マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
感覚のミスマッチ
感覚器や皮質からの情報を調整する役割を持つ小脳が、調整機能を適切に行えなかったり、感覚器からの情報に不一致があったりすることで、システムにエラーが起きます。エラーの原因となっているのはどの部分なのか?
足首背屈のエクスカージョンテスト
足関節の背屈のエクスカージョンテスト(可動域テスト)をご紹介します。左右差の有無や、過度の回内の有無、ポジションの変化等に注目しながら足首の機能をチェックするシンプルでありながらパワフルなテストです。
足首の回内回外の反応性向上
立位で体重が荷重された状態での足首の回内、回外の運動は、全身の動きに反応してスムーズに連動することができてこそ、よりファンクショナルな動作となります。足首、距骨下の関節の動きの反応性を向上させるためのより機能的なドリルをご紹介します。
あなたの習った ”コアスタビリティ” の働きは間違っている!?
腰痛の原因/解決策において長年存在するセオリーの1つに “コアスタビリティ”があります。 腹横筋のような体幹深層筋群は脊柱を安定させ、損傷を与える “微細な動作”を防ぐ為に、特定のタイミングで収縮、又は発火されるようになっています。なぜ微細な動作が大きな動作に比べてより傷害の原因になり得るのかは定かではありませんが、その話は私より頭の良い人達に任せるとしましょう! このセオリーにおいて、腹横筋は脊柱を局所的に固定する為に両側性または方向的に独立して収縮し(他の筋群も連動していますが、中心は常に腹横筋とされています)、より “グローバル”とされる他のコアの筋群とは違った形で働き、特異的な動きを生み出すとされています。これは90年代中期から後期におけるホッジス他の腹横筋に対する独自の研究に基づいており、過去20年間にわたりトレーニング、傷害予防やリハビリに多大な影響を与えました。 ホッジスのオリジナルの研究では、腰痛患者はコントロール群に比べ、腕の急速な挙上動作というタスクにおいて、腹横筋の活動の開始が0.2秒から0.5秒程遅れるとされています。まず第1に、このデータから推測すると原因のように思われますが、これが痛みの原因なのか、またはその影響になのかはわかりません。既に痛みがある被験者からこの結論を導けるでしょうか? 次に、オリジナルの研究は片側の腹横筋で測定されたもので、それを脊柱の固定に働く筋のコルセット化という腹横筋の同側性のセオリーに当てはめたものです。最後に、この活動の遅れはメカニズム的に本当に重要なのでしょうか? 世界中のトレーニングやセラピーにおいて信じられてきたセオリーのように、腹横筋は脊柱を固定する為に両側性に働くのでしょうか?または他の筋肉と同様、機能的な動作に合わせて特異的に働くのでしょうか? これは、まさしくこれから紹介する2つのリサーチで問われている質問です! まず最初に: 腹横筋のフィードフォワード反応は方向的な特異性があり、左右非対称に働く:コアスタビリティセオリーの意味合い 2008 タイトルに結論を含むのはサスペンス性を台無しにします。ご覧の通りこのリサーチで著者は、腹横筋は非対称的で方向的な特異性があると述べています。 このリサーチではまず、腹横筋の活動に関する過去のリサーチデータは、ホッジスによって提唱された “マッスルコルセット”セオリーとは一致しないと指摘しています。 データは何を伝えていたのでしょう? 被験者が右腕を上げた際、同側である右の腹横筋の活動は、対側である左に比べ遅れて発火しています。その活動は明らかに左右非対称で、行われる動作と胴部の刺激が発生する方向に対して特異的だったのです。 これをただの研究エラーと決めつけないため、著者の言及では: “さらに、腹横筋の各サイドにおける左右性反応は、左右の腕の屈曲という動揺の繰り返しで再現されていることから、実験結果はシグナル増幅や、生体における細線位置付けのエラーと関連づけることはできません。” 興味深いことに、彼らは同じ腕の動作における腹直筋の反応についても研究しています。腹直筋は “コアスタビリティセオリー”においての “動作筋”とされていますが、左右差がほとんどなく、左右の腕の屈曲ともに同じように発火していることが示されました。 2012年の別の研究でも全く同様の事が報告されています。 コルセット仮説への反論:急な腕の動作において腹横筋が事前に同時共収縮することはない。 またもや、期待感を盛り上げない、結論の含まれたタイトルです!この研究でもほぼ同じ事が報告されています。腕の動作は脊柱に回旋力を生み、その反応として非対称的な腹横筋の活動が確認できます。対側(反対側)の腹横筋は同側より前に発火し、腹横筋の働きはどちらの腕が動くかに大きく関連していました。 著者の結論は: “腹横筋の両側性共収縮に関する”コルセット仮説”は異議を唱えられています。この研究ではコルセット仮説の基盤を築いたオリジナルと同じ方法が用いられました。” “体幹の両側の筋群を研究することによってのみ相反性及び共収縮の真実が明らかになります。この研究で使われた方法は腹横筋のフィード・フォワード共収縮は腕の急な挙上においての正常戦略とされるオリジナルの理論に異議を唱えています。” 著者はコアを独立的に、そして両側性で働くようにトレーニングすることは、正常な運動パターンとコアの筋群の機能特異的な活動を阻害すると感じました。多くの機能的活動は、走る、投げる、蹴る、リーチをするというように非対称性であり、両側性の腹横筋の共収縮は、不自然であり混乱を引き起こします。 “コアスタビリティ”のアプローチにおいては、どちらに転んでも問題があるでしょう。セオリーはデータに裏付けられたものではなく、同様にセオリーに基づいたアプローチの有効性もかなり怪しいものです。 どれほどのトレーニングやリハビリ法が、こういったタイプのエクササイを使い、アプローチの軸としているかを考えてみてください。エビデンスを持つことの重要性は、もちろんそれを使うことであり、おそらくこの2つのリサーチはどこかに隠されていたのかもしれません。
足首のリハビリのプログレッション
スポーツに復帰する直前の機能とパフォーマンス向上のために、ホップを利用したリハビリの最終段階までいかに漸進するのか?足首の障害のリハビリのプログレッションの過程をベン・コーマックが指導するセミナーからのビデオです。
可動性と運動制御の関係性
より良い運動制御を通して、可動性の欠乏がいかに急速に向上するのかをベン・コーマックがライブコースのデモでシェアします。キネティコスのアドバイザーの一人でもある近藤拓人さんをデモのモデルとして行われた、股関節のROMの評価とそのプロセスを通しての素早い変化をごらんください。
立位での股関節外旋アセスメント
立位で荷重を受けている状態での股関節外旋能力のアセスメント方法を、ベン・コーマックがご紹介します。このようなタイプのアセスメントは、大腿骨に対して骨盤が回旋することを必要とする日常生活での機能により関連性を持つものです。
ACL損傷の機能的戦略 パート1A
(パート1Bはこちらへ) 最近、ACL(前十字靭帯)損傷は、多くの注目を集めています。2部構成のこの記事のパート1では、ファンクショナル・ムーブメントの観点からリハビリテーションと予防プログラムに影響を与えるために、ACL損傷に関連する運動学と動作、そして、どのように私達がこの情報を利用することができるのかということに着目していきます。パート2では、この情報をいくつかの具体的な動作とエクササイズのアイデアへと進めていきたいと思います。 2部にわたって、下記の事に着目していきます: ACL損傷に関連する運動学 ACL損傷に関連する動作 運動連鎖の影響 避けるべきトレーニングとトレーニングすべき動作(神経筋技能)とは? 筋力と力発生率 皮質再現とタスク特定の神経可塑性 段階的な進行 疲労時の動作 反応トレーニングと意思決定 リハビリテーションと傷害予防における映像に基づいた動作のアイデア。初期段階から後期段階へ。 漸進的なプログラム イギリスの国民保健サービス(National Health Service, NHS)によると、イギリスでは、100,000人中約30人がACL損傷を負っていると発表しています。ACL損傷は、スポーツ傷害全体の約40%を占めています。 アメリカでは、年間175,000件のACL再建術が行われ、推定見積額は$2,000,000,000にも及ぶと推測されています(Gottlobおよびその他 1999年)。 60%~70%のACL損傷は、非接触型の性質があります(Boden 2001年, Kobyashi 2010年)。これらの傷害は予防可能だったのでしょうか? しばしば、傷害や痛みの正確なメカニズムを究明することは困難です。正確に指摘される特定の事象は無いのかもしれません。痛みはしばしば、数多くの要因によって調節されている可能性のある多要因的な事象で、組織の状態や病理と常に一貫した関係があるわけではありません(Moseley 2007年)。 しかし、ACL損傷のような、特定の組織への特定の外傷性の事象を伴う傷害に関しては、これは少しだけ他よりもはっきりしていることが多いかもしれません。利用可能な研究によれば、これはいくつかのかなり一貫した機序に関連しているように見えます。ある特定の動作が、ACL帯に対して、更なる機械的張力をかけるという情報はリハビリテーションの過程において、関連する組織への負荷を減少させたり、増大させたりするのに利用されるかもしれません。組織への適切な負荷を管理することは、治癒過程において不可欠です。同様に、傷害予防でもこれらの特定の動作に焦点を合わせるでしょう。 ACLの傷害機序に関する利用可能な情報、スポーツにおける必要性、競技復帰のためのプログラムの間にはギャップが存在するかもしれません。エリートレベルのスポーツにおいて増幅される動的側面と多面的側面においては、特にそうかもしれません。この記事では、スポーツ環境における機能的な必要性に基づいた、いくつかのリハビリテーションのアイデアを提供することを目指しています。跳躍テストや等速性筋力テストのようなファンクショナルテストは、競技復帰のための最も一般的なファンクショナルテストです(Abramsおよびその他 2014年)。しかし、通常、競技復帰が行われる術後6~9ヶ月目において、健側と患側の間の著しい左右差がまだ見られます(Abrams 2014年)。跳躍は、等速性筋力テストよりも機能を反映していますが、それが矢状面における動作に偏っているならば、カットのような多面的な動作の必要性を反映しないかもしれません。カットは、ACL損傷が頻発する多くのスポーツにおける基本要素であり、ACL損傷に関連している動作です。 これらのテストと関連するリハビリテーションプログラムは、競技復帰に必須とされる真の機能性が反映されているのでしょうか?再受傷率は12%と報告されていて、競技復帰は重大な再受傷の危険性を示しています(Myklebust 2005年)。 傷害に対するリハビリテーションと傷害予防のプロセスに関して、二つの考え方があるかもしれません。一つは、ACL損傷に影響がある動作を回避するトレーニングをすることであり、もう一つは、特定の動作、関連する運動パターンとメカニズムを使用することによってコントロールするトレーニングをすることかもしれません。これは、身体が免疫システムの構築に必要なメカニズムを作り出すために、患者に対して管理され、漸増する量を与える免疫療法と比較できるかもしれません(この場合は、神経筋系を介してですが)。 ここでのカギになる質問は、もし私達が強い力を含むある動作を回避するトレーニングするならば、ACLにダメージを与えるような動作に耐えるための関節モーメントを作り出すことができるのかということです。膝関節の外反動作は正常で、これに関連した運動学を経験することがなければ、それはスポーツパフォーマンスを大幅に制限するかもしれません。膝関節動作の速度と可動域の制御能力は、最も重要な要因かもしれないのです。 私達が運動学的範囲のピークを減少させようとする際に、筋力はカギとなる変数ではないかもしれないということを後ほど見ていきます。 ファンクショナル・ムーブメントに基づいたアプローチを用いる際に、私達はリハビリテーションと傷害予防のための漸進的なプログラムを作るために、利用可能なデータを使用するでしょう。 ACL損傷に関連する膝関節の運動学 ACLを最大限のストレスにさらす運動学を最初に理解することが重要です。 Marklof (1995年)は、膝関節における脛骨の前方剪断力(脛骨−大腿骨伸展の関節運動学において見られるように)が、ACLへの有意な荷重を産出することを発見しました。純粋な内旋・外旋、あるいは純粋な外反・内反モーメントのどちらも、ACLに有意な負荷をかけませんでした。純粋な脛骨の前方剪断力よりも、脛骨の前方剪断力が膝関節の外反モーメントと同時に発生する際に、有意な負荷がかかるという結果になりました。 内反モーメントと内旋の組み合わせもまた、外旋や外転のような動作単体よりも、さらに大きな負荷をACLにかけました。Marklofおよびその他は、膝の屈曲角度が減少する際に、これらのモーメントが全て増大することを示しています。 Kiapour (2013年)は、死体モデルを使用して、ACLに最大負荷がかかるような動作の、高速ダイナミック着地での生体内の様子に着目しました。これらの動作においては、まず脛骨の前方変位が起こり、続いて、膝関節の外転と脛骨の内旋が起こる事が発見されました。 Marklofの研究における重要な発見の一つは、ACLのストレスをテストするために用いられた浅い膝関節屈曲角度でした。これは、次のセクションで議論される傷害機序に関連する動作についての他の研究でも繰り返し見られます。Kiapourの研究では、膝関節の角度は25度に固定され、着地時の動的性質、あるいは25度よりも浅い異なる膝関節屈曲角度でのACLへのストレスの差異を反映していないかもしれません。個々に行われたこの研究は、異なる動作における異なる力に関しては反映していないかもしれませんが、大きく見れば、複数の情報源から得ることができる総意を支持するものです。 両脚ジャンプタスクにおける膝関節外転の高負荷と動的な外反の増大は、ACL損傷の予測要因に関係があるとされています。膝関節の外転は確かに危険因子ではありますが、その他の負荷との組み合わせであるも要因かもしれません。ACL損傷に関連する運動学のパズルのたった一つのピースを減らすことを目標とすることは、複合的な動作にわたる多面的戦略に比べて効果は弱いかもしれないのです。 MCL(内側側副靭帯)は、膝内側空間の開口部を止める主要構造体であることが示されています(Matsumoto 2001年)。これは、膝関節の外反モーメントそれ自体が、ACL損傷を引き起こす可能性は低ということを意味しています。MCLが無傷の状態での外反モーメントにおけるACL緊張は最小限ですが、MCL断裂後は顕著です(Mazzocca 2003年)。Fayad (2008年)は、84件のうちたった5件が接触時によるもので、非接触時に起こるACL損傷は、MCLの完全断裂に付随して起こるということを示しました。 研究からの重要な情報: 膝関節における多面的な運動学が、ACLをより大きなストレスにさらし始める。 膝関節伸展と脛骨の前方変位(伸展に関連する)が、膝を最大の単一負荷にさらす。 伸展時のストレスの増大は、内旋・外旋動作や内反・外反動作のような付加的な動作によって増大する。 これがどのように私達を導くのか? 荷重は多面的にわたって発生し、リハビリテーションプログラムに反映されるべきである。 多面的張力に勝る単独の運動学変数は存在しない。 組織と運動系を段階的に露出するために、リハビリテーションにおいて、単一面的張力から多面的張力へと漸進することが重要である。 参照文献 Abrams G, Review Functional Performance Testing After Anterior Cruciate Ligament Reconstruction: A Systematic Review, The Orthopaedic Journal of Sports Medicine, 2(1) 2014 Boden BP, Dean GS, Feagin JA Jr, et al. Mechanisms of anterior cruciate ligament injury. Orthopedics. 2000;23:573-578. Fayad L Anterior cruciate ligament volume: analysis of gender differences, J Magn Reson Imaging. 2008 Jan;27(1):218-23 Gottlob CA, Baker CL Jr, Pellissier JM, et al. Cost effectiveness of anterior cruciate ligament reconstruction in young adults. Clin Orthop Relat Res 1999;(367):272–82. Hewett T et al, Biomechanical Measures of Neuromuscular Control and Valgus Loading of the Knee Predict Anterior Cruciate Ligament Injury Risk in Female Athletes - A Prospective Study, The American Journal of Sports Medicine, Vol. 33, No. 4 2005. Kiapour A,Timing sequence of multi-planar knee kinematics revealed by physiologic cadaveric simulation of landing: Implications for ACL injury mechanism, Clinical Biomechanics 29 (2014) 75–82 Kobayashi et al, Mechanisms of the anterior cruciate ligament injury in sports activities: A twenty-year clinical research of 1,700 athletes, Journal of Sports Science and Medicine (2010) 9, 669-675 Markolf KL, Burchfield DM, Shapiro MM, et al. Combined knee loading states that generate high anterior cruciate ligament forces. J Orthop Res 1995;13:930–5. Matsumoto H, Suda Y, Otani T, et al. Roles of the anterior cruciate ligament and medial collateral ligament in preventing valgus instability. J Orthop Sci 2001;6:28–32. Mazzocca AD, Nissen CW, Geary M, et al. Valgus medial collateral ligament rupture causes concomitant loading and damage of the anterior cruciate ligament. J Knee Surg 2003;16:148–51. Moseley L, Reconceptualising pain according to modern pain science, Physical Therapy Reviews 2007; 12: 169–178 Myklebust G, Bahr R, Return to play guidelines after anterior cruciate ligament surgery, Br J Sports Med 2005 39: 127-131 Olsen, O.E., Myklebust, G., Engebretsen, L., Bahr, R., 2004. Injury mechanisms for anterior cruciate ligament injuries in team handball: a systematic video analysis. Am. J. Sports Med. 32, 1002–1012.
ACL損傷の機能的戦略 パート1B
(パート1Aはこちらへ) (パート2Aはこちらへ) ACL損傷に関連する動作 ACL損傷の傷害機序を解明するために使用されている二つの方法は、映像解析や既往に関する問診です。どちらも限界はありますが、実にいくつかの共通する特徴を示しているのです。 ACL損傷は主に、プラントやカット、ジャンプ後の着地、ランニング時の急な減速や方向転換のような非接触型の機序によって発生します。傷害予防の観点から、これらは最も予防可能なものでしょう。 膝関節が内旋、あるいは外旋を伴い、外反に入ってしまった。 膝関節屈曲角度が浅かった(20度、あるいはそれ以下)。 患側の足が地面と接触した際に、傷害が発生した。 スピードが速かった。 体重配分が100%患側だった。 Olsen (2004年)は、ハンドボール選手を被験者とした彼の研究において、受傷時の状況を二つの大きなグループに分類しました。プラントとカットが機序のものが最も一般的で12件、そのうち4件が両足での蹴り出し時、8件が片足での蹴り出し時でした。全ての傷害が、蹴り出し側の膝に発生していました。1件を除く全件で、方向転換のための蹴り出し時に、膝が膝の軸の内側へ入っていました。膝関節は、内旋、あるいは外旋を伴うほぼ真っ直ぐな状態でした。 片脚着地が次に一般的で4件でした。足がしっかりと地面に着いていて、外旋の状態でした。 上記は、Olsen (2001年)の研究 'Injury mechanisms for anterior cruciate ligament injuries in team handball: a systematic video analysis(ハンドボールチームにおけるACL損傷の傷害機序:系統的映像解析)'からの表です。 Kobayashiおよびその他 (2010年)は、日本で1,700人のアスリートを対象に20年間にわたる臨床研究を行いました。彼等は、非接触型が全ACL損傷の60.8%を占め、それらの症例の51.9%が、ニーイン・トーアウトの動的アライメントを伴うものであることを発見しました。この報告された動的アライメントは、膝関節の外転と外旋に関連している可能性があります。 Boden (2000年)は、100件のACL損傷のうち72%が非接触型であることを発見しました。ここでも、膝はほぼ完全伸展の状態であったことが確認されました。機序は、方向転換直前の急な減速、あるいは外反を伴う着地での膝関節からの崩れでした。 Olsenはまた、アスリートが同様の動作をこれまでに何度も繰り返しているかもしれないのにも関わらず、ACL損傷が発生してしまう理由について詳しく研究しました。多くの場合の、押された、掴まれた、著しく幅広い足の位置といったものと同時に、摂動が報告されました。予期せぬ出来事に対処するための運動能力は常に、特別手当みたいなもので、リハビリテーションや傷害予防の考慮に入れることが可能なもう一つの変数です。 ここでは、ACL損傷を引き起こす、道理にかなっていて一貫性のある運動変数と位置の一連について見てみましょう。このデータを持つポイントは、私達は利用可能な情報に基づいて、リハビリテーションと傷害予防の戦略の土台を築かなければならないということです。 これがどのように私達を導くのか? リハビリテーションにおいて、張力を変化させるために膝関節屈曲角度を利用することが可能。 浅い膝関節屈曲角度を使用するリハビリテーションと傷害予防は、高レベル、あるいは後半段階での戦略に利用できる可能性がある。 同時に起こる多面的運動学と動作を含む運動が必要不可欠。 脚全体の動作の順序と力の散逸。 リハビリにおいて動作の速度を段階的に上げていく。 リハビリにおいて片脚荷重の比率を段階的に上げていき、傷害予防においては片脚荷重を100%の比率で行う。 着地動作、減速動作、カット動作が、リハビリテーション後期と競技復帰には必要不可欠。 摂動、あるいは反応的要素のような付加的なトレーニング変数が重要。 いかなるダイナミックなスポーツにおいても、私達は、減速や力の合成をするために運動連鎖全体の使います。多くのACL損傷においては、膝が動きの三面全てにおいて、かなり動きを起こしているのがみられます。 私達はまた、膝関節に限局した動作と力の必要性を削減するための適切な動作を提供するために、同側における股関節と足関節の能力を探らなければなりません。足がしっかりと地面に着いた状態でのカット動作では、反対側の脚が反対の方向に動くことによって、地面に着いている脚の近位から始まります。この同時に起こる股関節の外旋と外転が、大腿骨を経由して、膝関節における動的な外反と関連する外旋を減少させるかもしれません。 制御された状態で、足関節の外反する能力と相対的に外転(回内に関連する動作)する能力もまた、脛骨を経由して膝関節の動作を制御するかもしれません。脛骨の内旋は、足が効果的に回内の可動域、あるいは速度を制御できないことが原因で引き起こされるのかもしれません。膝関節における外旋モーメントは、回内できない足が、大腿骨と密接に関連する脛骨の内旋を減少させることが原因で引き起こされているのかもしれません。 足関節背屈と股関節屈曲の減少はまた、膝関節屈曲角度を減少させるかもしれず、それがACL損傷に関連する膝関節の浅い屈曲角度につながる可能性があります。 脚全体の巧みな動作に焦点を合わせることは、プラント、カット、着地に関わる三つの構成要素を統合するために、有益な戦略なのかもしれません。複雑な協調、および複数の関節と筋動作の順序は、ACL断裂を引き起こすのに必須とされる強い力の散逸において必要不可欠です。 機能に関連する動作における巧みな、順序立てられた脚の動作。 部分的貢献のための三次元全てを通しての股関節と足関節の優れた能動的可動域。 ただ個々の筋肉の強化よりも、特定の動作の集合的な協調と制御に焦点を合わせること。 ここでは、 特定のリハビリテーションと傷害予防プログラムの作成を始めるために、 スポーツの機能的な必要性に関する研究と私達の知識から得られる多くのポイントをみてきました。スポーツにおいて必要とされる特定の動作を反映する、より機能に関連した競技復帰テストにおける研究、特に、高額な臨床機器を使用することなく実践できるものが必要とされています。 第2部では、私達が集めた情報を漸進的なリハビリテーションプログラムと操作可能な関連する変数に組み入れることに着目していきましょう。 参照文献 Abrams G, Review Functional Performance Testing After Anterior Cruciate Ligament Reconstruction: A Systematic Review, The Orthopaedic Journal of Sports Medicine, 2(1) 2014 Boden BP, Dean GS, Feagin JA Jr, et al. Mechanisms of anterior cruciate ligament injury. Orthopedics. 2000;23:573-578. Fayad L Anterior cruciate ligament volume: analysis of gender differences, J Magn Reson Imaging. 2008 Jan;27(1):218-23 Gottlob CA, Baker CL Jr, Pellissier JM, et al. Cost effectiveness of anterior cruciate ligament reconstruction in young adults. Clin Orthop Relat Res 1999;(367):272–82. Hewett T et al, Biomechanical Measures of Neuromuscular Control and Valgus Loading of the Knee Predict Anterior Cruciate Ligament Injury Risk in Female Athletes - A Prospective Study, The American Journal of Sports Medicine, Vol. 33, No. 4 2005. Kiapour A,Timing sequence of multi-planar knee kinematics revealed by physiologic cadaveric simulation of landing: Implications for ACL injury mechanism, Clinical Biomechanics 29 (2014) 75–82 Kobayashi et al, Mechanisms of the anterior cruciate ligament injury in sports activities: A twenty-year clinical research of 1,700 athletes, Journal of Sports Science and Medicine (2010) 9, 669-675 Markolf KL, Burchfield DM, Shapiro MM, et al. Combined knee loading states that generate high anterior cruciate ligament forces. J Orthop Res 1995;13:930–5. Matsumoto H, Suda Y, Otani T, et al. Roles of the anterior cruciate ligament and medial collateral ligament in preventing valgus instability. J Orthop Sci 2001;6:28–32. Mazzocca AD, Nissen CW, Geary M, et al. Valgus medial collateral ligament rupture causes concomitant loading and damage of the anterior cruciate ligament. J Knee Surg 2003;16:148–51. Moseley L, Reconceptualising pain according to modern pain science, Physical Therapy Reviews 2007; 12: 169–178 Myklebust G, Bahr R, Return to play guidelines after anterior cruciate ligament surgery, Br J Sports Med 2005 39: 127-131 Olsen, O.E., Myklebust, G., Engebretsen, L., Bahr, R., 2004. Injury mechanisms for anterior cruciate ligament injuries in team handball: a systematic video analysis. Am. J. Sports Med. 32, 1002–1012.
ACL損傷の機能的戦略 パート2A
この記事の主な焦点は、神経筋技能と私達がパート1で探索したACL損傷に関する特定の動作に関連するプロセスです。 動作を回避するためのトレーニングをしますか、それとも特定の技能をトレーニングしますか? 損傷に関連する動作とリハビリテーションおよび傷害予防のプロセスに着目してみると、はっきりと異なる二つの立場があるようです。 一つは、関連する筋肉組織を‘強化’することによって、動作を完全に回避しようと試みることでしょう。ACLの場合はしばしば、損傷に関連する大腿骨の内転に対抗するために外転モーメントを作り出す股関節外側と膝関節の相対的な外転、あるいは外反がこれに当たります。 もう一つの見解は、神経筋技能トレーニングへの移行です。このただの筋力強化からの脱却は、ACL損傷予防や多くの異なる傷害のための歩行の訓練で成功を収めています。この方法論は、特定のタスクを行う活性化のパターンにおいて一致して作用する筋肉成分というよりも、特定の技能そのものの再教育に着目しています。その特定の運動学と動作は、このシリーズの記事のパート1で強調されています。 大腿骨の内転動作を制御/減速させるために特定の神経筋技能を運動系に教えることは、非特定的動作を介して動作に抵抗するために、外転筋群を強化することよりもさらに有益かもしれません。 膝関節における動的な外反を減少させることはまた、ACL損傷にも膝蓋大腿関節症にも関連していて、着目されるべき関連研究がいくつかあります。 Ferber (2011年)の研究では、3週間の股関節周囲筋群強化プログラム後に股関節外転筋力の増大と痛みの減少が報告されたものの、最大膝関節外反角度の減少は無かったことが発見されました。筋力増大は疼痛レベルには影響し、膝関節における動作の変動性を減少させましたが、興味深いことに、筋力増大はACL損傷に関連している運動学を変化させることはありませんでした。 Kleim (2008年)は、ACLリハビリテーションや傷害予防に関連する神経筋技能習得に必須とされる、経験依存的神経可塑性に関するいくつかの特定の要因を明確に述べています。 それらは下記のことを含みます: 使用して、向上させる − 特定の脳機能を駆動するトレーニングは、機能の強化に通じる。 特異性 − トレーニング経験の性質は、可塑性の性質を決定づける。 反復回数が重要 − 可塑性の誘発には、十分な反復回数を必要とする。 WilleyとDavis (2011年)はまた、トレーニングの特異性が重要であるということを発見しました。彼等は、ランニング時ではなく、シングルレッグスクワット時の股関節外転筋力を増大させ、股関節内転を減少させた、筋力強化と神経筋機能再トレーニングの要素を含んだシングルレッグスクワットプログラムを使用しました。そして、非特異的筋力強化と動作トレーニングは、異常なランニングメカニズムを変化させないと結論付けました。これは、それらの変化は神経筋トレーニングに関するタスクの特異性によるものであろうということを示しています。 私達は、膝関節が経験する動作の量を減少させるために、ACL損傷に関連する重要な動作における神経筋メカニズムの再トレーニングを選択することができ、このプロセスを補助するための多くのフィードバックツールを組み合わせることで、成功はもたらされています。 着地はACL損傷時に一般的に見られる片脚ではなく、両脚によるものでしたが、Hewitt (1996年)によって、着地時の神経筋制御に焦点を合わせ、膝関節の外反トルクを減少させるための神経筋トレーニングは幾らかの成功を伴って行われています。 Hewitt (1999年)による受傷率における神経筋トレーニング効果に関する前向き研究は、トレーニングを受けていない女性アスリートのグループとトレーニングを受けたグループの間での受傷率において有意な効果を示しました。トレーニングを受けていないグループは、トレーニングを受けたグループと比べて、3.6倍のACL損傷の発生率を示しました。トレーニングを受けたグループにおける両方の損傷は、接触時に発生したものです。 Hewittの研究におけるトレーニングでは、垂直跳びに焦点が当てられました。パート1で説明したように、特定の機能のアプローチは、制御された環境の中で最も特異的な神経筋の学習経験を作り出すために、傷害機序に関連する構成要素を重視したのかもしれません。これらの構成要素は、片脚、多面的な運動学、スピード増加、可動域拡大を含むでしょう。Caraffa (1996年)の研究では、固有感覚トレーニングは、ACL損傷の発生率を優位に減少させると示されています。これは、傷害機序とスポーツ動作の必要性に関する、固有感覚系への特異的かつ本物の刺激を通して改善したのかもしれません。 筋力と技能 筋力は、スポーツパフォーマンスの重要な構成要素一つです。私達はしばしば、個々の筋肉における等速性筋力テストに着目します。これはいくつかの有益なデータを無駄にしている可能性があります。Abramsおよびその他(2014年)は、ACL再建術後の機能的テストに関する系統的レビューにおいて、全ての移植タイプでの等速性筋力テストによって、膝関節伸展の筋力が膝関節屈曲の筋力におくれを取っていることを発見しました。 ここでの重要な問題は、等速性での筋力測定が、競技復帰の準備ができているかどうかの良い判断材料になるのかということです。研究室の外では、等速性収縮は滅多に発生しません。力は高額な装置の使用によって変化することが可能とされている一方で、一定の速度を保つことによって達成されます。これは、私達はしばしば、力を作り出すための速度を上昇させる必要がある、低質量に逆らうスポーツのような機能的環境下において、どのように力が作り出されるかということとは正反対なのです。Angelozzi (2012年)は、最大随意収縮がほぼ受傷前のレベルに戻っていても、ACL再建術後の力発生率において、顕著な欠如があることを発見しました。テストとリハビリテーションの両方の観点から、力発生率における神経筋技能が考慮されなければなりません。ACL損傷における重要な傷害機序の一因は、高速動作のようです。 これがどのように私達の実践に影響を与えるのでしょうか?トレーニングやリハビリテーションにおいて、筋力はしばしば質量によって決定されます。筋力は、F = MA方程式の一部である質量に関するバイアスを伴う、外部の物体に適用される力です。軽めの負荷、あるいは実際、外部負荷のないものへの力発生率でさえもまた重要です。力は数多くのベクトルの変化を通して作り出され、制御される必要があります。力はそれが方向と大きさの両方の要素を有することを意味しているベクトルです。ACL損傷に関連する着地は、能動的な力の産生というよりも、減速を通して身体に作用する力の制御により関することです。 力はまた、複雑で多面的な機能的動作における関連性の変化を介して動く、複数の受動的・能動的な部分の協調性を通して合成・分解されます。脚全体の協調性における神経筋技能は、個々のテスト、あるいは筋力強化おいて主要なものであるかもしれません。 筋力はしばしば、動作あるいは技能において特異的です。実際に、Hales(2009年)の実験において、リハビリにおいて、筋力強化エクササイズとしてしばしば使用される、スクワットやデッドリフトのような異なるリフトの技能の間には、クロスオーバーはほとんど見られません。比較すると、これらは両側性でかなり1次元的であることによって、着地、あるいはカットよりも、よりお互いに類似した動作で、しばしば質量によって決定されるということが議論されるかもしれません。Brughelli (2008年)の研究では、筋力とパワーの変数に重点を置く従来のレジスタンストレーニングは、ACL損傷に関連するカット動作の主要な動作である方向転換パフォーマンスに関する相関関係が低から中程度であったと示しています。 組織耐性のような生理学的変化に影響を与えるかもしれませんが、これは、競技復帰のためのクロスオーバーに関する問題と、特定の動作のための一般的な筋力強化エクササイズの概念に関する問題を提起しています。 参照文献 Tsao H, Danneels LA, Hodges PW. ISSLS prize winner: Smudging the motor brain in young adults with recurrent low back pain. Spine (Phila Pa 1976). 2011 Oct 1;36(21):1721-7. doi: 10.1097/BRS.0b013e31821c4267. Remple MS, Bruneau RM, VandenBerg PM, Goertzen C, Kleim JA. Sensitivity of cortical movement representations to motor experience: evidence that skilllearning but not strength training induces cortical reorganization. Behavioural Brain Research 2001;123(2):133e41. Karni A, Meyer G, Jezzard P, Adams MM, Turner R, Ungerleider LG. Functional MRI evidence for adult motor cortex plasticity during motor skill learning. Nature1995 Doyon J, Benali H. Reorganization and plasticity in the adult brainduring learning of motor skills. Curr Opin Neurobiol. 2005;15(2):161–167. Mizner RL, Kawaguchi JK, Chmielewski TL. Muscle strength in the lower extremity does not predict postinstruction improvements in the landing patterns of female athletes. J Orthop Sports Phys Ther., 2008;38(6):353–361. Hales, Johnson and Johnson, Kinematic analysis of the powerlifting style squat and the conventional deadlift during competition: is there a cross-over effect between lifts? Journal of Strength and Conditioning Research, 2009 Beck S, Taube W, Gruber M, Amtage F, Gollhofer A, Schubert M. Task-specific changes in motor evoked potentials of lower muscles after different training interventions. Brain Res. 2007;1179:51–60. Ferber R, Kendall KD, Farr L. Changes in Knee Biomechanics After a Hip-Abductor Strengthening Protocol for Runners With Patellofemoral Pain Syndrome. Journal of Athletic Training 2011;46(2):142-49 - Boden BP, Dean GS, Feagin JA Jr, et al. Mechanisms of anterior cruciate ligament injury. Orthopedics. 2000;23:573-578.27. Hewett TE, The effect of neuromuscular training on the incidence of knee injury in female athletes. A prospective study. Am J Sports Med. 1999 Nov-Dec;27(6):699-706 Caraffa A, Cerulli G, Projetti M, et al: Prevention of anterior cruciate ligament injuries in soccer. A prospective controlled study of proprioceptive training. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc 4(1): 19 –21, 1996 Rudolph KS, Dynamic stability in the anterior cruciate ligament deficient knee. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc. 2001;9(2):62-71. Hartigan EH et al, Kinesiophobia after anterior cruciate ligament rupture and reconstruction: noncopers versus potential copers. J Orthop Sports Phys Ther. 2013 Nov;43(11):821-32. Paul W. Hodges ⇑, Kylie Tucker, Moving differently in pain: A new theory to explain the adaptation to pain, Pain, 152 (2011) S90–S98 C. Buz Swanik, PhD et al, Reactive Muscle Firing of Anterior Cruciate Ligament-Injured Females During Functional Activities, J Athl Train. 1999 Apr-Jun; 34(2): 121–129. Brughelli M et al Understanding change of direction ability in sport: a review of resistance training studies. Sports Med. 2008;38(12):1045-63. Solomonow, Ligaments: a source of work-related musculoskeletal disorders, Journal of Electromyography and Kinesiology 14 (2004) 49–60 Kleim J, Principles of experience-dependant neural plasticity, Journal of speech, language and hearing research, Vol 51. Feb 2008
ACL損傷の機能的戦略 パート2B
皮質再現と特定のタスクを行う神経可塑性 私達が神経筋技能をより重要視するのであれば、一次感覚皮質や運動皮質における生理学に関する皮質再現のような、運動技能に関連する脳の部位を考慮しなければなりません。Tsaoおよびその他による研究(2011年)では、痛みが一貫して運動系と筋活性/抑制に影響を及ぼしていることを示していています。HodgesとTucker (2011年)は、これらの変化はしばしば、個別的であって画一的ではないと述べていますが。 Falla (2010年)によって、皮質再現の変化は、長期間のリハビリテーションの成功において必須であると仮定されています。これは、私達が感覚野と運動野に痛みが与え得る変化を理解する際、理にかなうものでしょう。運動能力の変化は、痛みの維持における要因なのかもしれません(Falla 2010年)。 経験依存的可塑性は、特定の刺激や経験への反応における脳内での変化に関連しています(Doyon 2005年)。ACL損傷に関連して、これは、痛み、あるいは固定中の動作の低下に関連するネガティブな変化かもしれません。特に生理学・神経学における機能的なニーズが考慮される場合、ポジティブな変化はリハビリテーションに関連するものとなるでしょう。 筋力トレーニングでは、脳において技能トレーニングで起こるような同様の効果をもたらしません。ACL損傷に関連する動作に必須とされるような特定動作の要素を目的にする能力は、筋肉の共収縮よりも、注意や正確さのレベル向上を必要とします(Falla 2010年)。 運動行動は、筋力とは無関係であると報告されています。これは、トレーニング後における動作の変化は、運動技能の向上の結果であるということを示唆しているかもしれません(Mizner 2008年)。 新しい運動技能トレーニングは、受動的治療法、あるいはより一般化されたエクササイズに対し、タスクパフォーマンス、皮質興奮性、皮質再現増大の向上に関連しています(Sedato 2001年, Pascual-Leone 1995年, Karni 1995年)。 筋力トレーニングと併用された技能トレーニングは、技能トレーニング単体より以上に、一次運動野への変化を起こすことはありませんでした(Remple 2001年)。これは、前述のように、膝関節の外反を減少させる股関節外側筋群の強化の不能さと、神経筋トレーニングがACL損傷発生と再発の減少に成功していることが浮き彫りにされています。 Powers (2010年)の研究では、技能習得後の持続的変化は、ACL予防トレーニングを伴うトレーニング後、6か月間保持されると示しています。これは、運動出力により関連している小脳のように、皮質下構造が示唆している運動皮質興奮性の減少によって示されています。そして、これは、‘神経の習慣づけ’に関連する、より潜在意識にしっかりと植えつけられた戦術を示唆しているかもしれません(Beck 2007年, Powers 2010年)。 疲労時の動作 疲労は、傷害の発生率の高さに関連しています(Bengtsson H 2013年)。疲労は、力を作り出す能力だけでなく、滑らかで制御された動作にも影響を及ぼします(Cortesおよびその他 2013年)。彼等は、サイドステップとカット動作を用いた、かなりACL損傷に関連した研究を行い、運動誘発性疲労後の膝関節の運動学とモーメントにおける変動性の増加を発見しました。Ferber (2011年)はまた、膝蓋大腿関節の痛みにおける膝関節動作の変動性をも含意しています。疲労に起因して変動性が増加するにつれて、膝関節外反の減少に関連する神経筋制御の低下を目にするかもしれません。 疲労時における動作評価は、アスリートの能力と受傷、あるいは再受傷の危険性をよりはっきりと描写するかもしれません。神経筋技能習得の特性はまた、疲労と動作制御における特定の同時に起こる変数を重視したトレーニングから恩恵を受けるかもしれません。 このことを考慮に入れて、ACL損傷予防に特異的な動作トレーニングは、トレーニング前後と独立したセッションの両方を含んでいるトレーニングスケジュール内の、異なる時に循環して行えるかもしれません。 また、評価の変数と適応のための更なる制御可能な変数のように、疲労レベルを変化させることは、リハビリテーションプログラム中においても有益でしょう。 段階的露出 痛みは運動行動や動作反応を変化させます。この運動行動の要因は、更なる痛み、あるいは組織損傷から防御することかもしれません。これはまた、知覚される損傷を含んでいるかもしれません。HodgesとTucker (2011年)は、痛みの後の運動適応に関するいくつかの重要な特徴を提案しました。 彼等の理論は、不均一な方法により実行される運動系の複数レベルにおける(脊柱上のような)修正された動作と硬直を考えています。運動と筋肉の戦略はしばしば個人差が大きく、筋肉間活動や筋肉内活動は、何人かがこれまでに提案したように、画一的なものではありません。これらの運動適応は、更なる組織損傷を回避するための継続的な防御的運動行動のような短期的な効果があるかもしれませんが、組織治癒プロセス後の潜在的な長期的結果はすでに完了していて、以前の動作能力は変化したままになっています。 これは、ACL損傷後に、うまく対処できている人とは異なる歩行と筋肉収縮パターンを見せるうまく対処できていない人達において明白かもしれません。よりハイレベルな共収縮と明らかな歩行適応は、膝関節の運動とモーメントの減少と並んで存在する可能性があります(Rudolph 2001年)。 私達はまた、運動恐怖症(運動への恐怖)がACL再建術後の膝関節の機能性に関連していると考えます(Hartigan 2013年)。これもまた、潜在意識における防御戦略の一部かもしれません。 恐怖と防御戦略の存在と共に、私達がうまく対処するために神経筋系に要求すればするほど、恐らく、脳によって知覚される危険レベルと相関しない防御反応を獲得するかもしれません。このことを考慮に入れて、成功を収める戦略は、関節可動域、スピード、不安定性へのチャンレンジを含む機能的変数の全領域に対応するために、運動系能力と神経系能力を修復するための段階的アプローチを導入することでしょう。 興味深いことに、Swainkおよびその他(1999年)は、筋肉の適応には左右差が無いことを発見し、ACLが欠損している女性に機能的安定性を与えていると仮説を立てました。そして、これらの適応は、ACL損傷後に両側性で発生することを示唆しています。最も機能的な活動は、複数の四肢で同時に起こる動作を含むため、これはHodgesとTuckersが提唱する、システム全体における筋肉間変化・筋肉内変化の理論に合致する身体全体の防御戦略を示しているのかもしれません。 防御的運動適応は、特定の動作と関連する変数の要求水準の増加によって評価されるかもしれません。動作と硬直レベルにおける運動系の変化を観察することは、防御反応の増大を意味していて、現状の中枢神経系に対する要求における適正水準をガイドしているのかもしれません。 私達は、神経筋プロセスにおいて、ACLそのものが果たす役割について考えなければなりません。靭帯には、固有感覚と反射の活性化に寄与する広範囲な求心性神経が存在します。受傷後の支障は、力学的損失だけでなく、以前に発生した有害な経験への防御反応として実行されるかもしれない強化された関節安定性に関連する運動感覚損失・反射的損失なのです。 ACLへの刺激による筋肉における反射活性化は、関節の動揺を予防し、ACLへの負担を軽減すると考えられています(Solomonow 2003年)。靭帯への負担を増大させる筋肉において、大きな力の発達を減少させるために、靭帯−筋肉反射の抑制効果もあるかもしれません。よって、靭帯−筋肉反射は、関節安定性を作り出すことと人体への負担を軽減することの追及において、抑制か興奮のどちらかであるかもしれません。 神経筋トレーニングは、機能に関連した動作への段階的露出を介して、これらの神経筋プロセスの要因を再調整することを目的に作られるでしょう。これは、脊髄反射機構と神経筋システムにおける脊柱上の構成要素と知覚されたACLへの脅威レベルと実際のACLへの脅威レベルの間の一致する関連性への求心性のフィードバックにおいて、生理学的/力学的特性だけでなく、さまざまな多面的な張力と圧迫を提供するでしょう。タイミングと筋肉活性化レベルは、タスクの要求に関連し、適切な運動反応を含んでいる特定のタスクを行う体験学習を伴うでしょう。 参照文献 Tsao H, Danneels LA, Hodges PW. ISSLS prize winner: Smudging the motor brain in young adults with recurrent low back pain. Spine (Phila Pa 1976). 2011 Oct 1;36(21):1721-7. doi: 10.1097/BRS.0b013e31821c4267. Remple MS, Bruneau RM, VandenBerg PM, Goertzen C, Kleim JA. Sensitivity of cortical movement representations to motor experience: evidence that skilllearning but not strength training induces cortical reorganization. Behavioural Brain Research 2001;123(2):133e41. Karni A, Meyer G, Jezzard P, Adams MM, Turner R, Ungerleider LG. Functional MRI evidence for adult motor cortex plasticity during motor skill learning. Nature1995 Doyon J, Benali H. Reorganization and plasticity in the adult brainduring learning of motor skills. Curr Opin Neurobiol. 2005;15(2):161–167. Mizner RL, Kawaguchi JK, Chmielewski TL. Muscle strength in the lower extremity does not predict postinstruction improvements in the landing patterns of female athletes. J Orthop Sports Phys Ther., 2008;38(6):353–361. Hales, Johnson and Johnson, Kinematic analysis of the powerlifting style squat and the conventional deadlift during competition: is there a cross-over effect between lifts? Journal of Strength and Conditioning Research, 2009 Beck S, Taube W, Gruber M, Amtage F, Gollhofer A, Schubert M. Task-specific changes in motor evoked potentials of lower muscles after different training interventions. Brain Res. 2007;1179:51–60. Ferber R, Kendall KD, Farr L. Changes in Knee Biomechanics After a Hip-Abductor Strengthening Protocol for Runners With Patellofemoral Pain Syndrome. Journal of Athletic Training 2011;46(2):142-49 - Boden BP, Dean GS, Feagin JA Jr, et al. Mechanisms of anterior cruciate ligament injury. Orthopedics. 2000;23:573-578.27. Hewett TE, The effect of neuromuscular training on the incidence of knee injury in female athletes. A prospective study. Am J Sports Med. 1999 Nov-Dec;27(6):699-706 Caraffa A, Cerulli G, Projetti M, et al: Prevention of anterior cruciate ligament injuries in soccer. A prospective controlled study of proprioceptive training. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc 4(1): 19 –21, 1996 Rudolph KS, Dynamic stability in the anterior cruciate ligament deficient knee. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc. 2001;9(2):62-71. Hartigan EH et al, Kinesiophobia after anterior cruciate ligament rupture and reconstruction: noncopers versus potential copers. J Orthop Sports Phys Ther. 2013 Nov;43(11):821-32. Paul W. Hodges ⇑, Kylie Tucker, Moving differently in pain: A new theory to explain the adaptation to pain, Pain, 152 (2011) S90–S98 C. Buz Swanik, PhD et al, Reactive Muscle Firing of Anterior Cruciate Ligament-Injured Females During Functional Activities, J Athl Train. 1999 Apr-Jun; 34(2): 121–129. Brughelli M et al Understanding change of direction ability in sport: a review of resistance training studies. Sports Med. 2008;38(12):1045-63. Solomonow, Ligaments: a source of work-related musculoskeletal disorders, Journal of Electromyography and Kinesiology 14 (2004) 49–60 Kleim J, Principles of experience-dependant neural plasticity, Journal of speech, language and hearing research, Vol 51. Feb 2008
あなたのリハビリテーションプログラム、あるいはトレーニングプログラムが、環境災害を引き起こしていますか?
私は、環境と運動行動に対して及ぼす可能性のある影響に関するテーマについて考えさせてくれた、私の仲間であるトッド・ハーグローブに敬意を表す必要があります。 私達が人々に対して行うように要求する活動、あるいはエクササイズの増大のために使用する環境に関して考えるということは非常に重要です。彼等を取り巻く環境は活動、あるいはエクササイズの結果に影響を与え、そして、私達は彼等に行ってもらいたいタスクを成功させる環境を構築する手助けをすることが可能です。 私が熟考を重ねている疑問は、“失敗に終わったリハビリテーション、あるいはフィットネスプログラムのうちのいくつが、人やプログラムの問題ではなく、環境に関する配慮の欠如によるものなのか?”ということです。 私達は、エクササイズを行っている‘人間’を考慮する必要があります。関連する根拠、あるいはあなたが持っているいかなるエクササイズバイアスに関するセット数、反復回数、最大随意筋力の割合に関して議論することができます。‘遂行できなければ’これらに意味はなく、環境はこれに直接影響し得るのです。 私達の‘環境’は、エクササイズとエクササイズ適合性の増大の制約、あるいは減少の制約のどちらかの機能を果たすことができます。動作と活動は、それらに課せられた制約に基づいて現れます。これらの制約が、どのくらいのエクササイズが行われるのか、そして、その方法を決定づけるため、私達がエクササイズを提供する際、私たちはこれを一番に考えるべきなのです。 環境と特異的結果の操作をするために、まずエクササイズを行う、ということでさえ、環境は運動量に影響を及ぼすかもしれません。 私の息子とスイミング 動作の出現に関する個人的な経験が、最近起こりました。私は休暇で旅行に行き、幸運にも私達の部屋のすぐ外に、とても浅くて温かいスイミングプールがあったのです。私は、4歳の息子をおだてて、なんとか自分で泳ぎ方を覚えさせました!子供を誇りに思う父親の出番です。 浅くて温かいプール(4歳児には重要)があったという事実は、私の息子は、腕に着ける浮き具が無くても、かなりの自信と共に水の中に入ることが可能だったということを意味していました。必要に応じて、彼はプールの底から足を離したり、着いたりすることができました。これは、彼の練習をかなり補助してくれました。 深い部分を持たない、浅いプールがある環境が、彼の学習過程を可能にし、そして貢献しました。その場所は、彼が行きたいときにいつでも行くことができ、そのために彼の練習時間を増やすことになりました。プールの浅さが、外部の補助が無い状態での彼の自信を高め、非致命的な学習において間違いを犯すことに対するセーフティネットの役割を果たしたのです。 環境は、自信、適合性、結果における直接的なきっかけとしての役割を果たしました。私達全てが自問すべき疑問は、“私の治療プログラム、あるいはフィットネスプログラムが、これをしているのか?”ということです。 あなたは自己制限をしていますか? それはまた、誰かの治療、あるいはトレーニングアプローチ全体に影響を及ぼす可能性があります。 どれだけの数の治療家が、非常に狭い部屋で仕事をしているでしょうか?もし治療用ベッドが部屋を支配しているのであれば、恐らくそれは、治療的アプローチをも支配するでしょう!この環境は、エクササイズのパフォーマンスやコーチングの指示などの役には立ちません。 忙しい商業的ジムで働くトレーナーは、彼等が利用可能なスペースの広さや使用可能な機器に影響されているかもしれません。そのために、彼等のエクササイズプログラミングは、狭いスペースや固定されたトレーニングマシーンの使用に制限されるかもしれません。 外的制約と内的制約 誰かがタスクを行っている環境、行われているタスク、彼らが与えられた指示、使用している機器のように、数々の様々な外的制約が影響を与えます。 また、内的制約もあります。これらは、自信、恐怖(動作、再受傷などに対する)、動作技能(タスク遂行能力)のようなものでしょう。もしあなたのタスクがこれらの内的制約の域を超えているのであれば、それを遂行できない可能性がより高くなります。リハビリテーション、あるいはトレーニングの状況において、複雑なリフトに対してあまり自信がない、身体意識や動作技能が低い場合、これはかなり困難であることを証明するかもしれず、それ故に結果に影響するかも知れません。 そして、機器使用に対する自信、身体イメージ、間違ったり、より物事を悪化させることへの恐怖のような内的制約があるかもしれません。エクササイズをただ決定するのではなく、エクササイズをその人に合わせることや、彼らを関わらせることを重要視することは、彼等が実際に遂行するかどうかに多大な影響を及ぼすかもしれません!実際に多くの場合において、これはエクササイズそのものよりも、より重要かもしれないのです。 内的制約ともいえる、生活の中にエクササイズを取り込もうとして失敗に終わった、エクササイズとの関連の乏しい人達にとって、エクササイズそのものの概念は、再定義される必要があるかもしれません。私達は動作の出現を手助けするために、楽しい動作タスク、あるいは活動を作り出すことができるでしょうか?私達は、彼等が本当に楽しみ、行う可能性の高い身体活動に結び付けることができるでしょうか? 環境とある腰痛の例 一つの例として、いつも座っていることが多く、腰痛を患っている人に、リハビリテーションプランの一部として、より活動的になってもらうことかもしれません。もしあなたが特定のタイプのエクササイズプログラムをジムで行う必要があると言うのであれば、外的環境問題を提示してしまうかもしれません。その人はジムのメンバーでなくてはならず、ジムに行かなければならず、その人が利用可能なジムに、あなたが使用するように提案している機器を有していなければなりません。これら全ての要因は、障壁となるかもしれないため、考慮・対処されなければならないのです。対照的に、地元の公園における歩行プログラムは、より低い障壁を持つ人達にとって、彼等の場所、嗜好、自信に基づいて遂行することで、より良い結果を生み出すかもしれません。 ただエクササイズを誰かの喉に無理やり詰め込むというのではなく… 彼等がどの活動を楽しんでいて、可能であると感じているのかを見つけ出してください。まず、彼等は日常的にエクササイズをしている、あるいはジムに通っている人たちなのでしょうか? エクササイズ、動作、あるいは活動、行う理由、彼等の問題あるいはゴール向けてのエクササイズの重要性を説明していください。 あなたが彼等に行うように訊ねたことに対しての彼等の考え/感じ方、そして、それを行うことに自信がかるかどうかを尋ねてください。 現実的に、活動を行うためにベストなのはいつなのか、スケジュールの設定を手助けしてあげてください。 何をすべきかをに関するしっかりとした指示を与えてあげてください。スマートフォンで撮影する短いビデオクリップが役に立ちます。 最近のコースでは、私は、ジムに行かずに、負荷トレーニングを作り出す方法をブレインストーミングするクラスを行いました。リハビリテーション、あるいはトレーニングにおけるこの側面は、多くの人達にとって、障壁の可能性がありますから。 アイデアは下記を含みます: サンドバッグ 本が詰まったバッグ 堆肥が詰まったバッグ(20kg 入りです!) 私達は障壁を減らすために、教育的アプローチと共に‘彼等のレベルに合わせる’ことを目的としていますが、私達はまた、適合性を増大させるために、エクササイズを用いて、これを行うべきでもあります。