2アウトドリル

開幕投手がイニング中に、座って休んでいると、次のイニングで腕を楽に動かすことができなくなる、という経験をしたことはありませんか?リサーチの基づいたイニング間に行える簡単で効果的なドリルを、理学療法士のマイク・ライノルドがご紹介します。

マイク・ライノルド 4:26

エビデンスベースによる実践を取り入れる最善な方法

過去20年ほどの間、私たちの専門分野は、エビデンスベースによる実践へ向け大きな発展を遂げました。私たちの身体に関する理解と専門分野の基になる原理が拡充するにつれ、最善のサービスを可能な限り迅速にかつ安全に提供するために、私たちのエクササイズや徒手療法においてエビデンスを求めることは必須事項です。 しかしながら、エビデンスベースによる実践に対して行き過ぎた傾向も見受けられ、私にはその良し悪しはわかりません。非常に多くの人達が、あるテクニックについて単にそのテクニックの効能を示唆するエビデンスが十分にないために反論しているように感じます。 私たちはこのような「エビデンスがもたらすマヒ」状態という、効果的であるという強固なエビデンスがなければ何もできないと、一部の人々が考える状況を作り出してしまいました。このアプローチはとても難しく、結局のところ現実的ではありません。 エビデンスベースによる実践とは何か? 一部の人たちは、エビデンスベースによる実践の3つの構成要素を忘れてしまっている、とソーシャルメディア上で何度も感じています: 入手可能な最良のエビデンス 臨床医による経験、知識、技法 患者の要求とニーズ ご覧の通り、「入手可能な最良のエビデンス」はエビデンスベースによる実践の構成要素の一つにすぎません。 特に理学療法の世界において、私たちは、患者が「楽になりたい」というもともとの理由に対する治療を提供する代わりに、入手可能な最良のエビデンスのみに基づいた「エビデンスベースの理学療法」を患者に押し付けていることが、数多くあります。これは、薬事的な効果と潜在的に重大な副作用を伴うような状況のことではなく、最良であれば人々を楽にし、最悪でも何も起こらないという、私たちのエクササイズと徒手療法のテクニックのことについて話しています。 批判を始める前に、まずこの記事の続きを読んでみてください。どんな時でもエビデンスをベースに実践を行うべきです。 しかしながら、もしエビデンスが十分にない場合はどうしますか? エビデンスベースによる実践の信号システム 私が、学生や若い臨床医に、エビデンスベースによる実践を取り入れる方法を教えるとき、まずエビデンスベースによる実践の信号システム、と私が呼ぶものについて、いつも話し始めていきます。このシステムを用いることによって、どのテクニックを絶対に使うべきか、または使わないべきかを即時に明確にすることができます。 赤信号=ストップ もし質の高いランダム化比較試験による強固なエビデンスが、安全性の問題や効能の欠如を示唆しているのであれば、より有益な他の方法を見つけるべきでしょう。 黄信号=注意をもって実施する 評価する効果について相反する情報がある、または質の高い研究が不十分であれば、実施に慎重にならなければなりません。このようなシナリオでは、おそらく、効能を示した質の低い研究(ケーススタディや強固な方法論が欠けた研究等)、あるいは研究結果において、効能の有無についてのどちらかへの傾向が見られず矛盾する報告があるのでしょう。 青信号=実施する もし、質の高いランダム化比較試験による強固なエビデンスによって効能が示唆されているのであれば、問題なくこの方法をエビデンスベースと正当化して使用できます。 論議されているテクニックに関した入手可能なエビデンスを探すために、発表されている治療ガイドライン、APTA(アメリカ理学療法士協会)のエビデンスベースによる実践のウェブサイト、及び自身でのPubMed上の文献調査を含む多くの良いリソースがあります。 エビデンスベースによる実践を取り入れる方法 残念なことに、私たちのテクニック、評価、エクササイズや他のアプローチのほとんどは、エビデンスベースの信号システムのどこに当てはまると思いますか? 黄色です。 私たちが行っている全てのことを評価するための、しっかりと管理された研究を計画することはとても難しいことです。「肩の痛み」や「膝蓋大腿部の痛み」などに基づいて被験者をグループ分けすることに問題が見受けられることもよくあります。これらはとても広義で、介入の効能を評価することは疑いもなく難しいものになるでしょう。また、この逆はどうでしょうか?ある特定の疾患に対する「マッサージ」を検証する研究です。どのように「マッサージ」を定義しますか?私とあなたのやり方は同じですか? エビデンスが十分にない、またはいうことは効果がある、またはないことを示唆する、相反するエビデンスがあることが、多くあるでしょう。このようなシナリオでは、理にかなった理論的な原理または経験によって、自分自身で判断しなくてはなりません。 それが秘訣なのです。理にかなった理論的な原理とあなたの経験が。 もし、あなた自身に十分な経験がないのであれば、専門の臨床医の経験を頼るのもよいと思います。ただ、あなたをエキスパートにするのは、ソーシャルメディア上のフォローワー数ではなく、経験であるということを理解しなくてはなりません。しかし、誰かが彼らの経験上ある方法が有効だから、という理由のみで、実施するには十分と考えてはいけません。あなた自身の経験をもとに、あなた自身の手で、その方法を徹底的に調べるべきです。 新たな研究が行われ、エビデンスが入手できるようになるにつれて、エビデンスによる私たちの現行の理解度を基に、あなたは継続的にテクニックを洗練する必要があるでしょう。 青信号の原理に則って行うことを基本としましょう。しかし、同時に、すべてのことが青信号の範囲になければいけないと思わなくても大丈夫です。黄信号の範囲に属するようなテクニックでも、それが理にかなった理論的な原理とあなたの経験によって実用的な結果を示せば取り入れてみましょう。

マイク・ライノルド 2485字

室内での腕のウォームアップ方法

投手達が、投球練習に入る前の安全で効果的なウォームアップの方法は?キャッチボールの強度をいかに段階的に変化させていくのか?元ボストンレッドソックスの理学療法士である、マイク・ライノルドがご紹介します。

マイク・ライノルド 1:45

キャッチボールの際に最もよく見られる間違い

投手がキャッチボールを行う際に、最もよく見られる間違いとは?最初から全力で投げてしまうことの問題とは?怪我の可能性を低下させるためのキャッチボールの仕方についてのアイデアをごらんください。

マイク・ライノルド 3:49

膝蓋骨の位置と可動性を計測する

膝蓋骨の位置と可動性を計測することは、今でも私の膝の臨床評価における非常に重要な構成要素です。それは、膝蓋骨の可動性低下が見られるとき、存在しているかもしれない軟部組織制限についてのよい認識を与えてくれます。これは特に膝の手術後によくあることですが、膝蓋骨の可動性を計測することは、膝蓋骨の過度可動性が見られる際に全身の弛緩性を評価するためにも重要です。 あなたが臨床評価中に、これらのいずれかを初めて実感するとき、あなたは私が何を意味しているかわかるでしょう。 でも、もしあなたが文献を通読しているなら、あなたは膝蓋骨の位置や可動性の評価の妥当性と信頼性について、矛盾している結果を見つけるかもしれません。 膝蓋骨可動性の計測の信頼性 私がよく言及する一つの研究は、膝蓋骨の位置、具体的には膝蓋骨の内外側の位置に関する評価の信頼性を調べたスミス氏による系統的レビューです。すべてのよく行われる検査テクニック同様、そのテストが適切な評定者間及び評定者内信頼性を持っていることを証明することが必要です。テストは簡単に再現されることができ、2人の異なる臨床家間、そして同じ臨床家による再評価で繰り返される際の両方において正確な結果を出さなくてはなりません。 そうでなければ、テストの使用は限定され、役立つ情報を提供することはできないでしょう。 著者らは、膝蓋骨の内外側位置の評価において、評定者内信頼性は良いが評定者間信頼性は変動的であると結論付けています。この変動性は私にとって興味深く、我々が膝蓋骨可動性の見方を標準化していないだけなのではないかと考えさせます。 ハーリントン氏による別な研究は、20名の経験のある治療家のグループが的確に膝蓋骨位置を計測できることを示しました。これにより、似たような訓練を受けた、あるいは同じような能力を持った臨床家のグループは、ランダムに選ばれた臨床家たちに比べてより高い評定者間信頼性を示すであろうことがわかります。私は、あるテストが、良い評定者内信頼性とより悪い評定者間信頼性を持っている時、二つのことのうちのどちらかだと考えます: そのテストは行うのが難しい、そして/あるいはより多くの経験があればより正確である。 もし我々がみな同じ検査テクニックを用いれば、信頼性は高められます。テクニックには、あまり良くない評定者間信頼性を生む微妙な違いがあるかもしれない。ハーリントン氏の研究が経験のある臨床家のグループにおいて良い評定者間信頼性を示した際、このことが私の頭に思い浮かびました。 膝蓋骨可動性計測の妥当性 計測の妥当性について、著者らは、限られたエビデンスに基づいて、このテストの基準妥当性は最低でも中程度であると結論付けています。しかしながら、いくつかの興味深い研究が言及されていました。マッキーワン氏による研究は、5度以上の膝蓋骨の外側傾斜は検出できることを示しました。これはMRIによる計測で確認されました。その以前に報告されていたハーリントン氏による研究も、膝蓋骨の内外側位置が正確に計測されることをMRI計測で確認し報告していました。 膝蓋骨可動性を計測するシンプルな方法 膝蓋骨の位置の臨床的計測は、信頼性および妥当性があるようです。評定者内信頼性、あるいはあなた自身の正確にテストを再現する能力がより正確になる一方で、検査テクニックの規定化(統一)によって評定者間信頼性は高められるでしょう。 こられすべてを考慮して、私は正直に言うと膝蓋骨の位置を“計測”しようとはしません。 私は位置を評価しますが、厳密な位置にミリメートルや角度のようなラベルを貼ろうとしたりはしません。もしこの情報を求めていたり必要であれば、私はむしろこの情報をMRIから得たいと思っています。私は可動性低下、あるいは過度可動性の程度を評価することにより着目しています。 そして、信頼性をかなり高めることができるだろうと私が考える、実にシンプルな方法があります。 この計測を単純化するために、変位し得ると感じる膝蓋骨のパーセンテージを用いようと思います。私はこのように行います: 膝蓋骨を4等分し、それぞれが膝蓋骨の25%の幅になるようにする。 位置を計測するときに、滑車の中心線があると思われる場所を視覚的に定めようとする。もし私が変位を計測しているのであれば、外側滑車の縁を視覚化するでしょう。 それから、滑車の中心線を超えた位置にある膝蓋骨のパーセンテージを計測し、膝蓋骨を動かして、下の図にあるように、膝蓋骨の25%、50%、75%、あるいは100%が滑車の外側縁を超えて動かせるかどうかを計測してみる。 私はDr.フランク・ノイスのような膝の専門家が、50%変位を“正常”だととらえているのだと何年もかけて学びました。私はそれを基準枠として使いますが、左右で比較することは恐らくもっと重要でしょう。 これが他の四肢と比較するための多くの情報を私に与えてくれ、そして過程を単純化してくれていると私は感じていて、それらが評定者内および評定者間信頼性を高めてくれることを望んでいます。もし我々が皆この方法で行えば、我々はよりずっと正確になれるだろうと私は考えています。

マイク・ライノルド 2209字

肩峰下除圧術は本当に必要なのか?

肩峰下除圧術は、肩の痛みを患っている人にとても一般的に行われる手術です。この手術は、“インピンジメント症候群”の人に推奨されることが多く、元来は肩峰下のスペースを広げることで力学的衝突を軽減するという理論に基づいていました。 しかし、近年の研究では、この手術の効果のみならず、この“肩峰下インピンジメント”という診断自体にも異議が唱えられています。 肩の痛みを患う成人に行われる肩峰下除圧術:システマティックレビューおよびメタ分析 肩の痛みを患う1,000人以上の患者に9回の臨床試験を行った結果のレビューが、最近のブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン(British Journal of Sports Medicine)に発表されました。執筆者らは、プラセボ手術や運動療法を肩峰下除圧術と比較した研究も載せました。 この研究は、プラセボ手術や運動療法と比べ、肩峰下除圧術にそれほど重要な効果はなかったと指摘しました。 特に、術後6ヶ月と12ヶ月の時点で、痛みや機能、生活の質に対して追加的な有効性は一切なかったということが分かりました。 お分かりのように、痛みや機能のために肩峰下除圧術を受ける有意な利益はないようです。 これらすべては、何を意味しているのでしょうか? 最近のいくつかの研究結果によれば、肩峰下除圧術は将来、確実に減っていくように見えます。 手術を受けるメリットは、術後のリハビリテーションと術後の段階的なエクササイズを適用することに関連しているのかもしれません。 これもまた、重要なことを見逃してしまっている手術のひとつのようです。 こわばりや動的安定性の欠如など、“インピンジメント”を引き起こす根本的な原因に取り組むのではなく、純粋に生体力学だけを考えれば、単にもう少しスペースを作りましょうということになりますよね? 単純化し過ぎではないですか? まだ根本的な原因に取り組んではいないのかもしれません。 しかし、これらすべてのことを踏まえると、恐らく、“インピンジメント”という用語さえ使用すべきではないのかもしれません。 生体力学ではない観点から見てみると、私たちは本当に肩の痛みの病因を真に理解しているのかさえ確信が持てず、いつも“インピンジメント”の生体力学的なアプローチに飛びついてしまうように思えます。なぜ段階的なエクササイズが肩の痛みの緩和に役立つかという理由は、単なる生体力学的要因以外に、数多くのあるのかもしれません。 しかし、この研究におけるひとつ重要な点を忘れないようにしましょう。それ以後5年経過しても、これらの患者には視覚的評価0~10のスケールで1.5~3程度の痛みが肩にまだ残っていました。 ですから、生体力学を無視して、痛みに対処するだけでいいというアドバイスも、理想的なアプローチではないということになるでしょう。 私たちがその方向に進んでしまうことは避けたいものです。 この研究には、肩の痛みを3ヶ月以上患っている患者たちが参加しました。これらの人たちの回旋腱板の病理の程度や、それがどのように肩の機能に影響したか、今後の長期的な予後はどのようになるかなどを測定することは困難です。まだ回旋健板に根本的な炎症があるのです。 Image from Wikipedia では、私たちは何をするべきでしょうか? このような研究が継続的に発表されるにつけ、これらの手術について目にすることは少なくなっていくでしょう。 何かが“インピンジメント”の原因になっているか否かにかかわらず、肩の機能を最大限にすることの方が、より重要になってきます。 私は、物事をシンプルにすることで多くの成功を経験してきました。痛みを厳密に特定することを心配するのではなく、単に動きを正常化したり、回旋腱板や肩甲骨周りの筋群を強化したり、動的安定性を促進したりし、それから負荷をかけながら徐々に組織の能力を上げていくことに集中してみましょう。 これは、構造的な診断より機能障害に焦点を当てた方がより影響力があることを示す良い例です。 ただ痛みを治療するだけでなく、その人の状態を最大限に高めてあげましょう。

マイク・ライノルド 1810字

リハビリテーションプロトコルを捨てるべき時が遂に来たのか?

理学療法におけるリハビリテーションプロトコルの使用は、依然として一般的な実践です。私は最近簡単な読者調査を行い、彼らの大半が同意しています:大多数は、いまだにプロトコルに従っているのです。 しかしながら、最近のソーシャルメディア上の傾向は、これらのガイドラインやそれに従う人たちを批判することとなっています。プロトコルの使用を避けたまま大学を卒業してきている学生達さえもいます。私は数年に渡って次のような苦情を沢山聞いてきました: 私たちは紙切れに従うのではなく、脳を使わなくてはならない 理学療法士は料理本(のようなもの)に従うべきではない 理学療法は白黒はっきりしたものではない 私たちは治療法を個別化する必要がある 私は、これを完全に理解していますし賛同もします、少なくともある程度は。理学療法士(あるいはその他のリハビリテーション専門家)として、私たちは人体がどのように機能するかを学ぶことに多くの時間とエネルギーを費やしてきました。私たちは数えきれない時間(そしてお金…)を費やして理学療法士になり、我々の専門技術を習得してきました。私たちは何年も費やして、我々の経験や患者の成果に基づき技術を磨いてきました。 私たちは脳を使っているはずであり、そして個々人に基づきプログラムを個別化させているはずなのです。 しかし、リハビリテーションプロトコルは、適切に用いることができれば、私たちがこれをもっと上手に行うのに役立ちます。これを強調すると、理学療法におけるリハビリテーションプロトコルが一体何なのか、そして何でないのかを分析すると、私たちが実践でそれらをどのように用いるべきかを最もよく理解することができます。 リハビリテーションプロトコルは料理本ではない まずこの点を片づけましょうーリハビリテーションプロトコルは、完璧な料理本として作られているのではありません。これは理学療法士がしばしばプロトコルによって麻痺させられ、プロトコルの中に具体的に載っていないものは何もできない、と考えてしまいうるところです。 現実的に、良いリハビリテーションプロトコルの目的は、修復中の組織に段階的に負荷をかけるためのゴール、事前注意、そしてタイムラインを明確に定義することです。これらは治癒過程の基礎科学の理解に基づき作成されています。 あなたが間違いなく行うべきことと、あなたが間違いなく行うべきでないこととの間には、いまだに大きなグレーゾーンがあります。 これを、あなたがレシピをカスタマイズし、自分自身のサンドウィッチを作る機会として考えてみてください。あなたは両側にパンを置かなくてはなりませんが、パンのスライスの間に、どの肉、チーズ、そして調味料を挟むのかは、患者やあなたのトレーニング、そして経験次第でしょう。あなたは自分の好みを持っているかもしれません、私もそうであるように。 私はしばしば、プロトコルのゴールや事前注意点に合致しているとわかっている患者に、プロトコルには具体的に載っていないことも行います。良い例は、回旋筋腱板修復術後に僧帽筋の軟部組織に取アプローチしたり、または前十字靭帯リハビリテーションの早期段階で、コアトレーニングを含めることです。ただそれらがプロトコルの中に具体的に含まれていないからといって、あなたがそれらを行うことができないというわけではありません。 リハビリテーションプロトコルはあなたのプログラムの基盤であり、次のことに基づいて調節されるべきです: 一人一人特有のゴール 特定の怪我または手術 よく見られることである、付随する怪我のすべて リハビリテーションプロトコルは受傷後のガイドラインである プロトコルに関してよくある誤解は、それらはガイドラインではなくてはっきりとしたルールである、というものです。私たちが長年に渡り作り出してきた非手術性(保存療法)のリハビリテーションプロトコルの全ては、患者を怪我から復帰させる手順に導くものとして意図されています。 事実、多くはプロトコルに関する厳格なタイムラインはなく、むしろさせる基準の段階があります。たとえば、トミー・ジョン傷害(内側側副靭帯損傷)を持つ野球選手をリハビリする時に、各段階のゴールのいくつかはどのようなものがあるかというと: 段階1:治癒促進、関節可動域の回復、基本的な筋力及び固有受容の向上 段階2:関節可動域の維持、筋力および動的安定性の最大化 段階3:段階的な組織への負荷の適用、競技特有の動的な活動への漸進 段階4:スポーツの段階的漸進への復帰 上の段階を見てみると、各段階に何がふさわしく、何がふさわしくないかを判断するためにこれらのガイドラインを用いることができます。ここは、あなたの個人的な好みが関わってくるところです。私はハムとチーズに辛いマスタードを乗せるが好きで、あなたはイエローマスタードが好き。私は批判しません。それらはどちらもふさわしいのです。 手術後は異なりますし、そのことは以下でもっとお話ししますが、保存療法(非手術性のもの)に対しては、このようにプロトコルを用いるべきです。非手術的怪我においては、エクササイズまたは活動をある一定期間制限したいかもしれない場合もありますが、多くの場合、非手術性(保存療法)のリハビリテーションプロトコルは、一連のリハビリを管理可能な範囲に小分けするために用いられます。 リハビリテーションプロトコルは手術後必要である 私が確信している一つの領域は、手術後のリハビリテーションプロトコルの決定的な必要性です。リハビリテーションプロトコルは、術後の理学療法の非常に重要な構成要素です。手術後のケアの一定基準は、術後に患者が適切に漸進していくことを確実にするために設けられ、伝えられなければなりません。 これらの多くは外科医特有であるかもしれない、つまり、ある医師らは、彼らの経験に基づいてあなたにもっと速く、あるいはもっとゆっくりやってほしいと望むでしょう。理学療法士として、私たちは執刀医からのこれらのガイドラインを尊重しなくてはなりません。彼らは自身の行う手術、そしてあなたの患者の内部をあなたよりもよく知っているのです。 手術の後、プロトコルは、私たちが確実に受傷した組織を保護し、治癒を促進して、徐々に負荷をかけていくために用いられます。 プロトコルに従わず、単純に即興で何かを行うことは、その人をできるだけ素早く安全に復帰させる可能性を最も低くしてしまうでしょう。たとえば、前方肩関節唇修復術後6週間における肩関節の関節可動域は、多すぎても少なすぎても、どちらも不都合になりかねないため望ましくありません。うまく作成された手術後のリハビリテーションプロトコルは、患者を成功のために最も良い位置につかせるでしょう。 若いクリニシャンとして、合併症を持った患者の注意事項や制限に優先順位を付けることもまた難しいことです。たとえば、私たちのリハビリテーションプロトコルには、回旋筋腱板修復に対する13個のプロトコルと、前十字靭帯再建術に対するプロトコルが16個あります。私たちは複数の要素や付随する傷害に基づき、ガイドラインを変えます。これは必須です。 リハビリテーションプロトコルの使用をやめる時が遂に来たのか? 私はまったくそう思いません。事実、私は正しく用いられたリハビリテーションプロトコルを熱烈に信じている者です。私は、プロトコルが我々の専門性にとって良くない、あるいは私たちがそれ以上のレベルにあるということで退けてしまうのは、非常に短絡的だと思います。 しかしながら、プロトコルは単純にあなたに、何ができて何ができないのかというガイドラインを与えてくれるものです。あなたが“できる”ことは、プロトコル中にあるものだけに限られてはいません。プロトコルを、あなたが遅すぎたり、あるいは速く進めすぎていないか確かめるためのガイドラインとして考えましょう。現実的に、プロトコルには、含まれるべき全てのトリートメントやエクササイズが載っているわけではありません。ここで、あなたの技術や経験が関わってくるのです。あなたは患者を助けるために他にどのような介入を安全に行うことができるかを見極めると同時に、その選択した介入がプロトコルの制限内で安全に適合しているかどうかを評価しなくてはなりません。 私たちは考えなしにリハビリテーションプロトコルに従うべきではありません。それは“腕のいい”理学療法ではないのです。しかしながら、私たちはプロトコルと治癒組織にしばしば関連しているタイムラインをしっかりと理解しなくてはなりません。 真の熟練したクリニシャンはこのことを認識し、リハビリテーションプロトコルのガイドラインと彼らの膨大な経験やトリートメントの好みを組み合わせるのです。

マイク・ライノルド 3731字

パフォーマンスのための理学療法:なぜ私たちの職業は進歩する必要があるのか

理学療法は、けがのリハビリに始まり、けがの予防、さらにはパフォーマンスの向上に及ぶまで広範囲に広げることができます。人々が自身の身体を最大限に活用できるように本当の意味で手助けするには、私たちはそれら三つ全てに焦点を当てる必要があります。 しかし、私たちの多くはそうはせず、そしてもしあなたがその一人であるなら、かなりチャンスを逃していると思います。 これがなぜ起こるのかは確かではありませんが、もし推測するのであれば、私達を躊躇させる2つの主な考えがあるのではないかと思います。 大多数の理学療法の専門家は、けがのリハビリに集中しており、これには私たちの大学のカリキュラムや職場の環境をも含んでいますが、これによって、人々が自身の機能とパフォーマンスを最大限にさせることを手助けするという私たちのポテンシャルを実に制限しています。 私たちはほとんどの時間を「パフォーマンス」ではなく「機能」に注目することに費やしています。 おそらくこれはただの専門用語かもしれませんが、私が学校に通っていた時とキャリアの序盤において「機能」は人々の日々の生活における活動のことであり、そして「パフォーマンス」はスポーツのことでした。そうではありませんでしたか?少なくともそれが私の認識でした。 私はこの定義に、これ以上ないくらい同意できませんでした。私が今どのようにこれらを定義するかを次に書きます: 機能とは活動です。もちろん、これはお風呂に入ったり服を着たりといったことを含むこともできますが、ランニングやジャンプ、投げる、そしてスポーツをすることも一般的には機能であると言えます。 パフォーマンスとはそのような機能をいかにうまく行えるかということです。 パフォーマンスとはアスリートだけが行うものではありません。私たちは皆、私たちが自身の身体を使って行いたいあらゆる機能を実行しなければなりません。これはおそらく、理解しなければならない最も重要なコンセプトであり、そして私のチャンピオンパフォーマンススペシャリストのコースを受講し終わった人たちが最も役に立ったと言った主なことの一つです。 パフォーマンスのための理学療法へ移行する必要性 多くの理学療法士にとって最も一般的なパフォーマンスのスペクトルの視点と、私が推測するものを次に挙げます。どこかの時点で、自分自身のベースラインを定めたでしょう。多くの人はそのベースラインを元に、パフォーマンスを復元または向上させることのどちらかに集中します。 私たちは傍観して、誰かがけがをするのを待ち、それから彼らがベースラインへ復元するのを手助けするのです。 ところで、そもそも、彼らのベースラインがけがをした理由の一部であったらどうしますか? もし、彼らの機能をベースラインに戻すことにだけ集中したのであれば、彼らのパフォーマンスを最適化し、そして向上させるための機会を完全に逃しています。 これが、非常に多くの人がけがの再発や慢性的な痛み、そして手術の失敗が起こる理由の一つだと考えずにはいられません。人々をベースラインに戻すことは十分ではなく、彼らのキャパシティを増加させ、ベースラインを向上させなくてはならないのです。 すでに周知のように、筋力不足やモビリティの問題、そしてアンバランスさなど、多くのことがけがを起こしやすくします。 ソーシャルメディア上で、非常に多くの理学療法の方法が事実的に非効果的か一時的のどちらか、またはその両方であるという批判が最近増加しています。まさにその通りでしょう。 しかし、もしかしたら、理学療法の方法が問題なのではなく、全体の計画なのではないでしょうか?もしかしたら、私たちはただ機能を復元することだけに集中しすぎていて、パフォーマンスを最適化し向上させることには十分でないのではないでしょうか? もし、頭上への肩の可動域の制限があり、ジムでオーバーヘッドプレスを行うたびに肩に痛みがあるのであれば、その痛みは理学療法で大きく軽減できるでしょう。しかし、オーバーヘッドプレスを再び行えば痛みが戻ってくる可能性が高いとは思いませんか?痛みを軽減し、以前のベースライン(適切ではない)に戻しましたが、彼らのモビリティを最適化してはいません。 彼らの長期的な見通しはあまり良くないですよね? パフォーマンスのための理学療法の目的 パフォーマンスのための理学療法の目的は、機能を取り戻すだけでなく、身体のキャパシティを増加させることです。 単に以前のベースラインへ戻すだけでは充分ではありません。私の見解では、それは「これまでの」理学療法です。パフォーマンスのための理学療法は機能を取り戻すだけではなく、さらにパフォーマンスを最適化し向上させようとします。私にとって、それが重要な違いなのです。 もしパフォーマンスの最適化をスペクトルに加えるのであれば、このようになるでしょう: しかし、これだけでは十分ではないと思いますし、もっと良くすることができると思います。 もし、パフォーマンスを取り戻す、または向上させようとしているのであれば、パフォーマンスを最適化しようともするべきです。現実的に、この二つのコンセプトには重複する部分があります。 これは、二つの方法で私たちの焦点を変化させます。 これらのコンセプトは全て重複することを示しています。私たちはパフォーマンスを取り戻して最適化でき、そしてパフォーマンスを最適化して向上することができます。それらを個別の要素と考えるのは、理想的ではありません。 私たちの思考プロセスを後ろ向きから前向きな視点へと変化させます。終着点が単にベースラインへと戻すだけではなく、最適化することでもあり、うまくいけば彼らのパフォーマンスを向上させルことであると理解していれば、けがのリハビリのプロセスについてのあなたの全体的な見解を初日から変化させます。 私たちの職業にはパフォーマンスのための理学療法が必要である 良いニュースがあります。 理学療法士は診断とけがの治療にとても優れています。理学療法士のけがの評価と治療を可能にする評価と診断のスキルは、その人の機能とパフォーマンスのレベルを評価することにも容易に応用することができます。 考えてみてください、けがをしている人と健康でパフォーマンスを向上させたい人とを評価することの違いは何でしょうか? スペシャルテストです。それがおそらく答えでしょう、違いますか? スペシャルテストは特定のけがの診断を容易にするように作られています。もし、このスペシャルテスト、または一連のテスト、が陽性であれば、そのけがをしているのかもしれません。 しかし、スペシャルテスト以外のもの全ては、その人の機能のレベルを本質的に評価します、違いますか?筋力、モビリティ、バランス、動作。これらは、ある人の完璧なパフォーマンス療法とトレーニングプログラムを作るために評価できる全ての項目です。その後、私たちはこれらの特性の一つ一つを最適化し向上させるために取り組むことができるのです。 あなたはどのようにこれら全てを組み合わせますか?けがを治療して身体を最適化するのです。 それには、あなたの考え方を変化させるだけで良いのです。

マイク・ライノルド 3087字

SLAP損傷とは一体何か?上方関節唇損傷についてあなたが知っておくべきことトップ5

SLAP損傷は、肩関節関節唇の上方部分の怪我です。SLAPという単語は、上方関節唇(Superior Labrum ) の前方から後方にかけて(Anterior to Superior )の損傷を略したものです。これは肩関節傷害で非常によく見られる診断です。SLAP損傷には、重症度や治療ストラテジーが異なる多くの様々なバリエーションがあります。過去において、外科医はすべてのSLAP損傷を手術したがりましたが、私たちは手術なしでもうまくいくものもあることを学びました。事実、いくらかのSLAP損傷は心配する必要さえないのです。 SLAP損傷がどのように起こるのか、そして病理学的には一体何が起こっているのかを理解することは、これらの肩関節傷害を適切に診断し治療するために非常に重要です。 SLAP損傷の分類 図で見られるとおり、上腕二頭筋長頭腱は上方関節唇に直接付着しています。上腕二頭筋腱が付着する上方関節唇に起こりうる怪我には、いくつものバリエーションがあります。 700件の肩関節内視鏡の遡及的検討(レトロスペクティブレビュー)に続いて、Snyder et al: Arthroscopy 1990は、上腕二頭筋腱に関わる上方関節唇損傷を4つのタイプに識別しました。彼らは、解剖学的位置を参考に、これらのSLAP損傷をまとめてこのように名付けました:前方から後方にわたる上方関節唇。これが当初の定義でしたが、私たちがSLAP損傷についてもっと学び続けていくと、それらは必ずいつも前方から後方にかかっているというわけではないのです。しかし、知っておくべき最も重要なコンセプトは、SLAP損傷は上腕二頭筋腱付着部付近の上方関節唇の怪我であるということです。 タイプI SLAP損傷 タイプI SLAP損傷は、関節唇がしっかりと関節窩に付着した状態で、上方関節唇のみが擦り切れているものを示すとされています。これらの損傷は通常自然に起こる変性です。今のところ、活動的な人たちの大部分がタイプI SLAP損傷を持っていると現在は考えられており、多くの外科医は大抵これを病理的だと考えてさえもいません。 タイプII SLAP損傷 タイプII SLAP損傷は、上方関節唇と上腕二頭筋長頭腱起始部が関節窩から剥離し、上腕二頭筋腱及び関節唇が付着している部分が不安定になっているという特徴があります。これらはSLAP損傷の最もよく見られるタイプです。私たちが外科医から「SLAP損傷」を治療するようにという処方箋を受け取るとき、彼または彼女は、十中八九タイプII SLAP損傷、そして関節唇と上腕二頭筋腱の縫合手術について話しています。 タイプII SLAP損傷の異なる3つのサブカテゴリーが、Morgan et al: Arthroscopy ’90によってさらに識別されています。彼らは関節内視鏡評価を受けた一連の102人の患者のうち、37%に前方上方部の損傷が見られ、31%に後方上方部の損傷、そして31%に前方及び上方部を合わせた損傷が見られたと報告しました。 これらの発見は、私の患者の臨床的観察とも一致しています。患者のタイプや受傷機転の違いが、わずかに異なるタイプII SLAP損傷をもたらすのです。たとえば、オーバーヘッドアスリートの大部分に後方上方部の損傷が見られる一方、外傷性のSLAP損傷を持つ人々には通常前方上方部の損傷が見られます。これらのバリエーションは、患者の既往歴及び受傷機転に基づき、どのスペシャルテストを行うか選択する際に重要です。 タイプIII SLAP損傷 タイプIII SLAP損傷は、上腕二頭筋停止部が付着している状態での、関節唇のバケツ柄状断裂によって特徴づけられます。半月板と同じように、関節唇は損傷し関節の中に入り込んでしまいます。ここで重要なコンセプトは、タイプIIとは異なり、上腕二頭筋腱は付着しているということです。 タイプIV SLAP損傷 タイプIV SLAP損傷では、関節唇が上腕二頭筋腱にかけてバケツ柄状に断裂しています。この損傷では、タイプII SLAP損傷で見られるのと同じように、上腕二頭筋腱及び関節唇が付着する部分に不安定性も見られます。これは基本的にタイプII損傷とタイプIII損傷の組み合わせです。 この分類システムの複雑なところは、タイプIからIVのスケールは漸進的により重症となるというわけではないという事実です。たとえば、タイプIII SLAP損傷はタイプII SLAP損傷よりもより大きいまたはより重症である、あるいはより病理的だということではありません。 さらに複雑なことに、Maffet et al: AJSM ’95は、彼らの712件の関節内視鏡のレトロスペクティブレビューの中で識別されたSLAP損傷のうちの38%は、以前Snyderによって定義されたIからIVという専門用語を用いて分類することができなかったと記しました。彼らは、SLAP損傷の分類スケールを、タイプVからVIIという種類を加えた合計7つのカテゴリーに拡張することを提案しました。 タイプV SLAP損傷は、前方上方関節唇にかけて前方関節包のバンカート病変が見られるという特徴がある。 タイプVI SLAP損傷は、前方あるいは後方の上方関節唇のフラップ状断裂を伴う上腕二頭筋腱付着部の断裂を含む。 タイプVII SLAP損傷は、中関節上腕靭帯の下方領域を含む前方SLAP損傷の延長として説明される。 これらの3つのタイプは、通常SLAP損傷に伴う合併症を含んでいます。彼らは追加的な分類を提供してくれたものの、この専門用語は受け入れられず、あまり使われていません。たとえば、多くの人々はタイプV SLAP損傷をバンカート損傷を伴うタイプII SLAP損傷というでしょう。 それ以降、私が知っているだけでも少なくとも10個のさらに多くの分類タイプが文献で説明されてきましたが、心配はいりません、誰も実際にそれらを使ってはいませんから。 SLAP損傷の分類についてあなたが知っておくべきことトップ5 SLAP損傷の分類についてあなたが知っておくべきことは: タイプIからIVのSLAP損傷だけ考えましょう。そしてタイプIV以上のあらゆる分類システムは、単にSLAP損傷に加えて付随する怪我があることを意味しているのだと理解しましょう。 タイプIとタイプIII損傷を分解して一緒のグループにすることができます。どちらも関節唇の変性を含みますが、上腕二頭筋腱は付着しています。したがって、これらは不安定なSLAP損傷ではなく、手術で縫合されるものではありません。これは手術(ただの単純な創面切除術)や理学療法を容易にしてくれます。 また、タイプIIとタイプIV損傷を分解して一緒のグループにすることもできます。どちらも上腕二頭筋腱の剥離を含み、上腕二頭筋腱を安定させる手術が必要となります。タイプIV損傷はより極めてまれであり、バケツ柄状断裂の縫合および創面切除術を含むでしょう。 タイプII損傷は、あなたもクリニックで見ることがあるでしょうが非常によくあるタイプで、外科医が「SLAP縫合」について話しているとき、ほとんどの場合はこのタイプを言及しています。とは言いながらも、タイプII SLAP損傷がかつて予想されていたよりも一般的である可能性があることから、それらを縫合しないという傾向が見られます。これはオーバーヘッドアスリートにおいて特に当てはまります。 私たちは皆タイプI SLAP損傷を持っているかもしれません。それは基本的に単なる関節唇の擦り切れや変性です。

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コレクティブエクササイズの正規分布曲線

あなたが驚くことであろうと認めざるを得ません。私にとって、コレクティブエクササイズは常に効果があるものではないのです。そうです、言ってしまいました。ああすっきりしました! コレクティブエクササイズは、リハビリの世界と、おそらくそれ以上にパーソナルトレーナーの世界で、近年人気急上昇が見られたものの一つです。今では皆がバイオメカニクスと動作パターンを評価し、所見されたことに対してコレクティブエクササイズを処方しようとしています。これは素晴らしいことです。 私は、最近、パーソナルトレーナーディベロップメントセンターのJon Goodmanと、理学療法とパーソナルトレーニングがどのようにより効果的に協力できるかについての記事を共著しました。私たちこのコンセプトについて少し話し合いました。Jonは、彼が述べたいくつかの理由から、パーソナルトレーナーがアセスメントを行うことについて、どちらかと言えば反対する強固な立場をとっていました。私はこのことについてはJonほど強く思うわけでなく、私たち皆が動作パターンを見て、専門家同士でより良いコミュニケーションを取るために利用できるFMSのようなシステムが開発されたことを歓迎します。誰かのためのプログラムを個別化するためにできるあらゆることは、私にとって素晴らしいものです。しかし、注意点があります… 多くの人が語ろうとしない誰にも知られたくない秘密があります−コレクティブエクササイズはいつも機能するとは限らないのです。 これは、コレクティブエクササイズが常に機能しないことを認めるのを少し恐れているという、ほぼ「裸の王様のお話」のようになっています。もしかすると、彼らは、コレクティブエクササイズが機能しないのは彼らの技術が未熟だったり、知識が十分でなかったりと考えているかもしれません!私が、その気持ちを楽にしてあげましょう。私にとっても、コレクティブエクササイズはいつも効果があるわけではありませんし、なぜ「効果がない」のかを理解することはなぜ「効果がある」のかを理解するのと同じくらい重要なのです。 コレクティブエクササイズの正規分布曲線 コレクティブエクササイズの効能の連続体をよりわかりやすく説明するために、コレクティブエクササイズの正規分布曲線を作りました。コレクティブエクササイズの正規分布曲線によって、なぜある人達はコレクティブエクササイズに反応しないかを説明できます。正確な割合については100%確かではありませんし、これはただのモデルに過ぎませんが、少なくとも議論の出発点にはなるでしょう。 この図では、コレクティブエクササイズに対して非常に有効的に(そして多くの場合で即座に)反応する一定の割合の人たちがいることがわかります。これらの人たちは、私たち皆が手掛けたいと思うオールスターであり、即時反応群と呼びましょう。 反対に、コレクティブエクササイズに対して全く反応を示さない、一定の割合の人たちがいます。このような人たちにおいては、何かがコレクティブエクササイズが機能しないようにしているのです。おそらく、それは痛みや病状、アライメント不良、バイオメカニクス的な問題、構造的な異常、それどころか神経生理学的なことかもしれません。このような人たちには、本質的にコレクティブエクササイズ以上のことが必要です。 そしてそれ以外の人たちがその間に存在します。この人たちは、コレクティブエクササイズに反応しますが、おそらく即座の改善とはならないでしょう。このような人たちは、ある程度の時間がかかるでしょう。 コレクティブエクササイズの正規分布曲線を応用する これは理解することがとても重要なことなので、あなたがスクリーニングを行った人を分類し始めてよいでしょう。もし、あなたがまさに動作のスクリーニングを行い、コレクティブエクササイズをプログラムし、悪い動作を改善することができたパーソナルトレーナーであるならば、おめでとうございます!それは素晴らしいことで、あなたはクライアントにとって非常に良いことをし、そして、もしかしたら、将来的に私たちの医療システムのお金を節約したかもしれません。 コレクティブエクササイズに反応しない人たちに対して、ここが、私がパーソナルトレーナと理学療法士が協力することが実際に効果的であると考えるところです。ひとりで何かするよりも、協力することでより素晴らしいことができるでしょう! コレクティブエクササイズだけでは一切反応しない少ない割合の人達に対しては、徹底的な理学療法的評価が必要で、さらに、徒手療法や神経筋運動計画テクニックや、そして最終的にコレクティブエクササイズといった治療の組み合わせが必要となるでしょう。 しかしここに、仕事で関わるのにかなり素晴らしい集団がいるのです−その他の全ての人たち!この人たちは中間的な領域であり、人々が目的を達成できるように私たちが実によく協力できるのです。真ん中のグループを見てください、私は、コレクティブエクササイズは機能するかもしれないし、機能するのに時間がかかるかもしれないと言いました。この状況では、もし、理学療法士とパーソナルトレーナーがより協力すれば、多くの人々に対して本当に効果を生み出すことができるかもしれません。 徒手療法を彼らのトレーニングに組み入れるというようなことで、人々が目的をより速く達成できるように理学療法はパーソナルトレーナーと協力することできます。 私は幸運です。私のキャリアを通して、最も優れたストレングスコーチたちやパーソナルトレーナーたちと一緒に仕事をしてきており、この人達が私のすることをより良くしてくれたのです。これは非常に理想的な仕事環境で、私が常に多職種の人のグループとチームで仕事をする理由です。 実際の例 うまく説明するために、2つの例を示しましょう。誰かのスクワットのテクニックが良くないことに気づくことがあるかもしれません。コレクティブエクササイズはうまく機能していません。このような人は、理学療法士と協力して対応するのにぴったりの人です。おそらく、股関節の関節包が硬いか、股関節のアライメントがうまく揃っていないのかも知れません(ほんの2つの例ですが、複数の可能性もあります)。彼らに必要なのは、特定の徒手療法によって正しい方向性に送り出すことかもしれず、そうすれば彼らはうまくいくのかもしれないのです。 もしくは、片側だけ肩のモビリティが非常に悪い人をスクリーニングしたとしたらどうでしょう?時折の一般的な肩の痛み以外には特に多くの症状はありませんが、コレクティブエクササイズは効果がないようです。私は先週、よく一緒に仕事をするパーソナルトレーナーから実際にこのような患者を紹介されました。この特定の患者には、コレクティブエクササイズだけでは改善しない非常に特有の肩甲上腕関節包の硬さがありました。 私はこのようなことをいつもしており、トレーニングを継続しながら問題を解決するために適切な徒手療法のテクニックを用いて、数セッションかそれより少ないセッションでその人のパターンを改善させることができます。私にとって、これは楽しいことです。協力することで、人々が目的をより速く達成する手助けをするのです。 そういうわけで、次回コレクティブエクササイズの効果が出ていないと感じた時に、罪悪感を感じないでください。あなただけではありません。もし、あなたが理学療法士かパーソナルトレーナーであるのならば、それぞれの協力できるパートナーを見つけ、そしてコレクティブエクササイズの正規分布曲線を忘れないでください。

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SLAP損傷(上方関節唇損傷)はどのようにして起こるか:上方関節唇の傷害のメカニズム

SLAP損傷が起こる原因であると推測されている傷害のメカニズムは、複数あります。これらのメカニズムには、外傷性の転倒から、時間をかけての磨耗、野球選手のようなオーバーヘッドアスリートに見られる特定の傷害などがあります。 外傷性SLAP傷害 腕を外側に伸ばした状態での転倒や、自動車事故の際に自身を支えようとして、などの外傷性の出来事は、上方関節表面の圧迫が上腕骨頭の亜脱臼と重なった結果、SLAP損傷を生じることがあります。Snyderはこれを傷害のピンチングメカニズムとして言及しました。他の外傷性損傷のメカニズムには、直接的な打撃、肩先からの落下、上肢の強制的な牽引による傷害が含まれます。 正直に言うと、これが本当にSLAP損傷の根本的な原因かどうかはわかりません。私は過去にこの理論に疑問を持ったことがあり、答えはわかりませんが、少なくともある一面で、私は、これらの患者はすでに上方関節唇に何らかの症状を抱えていて、急性の損傷がMRIの撮影につながり、SLAPの断裂と診断されたのではないかと思っています。 本質的には、MRIによって古いSLAP断裂が見つかったのかもしれません。 反復的なオーバーヘッド運動 野球やその他のオーバーヘッドスポーツのような反復的なオーバーヘッド運動は、SLAP傷害を引き起こす原因であることが多い、もう一つの一般的なメカニズムです。 これは、私たちのアスリートにも最もよく見られるSLAP損傷の種類です。1985年、Dr. Andrewsが最初に、オーバーヘッドの投球を行うアスリートにおけるSLAPの病理学は、オーバーヘッド投球をする際の腕の減速期とフォロースルー期における上腕二頭筋の高い遠心性運動の結果であるという仮説を立てました。これを見極めるために、彼らは関節鏡検査評価中に上腕二頭筋に電気刺激を加え、上腕二頭筋の収縮が関節唇を関節窩の縁から引き上げることを発見しました。 BurkhartとMorganはその後、オーバーヘッドアスリートにおけるSLAP損傷を生み出す「ピールバック」メカニズムという仮説を立てました。彼らは、肩が外転と最大外旋の位置あるときに、その回旋が上腕二頭筋の付け根に捻転を生じさせ、付着部に捻転力を伝達すると提唱しています。 このメカニズムは多くの注目を集めており、複数の研究でその正確性が示されているようです。 Pradhanは、献体(遺体)モデルを用いて、投球動作の各段階における上方関節唇の歪みを測定しました。彼らは、投球の後期コッキング期に上方関節唇の歪みの増加が起きたことを指摘しています。 ASMI(アメリカスポーツ医学研究所)による別の研究では、献体モデルを使用してこれらの各メカニズムのシミュレーションを行いました。献体モデルの9組の肩の上腕二頭筋の付着部の複合体に、直線的な負荷(投球の減速期に似た負荷)またはピールバックメカニズム(オーバーヘッド投球のコッキング期に似た負荷)のいずれかを模倣した負荷を、損傷に至るまでかけました。結果は、直線的荷重のグループでは、8体中7体が上腕二頭筋腱の中間位で損傷し、8体中1体が関節上結節で骨折していました。しかし、ピールバックのグループでは、8体全てがII型SLAP損傷を起こしていました。2つの荷重法を比較したとき、上腕二頭筋付着部の極限強度には有意な差がありました。上腕二頭筋付着部は、ピールバック荷重メカニズムで観察された極限強度(202N)と対比して、直線的荷重で有意に高い極限強度(508N)を示しました。 以下に研究の写真を見ることができます。1枚目の写真は、正常な関節窩とそこに付着する上腕二頭筋の長頭です。2枚目の写真は、上腕二頭筋の牽引と遠心性収縮のシミュレーションです。最後の写真はピールバック損傷のシミュレーションです。最後の写真は、ピールバック損傷のシミュレーションです。 理論的には、SLAP損傷は、先に説明したこれら2つの力によりオーバーヘッドアスリートに最も起きやすいものです。減速期の上腕二頭筋の遠心性運動は、上腕二頭筋-関節唇複合体を弱める可能性がある一方で、ねじれのあるピールバック力は、関節唇付着部の後方上方剥離につながる可能性があります。

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肩関節の関節唇上部損傷の臨床検査:SLAP(上方関節唇の前方から後方にかけての)損傷に特化した最適なテストは何か?

SLAP損傷に特化した最適なテストは何でしょうか? 選択肢はたくさんあり、その有効性もさまざまですが、SLAP損傷の種類や傷害機序についての理解が適切でなければ、SLAP損傷に特化したテストを選択するのは難しいでしょう。 覚えておきたいのは、関節唇上部は、肩関節の関節唇の一部分ですから、SLAP損傷とは肩関節の関節唇損傷のひとつの分類にしか過ぎないということです。 既存する病理にも共通した症状があるかもしれないために、臨床検査でSLAP損傷を検知することはしばしば困難となります。Andrewsは、上部の関節唇の病変を有する患者の45%(および野球投手の73%)が、回旋腱板の棘上筋に部分断裂と肥厚を併発していることを示しました。 MileskiとSnyderは、SLAP損傷のある患者の29%が回旋腱板の部分断裂と肥厚、11%が回旋腱板の完全断裂、22%が肩甲骨関節窩のバンカート病変を示したと報告しました。 関節唇の病理が、一般的にオーバーヘッド運動など反復運動による酷使に起因するものである一方で、患者は腕を伸ばしたままの転倒や、急激に牽引されるような事故、または肩への打撃など単一の外傷を訴えてくる可能性もあることを臨床家は覚えておく必要があります。これらを区別しておくことは、実行すべきテストを選択するとき非常に重要となります。 関節唇の病理を見つけ出すのに役に立つテストとして、これまでにたくさんの有用かもしれない方法が紹介されてきました。それらのいくつかをここで確認しましょう。 SLAP損傷を特定するテスト 肩のSLAP損傷には、実際、数十もの特殊なテストが存在します。最もよく使われているSLAPテストのいくつかをご紹介します。 アクティブ・コンプレッション・テスト アクティブ・コンプレッション・テストは、関節唇の病変と肩鎖関節の損傷を評価するために使われます。これは、特に整形外科において最も一般的に行われるテストかもしれません。その理由は私にはよくわかりません。私はこれが最適なテストだとは思わないのです。 肩を約90度挙上し、身体の正中線を横切って30度水平内転させます。抵抗を加え、等尺性収縮を行い、その位置を保持し、このポジションで肩の完全内旋と完全外旋の両方を行います(その過程において関節窩に対して上腕骨の回旋を変化させます)。 このテストで肩を内旋、前腕を回内(母指が床を向いている)して検査を行ったときに痛みが誘発されれば、関節唇の関与は陽性となります。症状は通常、テストを外旋位で行うと減少するか、痛みが肩鎖関節(AC)に限局されます。 O’Brienらは、この検査方法が関節唇の病理の存在を評価するとし、感度100%、特異性95%であることを認めました。これらの結果は、極めて優れているとは言え、少々度を超えているようにも見えます。このテストで痛みが誘発されるのは、一般的であり、結果の妥当性に疑問を持ちます。私の経験では、その肩関節痛に深部痛や放散痛があるかどうかが、SLAP病変の存在を最もよく示していると思います。AC関節または回旋腱板の後部に限局する痛みは、SLAP病変の特異性ではありません。肩の後部の症状は、肩がこの位置になることによって回旋腱板の筋組織へ緊張が誘発されることを示しています。 このテストの難しいところは、回旋腱板に不利なこのポジションで過負荷をかけることで多くの患者に症状が現れるということです。 感度:47-100%、特異度:31-99%、陽性的中率(PPV):10-94%、陰性的中率(NPV):45-100%(文献によってばらつきが大きい)上腕二頭筋の負荷テスト 上腕二頭筋の負荷テストでは、肩を90度外転し、完全に外旋させておきます。最大限の外旋位で前腕は回外位にし、患者は抵抗に対して上腕二頭筋を収縮します。この収縮中に肩に深い痛みが出れば、SLAP病変を示唆します。 このテストの原作者は、これをさらに改良し、パートIIとして上腕二頭筋の負荷テストの方法を解説しました。検査の技法は似ていますが、オリジナルでは90度であった外転が、今回は120度の外転となっています。上腕二頭筋負荷テスト・パートIIは、以前のものよりも感度が高いことが記されています。私はどちらのテストも好きで、通常両方を行なっています。 上腕二頭筋の負荷テスト・パートIでは、感度:91%、特異性:97%、陽性予測値(PPV):83%、陰性的中率(NPV):98%。上腕二頭筋の負荷テスト・パートIIでは、感度:90%、特異性:97%、陽性予測値(PPV):92%、陰性的中率(NPV):96%コンプレッション・ローテーション・テスト コンプレッション・ローテーション・テストは、患者を仰臥位にして実施します。関節唇を捕らえるように上腕骨を受動的に繰り返し回旋させつつ、上腕骨の長軸に沿って手動で肩関節に圧を加えます。関節窩と上腕骨頭の間で関節唇を挟み込もうとする試みであり、関節に圧を加えながら小さい円や大きい円を描きながらこの操作を行います。 さらに、検者は、前上方に力を提供しながら腕を水平での外転位にすることによって、関節唇の前上部の病変を検出することができます。反対に、検者が、腕を水平での内転位にすることによって同じテストで後上方にも力を提供することができます。このテストは、裂けた関節唇を関節内で“探してみる”操作だと思っています。ある意味、私にとっては、当てずっぽうな操作です。 感度:24%、特異性:76%、陽性的中率(PPV):90%、陰性的中率(NPV):9%ダイナミック・スピード・テスト SLAP病変の症例において、スピード・バイセプト・テンション・テストは、痛みを正確に再現することがわかっています。個人的にはこれが真実であるとあまり目撃していません。 肘を伸ばして前腕を回外した状態で肩を前方に90度挙上し、さらに、腕に下方への圧を加え抵抗してもらうことで実行されます。臨床的には、SLAP病変の新しい検査も行います。 Kevin Wilkと私は、伝統的なスピード・テストのバリエーションテストを開発しました。私達は、これを“ダイナミック・スピード・テスト”と呼んでいます(このネーミングを思いついたのは私ですが、いかがでしょうか?)。この操作中、検者は、患者が腕を頭上に挙上する際、肩の挙上に対してと肘の屈曲に対して共に抵抗を加えます。このテストが関節唇の病理に対して陽性である場合、通常、肩が90度以上挙上してから肩に深部痛が発生します。 SLAP病変を検出するには、この検査方法の方が、伝統的な静的に行うスピード・テストより感度が高いことが事例的に発見されています。特にオーバーヘッド運動をする選手において。私にとって、ある程度高く腕が挙上しないと症状が現れないように思われるため、伝統的なスピード・テストの感度は低下するというわけです。 Speedのテストの感度:90%、特異性:14%、陽性的中率(PPV):23%、陰性的中率(NPV):83%クランク(Clunk)テストとクランク(Crank)テスト クランク(Clunk)テストは、患者を仰臥位にして行います。検者は、片方の手を肩関節の後面に置き、もう一方の手で肘の上腕骨の両顆をつかみます。検者の近位手で、上腕骨頭を前方へスライドさせると同時に、肘を握っている手で上腕骨を外旋させます。このテストのメカニズムは、膝の半月板のためのマクマレー・テストのメカニズムに似ていて、検者が関節窩と上腕骨頭の間に裂けた関節唇を挟もうとします。テストが陽性であれば、カックンと音がするか、または擦れ合う音がし関節唇の断裂を示唆します。 クランク(Crunk)テストは、患者を座位または仰臥位にして行います。肩を肩甲骨面で160度挙上させます。次に、この位置で検者が上腕骨の長軸方向に圧を加えながら、上腕骨を内旋および外旋します。陽性の場合、通常、外旋により痛みを誘発します。この操作中に、症状を伴うクリック音や摩擦音も誘発する場合もあります。私にとって、これらのテストは、どのテストよりもタイプIIIまたはタイプIVのSLAP病変であるバケツ柄状断裂を見つけるのにうまくいくようです。 感度:39-91%、特異性:56-93%、陽性的中率(PPV):41-94%、陰性的中率(NPV):29-90%SLAP病変に特化した2つの(比較的)新しいテスト これまで説明されてきた従来のSLAPテストに加えて、最近広く使用されるようになった2つの追加的テストがあります。 これら2つのテストを行なっているビデオを皆さんと共有したいと思います。これらは実際、数年前のJOSPTで私が書いた論文に掲載されていましたが、少し修正して共有したいと思います。これらの2つのテストはどちらも、ピールバックによるSLAP病変の検出に優れています。特にオーバーヘッドスローを行うアスリートにおいてですが、そうでない人たちにも適用します。どれが“ベスト”なテストなのか、多くの混乱があることを承知しているからこそ、これら2つのテストを皆さんに見てもらいたいと思います。ベストかどうかは分かりませんが、私の知る限りでは、両方とも非常に役に立っており、さらに重要なことに、それらは正確であるということです。

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