血流制限トレーニングの背景 パート2/2

プログラムデザイン 多くのトレーニング戦略が血流制限トレーニングのための文献において報告されているが、1RMの20-30%の低相対負荷レジスタンストレーニングがおそらく最も一般的に使用されるトレーニング戦略であろう。ウォーキングエクササイズもまた、血流制限と共に一般的に使用されるエクササイズ方法である。ファーズおよびその他(2012年b)は、高負荷レジスタンスエクササイズを行うことが不可能な個人に対し、血流制限トレーニングを効果的な代替案として述べている。一方ホリウチおよびその他(2012年)は、血流制限トレーニングは、有酸素トレーニングおよび高負荷トレーニングの間の矛盾を克服する新しい手段であるかもしれないと示唆している。これは、血流制限トレーニングはストレングスおよび持久系のトレーニングを同時に始めるアスリートに対し、有益であるかもしれないということを示唆している。 安全性 序論 全てのレジスタンストレーニングと同様、血流制限に関連するリスクは存在する。一般的にレジスタンストレーニングに関するリスクは十分に理解されておらず、幅広く研究がなされていない。一般的なレジスタンストレーニングに関するリスクについての基準となる情報の欠如にもかかわらず、特に血流制限トレーニングに関し多くの懸念が示されている。 一般集団における使用 一般集団における血流制限トレーニングの使用は、比較的安全なようである。スコットおよびその他(2014年)は、血流制限の不適切な使用は、点状出血(ひどいあざなど)および目眩を含む有害な影響を引き起こす可能性があると結論付けている。しかしマーターおよびその他(2014年)は、血流制限トレーニング後の一部の健康に関するアンケートにおいて、有意な向上を発見している。しかし彼らは、いかなる臨床的証拠もいかなる有害事象に対する自己報告も発見しておらず、また彼らはいかなる検査パラメーター(クレアチンキナーゼおよびアルドラーゼ)における変化も観察してない。同様に、カラブルトおよびその他(2013年)は、6週間にわたる血流制限トレーニング後、安静時の血清中クレアチンキナーゼおよびインターロイキン-6(IL-6)の値における変化がなかったことを報告している。 特別な条件下での使用 さらなる危険性考察は、特殊な状況下における血流制限トレーニングの適用に関し取り上げられた。例として、無重力環境において、重力のようなストレスを刺激として与える方法として、血流制限トレーニングを使用する余地があるかもしれない(ナカジマおよびその他、2008年)。しかし、下肢の血液貯留およびそれに続く静脈還流の減少によって、微少重力における血流制限トレーニングの際に失神が誘発される可能性があり(ナカジマおよびその他、2008年)、そのことがこのトレーニングを安全上の理由から選択肢としては魅力のないものにしている可能性がある。 負傷者集団における使用 特殊な状況下における血流制限トレーニングの使用に関し、負傷者集団におけるその使用に対する安全性の懸念が持ち上がっている。それにもかかわらず、負傷者集団に関し予備的証拠は、血流制限トレーニングレジスタンストレーニングは、傷害を負った骨の治癒に実際有益であるかもしれない(ロエンネックおよびその他、2013年a)ということを示唆しているが、これらの発見を一般化し、傷害を負った軟部組織に対し血流制限トレーニングを使用することの有効性および安全性に関する結論を引き出すことは不可能である。 不健康な集団における使用 特殊な状況下および負傷者集団における血流制限トレーニングに関し、不健康な集団におけるその使用に対する安全上の懸念が持ち上がっている。それにもかかわらず、血流制限トレーニングは、正常血流でのレジスタンストレーニングによりもたらされるものと同様の運動後低血圧を生み出すと示されている(ネトおよびその他、2015年)。運動後低血圧は、高血圧の個人における安静時の血圧を制御する重要な戦略であるかもしれない(ケニーおよびシールズ、1993年)ということを考慮に入れると、これは、不健康な集団において、確かに血流制限トレーニングの健康上の利益が存在する可能性を示唆している。さらにマデルアメおよびその他(2013年)は、血流制限トレーニングは、運動誘発性凝血および炎症反応に悪影響を及ぼさないようであるという、虚血性心疾患をもつ患者における血流制限トレーニングの安全性に対する有望な発見を報告している。しかし、二重積の増加(心筋酸素需要の指針)は、血流制限無しと比較し血流制限を伴うトレッドミルにおけるウォーキング後、3倍の多さであったという発見は、血流制限トレーニングの使用は、易感染性の心臓疾患をもつ個人においては注意が必要であるかもしれないという結論を導き出した(レンジおよびその他、2010年)。 禁忌 おそらく方法の目新しさ、あるいは血流制限が関わることから、特別な集団において従来のエクササイズトレーニングに加え血流制限トレーニングを導入する際は、さらなる注意が常に喚起されている。例えば、ロエンネックおよびその他(2011年a)、ロエンネックおよびその他(2014年b)の両方は、血流制限トレーニングに対する禁忌は、深部静脈血栓症、妊娠、静脈瘤、高血圧、および心疾患を含むと結論付けている。さらにポープおよびその他(2013年)は、非常に長時間の虚血は筋組織の壊死を引き起こすということを強調している。そのようなものとして、長時間血流制限トレーニングを継続して行うことを避けることは理にかなっているかもしれない。 結論 加圧トレーニングという言葉は、加圧マスター装置が使用された場合のみ使われるべきである。しかしながら、血流制限トレーニングおよび閉塞トレーニングという言葉は通常ほぼ同じ意味で使われる。 血流制限トレーニングは、最も一般的に、低負荷(1RMの20-30%)におけるレジスタンストレーニングを使い、10中7という知覚的圧迫感において巻かれたラップと共に使用される。 血流制限トレーニングは比較的安全なようである。しかしそこには特定の禁忌があり、特別な集団において、特殊な状況下、および長時間の継続した使用に関しては注意が示されるべきである。

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血流制限トレーニングの背景 パート1/2

目的 この記事は血流制限トレーニングの定義、歴史、および傷害の危険性や適用加圧レベルの影響のような、その使用を取り巻く主な問題を提供している。 定義 序論 血流制限トレーニングは、エクササイズの際、静脈還流を閉塞しながら動脈流入を維持することを目的とした、四肢の近位に巻かれたカフやラップの使用を含む新しいトレーニング戦略である(スコットおよびその他、2015年)。血流制限トレーニングは、様々なエクササイズ方法の中で使用されている。これらはウォーキング、サイクリング、およびレジスタンストレーニングを含む。血流制限を伴うレジスタンストレーニングを行う場合、比較的低負荷ではあるが非常に高圧のカフもしくはラップが最も一般的に使用される。実質的には、血流制限トレーニングは、1RMの約20-30%という低負荷におけるレジスタンストレーニングを使う際、10中7の知覚的圧迫感において巻かれたラップと共に最も一般的に使用される。 加圧 加圧は、佐藤義昭先生により開発された特徴的なトレーニングである。その方法は、働いている筋肉の近位に対し加圧マスター装置として知られる器具を使用した血管の圧迫を含んでいる。 血流制限トレーニング 働いている筋肉の近位における血管の圧迫が、加圧マスター装置の使用以外の手段で達成された場合、一般的には「血流制限トレーニング」という言葉が使われる。この圧力をかけるために使用される最も一般的な代替方法は、伸縮性のある膝ラップの使用によるものである。この方法の簡易さのためにこのタイプの血流制限トレーニングは、較正された圧力を生み出すために膨張したカフが使用される、より注意深く制御されている方法から識別するため、しばしば「実践的な血流制限トレーニング」と呼ばれる。 閉塞トレーニング 閉塞トレーニングという言葉は多くの場合、血流制限トレーニングと同じ意味で使われる。閉塞トレーニング自体もまた、エクササイズの際に四肢の近位に巻かれたカフおよびラップを含むトレーニング戦略である。 低酸素トレーニング 低酸素トレーニングという言葉は、エクササイズの際の酸素利用率を制限したトレーニングを指す。これは通常、低酸素室を使用して達成される。血流制限トレーニングは、局部的な低酸素効果を作り出すことにより達成されるが、低酸素室の使用は低酸素症をもたらす可能性が高い。 歴史 序論 血流制限トレーニングへの興味は、サトウヨシアキによる加圧トレーニングの開発から生じている。伝えられるところによれば、サトウは当初、異なる自転車チューブ、ロープ、またバンドを彼の異なる部位へ巻くことにより、彼自身に対し実験を行った(さらにはKaatsu-global.comを参照)。1994年にサトウは、商業的に入手できる最初の加圧バンドを生産し始めた際、最初の特許を申請した。 血流制限の実践的な適用 序論 レジスタンストレーニング(およびその他の方法)と血流制限の組み合わせには、いくつかの恩恵があるようであるということに基づき、実践的な指針がたびたび求められてきた。しかしいくつかの点において明確な指針を文献から引き出すことは困難である。血流制限トレーニングに対する現在の研究の多くには、血流制限方法の適用に含まれるパラメーターに関する詳細が欠けていることが多い。例えば、使用された正確な圧力は多くの場合公開されておらず、これは重大な問題であると思われる(さらには、ロエンネックおよびその他、2013年b、ロエンネックおよびその他、2014年cを参照)。大きすぎる圧力は危険性を増すが、適応が起こるためには、十分な圧力が必要であると示唆されている。この点においてスガヤおよびその他(2011年)が、筋肉内の無機リン酸塩の蓄積(疲労の指標)は、高圧力レベル(230mmHg)においてのみ達成されることが可能であり、中圧力レベル(180mmHg)においては達成されないということを発見しているということは注目に値するだろう。 人体測定の影響 血流制限カフの圧力に関し、信頼性のある指針の問題をもたらす重要な要因は、人体測定の差違により生じる個人差である(さらにはロエンネックおよびその他、2013年bを参照)。この点においてロエンネックおよびその他(2015年a)は、大腿囲は下半身における動脈閉塞の最大の予測因子であるということを発見している。またカラブルトおよびその他(2011年)は、大腿部組織およびサイズは制限された血流制限圧力に有意な影響を及ぼすということを発見している。さらに筋電図検査(EMG)は、カフの硬さ、また皮膚および皮下脂肪の厚さ(カラブルトおよびその他、2013年)により有意に影響を受ける。これらの発見は、血流制限カフ圧力レベルは実際には、試験における全ての被験者にわたり比較可能な値を得るため、個人の人体測定の差違に従い調整されるべきであるということを示唆している。 圧力レベル 最も強い急性筋反応をもたらす推定の動脈閉塞圧力の割合に対する調査において、ロエンネックおよびその他(2014年a)は、圧力は40-50%の動脈閉塞において筋活性化を増加するようであるが、より高い圧力においてはさらなる増加はもたらさないということを報告している。ゆえに40-50%の動脈閉塞を引き起こす圧力レベルが最適であるようである。しかしウィルソンおよびその他(2013年)は、(圧力を加えるためにラップを使用する際の)実践的な血流制限における10中7というラップの知覚的圧迫感は、完全な静脈閉塞は引き起こすが、動脈閉塞には至らないということを発見している。これは、エクササイズの際に静脈還流を閉塞しながら動脈流入を維持するという血流制限トレーニングの目的と一致している。このラップの圧力レベルは、血流制限トレーニングの有効性を示している調査においても、ラウリーおよびその他(2014年)により使用されている。 素材の種類 血流制限を提供するカフに使用されている素材の種類は、重要ではないようである。(ロエンネックおよびその他、2014年d)。しかしさらに熟考すべきことは、カフの圧力が継続的であるのか、もしくは間欠的であるのかということである。予備的証拠は、急性の血行動態は、継続的もしくは間欠的な圧力が使用されているかどうかに従い変化する可能性があるということを示唆している(ブランドナーおよびその他、2014年)。しかし最新の研究は継続的な血流制限のみを使用している。

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受動的可動域に関する理解と計測方法

肩関節の関節可動域をより正確に計測するために注意をするべきこととは?数多く存在する受動的関節可動域の評価を行う際に重要となるポイントをエリック・クレッシーがシェアします。

エリック・クレッシー 3:30

健康な筋膜を保つには

アナトミートレインの著者、トーマス・マイヤースが、筋膜の加齢に伴う変化と筋膜の健康維持について、わかりやすく解説します。組織への水分供給には動きが不可欠!

トム・マイヤーズ 3:24

高齢化人口のサポート

世界中の複数の国で高齢化が進んでいます。 アメリカにおける65歳以上の人口は、2040年までに倍増すると予測されており、8,000万人に到達します。これが意味することは、2030年までにアメリカ人の5人に1人は65歳以上になると予測されます。 日本では、2021年後半に65歳以上の人口が過去最高の3,6 40万人に到達しました。そして、2040年までに3人に1人の日本人が65歳以上になると予測されます。 なぜこのことが重要なのか考えてみましょう。 我々が歳を取り続けるにつれて、通常、高齢化人口は、ヘルスケア、長期介護、そして高齢者を支援するサービスのニーズを高めます。65歳以上の人々は、その多くが心臓疾患、関節炎、高血圧、糖尿病、そして他の慢性疾患があるため、子どもや若い頃とは異なったヘルスケアの必要性があることが研究で示されています。実際、アメリカの国勢調査局による研究によると、65歳以上の90%以上の成人は、1つ以上の慢性疾患を患っており、特別な治療と医療ケアが必要であると推定されており、他の世代とは異なっています。 高齢者はできる限り長く自宅で独立して過ごしたいと考えている方が多いので、ヘルスケアへのアクセスや健康維持の方法というものは、特に高齢者にとって重要になります。 興味深いことに、昨日、私は故郷を発展させるための会議に出席し、AARPから「高齢化社会に対応した住みよいコミュニティ」の構築方法に関するプレゼンテーションと、活気に満ちた健康なコミュニティの構築方法に関する基調講演を聴講しました。 高齢化するコミュニティに関するこれらプレゼンテーションや記事の全てにおいて共通するものは何だと思いますか? 人々が自立し、健康で、幸せを維持するために動き続けることが必要だということです。 私が参加したイベントは、フィットネス関連のものではありませんでした。ノースカロライナ州全域の町役場職員がダウンタウンのコミュニティをより良くするためのイベントであり、町役場職員やリーダーに、歩きやすい屋外スペースを作ることを優先することで、高齢者が生活しやすいコミュニティ作りを奨励する内容のプレゼンテーションを数多く目にし、本当に素晴らしいと思いました。 それ以外に素晴らしかったことは、人々が健康の基本に興味を持ち、外に出てたくさん動く必要があることを現在よりよく理解しているのが明確になったことです。 では、健康で自立し続けたいと願う高齢化人口に、あなたの地域やビジネスで何かできることはないでしょうか?あなたは彼らをしっかり助けるためのツールを持っているのです。 ノースカロライナの我々のジムで行っているいくつかのことをここに挙げます: 私達は、シニアに特化したプログラムを用意しています。45分間の少人数制シニアプログラムはとても好調で、シニアたちは素晴らしい状態です。彼らはプレスリセットをし、人間の核となる動きを練習し、コミュニティサポートを楽しみ、ハードワークしています。 私達は、歩くことを奨励しています。自分自身のためにできる最良の事の一つは歩くことです。ウォーキンググループを作る時にはいつでも、ウォーキングチャレンジを提供したり、あるいはウォーキングの効果を伝えたりします。人々にとってウォーキングがどれほど素晴らしいリセットとなるかを知ってもらうことが重要になるのです。 私達は、両親や近隣者に共有するためのリソースをメンバーに提供し、リセットボタンを押す方法を両親や家族に教えることを勧めています。 アメリカでは、ブーマー世代が実際にエクササイズを喜んで受け入れた最初の世代になり(一般的には楽しむというよりも必要だというマインドセットからですが)、信じられないくらいそのルーティーンに忠実です(一度始めると)。2018年のIHRSAのレポートでも、ウォーキングは彼らの身体活動の最良の選択肢になっています。 高齢化が進み、より多くの動きを必要とする社会に対して、どのように貢献できるかを考えて始めてほしいので、この情報を伝えたいと思いました。 ポストコロナの世界では多くのフィットネス、ウェルネスの専門家が新しい参加者たちに新鮮なリセットを簡単に取り入れてもらえる状態にあるので、このことを考慮してほしいと願っています!

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ボディスキーマを理解する

空間における自分自身の身体のメンタルイメージ=ボディスキーマが、実際の身体のサイズや形状と一致しているか否かは、私達がどの位スムーズに動くことができるかに直接的に関係しています。ボディスキーマを強化するためのシンプルなドリルをDr/エミリーと一緒に試してみてください。

エミリー・スプリカル 6:54

バランス向上と転倒予防のための足の強化エクササイズ

足趾の働きの中でも特に母趾の働きは、私達が動的にバランスを維持するにも移動をするにもとても重要なものです。足趾をより機能的に強化することができるシンプルなエクササイズを足病医で在るDrエミリーがご紹介します。

エミリー・スプリカル 2:58

ランニング中の背中の痛み。足の親指を疑ったことはありますか?

さて、今回の内容はランニング中の背中の痛み、腰痛や膝痛、そして足の痛みなどにも当てはまります。足の拇指、第一足趾の可動域は、統合された動きにおいて、前述の身体各部全てに影響を及ぼします。今回はランニング中に伴う痛みとパフォーマンスに関わる拇趾のチェックと、その対策を、テクニカルになりすぎることなく書いてみることにしました。 私は今まで、股関節の伸展可動域を向上させたり、腸腰筋や股関節屈筋群のストレッチに関する記事は数多く読みましたが、足の拇趾の股関節伸展や股関節屈筋群への影響に関して書かれたものはあまり読んだことがありません。 歩行のような、運動連鎖によって行われる動きでは、足の持つ可動域を如何に上手く使う事ができるかが、直接的に股関節の可動域に影響します。股関節を伸展するストレッチの多くは、膝を床につくことで足部から股関節を孤立させているようです。このようなストレッチは、股関節関節包等の構造のストレッチとして使うことができますが、キネティックチェーン全体を統合した動きのパターンを神経学的なシステムの中で作り上げ、統合的なシチュエーションにおいて、足部が股関節にマイナスの影響を与えていないかどうかを見極めることも必要です。 股関節伸展 生体力学 股関節に動きが起こることで、特に横断面においての、腰椎に対する動きの需要が低下します。股関節の矢状面、横断面の動きは密接にリンクしていて、股関節の伸展が大きくなればなるほど、骨盤は同側に向って、より大きく回旋します。 試してみてください!歩幅を大きくすればする程、骨盤は大きく回旋します。足を前後に踏み出しながら、骨盤を上から見るようにします。つまり、近位の骨盤が遠位で床に固定されている大腿骨(足部を介して)の上で回旋することで、股関節には、より大きな内旋が創りだされているということになります。股関節において、より大きな伸展、回旋を得ることにより、腰椎のエリアでの動きの需要は低下し、身体上部の構造をより健康に保つことに役立ちます。また、股関節周囲の筋肉の動きでフォースが吸収されることで腰椎の構造にかかるストレスは軽減されます。つまり股関節の伸展、股関節の動きは腰椎の健康にとって重要なことですが、そんなことは、皆さん、既にご存知ですよね! では、股関節伸展における足の役割とは何でしょう? より良い股関節伸展を得るためには、骨盤は、大腿骨に対して、前方に移動する必要があります。 歩行時、地面に固定されている後ろ脚の股関節屈筋群はストレッチされていて、その上を重心(骨盤)が通り過ぎる時、股関節屈筋群は爆発的に求心性筋収縮を起こすことで、股関節を屈曲し、前方へスィングし、歩行の新たなサイクルに入ります。 この爆発的な力の発揮がなければ、重心の移動も不十分なものになります。走ることの本質は、コントロールされた重心移動にあります。 これは、足部と脛骨によって大腿骨が地面にしっかりと固定されていれば簡単です。そのためには、拇趾の背屈可動域が充分にあることが不可欠です。可動域が充分にない場合、足部に足りない動きを代償動作で補おうとすることで、大腿骨と骨盤のポジションに影響を与え、股関節伸展にも影響が及びます。 代償性動作 母趾の背屈の可動域に制限がある場合、足を踏込む動作時に、足部が外転し、スピンをするように拇趾の内側で床を押すような代償動作がよく見られます。 この動きは、メディアルヒールウィップ(踵内側打擲)と呼ばれ、足部近位部(踵)は中心線に向って動きます。このような場合には、拇趾の内側、爪に近い部分に胼胝(タコ)が見られます。また足首の背屈に制限がある場合にも、回内の外転の要素で背屈の代償をしようとすることで、このメディアルヒールウィップが見られます。これが、拇趾の背屈制限の原因ともなり得ます。 このような回旋は大腿骨と骨盤にも影響し、骨盤や関連部位の構造に対して、より強い回旋力を生み出します。そのストレスが、横断面での股関節の動きによって軽減されない場合、腰椎や、仙腸関節の圧縮につながります。筋肉の動きを介して、ストレスを軽減できる回旋の動きの幅は、腰椎全部位を総計しても5度までです。球関節である股関節の横断面の可動域を考えれば、股関節の動きの必要性が理解できます。今回のケースでは、原因は、股関節ではなく、拇趾にあるのです!ここで解説した歩行のパターンを見てみると、足は外側に向ってターンし、臀部は、増幅された横断面の動きのために、一足早く、”外に飛び出す”ような動きをしています。 ウィンドラス機構 拇趾の背屈は足に強固さと安定をもたらし、効率的な股関節の伸展と推進力を生み出すウィンドラス機構にも貢献します。この観点から見ると、拇趾の可動域制限によって遊脚相に制限がおこると、拇趾の背屈制限は歩行のサイクルにおいて、反対側の股関節への身体上部から下方向へ向かっての動きの駆動にも影響を与えます。 拇趾の背屈がなければ、歩行中、片足立ちで身体の質量の衝撃が最大限に足底にかかる瞬間に、足底腱膜が短縮して抵抗することができません。つまり足底腱膜は、長期的に、過度な伸張力を受け、その影響で骨の異常発達や痛みを引き起こす可能性もあります。 ではどうすれば良いのでしょうか? まず拇趾の背屈可動域を確かめましょう。 これは自分の手で質的に測ることもできますし、角度計などで具体的な数字を求めることも可能です。もし動きが制限されてると感じたのであれば、まず体重がかからない状態で拇指を動かすことから始めてみてはどうでしょう。私は拇趾を背屈させながら手で第一中足骨を底屈させるよう押し込む方法が気に入ってます。また、関節を広げるために足趾を後ろに引っ張ることも出来ます。 私が使っている方法のひとつである“拇指マトリックス”は、偉大なギャリー・グレイから学びました。歩行時の片足支持と同じように足を地面につけた状態で、拇趾を背屈し、膝を動きの3つの面全てに向って駆動します。これによって、歩行時と同様に、トッダウン(身体の上部から下部への動きの駆動)で拇趾に動きが生まれます。 その次のステップは、足の動きを股関節屈筋群のストレッチに統合することです。つまり床に膝をついた姿勢ではなく、踵が地面から離れた状態で重心が拇指の上を通過するようにしながら股関節を伸展します。代償性動作が起こってないかどうか、あるいは足部や股関節の動きが減少していないかをしっかりと見極めてください!

ベン・コーマック 2814字

股関節全置換後の機能回復 パート2/2

損傷した股関節を、人工股関節に置き換える股関節全置換術を受けた後の股関節。日常生活やスポーツを楽しむことができる本来の機能を取り戻すために必要なリハビリは、仰向けやサイドラインで行うエクササイズのみで充分なのでしょうか?自重が負荷としてかかった状態で、本来楽しみたい動きに近い動きを行うことの重要性を、ギャリーが解説してくれます。

グレイインスティテュート 10:39

股関節全置換後の機能回復 パート1/2

損傷した股関節を、人工関節に置き換える股関節全置換術を受けたあとの股関節にとって、私達の身体が本来必要とする動きを取り戻すには、どのようなリハビリを行う必要があるのでしょうか?股関節の内旋や内転は、どのような場合にも避けるべき動きなのでしょうか?

グレイインスティテュート 8:21

より賢いグルートブリッジを構築し漸進する方法

スーパインブリッジやヒップブリッジ、グルートブリッジなどの名所で呼ばれるシンプルな動作で、単に臀筋強化を目指すのみでなく全身のキネティックチェーンをより効果的に繋げる方法にはどのようなプログレッションが考えられるのでしょうか?ジョシュ・ヘンキンがいくつかの例をご紹介します。

ジョシュ・ヘンキン 3:16

立位での股関節外転&内転アセスメント

ベン・コーマックが、上半身の動きで下半身の動きを駆動することで、立位での前額面における股関節の動き(外転&内転)の運動キャパシティーを評価する方法をご紹介します。

ベン・コーマック 6:49