グラウンドからスタンディングエクササイズの効果

フィットネス業界では、死亡リスク予測に心血管系の改善を用いるのが一般的ですが、死亡リスク予測のための筋骨格系の改善に関する情報は限られています。 脚力は死亡率予測のために試みられていますが、いくつかの交絡変数があり、普遍的に適用できるものではありません。 同様に、椅子の立ち座り試験も、脚力試験より実用的ではあるものの、死亡リスクを一貫して予測するのは困難な多くの制限要因があります。 前回の記事で、傷害リスクの指標として筋力、柔軟性、神経支配力を比較したところ、神経支配力の欠如が最も良い指標であることがわかりました。 しかし、筋力や柔軟性の不足からくるケガがないとは言い切れません。 ブラジルの研究者チームによって考案された「Sit and Rise」テストは、European Journal of Preventive Cardiologyに掲載され(こちら)、どのくらい長く生きられるかの予測、またはより正確にはどのくらい長く生きられないかの予測に役立つことが証明されています。 テストは簡単で、立った状態から床に座り、また手を使わずに立った状態に戻る(可能であれば)というものです。 テストの点数は、床に触れて補助(手や膝)をした回数でカウントされます。 ブラジルの研究では、51歳から80歳までの2002人の男女が平均6.3年間追跡調査されました。 両手と両膝を使わないと立ち座りできない人(中高年を問わず)は、支えなしで立ち座りできる人に比べて、6年以内に死亡する確率が約7倍も高かったのです。 テストによって測定された彼らの筋骨格系の体力は不足していました。 そして、筋骨格系のフィットネスは、とても重要であることがわかったのです。 "有酸素運動による体力が生存率と強く関係していることはよく知られています。"と、研究著者であるリオデジャネイロのガマ・フィリョ大学のクラウディオ・ジル・ソアレス・デ・アラウージョ教授は述べていますが、"我々の研究は、身体の柔軟性や筋力、協調性を高いレベルで保つことも平均寿命に好ましい影響を与えることを示している "ともしています。 その影響は十分にあり、立位から座位への移行を練習する価値はあります。 では、そのためにどのような練習をすればいいのでしょうか。 ジムでは「床から立位へ」の練習をする機会が多く、個人の最終目標に関係なく、どんなルーティンにも取り入れることができます。 以下に、私のお気に入りの「床から立位へ」のエクササイズをいくつか挙げておきます。 ターキッシュ・ゲットアップ ターキッシュ・ゲットアップは、私の一番のお気に入りです。 途中でウエイトを上に保ちながら、寝転んだ状態から立ち上がるまでの一連の動作を正確に行うものです。 この動きは、多くの筋膜ラインと立ち上がりのバリエーションでよく使われるポジションを強化するものです。 さらに、片腕の使用を制限することで、制約に基づく学習の手がかりとしても非常に有効です。 この動作には負荷がかかり、実行が少し難しいので、各ステップの最適なポジションを指導してくれる良いコーチを見つけるようにしてください。 FTIのマスターファンクショナルトレーナープログラムは、各ステップを丁寧に説明し、また、誰かに指導する方法も教えています。 90/90 ゲットアップ(バランスボール使用) この動作では、バランスボールを前方負荷として使用し、コアの筋群の共収縮を増幅させ(引き締め)、その結果股関節の可動性を大きくすることを可能とします。 大腿骨を内旋・外旋させた90/90の姿勢で座ることで、股関節の可動性を高めています。 このエクササイズを実践することで、床でぎこちない姿勢から立ち上がるときにも、背骨を股関節の上にうまく積み重ねることができるようになるのです。 バトルロープ・プリズナー・ゲットアップ バトルロープ・プリズナー・ゲットアップは、マスター・ファンクショナルトレーナープログラムで教えているもうひとつの素晴らしい動きです。 ハーフニーリングポジションを間に挟んで、膝立ちから立ち上がる基本的なドリルです。 さらに追加される複雑なポイントは、ロープのために作られた波とステップのタイミングを合わせることです。 これは、心拍数を上げ、代謝反応を得るための革新的な方法であると同時に、床から立位への移行を改善するという大きな目的も兼ね備えているのです。 アンダー・スイッチ・トゥ・スタンディング 肩や股関節など、あらゆる部位に効果的です。ただ、脚をもう一方の脚の下に掃くように動かすことを確実にしてください。 よくある失敗は、脚をもう片方の脚より上げてしまうことです。 ストレート・レッグ・オーバー・スイッチ・トゥ・スタンディング この運動は、前の運動と非常によく似ていますが、より股関節の伸展と、脚をまっすぐに伸ばす力が必要です。 この場合は片方の脚をもう片方の脚の上に持ち上げます。 グラウンドベースの動きは、時にツイスターゲームのような分かりにくさを感じることがありますが、そこでマジックが生まれるのです。 様々な動きを習得することで、地面から立ち上がる際の動きの道筋が豊富になります。 脳が知っている立ち上がり方の数は、多ければ多いほどいいのです。 結論 効果的で目的を持ったフィットネスコーチになるための術は、クライアントが望むフィットネス目標を達成するためのプログラムを提供する能力であり、同時に、人生に必要となる、心配のない機能的な身体を開発することです。 グラウンド・トゥ・スタンディング・ドリルで筋骨格系のフィットネスを向上させることは、まさにそのための一つの方法なのです。

ファンクショナル・トレーニング・インスティチュート 2448字

HRVと心拍数に関する究極の入門書 パート2/2

HRVはどのように測定すべきでしょうか? これは非常に重要なテーマで、HRV測定はストレスに非常に敏感であるため、安静時に測定することが絶対的に重要であるということを知っておく必要があります。 そして、その方法には一般的に2つの方法があります: アクティブ測定:2.5~5分のテストを開始し、デバイスがHRVを計算する間、じっとしている必要があります。 これは、モーフィアスのようなHRV専用機器を使うことが多いでしょう。 パッシブ測定:あなたのデバイスが、あなたの知らない間にバックグラウンドでHRVを監視しています。 これは、アップルウォッチなどの腕時計型のデバイスを使うことが多いでしょう。 パッシブ測定は労力や注意を必要としないため、より便利な測定方法といえます。 しかし、標準化された条件(横になっている、安静にしているなど)で収集されているわけではありません。 昨日の朝と今夜の夕食後の体重を比べようとするようなものです。 その違いに意味があるのかどうか、知る由もないのです。 寝ているときに一晩中計測する機器はどうでしょうか? 問題は、これらの機器はすべて、睡眠中に定期的にHRVの短いスナップショットを収録するだけだということです。 電池の消耗が激しいので、一晩中連続して測定することはありません。 一方、アクティブ測定は、毎朝同じ時間に体重計に乗るのと同じことです。 このため、パッシブな測定では、アクティブな測定に比べて、日々のそして長期的なHRVの測定精度が大幅に低下します。 しかし、残念なことに、多くのHRVアプリや機器では、パッシブな測定が行われています。これは、ほとんどの人がHRVをアクティブに測定する努力をしないと想定しているからです。 ですから、現在60年以上にわたって行われているHRVの研究は、事実上すべてアクティブな測定によって行われており、パッシブな測定はほとんど行われていないことも、決して教えてくれません。 むしろ、精度が低くても、より簡単で何もする必要がない機器やアプリを売りたいのでしょう。 もちろん、これに関する問題は、HRVをトラッキング画面上の単なる数値ではなく、ツールとして使いたいのであれば、正確さがすべてであるということです。 運動中にHRVを測定すべきなのか? これが、心拍数とHRVの大きな違いです。 心拍数は、有酸素能力、相対強度、経時的な向上を測定するための有用なトレーニング ツールですが、トレーニング中の HRV は、その... 意味を持ちません。 それは、心拍数が100bpm以上に上がると、心拍数の変動がゼロになるからです。 交感神経(ストレス)系が働きっぱなしで、副交感神経(リカバリー)の系活動はほとんど計測できないのです。 つまり、ワークアウト中や休息以外の何かをおこなっている時のHRVを見ることには、何の価値もないのです。 HRVの変化にはどのような意味があるのでしょうか? 冒頭でお話したように、HRVは主に、日々の体内のストレスと回復のバランスを測るためのツールです。 しかし、多くの人が言われていることとは異なり、HRVが増加したからといって、必ずしもより回復しているとは限りません。 なぜそうではないのか? 最初にトレーニングによってストレス負荷が増加する時、交感神経系が活性化し、HRVを低下させます。 回復すると、副交感神経系が高まり、トレーニング前のレベルをオーバーシュートし、ベースラインに戻ります。 回復の副交感神経サイクルのどこにいるかは、HRVを測定するタイミングと、回復の早さによって決まります。 ですから、目覚めたときにHRVが大きく跳ね上がっていたら、おそらく完全に回復してはいないでしょう。 回復過程の途中であり、HRVがまだベースラインに戻っていない可能性があります。 日々のHRV測定値の変化を解釈する際には、ストレス-回復サイクルの状況を考慮する必要があります。 モーフィアスのようなアプリは、HRVをリカバリースコアに変換することで、あなたに代わってハードワークを行ってくれます。 HRVは、どれくらいハードな運動ができるかを予測するものなのでしょうか? これはよくありがちな混乱するポイントです:日々のHRVは身体の能力を計るものではありません。 パフォーマンスを予測するものではありません。 リカバリースコアが低くても、ジムで自己記録を出すことは可能です。 では、HRVは何を伝えているのでしょうか? HRVは、エネルギーを消費し、さらなるストレスを生み出すコストを予測しているのです。 その意味するところは、次のとおりです。 回復力が低いときに高負荷のワークアウトを行うと、回復力が高いときよりもベースラインまで回復するのに非常に時間がかかることになります。 回復力が低下すると、労作、再生、修復のためのエネルギーのリザーブが枯渇してしまいます。 さらにエネルギーを使えば、さらに消耗することになるのです。 はじめに、これは身体の回復、適応、向上に時間がかかることを意味します。 回復できる範囲を超えて無理を続けると、やがて身体は回復不全に陥ります。 そこで、慢性疲労やケガ、免疫力の低下といった症状が頭をもたげてきます。 短くまとめるならば:HRVはあなたに何ができるかを教えてくれるわけではありません。 しかし、何をすべきかの指針を助けてくれます。 身体からの客観的なフィードバックに基づき、より良いトレーニングの選択をすることを助けてくれます。 回復力の低い日に無理をすることはできるのですが(やむを得ない場合もあります)、そうすると代償を払うことになるということを、多くの人はすぐに学ぶことになります。 トレーニング、栄養、睡眠などに関するすべての決定の影響をリアルタイムで確認することは、目標に向かって前進し続けるために、量、強度、回復をうまく調整するための唯一で最も重要な方法なのです。 HRVと心拍数、どちらを使うべきですか? この記事のここまでで、HRVと心拍数は用途が異なるため、どちらも価値があることがお分かりいただけたかと思います。 日々のHRVは、回復を推定するのに役立ちます トレーニング中の心拍数は、トレーニングの強度と相対的なストレスを測定するのに役立ちます トレーニング中の心拍数回復により、体力が向上しているかどうかを把握することができます 平均 HRV と平均安静時心拍数は、どちらも有酸素能力を測定するのに役立ちます。 最終的には、心拍数とHRVの両方を、トレーニングやライフスタイルについてより良い判断を下すためのツールとして活用すべきです。 これらはモニターしやすく、自分の身体が何を伝えようとしているのか、内側から知ることができる信頼性の高い方法です。 まだ心拍数やHRVを測定していない方は、ぜひモーフィアスをチェックしてみてください。 リカバリーとトレーニングを追跡するために必要なすべてを、完全なシステムで提供します。

ジョール・ジェイミソン 3070字

HRVと心拍数に関する究極の入門書 パート1/2

20年余り前、私は初めて心拍変動に出会いました。 それは私の既成概念を吹き飛ばすものでした。 当時、フィットネス・テクノロジーはありませんでした。 フィットビットはありません。アップルウォッチはありません。 モバイルアプリはありません。 自分の身体がどれだけのストレスを受けていて、どれだけ回復しているのかを知ることができる、ましてやそれを実際に行なっている技術など見たことがありませんでした。 それだけでなく、HRVは40年以上にわたる科学的な研究に基づいており、1961年に宇宙で人類初の実験が行われたことも知りました。 HRVを深く掘り下げ、自分自身やトレーニングする人たちに使い始めると、この種の技術は、フィットネスと健康そのものの未来だと確信するようになったのです。 初めて、トレーニングに関する当て推量を大幅に排除できるようになったのです。 より良いトレーニングを行うための、本物のデータを手に入れたのです。 コーチとして、これはまさにゲームチェンジャーでした。 今日、フィットネス界では、HRVはほとんどどこでも見られるようになりました。 かつてないほどに、HRVを計測すると称するデバイスも数多く見られるようになりましたが、多くのフィットネス機器と同様に、パワフルなツールになり得るHRVもまた、スクリーン上の数字に過ぎないことが多いのが問題です。 というのも、HRVとは何なのか、ましてや、トレーニングの成果を上げるためにHRVをどのように利用すべきなのかについては、まだ多くの混乱があるためです。 多くの人は、心拍数と心拍変動の違いについて、明確に理解しているわけでもないのです。 実のところ、HRVあるいは心拍数のような数値の本当の意味を知らなければ、向上を助けることにつながらないことはほぼ確実なのです。 そこで今日は、心拍数とHRVの基本について、混乱と誤解を解くお手伝いをしたいと思います。 この2つの指標は何なのか、フィットネスについて何がわかるのか、そしてトレーニングの指針としてどのように活用できるのか、紐解いていきましょう。 まずは簡単なところから...。 心拍数とは? 心拍数とは、簡単に言うと1分間に心臓が拍動する回数(bpm)のことです。 心拍数は標準的な指標であるため、機器ごとに簡単に比較することができます。 例えば、アップルウォッチの心拍数とトレーニングアプリ「モーフィアス」の心拍数が一致しているかどうかを確認することができます。 しかし、この数字が一致しないときはどうするのか。 残念ながら、すべての心拍計が高精度なわけではありません。 この精度の差は、モニターが使用しているセンサーの種類に起因することがほとんどです。 心拍数を計測するセンサーには、主に光学式と電気式の2種類があります。 光センサーは、皮膚を通過する光の量を測定し、脈拍を追跡します。 この方法は、常に肌に触れている必要があり、特に高強度では動きが乱れる可能性があります。 胸ストラップなどの電気センサーは、心臓の拍動に伴う電気信号を測定するため、2つの方法のうち、より正確な測定が可能です。 心拍数で何がわかるか フィットネスに関して、心拍数の測定は2つの方法で使うことができます。 有酸素能力の一般的な指標として安静時(朝一番に) ワークアウト中 一般的に、安静時心拍数が低いほど有酸素能力があると言われています。 安静時平均心拍数が時間の経過とともに減少している場合は、有酸素能力が向上していることを示す良いサインです。 トレーニングに関して言えば、心拍数の最も良い使い方は、適切な強度でトレーニングしているかどうかを確認することです。 例えば、心拍計を使えば、回復期のトレーニングで無理をしないようにすることができます。 ワークアウトの強度は、最大心拍数に対する相対的な心拍数の高さで計ることができます。 ここで重要なのは、毎回のワークアウトでどれだけ自分を追い込めるか、あるいはポイントを稼ぐための手段として使うのではなく、自分の強度を調整するためのツールとして使うことです。 モーフィアスは、日々の回復度合いに応じて、各個人個別の強度の異なる心拍ゾーンを提供してくれるので、このようなトレーニングに使用することを強く推奨します。 トレーニング中に心拍数を使用するもう一つの方法は、心拍数回復と呼ばれるものをモニターすることです。 心拍数回復とは、一定時間運動した後、心拍数がどれだけ早く回復するかということです。 例:20秒間の最大努力インターバルの後、心拍数が何bpm下がるか。 これにより、トレーニング中に有酸素性、無酸素性のどちらのエネルギーが生産されているかを知ることができます。 心拍数が下がるのに時間がかかる場合には、より無酸素的であり、疲労が早くなります 心拍数の低下が早ければ、より有酸素的で、エネルギー出力をより長く維持することができます ワークアウト中の心拍数の回復をモニターし、コンディショニングが時間とともに向上しているかどうかを確認できます。 HRVとは? HRVは、(心拍数のような)1分あたりの拍動数ではなく、心拍間の平均的な時間的変動を測定するものです。 心臓はメトロノームのように安定して拍動していると思いがちですが、安静時にはそうではありません。 さらに複雑なことに、HRVを測定する方法は複数存在します。 HRVスコアを生成するための計算方法はさまざまであり、数値は多くの場合、時間領域と周波数領域のいずれかにおいて異なるスケールでプロットされます。 このように、HRV値の生成方法が異なるため、システム間で数値を比較することは意味がないのです。 HRVは実際に何を教えてくれるのでしょうか? HRVは、交感神経(ストレス反応)と副交感神経(回復反応)のバランスを示すものです。 HRVの数値が高いほど、体は回復のために多くのエネルギーを使っていることになります。 つまり、日常的には、HRVは主に、身体にかかるストレスの総コストを見ているので、回復力を推定することができるのです。 HRVが上下に大きく変化することは、最近身体が大きなストレスを受けていることを反映しており、そのため回復力が低下している可能性が高いと考えられます。 しかし、HRVの日々の変化が小さいということは、体が比較的安定しており、最近あまりストレスを受けていないことを意味します。 そのため、回復力は高くなる可能性が高い。 この概念を理解することが重要です。 HRVは回復を直接測定するものではありません。 その代わり、ストレスや回復・修復の過程で起こる身体からのシグナルを測定しているのです。 これらの信号から、その時々の身体の状態を知ることができます。 一方、長期にわたるHRVの平均値 は、平均安静時心拍数と同様に、有酸素能力を示す強力な指標となります。 しかし、平均安静時心拍数が低いほど有酸素能力が高いのに対し、平均HRVが高いほど有酸素能力が高いという相関があります。 ですから、時間の経過とともにHRV平均値が増加すれば、コンディショニングが改善されているサインといえます。 このため、HRVは有酸素能力が向上しているかどうかを評価するのに有効です。 しかし、運動能力とは別に、有酸素能力は寿命や健康寿命の長さと強く相関しています(Teramoto and Bungum, 2010; Mandsager et al, 2018)。 だからこそ、トレーニングの理由に関係なく、HRVを平均値を高めることは価値ある目標なのです。

ジョール・ジェイミソン 3337字

ピッチングがうまく行かない時:立て直すための5つの戦略

投手は、コマンド、球速、「配球」、あるいは実際の痛みや筋肉痛など、さまざまな理由で苦労することがあります。歴史的に、このような厳しい状況に陥ったとき、選手はまずメカニクスに目を向けるように仕向けられてきました。そしてしばしば、状況を深く検討する前に、メカニクスの面で不必要な修正が行われることがあります。それを理解した上で、本日の記事では、その他の「大局的な」考察を簡単にご紹介したいと思います。 1. 健康 簡単に言うと、怪我をすると、動作パターンが変わります。そうすると、投球の準備の仕方も変わり、ひいては投球の仕方も変わってきます。 ピッチングパフォーマンスの最適化に関して言えば、痛みに関する難しい点は(これはクレイジーに聞こえるかもしれませんが)、それをカバーすることができることです。抗炎症剤や鎮痛剤は症状を覆い隠し、投手が長期間にわたって悪いパターンで過ごすことを許してしまうのです。 2. 動きの質 アスリートには、症状がないにもかかわらず、かなり良くない動作パターンを持っている場合があります。このような選手の目標は、明らかに、メカニクスを修正することなく、痛みが出る前に、動きの質を最適化して改善を図ることです。 3. 疲労 疲労は、急性的(試合中)にも慢性的(シーズン中)にも、投手の一貫性に著しい影響を与える可能性があります。また、これは栄養状態、初期作業能力、睡眠の質、環境条件、その他多くの要因によって影響を受けるため、より深く掘り下げる必要があるテーマです。疲労は、メカニクスだけでなく、準備運動で達成しようとしている運動学習にも影響を与えることが分かっています。 4. 外的要因 寒い気候の中でひどいピッチングをする(そして具合悪く感じる)人がいます。また、本当に暑くて湿度の高い日が問題な人もいます。 整備されていないマウンドで投げることは、最も優秀な投手であってさえもその効果を最小化することがあります。 下手な捕手に向かって投げたり、下手な審判の前で投げることは、投手の成功に劇的な悪影響を与えることがあります。 これらの要因のうち、修正できるのは一部だけですが、重要なのは、このリストとは異なるカテゴリーに困難が起因していると自動的に判断しないように、それらを認識できるようになることなのです。 5. 感触 これはおそらく、最も主観的で説明しにくい問題でしょう。ある日、ある週、ある月の特定の投球に対して「感覚」を持てないことがあるのです。若いレベルでは、それは通常、私が概説した最初の4つの要因のうちの1つにおける二次的なものです。しかし、より高度なレベルでは、ほとんどちょっとしたランダムな変動のせいだとみなす必要があるでしょう。どんなに優れた投手でも、投球ごとのスピン量や球威にかなりのばらつきがあるものです。 この「感触」の議論は、ある投手が1回の登板で苦労したからといって、赤ちゃんをお風呂の水と一緒に捨ててしまうようなこと、つまり良くないことと一緒に良いことも失ってしまうようなことはしたくないということを思い出させてくれるものだと思います。誰かがマウンドで苦しんでいるとき、傾向を探り、多くの質問をすることです。 まとめ これらの要因は、単独で存在するわけではありません。例えば、身体的な問題(例:肩の痛み)が、メカニカルな問題(例:低いアームスロット/ボールルリリース時の前腕の角度)になることもあるのです。さらに、胸郭出口症候群は、健康、動きの質、感触、疲労の領域にまたがる状態として見なされるでしょう。 メカニカルな修正を行うタイミングと場所はありますが、その道を進む前に、まずこれらの要素をチェックしてください。私たちは、すべての投手に対して、このような順序立てた開発アプローチを適用し、最も深いパフォーマンスの改善をもたらす「大きな石」を早い段階で特定することを目指しています。

エリック・クレッシー 1675字

筋肉を増強することができるか?

よく「オリジナルストレングスで筋肉をつけることはできるのか?」と聞かれます。 答えは「はい」ですが、それほど単純ではありません。 ああ、この質問を受けた時に私に何が聞こえているかというと、それは「トレーニングにOSを使えば見栄えが良くなりますか?」と聞こえているのです。「OSをやれば、分厚い筋肉を構築してアーノルド・シュワルツェネッガーのように見せることはできますか?」とは聞こえていません。 とにかく、この質問をする人は通常、人生の中で従来の筋力トレーニングに飽き飽きしている時期にあるので、こう尋ねているのです。彼らはそれにうんざりしているか、別の観点から筋力トレーニングを見始めています。さっきも言ったように、トレーニングの様式としてOSを使うことで、筋肉を鍛え、「良く」見える、強い、または壮健さを高めることができます。しかし、これは実際には数多くの変数を伴う階層化されたアプローチなのです。 オリジナルストレングスス自体が動きの基礎を築き、身体的な目標をより簡単に、より達成しやすくします。OSは、従来の筋力トレーニング、さらには筋量増大トレーニングでさえもより実りあるものにします。また、オリジナルストレングスは、あなたが本来持っている未開拓の強さを身体が自然に表に出したり、解放したりすることも可能にします。あなたはそれほど強く見えなくても、驚くほど強いということもありえます。これはかっこいいかもしれません。 しかし、筋力トレーニングの唯一のリソースとしてOSを使用して、力強く見えるようにするには、OSを使用して筋肉を獲得するには、筋力トレーニングの原理原則を適用する必要があります。 身体に挑戦しなければなりません。適合を生み出すには、十分なストレスをかける必要があります。これは、負荷と時間によってテンション(筋緊張)を増大させたり、タイムアンダーテンション(筋緊張の持続時間)を作ったりすることで実現できます。これは、レパードクロールを10分間行ったり、200ポンドのスレッドを引きずりながらレパードクロールするか、あるいはその両方を意味するかもしれません。必ずしも 1 つの方法があるわけではありませんが、肝心なのは、身体が反応するチャレンジを作り出す必要があるということです。 執拗な労働倫理が必要なのです。これは扱いにくい変数です。OSで筋肉を鍛えるというように、様々なことができると強く思います。ですから答えは「はい」ですが、私はある個人の労働倫理を知りません。彼らがどれだけ何かを望んでいて、どれだけそれに向かって努力しているのか、私にはわかりません。彼らが毎日喜んで実行するかどうかはわかりません。 特定の方法で食べる必要があるかもしれません。身体的な目標があれば、それを達成するために特定の方法で食べる必要があるかもしれません。あるものを食べる量を減らしたり、他のものを多く食べたりする必要があるかもしれません。望ましい身体的目標は、多くのことがうまくいって成り立つことです。すべてが重要です。ある決まりきった動きよりも重要です。 あなたはそれができると信じなければなりません。これは私の頭の中では労働倫理に関係していますが、何かを成し遂げたいのであれば、自分ができると信じる必要があります。自分ができることを知る必要があります。知識と努力が一致していれば、間違いなくOSで筋肉を鍛えることができます。しかし、そうであれば、あなたが決めた他のことでも間違いなくできるのです。 身体はマインドに従うと信じます。マインドがそこになければ、身体が従うべき目標はありません。しかし、マインドが目標に注目していれば、身体はエネルギーをほとんど無駄にすることなく従うだけかもしれません。実際、望ましい結果にマインドが向けられていれば、ワークの倫理観や作り出す必要のある課題にかかる労力も少なくて済むかもしれません。また、マインドが望ましい結果に向けられている場合は、食生活に余裕があるかもしれません。あなたのビジョンを使ってください。 ここでは表面をカバーしているだけですが、要点は理解していただけると思います。オリジナルストレングスを筋肉の発達トレーニングシステムとして使用することで、確実に自分が欲しい身体を作ることができます。しかし、それには単にOSを実行するだけ異常のことが関わります。あなたは「はい」または「いいえ」を決定する変数要素なのです。 実のところ、私はこれに気付くのに30年以上かかったのですが、あなたは欲しい身体を既に持っているのです。あなたの身体は完璧です。あなたがしなければならないのは、あなたがすでにそれを持っていることを認識し、それが現れてくることを許すことです。 これは深い話になるか、まったく奇妙なことになるかもしれませんが、私は人生のほとんどにおいて完璧な身体のアイデアを追いかけてきました。その過程で私は自分の身体を痛めつけ、完璧という考えを盲目的に追求することでそれを無視してきました。自分が持っていないと思っていたものを欲しがるということは、本質的に自分の身体にそれが好きではないことを伝えることでした。あなたがそれに満足しているかどうかはあなたの身体が知っている、私を信じてください。とにかく、私は自分の身体の感嘆すべき素晴らしさを理解することを、それを愛し、楽しむことを学んでいます。その過程で、私は、自分がずっと欲しかった身体が間違いなくここにあることに気づきました。 私が言いたいのは、自らの身体をを愛するということです。欲しいものはすでにあるのに、まだ気づいていないだけかもしれません。自分の中にある素晴らしさを理解して、自分を軽蔑するのではなく、愛をもって身体的な目標に近づけば、結果はずっとやりがいがあり、楽しいものになるでしょう。嫌悪感や欠けているというレンズを通して自分自身を見る場合、あなたは本質的に「私はあなたに満足していない」と身体に伝えていることであり、これは最終的に多くの苦しみを引き起こします。しかし、繰り返しになりますが、トレーニングの手段としてOSを使うことで筋肉を鍛えることもできますが、メソッドよりもアプローチの方がより重要かもしれません。

オリジナルストレングス 2624字

腰痛を抱える人のトレーニングのための7つのコツ パート2/2

#4 胸郭を解放する 何年もかけて、私が発見したことの一つは、腰部に問題を抱えている人々は、多くの場合、胸郭の動きが少ししか(あるいは全く)ないということです。 私は、この発見に関して全ての賞賛を貰いたいところですが、私の豆サイズの脳の中でこの考えを具体化させたのは、実は2016年のフィジカルプリパレーションサミットでのビル・ハートマンの話でした。 まずはじめに、「胸郭」という単語を恐れないでください。こちらが定義です: “哺乳類の首と腹部の間の身体部分。肋骨に囲まれた腔、胸骨、背側椎骨を含み、循環と呼吸の主要器官を内包する;胸” つまり基本的に、胸と上背部のエリアのことです。 胸郭を解放する際、私は一般的に、胸郭の動きを大まかに二つ考えています: 胸郭を回旋する(より横断面の動き) 胸郭を屈曲する(より前額面の動き) この描写に関して、より詳細または技術的にすることができる人は確実にいると思いますが、レーナード・スキードのように、私はシンプルな男なので、これで行きます! 私達が胸郭を回旋について語る際、腕の動作はより水平に注目しています(前後と考えてください)。 片膝立ちのオルターネーティングケーブルプレスは、素晴らしい例です。私たちの目標は、下半身とコアを固定し、胸郭を通して、上から回旋を引き出すことです。

マイク・ロバートソン 3154字

腰痛を抱える人のトレーニングのための7つのコツ パート1/2

私は、このトレーニングというものを20年近く行ってきて、皆さんに一つ言えることがあります: あなたとトレーニングをするほぼ全てのクライアントやアスリートは、何らかの問題を抱えています。 実際、痛みや問題が全くない新しいクライアントやアスリートのトレーニングを行うことは、近所のコーヒーショップでハリー・ポッターに会うようなものです。 それってすごいことじゃないですか?もちろんです! 美味しいアメリカーノを飲みながら、悪のヴォルテモート卿を打ち負かすことについて話したくない人なんていないでしょう? しかし残念ながら、それは(もしあったとしても)滅多にないことなのです。 膝や股関節、肩の機能不全を抱える人々が間違いなくある程度いる一方で、腰部の問題ほど、トレーニングによる成果を押しつぶす怪我は他にないように感じています。 腰部に関する問題は、確かに扱うことが厄介になり得ますが、同時に、それがあらゆるリフティングのキャリアの終了宣告になるべきではありません。 事実、その背景となる可能性のある全ての問題に重点を置いた、全体的なトレーニングプログラムをまとめるときには、クライアントを今までよりも、そしてそれが怪我をした後だとしても、より大きく、より引き締まった、より強い身体にすることができると、私は強く信じています。 先にも述べたように、私はもう長いことこういったトレーニングを行っていますーそれは、私に十分すぎるほどの失敗をさせてもくれました。 今から述べるのは、腰痛を抱えるクライアントやアスリートのトレーニングを助けるだけでなく、そのプロセスを通して、彼らが限りなく良く動き、良く感じることを助けるために、私が長年使ってきた7つの策略です。 はっきりさせておきたいので(そして個人的な責任のために)、これを言わせてください: 腰部に深刻な問題を抱えているクライアントやアスリートがいたら、真剣なトレーニングプログラムを始める前に、資格ある医学の専門家に許可をもらってください。 ではさっさと本題に入りましょう、腰痛に対してどのようなトレーニングができるかについて! #1 矢状面から抜け出せ 私にはパワーリフティングをしていた経歴があり、全ての人がプログラムの中に健全な量の爆発的な、複合的リフトが必要だと強く信じています。 スクワットであれ、デッドリフトであれ、ベンチプレスであれ、これらのリフトは、あなたの強さを増し、筋肉を構築し、体脂肪を削ぐことに役立ちます。 しかし、私が全てのクライアントやアスリートにこれらのリフトのバリエーションや派生的なものを学んで欲しいと思っていても、場合によっては、それが困難な戦いになるとわかっています。 クライアントがやってくるときは大抵、彼らは矢状面の扱い方を理解していません。身体を安定させるための彼らの唯一の戦略は、膝、股関節、そしてもちろん腰部に問題を引き起こし得る、伸展です。 そのため、伸展ベースの戦略に陥ることを許してしまう両側性のスタンスのエクササイズはやらせずに、動きの3面で安定させることを強いるスプリットスタンスやシングルレッグのエクササイズをやってもらいます。 これは、腰部に問題を抱える人に対して、複数の良いことをしてくれています: 動きの3面全てで安定させることを強いる スプリットスタンスのエクササイズの場合、股関節屈筋群の緊張および硬さ(伸展を促進する)を和らげる スプリットスタンスおよびシングルレッグのリフトでは、外的負荷を減らす傾向にあり、それが症状の緩和につながる ここで私は、あなたがクライアントやアスリートにスクワットやデッドリフトをさせることはできないとは言っていません。先に述べたように、私の目標は、最終的には全員がこれらのリフトの何らかのバリエーションを行うようにすることです。 でも初期段階で、誰かが両側性のリフトに相当苦しんでいるとしたら、問題の周囲から取り組み、スプリットスタンスやシングルレッグのエクササイズを使うことを考えてください。 #2 直立姿勢を保つ フロントスクワットは高重量でできるのに、次にヒンジをさせると、クリスマスツリーのように腰が点灯するクライアントやアスリートを抱えたことはありますか? もちろんありますね。 私たちは皆あります。 広い、一般論を述べるのは好きではありませんが、多くの場合、腰部は圧倒的に、剪断力よりも圧縮の力をうまく扱っています。 次のパートは少しわかりにくいかもしれませんが、最善を尽くして簡単にします… 脊柱をまっすぐに保つ時(プレート、ゴブレット、2つのケトルベルを持ったフロントスクワットでするように)、脊柱の椎骨は互いに積み重ねられています。重力が下に引くことを考えると、胴体が直立していれば、力は脊柱を通してまっすぐ下にに向かいます。 対照的に、前屈したり、ヒンジを行う時は、重力は同じく下に引っぱりますが、脊柱は地面に対して平行になります。この場合、椎骨は、互いに”滑る“ことがないように働きます - 椎骨は脊柱の本来の位置を保つために剪断力に対抗しています。 繰り返すと- ほとんどの脊柱は、最初は剪断力よりも圧縮の力を好みます。 これこそが、私が腰部に問題を抱える人にプログラムの初期でスクワットをさせるとすれば、上体を起こした状態で行うバリエーションに留まる理由です。プレートやゴブレットスクワットは、どちらも始めるのにとても良いものです。 #3 本物の腹筋を構築する クライアントやアスリートから下記のような言葉を何度聞いたかわかりません: “私はただ腰が弱いんです。” いや。 いや。 いや、いや、いや、いや、いや、いや。 復唱してくださいーあなたは弱い腰を持ってはいません。 脊柱および骨盤のポジションが悪いと、腹部は安定性を作り出すのに最適ではない位置に置かれ、腰部の筋肉(脊柱起立筋、多裂筋など)が通常の役割以上に働くことを強いられます。 今では、私はこのトピックに関しては、覚えられないほど多くの記事を書いていますので、私のコアトレーニングへのアプローチに関してより学びたい場合には、是非ともこちらの記事を読むことから始めてください。 とにかく、あなたが抱えるクライアントやアスリートが腰部に関する問題に苦しんでいるのなら、プログラミングの初期の段階で、安全に成功するためのコアトレーニングエクササイズを見つけてください。

マイク・ロバートソン 2771字

殿筋…

活発なライフスタイルを送っているのであれば、いくつかのことを当たり前だと思い始めます。 休暇は大きな問題を提起しているようです。 私には、いくつかの警告サインがあります: プールやビーチで、自分がより多く着込んでいることに気づくかどうか 目的地から50フィート以上離れていて、スーツケースにローラーが必要になるかどうか 氷を得るために上の階に階段であがるのが、暑く息切れするような休暇の経験の考えになっているかどうか —>これは、フィットネスの基本を振り返る時間かもしれません。 直近の旅行において、これらの問題は起こりませんでした。しかし、友人のエドナにはこれが起きたのです。エドナは過去数年で体重が増加してきており、その心配事のおかげで、私たちはプールの近くで討論を行いました。そして、コンディションが悪くなってしまうほとんどの人と同じように、彼女には1つの大きな問題があり、それを持ち続けています。 もし私がフィットネスの魔法の杖を持っているなら、それぞれの人に殿筋のセットを与えることでしょう。私は、簡単な評価をエドナに行いました:彼女の両手を持ち、両脚の間にスクワットするよう促しました。彼女は、そのポジションをとることができないだけでなく、前傾になり、身体をかなり前に倒さなければならず、私が彼女を引っ張って、立位に戻りました。 殿筋は人体にとっての大きなエンジンです。我々霊長類の祖先と比較し、殿筋が文字通り我々を人間にしてくれています。殿筋を無視すると、単にお尻が垂れ下がるだけでなく、殿筋を無視することがパワーの低下、スピードの低下、率直に言うと、年老いた見た目を招きます。殿筋を再び目覚めさせましょう。 理想的には、もしスクワットを深く高負荷で行っているなら、デッドリフトとファーマーウォークを行うことで、臀部の活動をより強調することになります。スクワットを学び直す必要があるならば、まず第一に殿筋を見直しましょう。私には、フィットネス年齢を計ることができる3つのテストとその理論があります: 立位ロングジャンプで少なくても身長分跳ぶことができるか? バーに少なくとも30秒間ぶら下がれるか? 30秒間ディープスクワットのポジションに入っていられるか、また、援助なしに立ち上がれるか? 3つとも可能であれば、できる限りこれら「3つのイエス」を継続してください。 殿筋を目覚めさせる最初の鍵は、スクワットのやり方を思い出すことです。1つの大きな概念があります:アコーディオンのように脚の上にスクワットするのではなく、脚の間にスクワットすること。私は、2つのドリルを使ってこのことを教えます。まず、背筋を伸ばして立ち、手をまっすぐ下に伸ばし負荷を持ちます(必要なものは軽いダンベルだけです)。両手は脚の内側に置きます。そして、両手、両前腕、そして上腕が左右の太ももを離すのを感じながら下にしゃがむことで、両脚の間に「スペースを見つける」ことができます。 この皮膚と皮膚のコンタクトによって、自信をもって脚の間に身体を滑らせていくことが行えるようになります。私はこれをポテトサックスクワットと呼びます、なぜなら、それはまるで重たい袋を床にゆっくりおろしていくように見えるからです。この1つのシンプルなエクササイズが、多くの人にとって未来のスクワットへの道を照らしてくれることになるでしょう。 もちろん次は、ゴブレットスクワットです。このエクササイズは、何年も前、65名の14歳のアスリートのグループに、深く、確実なスクワットを教えることを試みた際に私が考案したものです。これは、とても単純です:胸の前でウエイトを持つ。そして、右肘を使って右膝を外に押します。そして、左肘を使って左膝を外に押します。胸を高く保ちます。おめでとう、ディープスクワットしていますよ。 私の知っている臀筋に効かせるもっとも良い方法は、サーキットで鍛えることです。私はスクワットにプロパープッシュアップを混ぜて行うことを好みます。ジム・ジョーンズから教わったプロパープッシュアップはシンプルです:普通のプッシュアップですが、胸が地面に着いた時に、両手をTの位置に広げ、プッシュアップする際に一般的なプッシュアップのポジションに戻る、と言うところのみが異なっています。毎回床まで胸を降ろし、Tポジションをとります。 以下を試してください: ゴブレットスクワット10回/プロパープッシュアップ10回 ゴブレットスクワット9回/プロパープッシュアップ9回 ゴブレットスクワット8回/プロパープッシュアップ8回 ゴブレットスクワット7回/プロパープッシュアップ7回 ゴブレットスクワット6回/プロパープッシュアップ6回 ゴブレットスクワット5回/プロパープッシュアップ5回 ゴブレットスクワット4回/プロパープッシュアップ4回 ゴブレットスクワット3回/プロパープッシュアップ3回 ゴブレットスクワット2回/プロパープッシュアップ2回 ゴブレットスクワット1回/プロパープッシュアップ1回   もし本当にお尻を目覚めさせたいのであれば、ジムで我々が行なっている「バンズ&ガンズ」という複合型を試してください。 これを2-5セット行います:  床でのヒップスラスト25回 ゴブレットスクワット10回 ケトルベルスイング15回 足首にミニバンドを巻いたラテラルウォーク(基本はできなくなるまでか、スペースがなくなるまで) 多くの旅行で、 私は道具なしでこのワークアウトを行います。場所をとらないので、大抵ミニバンドは荷物に放り込みます。ホテルの部屋で行います: ヒップスラスト25回 「フリー」ゴブレットスクワット10回(ウエイトなし) スイング15回(ウエイトがない場合、我々はそれを「ストップ&ポップス」と呼び、スイングの頂上でのプランクを強く意識しています。) ミニバンドを使用したラテラルウォーク この中で、セット数を覚えておくために「カウンドダウン」としてゴブレットスクワットを使用することができます。最初のセットでは、10回行う、そして2セット目は9回、、、1回になるまで行います。量を落としたいのであれば、10-8-6-4-2を試してください。   スクワットをマスターし、厳しくトレーニングすれば臀筋を活性し続けることができます。ビーチにいる人々からあなたが離れていくとき、彼らもまた、その光景に感謝するでしょう。

ダン・ジョン 2727字

自己効力感:よく使われる用語ではあるが、十分に理解されているのか?

自己効力感は、最近、特にリハビリへのよりアクティブなアプローチが受け入れられるようになったことで、治療の現場でもかなり一般的に使われている用語です。 そこで、一体それがどのような意味なのか、なぜ重要なのか、そして、どのように高められるのか?などを明確にしなくてはなりません。 実は、私がこのブログを書いている最中に、私のツイッター友達でもあり同僚でもあるジェリー・ダラムが、その質問をしてきたので、この題材にちょうど良いタイミング!と思ったわけです。そしてこれはまた、頻繁に使用する用語に対して、しっくりくる定義がないということも表しています。 まず、それがどのような意味なのか?から取りかかりましょう これは、70年代にバンドゥーラによって作られた用語で、彼はそれを、‘特定の活動に関連したある行動を遂行する能力があるという信念’と説明しました。 また、自己効力感は、‘レジリエンス(立ち直る力)のある自己信念システム’とも説明されました。 私は、これを“私に任せて”や“私にできる”という感覚だと説明したいと思います。 たとえ痛みがあっても、日常生活の活動を実行したり、機能性を維持したりする能力の認識、あるいはするなどは、痛みに関しての自己効力感となり得、また、特定の運動やエクササイズといった運動療法にもなり得ます。 そこで、もし、あなたの親切なセラピストが、腰痛の改善のために散歩に出かけることを提案したとして、あなたはそうしてみようと思うでしょうか? やる気が起こらないかもしれませんね? おそらく体力的にできるのかどうか自信がないかもしれませんね? 忙しくて、そのようなことをする時間が取れないと思うかもしれませんね? 低い自己効力感は、克服できることではなく回避すべき恐怖としてとらえる行動の変化という結果的に厳しい状況に陥ることがあります。 バンドゥーラは、認知的、動機付け的、情動的(感情的)といった、自己効力感に関与する多くの心理的過程を明らかにしました。価値のある目標を持つことや活動をすることも、これらの要因に関連しているようです。自己効力感やレジリエンス(立ち直る力)に関する文献は、この過程の重要な部分である価値のある活動を重視しています。ここをクリック さらに、バンドゥーラは、自己効力感を生み出す4つの源を明示しました。 熟達 活動や動作にどれだけ熟達しているかは、将来の能力への認識に影響を及ぼします。人間は、周囲で起こる不確実なことに対して、過去の経験をもとに推測し見当をつけるものであることが分かり始めています。私たちは、過去に何らかの成功を経験していれば、再び克服できると知覚する傾向にあります。これは、成功のしやすさにも関係します。その成功が容易だった場合、いざ困難に直面したらすぐに辞めてしまうかもしれません。また、それが成功しづらかった場合には、目の前に立ちはだかるどんな困難も乗り越えることに慣れているかもしれません。 このように見てみると、これまでのエクササイズの継続や積極的な取り組みが、将来のエクササイズの継続にとって重要であることが分かります。ここをクリック 経験 私たちを取り巻く環境も、能力に対する認識に影響します。あなたと似た境遇にいる、つまり自分が成し遂げようとしていることと似ていることにチャレンジしている人が周囲にいたならば、このような目標は達成可能であるとあなたは認識するでしょう。これは、私たちが目にするメディアから所属している社会活動や家族までの幅広い環境であるかもしれません。このことは、痛みの社会的側面を強調しており、非常に重要と思われます。 痛みの社会的要因に関する最近の素晴らしい論文があります。ここをクリック 説得 さて、これはプラスにもマイナスにもなり得ます。もちろん、プラスによりもマイナスに影響されやすいものです!しかし、特にこれまでの成功体験を重要な要素として捉えるならば、ある作業を成し遂げる能力があることを口頭や経験で説得されると、その人は、その作業を遂行することができる傾向にあります。 ネガティブな感情 ある活動に抱いている強烈なネガティブ感情やその活動にまつわるマイナスの認識も、その人が持っている自己効力感の程度に影響するでしょう。自信喪失は、たいてい行動にマイナスに働く感情です。 そこで、なぜそれが重要であるのか? これも確認しておかなくてはなりません。 複数の論文において、自己効力感は、さまざまな障害や疼痛の尺度において、よりよくない結果にリンク付けされているように見受けられます。現時点では、これが要因であるとか、自己効力感を高めれば、アウトカムも改善することに繋がるとは単純には言えません。しかし、もし危険を承知で言うなら、特に、治療の一環としてアクティブアプローチをより推奨しているのであれば、やはり因果関係はあると思うのです。 もちろん治療のためのエクササイズは、実施されなければ意味がありません。そして、もし、私たちがその治療を患者に施せなければ、エビデンスに基づく医療はうまくいきません。 2010年、フォスターは、通常の活動を行う能力に対して低い自信や低い自己効力感を持つ腰痛患者において、6ヶ月で障害が悪化すると予測されることを明らかにしました。実際、不安回避や破局的思考、鬱よりも良かったとされています。ここをクリック 2014年、キーディは、痛の管理に関連した行動に着手する能力、痛みに関する自己効力感がないことは、腰痛のためのリハビリテーションの結果に関係していることを示しました。ここをクリック 2018年のチェンによる腰痛に関する5年間のフォローアップでは(ここをクリック)、消極的行動尺度が大きいほど結果が悪くなることも判明しました。消極的な対処方法は、痛みを制御するために、自己効力感にも影響する信念システム(ここをクリック)のような内的要素よりも外的要素に頼ってしまいます。 自己効力感は、エクササイズによる介入の継続に必須であるとされています。これらの研究では、低い自己効力感は、ホームエクササイズプログラムを組んでも継続しない予測因子でした(ここをクリック & ここをクリック)。エクササイズの根本に目を向けてみると、もし本人がそのエクササイズをできる気がしないのであれば、全く無駄な過程になってしまいます。セット数やレップ数に注目するよりもこの領域に時間を費やした方が、エクササイズの継続を劇的に改善でき、結果にもつながるかもしれません。 私はこれを、ドーナッツ本体ではなくその穴に注目する、と言っています。 それを変えるためには何ができるでしょうか? 成功! 最初のステップは、単純に成功体験を作ることかもしれません! これまでにエクササイズが継続できたことや改善できたという成功は、自己効力感を高めることにつながっており、人間の機能に関するベイズの観点と結びつきます。ですから、私たちのねらいとして、低い自己効力感を示す人たちに対し、容易に適応でき改善が早く見られるように、活動の閾値を低く設定するべきかもしれません。私たちは、たいてい身体的な負荷とその適応が期待できる活動の量にばかり気を取られてしまいます。これは、人によっては潜在的にマイナスの経験を引き起こしており、治療への参加を促す妨げとなるかもしれません。初期のプラスな経験がなければ長期的に継続可能な成功に達することができないかもしれません。つまり、短期的には、生理学的にはそれほどではなくとも、心理学的には良いことなのかもしれませんが、治療への参加を継続することによって長期にわたりもっと素晴らしい生理学的効果を期待できるかもしれません。 エクササイズセッションを退屈しない楽しいものにするだけで、非常に効果のある結果が出せるのかもしれません。しかし、たいてい西洋医学の分野では、このようなことをあまり重要視していません。人はなぜスポーツをするのでしょうか? 単なる身体運動ということ以上に、いろいろな側面を楽しむためでしょう。 多くの場合人々は、チャレンジや面白さ、競争などに駆動されますが、このような側面をトレーニングにどのぐらいの頻度で取り入れますか? エクササイズや運動に関しての自己効力感を測定するために私がよく尋ねる質問は: 「動くことやエクササイズすることに対して自信を持っていると思いますか?」 「あなたは必要に応じて活動レベルを上げることができると思いますか?」 「運動やエクササイズをすることに対してやる気があると思いますか?」 動機付け 動機付けもまた、自己効力感の重要な側面でもあるようです。実際に動機付けになる何かを探す手助けをすることも重要かもしれず、またこれは、価値のある運動を特定する目標設定の過程で行われるかもしれません。そして、私たちは、それを達成可能なものに細かく分け、その人に動機付けを与えられるような小さな成功を生み出していきます。いわゆる、彼らの‘なぜ’を見つける手助けです。 エクササイズをする人が関心を持たないようなエクササイズプログラムがたくさんあります。特に、これまでにひとつもプログラムに参加したことがければ、そのエクササイズは彼らにとって十分な‘なぜ’ではありません。 私たちは、次のように質問してみます“活動に関して、あなたにとっての完璧な日とはどのようなものですか?”または、“あなたがしない、またはできないことでやってみたいことは何ですか?” また、自立性は、エクササイズの成功に関連するもう一つの要素であるため(ここをクリック)、‘これはあなたがやらなければならないエクササイズですよ’というアプローチよりも、選択肢やオプションを提供することが有効です。 計画 いつ頃どの程度行うのかを一緒に計画を立ててみることもまた、自己効力感に影響を与えるかもしれません。何らかのガイダンスがなければ、彼ら自身でそれが行なえるようになることは、制限因子となるかもしれず、運動への参加は、非常に大きな挑戦のように感じるかもしれません。 ベストな日はいつですか? 1日のうちで何時ぐらいにしますか? どのようなタイプにしますか? どのぐらいの時間行いますか? どのぐらいの強度にしますか? スマートフォンにリマインダーを設定しますか? どのように進めていきますか? これが成功しない場合の他の選択肢は何ですか? 結論 これまでの行動の経験は、将来の自己効力感に影響します。 社会的環境と支援は重要です。 自己効力感は、治療への積極的な参加を促したり妨げたりします。 自己効力感は、痛みや障害の結果に関与します。 自己効力感は、エクササイズの継続にとって重要です。 行動に関する勝利や良い経験を作りましょう。 自己効力感が低い場合、計画と動機付けという観点から、あなたが発信する情報が肝要となります。

ベン・コーマック 4631字

リハビリテーションでピリオダイゼーションを用いる

Bridging the Gap From Rehab to Performanceの187-190ページより抜粋 最もシンプルな表現をすれば、ピリオダイゼーションは、望ましい結果を出すための一定期間に渡るトレーニングストレスの操作です[i]。それは年間トレーニングを通じて複数のサイクルで構成されています。マクロサイクルは一年間という期間で、複数のメゾサイクルから成り立っています。各メゾサイクルは、ある特定の目標を達成することを目的としており、それぞれが、一般的に5日から14日間続く複数のミクロサイクルで構成されています。複数のトレーニング日がミクロサイクルを構成し、複数のミクロサイクルがメゾサイクルを構成します。 従来の環境にいる理学療法士は大抵、その人の全マクロサイクルを最初から最後まで見るほど長く患者と働くことはありません。しかしながら、リハビリの過程自体はメゾサイクルであると考えられるかもしれません。 他のスポーツ医学専門家たちとうまく働けるように、クリニシャンがこれらのストレングス&コンディショニングのコンセプトを理解することは重要です。これはケアチーム全体が、アスリートをできるだけ速やかに、しかし再受傷のリスクを上げることなく、最大能力で競技に復帰させるための行動可能な計画を立てるのに役立つでしょう。 リハビリのピリオダイゼーション ピリオダイゼーションの原則は、アスリートのトレーニングを作成することに限定される必要はありません。ピリオダイゼーションはまた、私たちがリハビリとパフォーマンスの間の溝を埋める中で、様々なリハビリテーション段階に応用されることができます[ii]。私たちはリハビリを、リハビリを完了するというゴールを持ったメゾサイクルであると考えることができます。ミクロサイクルはその途中のより小さな活動になります。 例えば、もしある人が手術後であれば、第一ミクロサイクルのゴールは、全可動域を取り戻すことができるでしょう。第二ミクロサイクルでは、バランスと固有受容器に焦点をあてるかもしれません。第三ミクロサイクルは神経筋系コントロールに専念することができるでしょう。 これは、各ミクロサイクルが一つの身体的特性にのみしか焦点をあてることができない、ということではありません。次のコンセプトのように、リハビリテーションプログラムを期分けするにはたくさんの方法があります。 リニア(直線的) このモデルでは、私たちは一つの身体的特性を次から次へと訓練するために、周期的な順序付けを用います。私たちはまず可動域に取り組み、それからバランスや固有受容器に、そしてそれから精神運動制御や筋力に取り組むことができるでしょう。 全てのリハビリの線形進行は、患者の必要性に基づき異なるかもしれませんが、多くのクリニシャンは、必要な動きを取り戻すことが優先であることに賛同しています。筋力とバランスはどの時点でも取り組まれますが、可動域はその後のリハビリ過程における他の多数の問題を防ぐために早期に取り戻されなくてはなりません。 コンカレント(並行的) コンカレントトレーニング(並行して行うトレーニング)中、私たちは1メゾサイクルの中で、複数の競合する身体的特性に取り組みます。生理学的観点からは、筋力と持久力は“競合している”ように見えるでしょうし、コンカレントトレーニングプログラムの一部となるでしょう[iii]。 大量の持久力トレーニングは筋力の増加に負の影響を与える一方、長時間の低出力の運動は筋力トレーニングの導入によってごくわずかな影響を受けるだけです。もしあなたがマラソンランナーと働いているのならば、ストレングストレーニングの導入が持久力の質に与える影響はごくわずかでしょう[iv]。 しかしながら、フットボール選手や、あまり頻繁に有酸素的に機能しない人をトレーニングするとき、長時間の低負荷の活動を行うことは、筋力やパワーの向上に負の影響を与えかねます。この考えを理解することは重要です:筋力とパワートレーニングは、持久系アスリートを非常に助ける一方、持久系トレーニングは、よりパワーを必要とする人には負の影響を与えうるのです。 トレーニングをしていない人々においては、干渉効果はごくわずかです。しかしながら、中程度、あるいは高度にトレーニングをしているアスリートにおいては、コンカレントトレーニングはRFD(力の立ち上がり率)、あるいはパワーに対して、絶対筋力よりも大きな影響を与えます[v]。 複合的 複合的プログラミングでは、1メゾサイクルの中で複数の補足的特性を訓練していきます。例としては、筋力とパワー、あるいは体性感覚制御と精神運動制御を含むかもしれません。 リハビリの観点から言えば、私たちは間違いなく、正しい筋肉を正しいタイミングで発火させることに取り組みながら、それと同時に、ある関節のバランスや固有受容器の向上に取り組むことができます。これらのうち一つに取り組むことは、その他の進行に干渉することはありません。それゆえに、これらは複合的なプログラミングだと考えられます。 集中的 焦点を絞ったトレーニングは、単独の身体特性を向上させることを目的に、短期間の高いトレーニングストレスを含むものです。私たちは、アスリートがリハビリの筋力トレーニング局面に近づいてきたらよくこの方法を使います。 たとえば、もしあるアスリートの受傷した関節が硬くなってきているようであれば、クリニシャンは、この可動域を大きくすることはますます難しくなるばかりかもしれない、あるいはそのままにしておけば不可能にすらなるかもしれない、と心配するかもしれません。クリニシャンは、その関節の能動的または受動的可動域を取り戻すために全力で取り組むためには、1週間または2週間必要だと決めるかもしれません。筋力あるいはバランスのその他考慮すべきことのすべては、アスリートがその関節の自然な可動域を回復させることができるまで保留にされるでしょう。 私たちは、集中的なメゾサイクルの順次的まとまりであるブロックを使うこともできます。 アスリートが競技復帰に近づいているとき、私たちはプログラムを徐々にテーパリングする必要があるかもしれません。これは競技前に超回復を促進するための、急速な量または強度の減少です。 テーパリング段階がないかもしれないし、ただリハビリからパフォーマンスへの溝を埋めるときにだけ使われるかもしれません。アスリートは通常、競技復帰段階に至るまでゆっくり発展し鍛えるため、わたしたちは一日の短い休息期間を用いるだけか、競技に復帰する前に真のテーパリングを用いるかもしれません。 最後に、アスリートが競技に復帰する直前に、リハビリの連続体の最後に来る競技前段階があります。 たとえば、もしある野球選手がAAAリーグで数日間夕方にプレーするなら、テーパー(漸減)は、その翌日にプレーするために大リーグに合流する前の移動日一日の休みのみでしょう。これをチームマネジャーと議論する際、あなたは、アスリートが丸一試合でなく数イニングだけ競技に復帰するのが最良であると判断するかもしれません。強度の向上を伴うこの量の減少は、アスリートが完全に競技復帰する前のテーパ―として十分かもしれません。 このコンセプトは、ストレングス&コンディショニングの専門家と協力して計画されています。それぞれの状況は、ケアの連続体に携わる者全員によって評価されなくてはなりません。こうすることにより、アスリートを復帰に備えさせ、長期的な健康を守る適切な競技復帰計画を考案することができるのです。 まとめ 筋力は、パワーの基礎的な構成要素です。最終的に、アスリートは競技に復帰するために様々な負荷やスピードで動けなくてはなりません。リハビリからパフォーマンスへの溝を埋めるとき、アスリートにこれを行う準備をさせることは最重要です。ストレングス&コンディショニングコーチたちは、これらのコンセプトをリハビリテーションプログラムに適用することに不慣れな医療従事者にとっての重要な援助となるでしょう。 もしあなたが筋力トレーニングの原則を理解し、それらをあなたのリハビリテーションプログラムにどのように安全に適用するかを知っていれば、それはあなたのアスリートが競技復帰の準備をする際に役立つでしょう。 参照 [i] Benjamin Rosenblatt, “Planning a Performance Programme,” High Performance Training for Sports, Dan Lewindon and David Joyce, editors, 248-249. [ii] DL Hoover, “Periodization and Physical Therapy: Bridging the Gap Between Training and Rehabilitation,” Physical Therapy in Sport, March 2016. [iii] Glenn Stewart, “Minimizing the Interference Effect,” High Performance Training for Sports, Dan Lewindon and David Joyce, editors, 246-247. [iv] J Mikkola et al, “Neuromuscular and Cardiovascular Adaptations During Concurrent Strength and Endurance Training in Untrained Men,” International Journal of Sports Medicine, September 2012. [v] JM Wilson et al, “Concurrent Training: a Meta-Analysis Examining Interference of Aerobic and Resistance Exercises,” Journal of Strength and Conditioning Research, August 2012.

スー・ファルソニ 4359字

ACWRのリハビリへの応用

手術後や受傷後のアスリートなど病理学的なプロトコールの制限がある場合、低下している慢性的(長期的)トレーニング負荷に対して何かできることはあるのでしょうか?ACWR(急性:慢性トレーニング負荷割合)のリハビリへの応用方法についてティムが質問に答えます。

ティム・ギャベット 5:21

「私の子供を速く走れるようにしてくれ」

私達は、多くの若いアスリート達を指導しているため、このような質問を毎週数回はされます。 「息子/娘にスピードトレーニングはやりますか?彼/彼女は速くなる必要があります。」 私は頭の中でいつもこう考えています。「いいえ、私たちのプログラムは全て、アスリートを遅くするようにできています。本当に私たちが得意としていることはそれです。」 冗談はさておき、私の口から出る言葉は全く異なります。私たちのトレーニングアプローチは、その若いアスリートが発逹段階のどこにいるかによって決まり、子供はそれぞれ特有であることを説明しなければならないからです。 一方で、可動性および安定性が著しく低い、つまり非常に悪い身体コントロールに相当する、若いアスリートを抱えることがあります。悲しいことに、早期の特定スポーツへの特化と過剰なコンピューターの使用時間のおかげで、今日、アメリカの13-16歳のアスリートの大多数がこの状態になっています。 スプリントを行う際にアスリートが経験する凄まじい床反力(ストライドごとに体重のおよそ4-6倍の負荷が片脚にかかる。たとえば、68kgの子供では272-408kg)を考えると、トレーニングをしていない、身体的に許容不可な子供達に、積極的なスプリントや方向転換のドリルをやらせることは、実際は非常に危険であると考えられることが議論できるでしょう。彼らは、単純にこの衝撃を減速するための遠心性の筋力を有しておらず、言うまでもなく、それに続く最適な収縮性の活動もできません。こういったアスリートは、筋力および可動性のしっかりとした基礎−これによって、より短く単純な練習で、良い着地のメカニクスを教えることができる−を発達させる時間が必要です。やがて、彼らがいくらか身体コントロールを向上させることができたら、本当のスプリントトレーニングや敏捷性の練習を、より有効に役立てることができるようになります。 彼らはできるでしょうか? このような若いアスリートは、恐らく、トレーニング(クローズドループ、または予測できる、練習)に予期せぬことを投げかけられる準備ができていませんが、ジム以外の場所では何をしているのでしょうか?彼らは一年中スポーツを行なっています(オープンループ、予測できない/無秩序)。 これはまるで、1979年製のピント(フォード社の車)のエンジンが時限爆弾であると認識して、オイル交換のために、整備士のところに週に1時間持っていっている−デイトナ500に持って行って運転するためだけに−ようなものです。あなたは、流れに逆らって泳いでいるのです。 ですから、質問はこうなります:今日の「常にシーズン中の」高校生アスリート達は、敏捷性およびスプリントに専念したトレーニングが本当に必要な状態になることはあるのでしょうか?ここまでの数段落に基づけば、アスリートによってはそうではないと言えるでしょう:彼らにはそういったトレーニングはほぼ必要ありません。彼らがスポーツにおける競争を行なっている限りは、フォームローリング、良質な動的ウォームアップ、それに続く素早い、要を得た動きのドリル、そしてしっかりとしたレジスタンストレーニングを行えば十分なはずです。 それに対して、最近はよくある状況ではありませんが、組織的スポーツに積極的に関わっていない期間が年に一定ある上級レベルのアスリート(しっかりとしたストレングスの基礎がある)も実際にいます。こういったアスリート達は、間違いなく、その「オフ」期間に、特定のスプリントや方向転換のトレーニングを行う必要があります。ウォームアップの合間やレジスタンストレーニングの要素の合間に組み込むこともできますが、私たちは大体、リフティングとは完全に別の日にこういったトレーニングをプログラムに入れます。彼らは、高ストレスの反応ドリルを本当に有益で安全なものにするために脚のトレーニング(しゃれのつもりはありません)を行なっているがゆえに、このトレーニングの組み入れを最大限に活かすことができると認識することが極めて重要です。 でも、何が面白いかわかりますか? こういった、より上級のステージに到達したアスリート達は、すでに速くなっています−ここまでの過程で、地面により大きな力を伝える方法を学び、足首や股関節の可動性を向上させてきているからです。スプリントや敏捷性のドリルに、全く、あるいは、ほぼ時間をかけることなく速くなっているのです。そして、一旦筋力の基礎を築けば、こういった補助的な動きのドリルは実際にさらに高い効果を発揮します。 それはまるで大きな円のようです。筋力の基礎を築けば、それが反応能力の発展を助けます。反応能力をさらに鍛えると、連続体の最後にある「絶対速度」へとつながります。そのため、さらに重いウエイトを挙げることができ、それが彼らを連続体の真ん中へと引き戻し、今度は反応能力をさらに高めることにつながります。なぜなら彼らはより速く走り、より高く跳び、今までで一番うまく立ち回るようになっていくからです。 先に言及した初級レベルの子供たちは、連続体にさえ達していません。彼らは「運動する人/運動しない人」のシーソーの上にいます。彼らがそれまでに知っていることは走り回ることだけですから、習慣的にエクササイズを行うようにして、筋力を構築すると、連続体の最後にある絶対速度をつかみ始めます。彼らは、あなたが彼らを強くして、連続体の最後にある絶対筋力を超えさせない限りは速く走れません−これはあなたが各セッションの90分間を敏捷性ラダーを走らせたり、スキップドリルを行うことに費やしているだけでは、単純に起こりえません。 必要な動きのトレーニングの量が大幅に過剰見積もりされているのならば、何故、この業界で週に何時間も動きのトレーニングに費やしているこんなにも多くのコーチや施設があるのでしょうか?とても単純に、お金が世界を回しているのです。す言い換えれば、ただコーンやハードル、敏捷性用ラダーを設置して、熱心に頑張るように指示したら、集中的なコーチングを行わずに、より多くの子供達を大きなグループで「安全に」トレーニングすることができるというわけです。ただ、実際に子供を強くするためには、個別のキューイングやエクササイズプログラミングの多様性が必要です。ストレングスエクササイズは、高リスク/高メリットのため、1対1の指導の方がより効果があります−13歳の子供20人に対してコーチが一人というのは厳しいでしょう。これは、私が私たちのビジネスモデルにクレッシースポーツパフォーマンスでのトレーニングモデルを絶対に決定させないと常に言っている理由の一つです。 まとめると:動きのトレーニングが必要な子供もいれば、まだその準備ができていない子供もいます。99%の確率で−論理を無視しているかもしれませんが−、親が子供が遅いことを言及してきたら、その若いアスリートを外に出してもっと走らせることは、その問題を扱う方法として、最も効果がなく、最も危険なものです。

エリック・クレッシー 2974字