランス(ビデオ)

バランスのテストと聞いて、思い浮かぶのは、片脚で立って、静止状態をどの位続けていられるか?とか、眼を閉じて、どの位立っていられるか?というものではないですか?じっとしていられることが本当のバランスなのだろうか?という疑問にギャリーが答えます。

グレイインスティテュート 5:49

ニュートラルネック

ニュートラルスパインシリーズから、ニュートラルネックの維持の方法。PVCパイプや視線を活用した、シンプルで無理のない、すぐに試せる矯正方法をご紹介します。是非お試し下さい。

マイク・ロバートソン 2:36

TRX®サスペンショントレーニングとケトルベル

TRX®サスペンショントレーニングとケトルベルを組み合せて、動きのひとつの面で動きながら、他の面で動きをコントロールする、抵抗するといった、より実際の機能に近いトレーニングのアイデアをご紹介します。

ジョシュ・ヘンキン 2:16

ストレッチと筋膜 パート1/3

序論 アクティブまたは、パッシブ軟部組織ストレッチは、次のようなところで適用されています: 徒手療法(マッサージ、筋膜リリース、アクティブリリース、マッスルエナジー) リハビリ的理学療法(手術前・後、外傷後) パフォーマンス向上(運動競技、ダンス、アクティブアイソレーテッドストレッチ) 自助方法(ヨガ、エクササイズのウォームアップ/クールダウン) 統合的パターン解決(オステオパシー、組織的統合) まだ多くのことが解明されていないものの、ストレッチの実際の方法や効果持続に関しては、下記の変数が含まれます: 強度 振幅(許容度) 継続時間 速さ 方向 反復(回数)(パルシング、バリスティック、または周期的ストレッチ) そして、さらなる変数も関係します。 言い換えれば、それぞれのストレッチで、どのくらい頻繁に?どの順番で?何を目的として?と同様に、どのくらい?どのくらいの速さで?どのくらい長く?ということもできます。 これらの要因の変化が多くの種類のストレッチを生み出します。そして、一般的に次のように分類(重複もあり)されています:ダイナミック、アクティブ、パッシブ、スタティック、アイソメトリック(等尺性)、PNFやマッスルエナジーに代表されるアイソトニック(等速性)神経筋促通です。 ほとんどの研究は、筋組織へのストレッチ効果と神経運動反応に集中しています。ここで私たちは、一般的な概念、すなわち結合組織もしくは、筋膜(広義の意味で)や細胞外基質(ECM)へのストレッチの効果についての科学的証拠に注目していきます。 定義 治療的ストレッチは、身体が慣れている関節可動域の最終域まで伸ばし、自力もしくは、セラピストの助力で、さらにそこから伸長していきます。 張力と圧縮は、90度の角度で常に共存しているため、どの身体組織もある一方向に張力がかかる時、細胞と基質は、張力に対し直角に圧縮されます(Fuller 1975)。加えて、直線的ストレッチは、繊維結合の複合体の中で、変換され、周囲、または連続した組織においては、屈曲、せん断、捻転として現れます(Franklyn-Miller 2009)。 習慣化した可動域を超えて更に伸張して伸ばしていくということにより、 “ストレッチ”の定義をみたすことになります。対象者の通常の関節可動域(ROM)の範囲内での動作は、“運動療法”もしくは、“コンディショニング”という言葉に値しますが、“ストレッチ”ではありません。 治療的であるためには、ストレッチは生理学的可動域内にとどまるべきです。オーバーストレッチ(伸ばし過ぎ)は、ケガを引き起こす可能性があります(Alter 2004)。まさに、多くの軟部組織へのケガは局部体組織の過度で急激な伸長の続発症として見られます。 ストレッチは、皮膚、浅筋膜、深筋膜、筋筋膜、筋間中隔、腱膜、腱、靭帯など、あらゆる軟部組織に対し有益に適用されますが、軟骨や骨には適用されません。このように、筋膜ストレッチは、(目的とする、しないに関わらず)、本書に記述されている多くの手法を通して起こり、いくらかの筋膜ストレッチは、ほとんどの徒手療法・運動療法の適用を通して起こります。 様々な科学的根拠 どこにでもある治療的でパフォーマンスに基づいたストレッチにもかかわらず、研究結果において、その有効性は異なります(Bovend’Eerdt et al 2008)。ほとんどの研究では、その対象を1,2種類のストレッチテクニックに限定し、制限された強度と継続時間のパラメーターを使用しています(Law et al 2009)。現在パフォーマンストレーニングや徒手療法で実施されている動作に基づいたダイナミックストレッチについての研究は、ほとんどありません。よって、施術者や運動指導者のための一貫した指針、すなわち、強度、継続時間、頻度を計測する理想的な手段は存在しません。 そのために、実践的筋膜ストレッチの方法、時間、理由に関する矛盾したアドバイスが、伝えられています。下記に引用してあるいくつかの研究は、有益な結合組織ストレッチ反応の指針を示していますが、科学的根拠に基づいたパラメーターは、より一層の研究を必要としている状態です。 ストレッチ研究において、一貫性を欠いているもう一つの要因は、結合組織のさまざまな局所解剖や組織学の生体力学的特性に関する系統的な研究が、まだ初期段階だということです。生体外においての、孤立化された単体の構造の検査は知られているものの(Standley 2009; Solomonow 2009)組織を解剖学的に損なわれていない生体における、組織の伸張、及び再構築反応に関しては、ほとんど知られていない 加えて、一般的に広く注目されている単一筋肉に対するストレッチは、孤立化され扱われる、平行に存在する個別の単位としてではなく、むしろ動力学的連続において、筋肉、筋膜、靭帯で連結している新しい解剖学的モデルの観点から再考される必要があります(Vleeming 2008, van der Wal 2009; Strecco 2009)。科学的根拠は非常に明確です:ストレートレッグリフト・テストにおいて、ハムストリングにかかる張力の240%が腸脛靭帯にかかるとき、“孤立”と“ストレッチ”という言葉の併用が、正当だと説明することは難しくなります(Franklyn-Miller 2009 – 図1)。 図1:ストレッチに関する仮説-例えば、ストレッチからの力は、筋の停止から起始へ伝達される-は、研究結果に挑戦されています:ストレートレッグリフト・テストにおける張力の伝達は、ハムストリング以外の他の多くの身体組織に現れているのです。 誰かに指示されたにせよ、自ら探し求めるにせよ、どのような状況下であっても、ストレッチ方法の選択やストレッチと他のケアとの統合方法は、局所組織や全体組織への効果に関連している多くの科学的根拠のおかげで、より容易になることでしょう。 ストレッチ:組織変化の科学的根拠 前章では、次に述べる力伝達同様に、体組織の変形、剛性、緊張、ヒステリシス、弾性、粘性、可塑性、チクソ性といった結合組織の性質の素性について取り上げました。筋膜ストレッチは、ここでは、簡潔に4つの潜在的で相互関係のある恩恵に関して、考察されています。 力学的伸長 (及び結果としての分節の再配列) 体組織水和 固有受容刺激 結合組織細胞(特に繊維芽細胞)の直接刺激

トム・マイヤーズ 2830字

ストレッチと筋膜 パート2/3

力学的伸長 すべての哺乳動物は、広範囲の外傷もしくは、ウイルスやバクテリアによる感染に対して炎症反応を提示し、神経筋筋膜組織収縮もその不随意反応の一部として現れます(Grinnel 2009)。人間はまた、骨格筋や平滑筋の収縮を通して、さまざまなレベルでストレスに対して反応します。長期にわたる問題は、反射的もしくは、姿勢の緊張過度反応によるものというより、むしろ脅威、外傷、ストレスを経験した後、身体組織の張度や弛緩が正常状態に回復する事後反応の欠如によるものです。その後次々に起こる軟部組織や骨格の代償は、自動的に身体機能を慢性的な筋筋膜収縮状態、筋繊維芽細胞活動の増加、筋膜組織の拘縮に確実に適合させることになります(Langevin et al 2009; Schleip et al 2005)。 多くの臨床医や研究者は、慢性的な“随意以下”の筋収縮が徐々に筋膜の“肥厚”(Langevin et al 2009)、“緻密化”(Stecco et al 2009)もしくは、それぞれの組織間で滑らかに動くべき層の固着(Fourie 2009)を細胞外基質の様々な部分で引き起こすと提唱しています。これらのパターンは、コンセントリック(求心性・短縮性)体組織荷重と同様に慢性的なエキセントリック(遠心性・伸長性)体組織荷重を引き起こし、これらが統合されることで、全身的”軟部組織保持パターン”を形成します(Myers 2009)。 多くの場合、施術者は、神経筋筋膜のアンバランスによって苦しめられている身体の可動性が低下している部位に対して下記のアプローチを施し、それらの部位に、より多くのスペースと動きを与えます: 組織の分化 減圧 リリース 伸長 このアプローチは、過度の牽引力もしくは、張力に曝されている体組織へのストレスを減少させ、他の部位における関節可動性低下の代償として起きている関節可動性過多を和らげる、即時的効果があると感じられます。 しかし、様々な結合組織はどの程度まで伸ばされることができるのか、結合組織の様々な局所解剖的で組織学的部位はどのくらいの時間、その長さを保持できるのか、いつ誘発されるのか、そして、どのサイトカインもしくは、他の化学的要因がそのような恩恵の保持を担っているのかという複雑な問題は、解決されることなく残されています。 一般的に、素早く荷重された結合組織は、ゆっくりと荷重された同じ組織と比較すると、変形が少なく、ゆったりしたストレッチの方が、素早いストレッチと比較すると、組織の伸長にはより効果的であることを示唆しています。 皮膚と“ユニタードのような”深筋膜の間の疎性結合組織は、身体構造が力の変化に対応するために即時的変化を可能にさせている重要な粘弾性質を示しています(Guimberteau 2004)。この組織は、直接的細胞内シグナル伝達において、多くの興味深い効果を実証し、利用しやすく、調整的で、一軸性ストレッチの反応において長さを増します(Wang P et al 2009, Iartides et al 2003)。 筋肉の内部や周囲において、筋膜は組織学的に筋原線維の周囲の筋内膜、筋線維束の周囲の筋周膜、筋肉の周囲の筋外膜に分類されます。これらそれぞれの分布は、筋肉間で広く変化します(Purslow 2002)。“筋筋膜ユニット”を通しての力伝達と筋肉細胞への血管供給を提供するための二重の必要性は、筋肉を通して剪断歪と縦張力は、筋収縮と荷重の異なる局面において、均一にはならないことを決定づけています。これは、徒手療法において、筋筋膜内で感じられるほとんどの“リリース”は、筋膜成分の実際の伸長によるものではなく、筋肉のリラクゼーションによるものであることを示唆しています。筋筋膜において力学的伸長は、ある程度まで得られ、研究では、筋周膜が3層の筋膜の中で最も適合しやすいかもしれないことを示唆しています(Purslow 2002)。 腱自身は、徒手療法が適用されている間、安静時の長さには、ほとんど変化を示さない傾向にあります。もし変形が起こりやすければ、姿勢や関節の安定のための構造としては、乏しい選択肢になるでしょう。靭帯の構成は部位によって様々であり、どの程度の弾力性が必要かにもよりますが、エラスチンの少ない靭帯は、弾性的反応において短期的な置換を示し、長期荷重において変形するものの、靭帯が短期間の徒手療法によって適用された力によって、永続的な長さの変化を受け入れるという科学的根拠はありません(Solomonow 2009)。 腸脛靭帯や足底腱膜のような密生結合組織では、臨床医の“筋膜の伸長”の感覚は、筋膜のシートそのものの、実際の伸長からきているのではありません。高密度の筋膜を伸長するのに必要とされる力は、治療的に発生される力をはるかに超えていることは現在明らかです(Chaudry et al 2008)。より適切なメカニズムは、神経的フィードバックを介して、筋膜が、治療された連続した筋肉と共に、リリースの感覚を生み出すまでリラックスすることでしょう(Schleip 2003)。 細胞外基質構造の“地図”は、どこにそれぞれの構造物が周辺構造物のどこに固定されている“べき”なのか、そして、他の構造物に関連してどこがスライドするべきなのか、を知っておくことを必要としています(Fourie 2009)。体組織の力学的伸長に加えて、機能不全(明らかな“短縮”)は、層間の漿液性潤滑の喪失により、隣接した筋膜と層間での動きを許さない、交差結合が形成されることに起因すると憶測されます。このように、ストレッチは“長さ”の問題に対してだけではなく、“貼り付いた層”の問題に対しても適用されます。一つの層を固定し、隣接した層のストレッチ動作を必要とすることによって、筋膜の隣接した面の間に、増加した関係のある動きの復元を可能にする剪断応力が作り出されます(Schwind 2004)。 解剖学的研究では、筋肉は従来の仮定された並行配列ではなく、基本的に連続して結合組織に付着し機能する,と結論づけています(van der Wal 2009 Figure 1a & b)。それぞれの筋肉スリップは、筋膜拡張部に付着し、骨膜-靭帯-関節包へ、最終的には骨に付着するため、特定の筋肉を“孤立”させることを狙った意図的なストレッチは、他の隣接する構造に対し、縦、横、斜めに方向づけられるのです(Franklyn-Miller 2009)。 ほとんどの高密度筋膜において、治療的力を使用し維持可能な粘弾性変化をおこすといった科学的根拠はありそうにありません。疎性結合組織もしくは、“緩い”軟部組織では、維持可能な変化があるかもしれませんが、徒手療法やストレッチ療法を用いての筋膜伸長に関する見解を維持するには、他の科学的根拠が必要です。 図1a,b:覆っている筋肉と平行に走っていると思われていた靭帯は(a)、より正確には、隣接する筋肉と連続して作用していると見なされる(b) (van der Wal 2009)。

トム・マイヤーズ 3054字

ストレッチと筋膜 パート3/3

体組織水和 ストレッチは、細胞間隙からリンパ管へ余分な液体を搾り出すことによって浮腫を軽減すると同時に、脱水状態の組織への血液循環量を増やすと考えられています。体組織水和の価値は、水とタンパク質の従属する相互作用を考察する際に、最も認識されます。細胞代謝の必要不可欠な媒体であると同時に、表面水和はタンパク質の構造安定性と柔軟性に必要不可欠です(Chen X 2008)。 タンパク質周囲の水は、それぞれ異なった機能を有する3種類に分類されることができます:(1)タンパク質分子を取り囲んでいるバルク水、(2)タンパク質内部の結合水、(3)直接的に細胞膜表面のたんぱく質と相互作用している水和。バルク水は自由に動き、タンパク質拡散の補助をします。水和水は、タンパク質を溶液の中に保つために、タンパク質表面周辺に水性ネットワークを形成します。結合水は単独で、タンパク質内部からタンパク質を安定させる複合的な密着性を持っています(Chen X 2008)。 核磁気共鳴装置(NMR)よる画像化は、ストレッチ時の荷重で水が腱から押し出されることを示しました(Helmer et al 2006)。少量の腱の水和水は、ストレッチ時の荷重において、NMRで可視的になっています。これは、荷重への対応で、高分子からの水の解放が起こった結果かもしれません。この水の動員、押出/吸収の過程は、荷重時に腱の潤滑性を高める、もしくは、荷重への対応で腱の剛性を増すための役割を果たしているのかもしれません。 靭帯の変形性質は、低水和時に減少し、高水和時に増加するように、水和の初期状態に関係しているように思われます(Thornton GM et al 2001)。 この知識は、移植靭帯提供者の準備や、前十字靭帯その他の再建手術後のリハビリテーション手順に影響を与えています(Reinhardt 2010)。 弾粘性では、“弾性”構成要素は一般的に、線維内のコラーゲン鎖とエラスチン鎖に適用され、“粘性”構成要素は一般的に、水と親水性タンパク質の力学的相互作用に適用されています。筋肉内結合組織での弾粘性反応は、ストレッチ時のコラーゲン線維間の滑らかな動きによって発生します(Purslow 2002)。 張力およびストレッチを考慮した筋膜の研究は、線維内、および全体の弾粘性反応を引き起こす線維細胞内の線維間の結合した時間依存的分子滑走の簡易システムモデルでとして、説明しています(Puxkandel 2002)。 Klingler 及びその他(2006)は、豚の筋膜組織の、ストレッチ後における細胞外基質の水結合能力の研究をしました。含水量が最初は減少しましたが、30分間の安静の後、含水量はストレッチ前のものを上回り、ストレッチの後3時間は増加し続け、弾性組織の剛性の増加を生み出しました。著者は、筋膜が機械的刺激への反応に水力学的に適合し、おそらく、親水性の高いプロテオグリカンとグリコアミノグリカンの生物学的構造における、スポンジ様機械的搾取および補充効果によるものと結論づけました。 要約すると、結合組織のコロイド的性質は、浮腫の縮小と脱水状態のタンパク質への水供給の増加の両方において、水力学が体組織ストレッチの結果として極めて重要な要因であり、体組織の伸展性を向上をさせるということになります。 固有受容性刺激 深筋膜は、“様々な自由神経終末や被嚢感覚神経終末の双方を保持しており、特にルフィーニ小体やパチーニ小体も存在し、深筋膜の固有受容性能力を示唆しています”(Stecco et al 2006)。すべての細胞外基質は、様々なストレッチ、圧力、振動、剪断力に反応する固有受容体の種類を提示します(Schleip 2003)。 細胞外基質には、筋肉内部の10倍の受容体終末が存在し、筋組織内に位置している終末は、場合により、筋肉内の筋膜を“傾聴”する役割を持っていると表現することができるかもしれません(Van der Wal 2009)。 これらの受容体は、脊髄や高次中心機構を経由して筋肉反応の介在をします。ストレッチや圧縮を含む治療方法は、例えば、固有受容性神経筋促通法(PNF)(Moore and Hutton 1980)やマッスルエナジーテクニック(Chaitow 2006)のように、これらの受容体からの反応を伴うと考えられています。そのような反射機構は、ストレッチでしばしば用いられる強度は、過度であるかもしれないことを示唆しています(Gowitzke et al 1988)。 適切にストレッチされた筋筋膜連鎖の機能的再教育は、習慣的機能不全パターンに対抗して作用することがわかっています(Richardson 2004)。世界的に、呼吸とストレッチ動作を同調させることは、おそらく副交感神経反応の増大により、痛みの軽減により良い効果をもたらすということが知られています(Vagedes 2009)。 直接的な細胞への効果 結合組織細胞自体へのストレッチ効果は、 基質そのものにおいての再構成変化に次々に作用する機能的変化を引き起こします。これらの変化は、直接的機械生物学的効果のようにみえます(Langevin et al 2009)。 一般的に、細胞外基質の張力増大は、線維芽細胞を刺激して、より多くのコラーゲンを作り出し、基質を肥厚させると仮定されています(Oschman 2001)。 実際、細胞や細胞線維生成物質は、張力荷重に対する反応として、遺伝子発現と機能における機能的変化を表示する傾向を示します。しかしながら、これは自己制御の過程です。ひとたび基質が十分に高密度になると、細胞はもはや、適用されたストレッチを“感じる”ことはなく、それに従い、新しいコラーゲンの生成を維持水準まで縮小します(Bouffard 2008)。 筋膜の周期的な力学的ストレッチは、遺伝子発現における形態学的変化と、細胞内基質と細胞外基質の両方に影響を与えるタンパク質合成を提示しました(Chen Y-J et al 2008)。治療的ストレッチがこれらの効果を起動するのに、十分に長続きするかということは不明ですが、ストレッチの十分な反復は、そのような効果を生み出すかもしれません(Standley & Meltzer 2009)。 細胞が長期間に亘り(数日、数週間)、外傷や、姿勢、スポーツや仕事で繰り返される活動に対応しての、直線的ストレッチ下にあるとき、細胞は再生する傾向にあります。すべての方向から圧縮された細胞は、腫瘍形成を避けるために自滅する傾向にありますが、(Ingber 2003)治療的ストレッチは、そのような効果を生み出すには、短すぎるようです。 主に腱膜の大きな筋膜のシートでみられる筋線維芽細胞は、力学的ストレッチに対して、細胞内の収縮性アクチン分子の総量と配列を増やすためと、細胞膜インテグリン(細胞膜貫通受容体タンパク)を通して収縮性アクチン分子を基質に繋ぐために、筋繊維芽細胞が内在する基質のシートを、事前硬直するために触知可能な力を発揮する反応を示します(Gabbiani 2003)。 最も臨床的に適用できる研究では、スタンドレーが、90秒間の刺激性“徒手療法”(細胞への圧力と剪断力)が、細胞が存在している基質を通して、8時間の効果、もしくは“何度も繰り返す緊張”を著しく弱めることを発見しています(Standley & Meltzer 2009)。 より多くの研究が、筋膜の機械力に対しての反応に関する知識に磨きをかけてくれるでしょう。この新しく発見された“コミュニケーションシステム=通信系”は、神経系や血管系に、その複雑性と重要性で匹敵し、ストレッチ(意図的であるにせよ、ないにせよ)によって出されるキューイング(指示の合図) を“聴いて”、それに基づいて自らを再生します。 結論 筋膜治療はストレッチを避けることはできず、ストレッチは様々なタイプの筋膜組織への影響を避けることはできません。結合組織は、その密度や構成に応じて、ストレッチの様々な形態に対し、力学的伸長、組織脱水と補水、固有受容性フィードバック、機械的シグナルとサイトカインフィードバックによって調節された細胞応答を経由して、それぞれに異なる反応を示します。

トム・マイヤーズ 3536字

スピード・アジリティを適切に

スピード・アジリティ(敏捷性)の指導テクニックについて、よくたずねられます。人々はスピード・アジリティをなぜ、そして、いつ指導するのかを知りたがるのです。最初に伝えるのは、スピード・アジリティはただ自然に起こるものだということ。 プライオメトリック・ステップ、ヒップターン、方向性ステップ、その他すべての多面的スピードテクニックは、アスリートにとって自然な動きです。 私がこれまで実践してきたことは、アスリートが自らの本能と持って生まれた性質を通してどのように自然に動くかを研究したものであり、そこから動作のモデルを作ったのです。 アスリートは素早く加速・減速するために足の配置変えなどの動きを自然に行いますが、それでも上半身のコントロールを間違ってしまうこともありま す。 スピードとアジリティーを適切に行うということは、アスリートの持つ自然な動きと、効果的で能率の良い身体コントロールとを密接に結びつけることで、スピードとクイックネスを最大限に向上させることです。 今日もなお、そしてこれから先も、世のコーチ達はアスリートのステップの配置変えに関して私と討論したがります。 どのアスリートもプライオメトリック・ステップ、ヒップターン、方向性ステップ、その他の動きを、リアクションの必要な状況下で自然に行っているのに、コーチ達は、それを信じようとしません。しかし、彼らにバスケットボール、フットボール、野球などの競技をただ観察するように告げたら、世界で最も偉大なアスリート達が常にステップの配置変えを行っているのに気づくことでしょう。 コーチがアスリートの自然な動作を変えさせようとするのを見ると、その試みはアスリートとコーチをいらいらさせる以外、何の役にも立っていないようです。 両足それぞれに30 ポンド(約13 kg)の重りを付けて走ろうとすることを想像してみてください。反応状況下で、より素早い加速角度のためのステップの配置変えを拘束された場合、アスリートに及ぼす感覚はそのようなものなのです。 アスリートが持つ最も偉大な資質の一つは反応の能力ですが、それはパワーを満たして爆発させる動作(load-to-explode)が必要なことを意味します。 アスリートが、両足を平行にしたアスレチックスタンスで、競技の攻撃準備態勢にあります。対戦相手の選手やボールを追いかけようと待ち構えているのです。身体のシステムに、充分に負荷をかけることで、パワーとクイックネスを伴って力を爆発させることができます。 こうしたアスリートに、ステップ配置変えを作り出す自然な素早い力を無理に取り除かせることがいい、なんてことは言えませんよね。 過去20 年以上の間クリニックを運営してきた中で、幾度も、私はクリニック参加者をステージに上げて、アスリート・スタンスからの加速を見せてくれるように依頼しました。 私がこの依頼をする度に、アスリート達は、私がリクエストした動きの進行方向によって、プライオメトリック・ステップやヒップターンを行ってくれました。これらはとても自然な動作です。特にアスリートの前方13 フィート(約4メートル)位の距離でボールを落下させて、ボールを2 回バウンスさせないようにと指示したりすれば。 ごくまれに、所要時間を正確に把握した上で前転をしてスタートするアスリートもいます。この動作に伴う問題は、実際のスポーツ競技中におけるアスリートの動きとは異なる、ということです。 実際の競技では、競技が開始するまで、アスリートはどの方向へ向かって動くのかわかりません。コーチがアスリートに前方に体を倒して丸め始めるように指導すれば、それはアスリートにとって、マイナスの影響を及ぼします。 アスリートには、アクティブで力強く足の配置変えを行わせてあげましょう。 この記事を読み終えたところで、皆さんが指導中のアスリートが競技中、足を自然に動かしていた事を思い出してみてください。あなたが実践してきたことを否定するわけではないのです。 ただ、自然な反応としてのスピード・クイックネスは、何にも勝るものである、ということなのです。

リー・タフト 1799字

重力下での腹筋の働きとは?(ビデオ)

何層にも重なった腹筋群の働きは、長年誤解され続けてきているような気がします。重力下の環境において、実際の機能において、私達の腹筋群がどのような働きをしているのかを、ギャリー・グレイ理学療法博士が、楽しくわかり易く解説してくれます。

グレイインスティテュート 9:58

大円筋:投手にとって軽視されがちな重要な筋肉

野球のピッチャーやその他のオーバーヘッドアスリートは、投げることによって筋肉が硬くなっていることに疑いの余地はありません。これは以前、私がAJSMで出版した研究で示しており、ピッチャーはマウンドから45球投げた後、即時に肩関節内旋の損失が見られました。 私はよく、この動きの損失は対処せずにいると簡単に蓄積されると言っているのですが、残念ながら私が診ている大半の野球のピッチャー達は、軟部組織の可動性を改善する必要があります。これは、筋肉へのトラウマの蓄積が、一定の期間対処されずに放置されたことに直接関係していると思います。 私は、野球のピッチャーにとって、日常的な軟部組織のメインテナンスが大切だと固く信じていますが、多くのアスリートにとって、私のような専門家にアクセスを持つことがあまり現実的ではないことも理解しています。 フォームローリングやマッサージスティック、トリガーポイントボールなど、自分で軟部組織をケアするための道具はたくさん開発されてきました。私たちは投手にこれらの道具を使うことを薦めてきたので、ローテーターカフ後部や広背筋、胸筋など、いくつかの重要なエリアに焦点をあててケアしている人々を見ることもよくあると思います。これにはちゃんとした理由があるのです。 しかし上記以外にも、私がとても大切だと思っていて、ケアすればすぐに状態を向上させるけれど、みなさんが忘れてしまっているであろうスポットがあります。 大円筋 大円筋は、そもそも値するに十分な敬意をもたれていません。「ローテーターカフ」筋群のひとつに含まれるほどの幸運もない。Men’s Healthの筋肉の強化方法に掲載される胸筋や広背筋のように大きくもない。しかも時々忘れ去られる! 大円筋は、注目すべきとても重要な筋肉です。 大円筋は腕の内旋筋と内転筋として機能しています。ボールに速度をつけるメカニクスを通して腕は何をするか想像してみてください。そうです、腕を内旋し、内転させますよね! しかし、同じ動きを担う胸筋や広背筋と異なり、大円筋は肩甲骨と上腕骨により密接な関係があるのです。野球のピッチャーをみると、大きくて、過剰発達し、肥大した大円筋を見ることが多いと思います。これもまた、大円筋が投げることにおいて重要な筋肉であることを示しています。(写真転載: ウィキペディア ) オーバーユースや投げることによって大円筋が硬くなり、短縮すると、肩甲上腕関節の運動に変化が見られ始めます。評価の際に、投げる動作を行う側の肩甲骨が、より上方回旋しているように見えるときがあると思いますが、私は、これは大円筋が短くなっていることにより、肩甲骨と上腕骨の動きが適切に分化されていないことに起因していると思います。結果的に、硬い大円筋は腕とともに肩甲骨を引き上げてしまいます。 この人は一見、腕の挙上を適切に達成しているように見えますが、実際は肩甲骨の上方回旋によって動きを代償しているだけです。詳しく見てみると、腕の挙上は少なく、肩甲骨の上方回旋の方が大きいことさえわかります。これはいずれ、肩のインピンジメントや炎症につながるでしょう。下記が良い例です。 (上腕骨挙上の減少;肩甲骨上方回旋の増加) 大円筋のセルフ筋膜リリースと軟部組織へのアプローチ みなさんを助けたい、一緒に働きたいと思うと同時に、私はみなさんにある程度自分自身で管理できるようになって欲しいと思っています。投げた後は動きが失われると言ったことは覚えていますか?みなさん自身が、最善の努力をして管理することが大事なのです。 大円筋へのシンプルなアプローチ方法は、トリガーポイントボールやラクロスのボールを使って、セルフ筋膜リリースをすることです。私たちはよく、肩の後ろ側やローテーターカフ後部にボールをあてることを薦めますが、私の経験上、大円筋には十分なケアがなされていません。大円筋に焦点をあててアプローチするには、単純に大円筋の解剖学の理解とボールを当てる位置の調整が必要となります。 広背筋をフォームローリングすることは、大円筋の弛緩にはあまりつながらないということにも言及しておきましょう。大円筋は短くて、脇の下に近い高い位置にあり、これではあまり効果がないのです。より小さなトリガーポイントボールを使って、焦点を絞り、大円筋に入りこんでいく必要があります。 どのトリガーポイントボールを買うべきか? 私は通常、その時々に必要な固さによって、複数の異なるトリガーポイントボールを使いわけます。初心者には柔らかめのボールをお薦めしますし、上級者には固めのボールをお薦めします。下記が私のお薦めです。 初心者:トリガーポイントセラピーマッサージボール。これらはラクロスボールよりも高く3000円くらいしますが、よりやわらかく、いろんなエリアを押すことができる私が好きな小さい突起があります。これは最初の一歩として良いものですが、新しいトリガーポイントセラピーXファクターボールは少し大きめでより固くなっています。私はこれらをよく使っています。 上級者:SKLZリアクションボール。この小さくて黄色い、落とすと四方八方にバウンドしていくリアクションボールを知っていますか。私はつい最近、友人に紹介されたこれらのトリガーポイントツールに魅了されました!とてもよく効くんです。これらは固くて、組織にしっかり入りこんでいく素晴らしい小さな突起がついてます。しかも1000円以下で簡単に見つけることができます。 もちろんシンプルにラクロスボールを使うこともできます。ラクロスボールは良いと思いますが、結構固いですし、突起がないので、エリアによってはあまり理想的ではありません。それを考慮しても、これらはたった200円くらいです。 皆さん自身が大円筋をケアしてみれば、またはアスリートにケアを薦めてみれば、すぐに効果を実感できるでしょう。セルフ筋膜リリーステクニックを使って大円筋の軟部組織をケアすることは、重要なのにも関わらず軽視されがちです。野球のピッチャーやその他のオーバーヘッドアスリートにとって、大円筋はもっと注目されるべきエリアなのです。

マイク・ライノルド 2681字