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脳、動作、痛み!(セクション II・パート2/3)

顧客/患者の動作を理解するために、様々な感覚経路がどのように私たちの動作の遂行に影響しているかも理解しなければなりません。 この区分には、固有受容と共に、小脳内での感覚一致において主要な役割を果たす視覚系と前庭系も含まれる必要があります。感覚不一致の影響については、後ほどブログ内で考察します。臭覚や聴覚を含む感覚全てが、私たちの周辺世界の描写形成を手助けすると共に、動作にも影響を与えるでしょう。 感覚系は、たびたび他の発信元からの情報にバイアスをかける視覚系と共に、重要度の階層を示します。要するに、影響を及ぼしている組織のストレッチや強化モデルは、感覚系階層内の高次機能不全に直面して、余剰になっているかもしれないということを意味しています。例えば硬い胸筋などをストレッチすることは、効果の無い事かもしれません。マッサージ、穿刺、リリース、手技等も同様です。眼性の不均衡によって支配されている筋肉の姿勢状態/位置は、修正されるまで長期間にわたり優先することでしょう。姿勢制御の最大70%は目からの情報に基づき、動作パターンと視覚情報は、脳内で統合されます。 このような状況は、骨、関節、もしくは筋肉の動きなどの‘局所’レベルで制御されているわけではありません。顕著な姿勢を維持するために、局所レベルで筋肉に影響を与えている予期的な小脳活動は、高次レベルで感覚的要因を対処することなく克服するには、強すぎるのかもしれません。 視野や利き目に影響を及ぼす眼性の脆弱性と制御の欠如は、直接的に私たちの運動能力を制限します。脳は、視力の弱い目もしくは、利き目と反対の目からの情報を抑制し(近視でない限り)、視野狭窄と主要な頭部、体位、動作パターンの制限により、視力の強い目に適合させようとします。この抑制は、それぞれの目から入ってくるイメージが一致しない時、例えば、片目がぼやけているときにも起こりえ、脳はそこからの情報を抑制することを選択する可能性があります。筋肉レベルの変化では、目によって統制されている脳内での姿勢の運動プログラムは変化しないでしょう。長期間に及ぶ局所治療(筋肉レベル)に反応しない姿勢の問題に対してのアプローチを、変更していく必要性があるのかもしれません。そして、これは、システム内の感覚性不一致をも引き起こす可能性があります。感覚性不一致に関しては、後のブログで考察します。 いわゆる固有受容トレーニングのほとんどは、実に視覚、前庭、固有受容器によるものであり、私達はバランスと安定性を得るために、恐らく視覚系と前庭系を使用しています。しかしながら、私達が動作機能不全、もしくは‘安定性’を見るとき、視覚系と前庭系を見ない傾向にあります。 運動パターンに基づき、脳によって制御されている筋肉の長さと力に関して、どの感覚系もすべて、私達の運動電位に影響を及ぼします。 にも関わらず、私達の評価と治療は、動作と痛みにおける脳の役割であるパターン呼び出し、知覚、予測モデルを考慮していない、非機能的姿勢(腹臥位)での局所的で不自然な筋活動に重点的に取り組んでいます。 神経可塑性 実際、時間の経過と共に、感覚情報は、私達の動き方を変えることができます。脳に関して普及していた理解のように、残存している生理学的セットではなく、物理学的構造と機能的組織の両方に関して、脳は可塑的で変わりやすい領域なのです。 私たちが新しいことを学習・経験をすると、脳は、新しい身体的技能、もしくは身体的ではないもの、例えば新しい言語の習得に関連した、新しい神経連絡を作ることができ、既存の神経連絡を強化することができます。 これは、このブログの最初のパートに記載した“同時に発火するニューロンは、ともに結ばれている”という原理に付随しています。新しいパターンに関連しているニューロンは、可塑的に脳の機能的組織を変化させている連結を強化します。 また、これは私達が“使わなければ消失する”、もしくは“別々に発火するニューロンは、別々に結びつく”という神経学的原理を理解する手助けをしています。 単純に、私たちが使用しない連結、もしくはパターンは、損なわれ、失われていきます。しばらく行っていない技能を行おうとするとき、定期的に練習していた時と同様に行えなくなるのはそのためです。 ”神経伝達物質の放出に不活性な軸索分岐が後退する一方で、より活動的な軸索分岐は、特定の神経筋部位で生存し、多ニューロン神経支配の標準的な排除を引き起こしています。” ~Jackie Yuanyaun Hauおよびその他 簡潔にまとめると、不活性な軸索分岐は死に絶え、活動的な軸索分岐は生存し、より強く成長します。このように、私達はニューロンの能力を効率性、そして生存潜在力と潜在性能増大のために洗練しています。この過程は、私達の日々の行動によって調節されています。 これは、動作と姿勢に大きな影響を与えています。私達が身体のある特定の動作をしなければ、将来、その動作をすることが苦手になるでしょう。これらの動作で神経連結と関連するパターンは衰え、より強いパターンに取って代わられます。 その良い例は、偏平足でしょう。足のアーチを作り出す運動パターンに関連しているニューロンは、通常の足のアーチを作り出すほど強く結びついておらず、この反応を作り出すために同時に発火するニューロンも持っていません。このケースの場合、動かなければ失ってしまうのです! この特定のソフトウェアもしくは、運動プログラムを稼働させるために必要な神経ハードウェアは、本来あるべき強さを持っていません。ハードウェアのアップデートをすること無しに、ただ単にそのハードウェアにソフトウェア/運動パターンを適用することは、その動作が、あなたの要求するような円滑な作動をしてくれないことを意味しているかもしれません。シンプルなフィードバックに基づいたエクササイズや手技では、神経可塑的変化を作り出すことに関連しているハードウェア問題に対処することにはならないかもしれません。 実際、 ただ感覚フィードバックのみが含まれるのではなく、経験についての学習が関連する場合、 皮質変化はより強くなることが証明されています。皮質再現は、感覚運動技能を新しく習得した1~2日間以内に、2~3倍に増加する能力を持っています(Merzenich and Blake 2002-2006)。 ハードウェアの変化の過程は、潜在的に行われるエクササイズ、ストレッチ、実践的技術より、はるかに集中的、認知的、直接的なアプローチかもしれません。慢性的な姿勢や動パターンを変化させることは、認知的レベルの関与を必要とする挑戦的な過程かもしれません。顕著なパターンを解消するためには、逆戻りしないように充分な気づきを持つ必要があります。

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脳、動作、痛み!(セクション II・パート1/3)

このシリーズのセクション1では、パターンと、蓄積された記憶からの反応を呼び出すため、もしくは自動関連するために、どのように脳が情報のパターンを認識するのかをみてみました。 下記が私たちのモデルです: パターン 知覚 予測 このセクション2では、知覚と感覚情報を送るシステム、そしてそれらがどのように処理されるのかを見ていきます。蓄積されたパターンと脳に流れ込んでいく神経パターンを比較することにより、私たちは、蓄積されたパターンの実行により起こりえる結果を予測することができます。小脳は、この過程において重要です。小脳の大きな役割の一つは、感覚を蓄積されたパターンと一致させることで、関連する運動プログラムを遂行、調節する手助けをします。知覚は、蓄積されたパターンと現在起きている実際の状況とを比較する手助けをしています。 知覚情報は、筋肉の長さと張力、関節の位置、圧力、振動、温度、痛みの信号を含んでいます。私たちはまた、視覚系や前庭器官系からも知覚情報を受け取ります。 私たちはそれらを、情報ではなく知覚と呼びます。なぜなら私たちがこの情報を感知する方法は、人それぞれに異なるからです。実際、同じ人がこの情報を毎時間違うように感知することもありえます。疲労感があるときや神経質になるときに痛みを引き起こすかもしれない信号は、静養し体力が増しているときには、あなたを悩ますことは無いかもしれません。ブログのパート1で最初に考察したように、これはこの情報が中枢的に処理され、‘神経基質’によって調節されるからなのです。私たちの活力レベル、ストレスレベル、健康状態、情動状態が、この調節に影響を与えます。ありとあらゆるものが、情報の中枢処理に影響を与えるでしょう。 私たちの感覚経路は、再帰的である、つまり、脳の高次中心が、入力される感覚情報を修正し形成しています。私たちの世界に対する知覚は、外面的にも内面的にも私たち自身によって形成されています。それは、私たちが解釈する情報が、私たちの政治的、道徳的信念によって形成されることとほぼ同様です。二人の人間が、彼らの内面的な調節に基づいて、同じ情報を違うように解釈する可能性があります。知覚は、我々の周囲の世界の直接的記録ではなく、主観的解釈なのです。ドイツ人哲学者のカントは、これらの脳の特性を‘演繹的な’知識と称しました。 ”脳は、実在の現実にではなく、認識したものに反応する” ~Moseley & Flor 2012年 私たちの身体からの主な感覚情報の発信源は、脊髄から小脳や大脳皮質に向かって上方に流れる上行性体性感覚経路です。 私達は、脳の意識領域と潜在意識領域に情報を伝達する信号を持っています。高次感覚皮質は、掻く必要のある痒みや痛みといった、留意すべき意識的情報を受信します(島皮質と帯状皮質にも投射される)。 小脳は、意識的な思考を必要とすることなく、私たちが効果的に動くことを可能にする潜在意識の情報を受信します。 これら身体からの感覚経路には、下記を含みます: 脊髄後索・内側毛帯路(DCML)は、触覚のように身体から視床を介して、感覚皮質に到達する意識的な固有感覚情報を伝達します。  脊髄小脳路の4区分は、潜在意識の固有感覚情報を、身体から小脳に伝達します。 前外側脊髄視床路は、温度と痛みの情報を視床に伝達し、そこからより上方の様々な皮質領域に伝達します。 小脳 小脳は、脳全体の10%しか占めていませんが、ニューロン全体の50%以上を含んでいる驚くべき領域です。この事実のみからも、その重要性が伝えられます。 小脳は、結果の予測を作り出し、そして、この情報を脳幹と運動皮質に中継する手助けをするために、意図する動作もしくは、パターンを感覚情報と一致させます。このような方法で、感覚系を介してパターンの変化に反応することができ、脳内のパターン、知覚、予測のモデルにとって必要不可欠なのです。 小脳は、意図する動作を繰り返す内在的フィードバック情報と、実際の動作を繰り返す外的フィードバック情報を比較します。絶えず様々な感覚を統合し、それらを蓄積したパターンと比較し、私たちが目的を遂行するために調整する手助けをしています。小脳は、協調的な運動調節の遂行中、その計画と修正の両面において重要です。小脳は、私たちの動作を比較し、そして、多くの蓄積したパターンに適応させることを可能にしている大脳皮質の高次脳機構と(視床を介して)コミュニケーションを取っています。皮質と小脳の間の、この不変の感覚と運動の情報の環が、私たちの動作の達成には重要なのです。 小脳は、3つの機能的区分に分けられます: 前庭小脳 -バランスと眼球運動を調節します。 前庭小脳は、視覚野と前庭神経核から情報を受信します。 前庭動眼反射のような重要な反射をサポートしています。前庭動眼反射は、頭部の動きによって誘発される代償性眼球運動を特徴としています。通常、頭部は常に体の動きに沿って動くため、この反射は特に重要です。 脊髄小脳-身体と四肢運動 脊髄小脳は、脊髄を介して、主に体性感覚受容体から情報を受信します。 小脳は、動作を調節するためのフィードフォワード運動制御を提供するために、パターンを習得します。この予測能力が、(感覚フィードバックが発生する前でさえも)円滑で正確な動作の発生を可能にしているのです。これは、私たちが動作の語彙を形成する際に、動作パターンに割り当てられた習得行動であり、瞬間的なフィードバックではなく、以前の感覚フィードバックに基づいているに違いありません。 大脳小脳 -動作計画 大脳小脳は、橋の橋核を介して、大脳皮質から情報を受信します。 大脳小脳は、動作計画に取り組み、皮質性動作パターンを調節する高水準の内部フィードバック回路に関わっています。

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脳、動作、痛み!(セクション I・パート2/2)

私たちは発達するにつれて、動作の語彙を身につけていきます。私が生後15か月の息子にボールを投げた場合、ボールはただ息子に当たって跳ね返るだけです(当然のことのように)。彼はまだ、接近してくるボールを認識することに関わる神経パターン、ボールをキャッチするという概念、もしくはこの技能を遂行するための関連した運動パターンを発達させてはいないのです。 彼がこれを身につけるにつれて、意識的な思考を必要とせずに空中にあるボールを難なく掴み取ることができるまで、彼はボールをキャッチする技能に磨きをかけるでしょう。私たちが、すべての運動能力を身につけ遂行するのは、このような方法なのです。スキルを以前に蓄積された記憶と自動的に関連させ、反復を通して、磨きをかけていきます。 ミラーニューロンは、特に若年層が新しいパターンを習得するのに重要です。私たちは、頻繁に両親や周囲の人たちの模倣を通して学習します。これには、私たちがどのように動作を指導するかということに莫大な影響があると感じています。 実際に、私たちが神経回路を使えば使うほど、ミエリンと呼ばれる白質(脂質とタンパク質の混合物)が、関連しているニューロンを繋ぐ軸索を包み込んでいきます。これにより軸索は絶縁され、絶縁されていない繊維よりもかなり速い(100倍の速さ)インパルスの移動を可能にしています。増大した信号速度と相まって、不応時間(信号間の待機時間)の減少も見られます。そうして、実践や補強に直面し特定の技能においての脳の能力は高まります。私たちは、これを提案されている専門技術における10000時間の法則にみることができます。 このようにして、これらのパターンは文字通り私たちの脳に刻み込まれるようになります。この良い例は、スポーツマンの反応時間を調査したいくつかのシンプルな研究です。ある事例では、ある卓球チームの中で最も優れている選手の反応が、卓球の技能とは異なる反応をテストした際に、他のどの選手やマネージャーと比較しても群を抜いて最低でした。しかし、彼が持っていたものは、より多くの経験であり、これは、彼がより良い蓄積・精錬されたパターンを持っていたということを意味しています。彼のボールへの反応はあまり良くありませんでしたが、動作語彙は大きく、何度もボールのパターンを認識していて、どこにラケットを置くべきか、どの運動パターンを呼び出すべきかを、周囲の他の選手達よりも速く知っていました。スポーツにおいて、反応時間は微小でありえるため、反応や計算ではなく、パターン認識と呼び出しが、成功へのカギなのでしょうか? ホーキンスは、過程を表現しました: 新皮質は、一連のパターンを蓄積します 新皮質は、自動関連的にパターンを呼びだします 新皮質は、不変方式でパターンを蓄積します では、不変性とは何でしょうか?コンピューター内では、100%の正確性、完璧な忠実性をみることができます。コンピューターは、決まったパターンを認識し、その方法で記憶します。実際、相違はコンピューター内で深刻な問題を引き起こします。1バイトの破損や誤配置は、デジタル領域に大損害を与える可能性があります。 私たちの世界は、変化によって取り囲まれていて、例えば照明のように、絶え間なく変わる状況の中で常に同じ面をみています。数々の実験が、この状況下でのコンピューターの苦闘を示しています。コンピューターにとって画素の変化は、コンピューターが、変化と記憶されたパターンを関連させることに苦闘するであろうことを意味するでしょう。つまり、セレンディピティが都合よく役割を果たすのであれば、あなたはバーで出会った素敵な女性を、路上で認識することは決してないでしょう。 違う状況下やわずかな変化がある場合にも、テニスボール、フットボール、もしくは靴下を丸めてボールのようにしたものを投げられれば、同じ記憶されたキャッチパターンを使用しなければなりません。物質的な状況や物体は変化しますが、ボールとキャッチの概念と不変表現は安定しているのです。 卓球についても同様です。角度、軌道、速度、回転のすべてが異なるかもしれませんが、私たちは運動パターンの呼び出しを通してボールを打ち返します。ボールの動きの変化に関して、ただ僅かに異なるだけなのです。 詳細から独立して、重要な関係やパターンを記憶する能力は、極めて重要です。あなたが友人を見る時、自分のいる場所の照明や環境に関わらず、同様のニューロンパターンが大脳皮質の視覚野で発火するでしょう。 私たちの動作は、脳に特定のパターンを供給する領域の一つです。それと同時に、私たちの動作は、“神経基質”の他の多くの部分によって影響を受けた脳内に保持するパターンによる影響を受けます。私の慎ましい意見では、実際の生体力学的レベルでの骨運動は、この骨運動が、一致させるために、そして中枢神経のレベルにおいての予測を作り出すために作る求心性組織からの神経フィードバックパターンと比較すると、あまり重要ではありません。より重要なのは、脳が遠心的に組織の運動を制限する理由、そして、この制限が起こるきっかけとなり得る、生体力学的あるいは非生体力学的なパターン(例えば、視覚、前庭、もしくは以前の痛み)、及び保護的予測を見つけ出すための評価なのです。 実践レベルでは、これら全ては何を意味しているのでしょうか?あなたが脳と身体の特定パターンへの反応を評価したいのであれば、何らかの方法で、関係している自動関連パターンに繰り入れなければなりません。動作レベルでは、特定動作の相互作用、おそらく本物の痛みに関係するニューロンの誘発を引き起こす動作パターンがあります。不変表現を考慮しても、何がパターンに自動関連するかに接近することによってのみ反応を評価することができる、というのが私の見解です。 例えば、ベッド上で行われる動作評価は、神経“特徴”の特定の認知のない動作状況への脳の予測、もしくはフィードバック機構から必須とされるパターンを評価することを可能にしているでしょうか?重力の関わりのない環境での前庭器官や固有感覚器官からの削減された情報は、パターンを変えてしまう可能性が高いかもしれません。パターンが変化したために、痛みは減少するかもしれませんが、元のパターンを取り扱うことで、痛みは戻ってくるでしょう。これは、痛みを一時的に緩和する従来のベッド上での治療において、私たちが多く目にすることです。痛みのパターンや特徴は、例えば、事前運動計画のより高いところで推進されたか、もしくは小脳で統合される脊髄より上方の系統の感覚不一致なのでしょうか?私たちは、これらを骨、関節、軟部組織の受動的運動と同様に評価しているのでしょうか? 神経パターンを理解することは、技能状況と、成功し一貫性のある反応への不変的関連性の観点から、動作技能がなぜこれほどまでに、完璧にするために数えきれないほどの反復を繰り返す必要のある、極めて特有な過程なのかを理解するのに役立ちます。 セクションIIでは、記憶パターンを、何が起こるかという実際の予測に変換するのを助けるために、知覚と、どのように脳が固有感覚器官、視覚、および前庭器官を含む体性感覚系からのフィードバックを使用するのかをみてみたいと思います。加えて、このフィードバックが、中枢神経過敏のような問題のある場合、どのように中枢神経的に処理されるのか、神経可塑性を通して配線を替えるために、および私たちの感じ方と後に続く運動制御および動作を変えるために、どのように痛みが感覚皮質と運動皮質に影響を与えるのかをみてみたいと思います。

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脳、動作、痛み!(セクション I・パート1/2)

動作や痛みにおける脳とその役割は、私たちがコーキネティックで仕事をするにあたり、大きな役割を占めています。機械的なレベルでの脳へのフィードバックとして、ただ身体をみるのみではなく、私たちが行うこと全てにおいての、脳の能動的役割を理解し始めています。 このブログのシリーズでは、コーキネティックにおいて、概念のレベルで私たちがどのように脳の機能を理解しているかに関しての洞察を少しお伝えしたいと思います。これは学術論文や、科学的根拠に基づいた研究ではないということを強調しておかなければなりません。これは全体的なレベルと私たちの見解において、脳がどのように機能するかに関するパラダイムのようなものといえるでしょう。 脳のこのモデルと、脳がパターンを記憶し、呼び出し、フィードバックと一致させ、最終的に結果を予測する方法が、私たちが行うことの基礎を形成します。これが私たちの評価、テクニック、運動指導を導くのです。実際、特に痛みの場合において、予測は常に私たちが望むもの、もしくは期待するものではないかもしれません。それは、神経パターンの予想、もしくは意図が、質の悪い動作や、身体からの必要な、いかなるフィードバックを持たない痛みを基にした予測の要因となり得ます。 下記のモデルの概要を説明します: パターン 知覚 予測 パターン どのように脳が機能するかということの背後にある基本概念のひとつは、脳はパターン認識装置であるということです。脳は、自動的に脳内に蓄積した神経パターンと外界との接触中に脳が絶えず経験しているパターンを結び付けます。これらの神経パターンは、 私たちが特定の物を見たり、特定の動きをしたり、感情を感じるときに発火するニューロンの集積です。これらの神経パターンは、私達の経験したことに基づいて、私たちは誰なのか、何をするのかの基礎を形成します。これらの蓄積されたパターンが、私たちに無意識に日常の課題を行うことを可能にし、普通と異なる今までにない新しいパターンに遭遇したときに、注目することを可能にしたり、期待された経験が大脳皮質階層を伝わっていくことを可能にしています。これらの新しいパターンは、例えば新しい技能(記憶されていないパターン)を習得しようと試みようとする際に、落胆に終わることもありえます。 実際に、私たちは反応としてではなく、感覚事象の予側で興奮するパターンを持っているのかもしれません。これは忠実に予測の定義であり、後のブログで考察しますが、疼痛反応に大きく関連しているかもしれません。 これらのニューロンの集積が同時に発火することにより、シナプス結合はより強くなります。有名な神経科学の引用文には、“同時に発火するニューロンは、ともに結ばれている”と書かれています。この概念は、カナダ人神経心理学者ドナルド・ヘッブにちなんで名付けられたヘビアン理論に由来しています。これらのニューロンは、動作ベース、視覚ベース、もしくは味覚、嗅覚など、ありとあらゆるものです。実際に、これら感覚要素全ては、ニューロンの“特徴”を作り出すために、同時に発火するかもしれません。ロナルド・メルザックは、空間分布と生涯にわたる感覚入力によって神経可塑的に成形されたシナプス結合を表現するために、“神経基質”という言葉を造り出しました。メルザックは、特定の“神経基質”を流れるすべての神経インパルスパターンに与えられた“神経特徴”について語っています。 私たちはより小さな神経“特徴”、もしくは動作、スピーチのような特定の事象に対してのパターンも持っています。ロリマー・モーズリーは、これらのパターンを神経タグ”として表現しています。多くのニューロンは、1つ以上のパターン、あるいは“タグ”と関連しています。“神経タグ“を構成する細胞が、疼痛反応とも関連しているとすれば、これらの構成細胞は、他の”神経タグ“への反応として発火し、そしてこれにより、他のパターンや”タグ“においても疼痛反応を引き起こすことがありえます。モーズリーの専門のひとつは、腰痛です。彼の概念(もしくは私の解釈では)は、腰痛に関連するニューロンは、腰痛について考える時にも関連しているかもしれないことから、動作ではなく、腰痛に関する思考、もしくは腰に関する思考でさえも痛みを引き起こすのです。私たちは、また、動作パターンの視覚化も実際の動作のように、脳内で同じ神経パターンの発火を引き起こすことも知っていることから、神経レベルにおいての相互関係性を見始めることができます。 これらの神経“特徴”もしくはパターンは、本来、感情的で行動的であるということかもしれません。否定的思考でさえ1つのパターンであり、これが、感情と関わる際、もしくは解釈をする際に、脳が使用する主要なパターンである場合、問題となります。これにより、私たちがなぜ感情を保ち続けたりするのか、先入観のような観点を保持するのかを説明することができるかもしれません。 ジェフ・ホーキンスは、彼の著書“考える脳・考えるコンピューター”の中で、脳、特に大脳皮質、もしくはホーキンスが表現するところの“新”皮質においてのパターンの自動関連性に関して記述しています。ニューロンは、実際にトランジスタと比較すると、かなり遅く、毎秒200回の演算は、コンピューターの行う毎秒10億回の演算よりむしろ遅いかもしれません。 コンピューターは、CPUの先駆者であるチューリングマシーンを設計した偉大なイギリス人数学者アラン・チューリングによって設定された、絶え間ない演算の実行により稼働しています。私のお気に入りの本の一つである、“クリプトノミコン”の中で、ニール・スティーヴンスンは、深く熟考しています。私たちが、すべての変数を常に演算するとすれば、私達が課題を遂行するためには、数百万回の演算が必要となるかもしれません。そうではなく、脳は課題を遂行するために、何年にもわたる実践によって作られた記憶から蓄積されたパターンを、自動的に関連付けることができます。このパターンの進化は、無数の繰り返しを通して、良くも悪くもなりえます。実際、私達は、世界が常に私たちに向かって投げかける膨大な量の変数に対応するために保持している、蓄積されたパターンから、その微細な変化に対応するために、不変表現と呼ばれるもう一つの構造を持っています。 (パート2/2はこちらへ)

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臨床検査から機能的なパフォーマンスについて多くを知ることはできるのか? トーマステスト

私たちのコースでよく持ち上がる議題の一つに、より静的な臨床テストが毎日の動的な機能的な動きに対し、どれ程の関連性があるのだろうかというものがあります。私たちは、このブログでこの議題を取り上げることにしました。 これは基本的に、臨床的なモデルと機能的なモデルの比較です。かつてコースの参加者のひとりに、従来のテスト、特にトーマステストは、どのように人が動くのかについて必要なことをすべて教えてくれると言った人もいます。明らかにこれは逸話的なコメントではありますが、ここでの疑問は、これを支持するような科学的見解はあるのだろうかということです。 人々が診察台を離れた時、どれほどよく動くことができるのかを知りたいのであれば、“私たちはまだトーマステストを使い続けるべきなのか?”という問いかけに対する答えは、おそらく“いいえ”でしょう。スケッチ及びその他は、イギリスのスポーツ医学のジャーナルにおいて、2009年に関連性のある研究を行いました。それは“ランニング中の骨盤前傾の、股関節伸展の臨床的、運動学的測定に対する関係性”を観察したものでした。 彼らの目的は: ”ランニング中の骨盤の前傾、及びランニング中に測定された股関節伸展の最高可動域と臨床的に測定された股関節伸展の柔軟性に対する関係性を評価すること”でした。” 彼らは股関節の伸展を臨床的に測定する為に、広く使われている修正版のトーマステストを用い、動的な測定には、動作分析のソフトウェアが使用されました。 研究を行ったチームによる結論は: “トーマステストを使用して測定した静的な股関節伸展の柔軟性は、動的な動き(ランニング)に反映されない。それゆえ、ランニング中の骨盤や股関節の矢状面における動きのパターンに関して、測定を行うクリニシャンがトーマステストの結果を解釈できる能力には、制限があるであろう。”というものでした。 さらに彼らは: “この研究及び、その他の研究の発見の結果として、クリニシャンは、トーマステストの結果を基に、矢状面での動的な骨盤や股関節の動きの予測をすることに対して充分に注意深くある必要がある。”と付け加えています。 この研究論文は、股関節の静的測定と動的測定の相関関係はきわめて低く、動的な測定を確実にするための静的な測定の使用は”予測”にしかすぎないと強調しています。 動的に、機能的に何が起こるのかは、単純に治療台の上で起こるこの反映ではありません。人々はよく「自分にとっては使えるから」とか、「誰それがこれを使っていたから私も使います」と言ったりますが、より科学的な根拠が存在する中、これらは十分な理由と言えるのでしょうか? 違うのではないでしょうか。 ただ単に、現在何かを行っているから、又は、臨床テストの方法を教わったからということだけでは、機能的にふさわしい他の検査方法を試してみるべきではないということにはならないでしょう。 更に科学的根拠を見てみましょう。マックギルとモレサイドは、2013年のストレングス&コンディショニングジャーナルの“股関節の柔軟性の向上は、機能的な動きのパターンにおける可動性に置き換えられない”という彼らの論文の中で、股関節における受動的可動域の向上の、機能的動作パターンへの置き換えの可能性を取り上げています。 彼らは: ”これらの結果は、受動的可動域における変化やコアの持久力における変化が、自動的に機能的動作パターンの変化に反映されることはない、と示している“と結論づけています。” 静的、受動的な臨床テストのみではなく、受動的なエクササイズやストレッチも、動的な股関節の可動域の向上とは相関関係が無いようです。どちらも世界中のクリニックで一般的に使用されているものですが、動きの評価や、動きの変化に関しての影響は、あまりないようです。私たちは、正しい答えを引き出すための正しい問いかけををすることができているのでしょうか? 両方の研究において、静的から動的な状況への少ない相関関係しか示されていない一つの理由は、それらが異なる動作パターンだからです。私たちは時として、局部構造(骨や組織)を基盤として動きを見ます。特定の動きは、特定された動きであり、局部組織の長さや構造上的な方向性によって規制されているというよりも、むしろ脳によってコントロールされているということがより明らかになってきています。 私たちの脳は、固有感覚、視覚、そして、前庭の感覚系からのフィードバックを用い、状況に応じて、記憶されている動作パターンを自動的に関連づける、記憶予測モデルに働きかけます。これらのシステムは、視覚的な水平、重力に対する方向性、関節の圧縮、角度と捻転、組織の張力と長さを認識します。これらの全ての要素が、動的な動きを臨床のテストとはかなり異なったものとし、それゆえ動作パターンに関しては、このシステムが全く異なった遠心性の反応を引き起こすのです。 動的な動きにおいて、重心をコントロールすることもまた、身体に対して、仰向けでの臨床の環境では再現できないような、大きなチャレンジを与えることとなります。バランスとスピードという変数要素を加えると、動きの本質が見えてきます。単純な生物力学のレベルにおいては、治療台から降りた途端に、動きに対しての回旋と移動という要素も加わることになります。これらは治療台の上で再現することが困難な要素です。これら追加された動きの変数要素は、フィードバックと運動制御にも変化をもたらします。 実際、スケッチ及びその他は、静的股関節伸展と動的股関節伸展の相関関係の欠如は: “静的な柔軟性のみというよりも、むしろ複雑な動的神経運動パターンによって決定づけられるかもしれない”と示唆しています。 柔軟性は、ガンマ運動ニューロンシステムと紡錘内線維(筋紡錘)を通じて遠心性に制御されている為、状況に依存します。同様に、紡錘外線維(骨格筋)を動かす為にアルファ運動ニューロンが駆動します。動きにおける柔軟性や硬さのレベルは、脳が作り出すものであり、感覚システムからの情報を通じて何を受け取ったかという状況に依存しています。柔軟性、それ自体は技術ではなく、技術としてトレーニングされるべきではありませんが、動きの成功の構成要素ではあります。適切な量の柔軟性を、適切なタイミングで、適切な動きにおいて達成できる必要があります。 マックギルとモレサイドはまた: “新しく発見された可動域が使用されるのであれば、新しい運動パターンを刻み込むことに更に集中をすることによって、トレーニングやリハビリプログラムは恩恵を受けるかもしれない”と示唆しています。 私たちがこれを実行するとすれば、クロスオーバーを確実にする為に、可能な限り最も本質的なパターンを組み込む必要があります。しかし、これは入力情報が常に機能的ででなければならない、という意味ではなく、運動皮質における保存、及び呼び起こしのために、最大の運動パターンの露出を確実にするため、ある時点では機能性に取り組まなくてはいけないということなのです。 私たちの意見を取り入れた最も有益な尺度は、受動的に得ることができる可動域と、より機能的な状況において、アクセス可能な受動的可動域の範囲との相違です。 主観的なものを客観的に計測するのは、難しいことのひとつです。運動パターン戦略や構造の多様性は、文字通り誰ひとりとして、他と同じに機能する人はいないということを意味します。これは、私たちが同じように見えたり話したりしないという事実や、身長、足の大きさや幅が様々だという事実と似ています。平均値が実際の人間の構造や働きを反映するのか?これは疑問といえるでしょう。 踵骨下関節(STJ)は、この構造と機能の両方における多様なバリエーションの良い例です。つまり、実験的な研究において、中心軸の位置の広域なバリエーションと、距骨下関節の中心軸の位置に相関関係を持つ人は少数であり、それゆえ、“正常な”足の機能には多様性があるということを意味します。(マンター1941年、ランドバーグ1993年) この“平均”や中央値からの偏差に関連している多くの病理は、一貫して原因となることを判明するのが難しいとされています。この例として膝の痛みが挙げられます。(パワーズ2002年、ヘトスロニ2006年)。例えば、歩行のような、ある特定の生体力学のセットに関して、ある個人を比較する場合、痛みの原因となる客観的な中央値からの偏差に原因があると、決め込まないように注意する必要があります。この偏差は、おそらく単に個人的な多様性によるものでしょう。 スケッチ及びその他は、また: ”最大股関節伸展の可動域は相対的な脚長と正の相関関係にある。これは相対的に脚長が長い人は、最大股関節伸展の可動域を減少して走る傾向にあるということを意味する。これは身体のサイズの異なる人達が、トレッドミルで全く同じ速度で走ることから”と報告しています。 人間の、主観的で自然な構造の多様性は、比較対象となり得る客観的なデータに影響を及ぼします。今までに習得した異なった運動パターン、ランニングスタイル、既往歴等の複雑さを考慮に入れなくとも、です。 スケッチ及びその他は、彼らの実験の中で: “矢状面での骨盤と股関節の動きのパターンは、同じスピードで走る被験者のグループ内においても異なるのが明白である”と記述しています。 コ-キネティックでは、あるシステムとそれ自体との比較、例えば右対左など、をみています。特にランニングなどの循環活動においての、部位毎の能力の多様性に関して、対象者からの平均可動域の客観的な比較よりも、統合的システムが、仕事量増大や、脳及び身体の回避戦略に対しての、より多くのヒントを与えてくれるかもしれません。 投球やスイングにおける部分的な貢献に対しても、同じことが言えるでしょう。もしある1つの部分、特に股関節のような大きな部分が貢献していないとすれば、他の部分がより貢献しなくてはならなくなります。これは実際の、もしくは知覚的な組織への脅威につながります。身体は如何なる方法であれ、一般的には最も抵抗が少ない方法で、目指す課題を出来る限り達成しようとします。 部分的な評価として、もし私の左の股関節が右よりも可動域が広く動きの質が良いとすれば、これは左右非対称運動を引き起こし、システムに対する実際のもしくは知覚的な脅威やストレスを増大する可能性があります。既に、ある程度の左右非対称は正常であると知ってはいますが、どの程度の左右非対象性が存在することが問題なのでしょうか? どの段階で私たちの動きにおける個人的な多様性が制限要素となるのでしょうか? 前述のように、個人の脅威分析やストレス忍耐閾値によって変化する、主観的な状況で客観的であることは、容易ではありません。 コーキネティックは、“正しい答えを引き出すための正しい質問”を可能にするための、最も本質的な環境を作り出すために、機能的な基準を設けています。これはテストされている動きと相関関係のある、脳からの反応を引き出すよう試みていることを意味し、最高の治療戦略を作り出す助けとなります。機能基準を使用して評価をする能力は、私たちがその個人についての治療の成功率を向上させるための、重要な情報を持っているということを意味します。客観的な傷害予測を得るのは難しいことは、証明されているのです。 機能基準には下記のものが含まれます: 重心の移動 直立の 能動的な 動的な 統合的な 3次元の 固有受容的信頼性―生体力学・動きのパターン

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ランニング中の背中の痛み。足の親指を疑ったことはありますか?

さて、今回の内容はランニング中の背中の痛み、腰痛や膝痛、そして足の痛みなどにも当てはまります。足の拇指、第一足趾の可動域は、統合された動きにおいて、前述の身体各部全てに影響を及ぼします。今回はランニング中に伴う痛みとパフォーマンスに関わる拇趾のチェックと、その対策を、テクニカルになりすぎることなく書いてみることにしました。 私は今まで、股関節の伸展可動域を向上させたり、腸腰筋や股関節屈筋群のストレッチに関する記事は数多く読みましたが、足の拇趾の股関節伸展や股関節屈筋群への影響に関して書かれたものはあまり読んだことがありません。 歩行のような、運動連鎖によって行われる動きでは、足の持つ可動域を如何に上手く使う事ができるかが、直接的に股関節の可動域に影響します。股関節を伸展するストレッチの多くは、膝を床につくことで足部から股関節を孤立させているようです。このようなストレッチは、股関節関節包等の構造のストレッチとして使うことができますが、キネティックチェーン全体を統合した動きのパターンを神経学的なシステムの中で作り上げ、統合的なシチュエーションにおいて、足部が股関節にマイナスの影響を与えていないかどうかを見極めることも必要です。 股関節伸展 生体力学 股関節に動きが起こることで、特に横断面においての、腰椎に対する動きの需要が低下します。股関節の矢状面、横断面の動きは密接にリンクしていて、股関節の伸展が大きくなればなるほど、骨盤は同側に向って、より大きく回旋します。 試してみてください!歩幅を大きくすればする程、骨盤は大きく回旋します。足を前後に踏み出しながら、骨盤を上から見るようにします。つまり、近位の骨盤が遠位で床に固定されている大腿骨(足部を介して)の上で回旋することで、股関節には、より大きな内旋が創りだされているということになります。股関節において、より大きな伸展、回旋を得ることにより、腰椎のエリアでの動きの需要は低下し、身体上部の構造をより健康に保つことに役立ちます。また、股関節周囲の筋肉の動きでフォースが吸収されることで腰椎の構造にかかるストレスは軽減されます。つまり股関節の伸展、股関節の動きは腰椎の健康にとって重要なことですが、そんなことは、皆さん、既にご存知ですよね! では、股関節伸展における足の役割とは何でしょう? より良い股関節伸展を得るためには、骨盤は、大腿骨に対して、前方に移動する必要があります。 歩行時、地面に固定されている後ろ脚の股関節屈筋群はストレッチされていて、その上を重心(骨盤)が通り過ぎる時、股関節屈筋群は爆発的に求心性筋収縮を起こすことで、股関節を屈曲し、前方へスィングし、歩行の新たなサイクルに入ります。 この爆発的な力の発揮がなければ、重心の移動も不十分なものになります。走ることの本質は、コントロールされた重心移動にあります。 これは、足部と脛骨によって大腿骨が地面にしっかりと固定されていれば簡単です。そのためには、拇趾の背屈可動域が充分にあることが不可欠です。可動域が充分にない場合、足部に足りない動きを代償動作で補おうとすることで、大腿骨と骨盤のポジションに影響を与え、股関節伸展にも影響が及びます。 代償性動作 母趾の背屈の可動域に制限がある場合、足を踏込む動作時に、足部が外転し、スピンをするように拇趾の内側で床を押すような代償動作がよく見られます。 この動きは、メディアルヒールウィップ(踵内側打擲)と呼ばれ、足部近位部(踵)は中心線に向って動きます。このような場合には、拇趾の内側、爪に近い部分に胼胝(タコ)が見られます。また足首の背屈に制限がある場合にも、回内の外転の要素で背屈の代償をしようとすることで、このメディアルヒールウィップが見られます。これが、拇趾の背屈制限の原因ともなり得ます。 このような回旋は大腿骨と骨盤にも影響し、骨盤や関連部位の構造に対して、より強い回旋力を生み出します。そのストレスが、横断面での股関節の動きによって軽減されない場合、腰椎や、仙腸関節の圧縮につながります。筋肉の動きを介して、ストレスを軽減できる回旋の動きの幅は、腰椎全部位を総計しても5度までです。球関節である股関節の横断面の可動域を考えれば、股関節の動きの必要性が理解できます。今回のケースでは、原因は、股関節ではなく、拇趾にあるのです!ここで解説した歩行のパターンを見てみると、足は外側に向ってターンし、臀部は、増幅された横断面の動きのために、一足早く、”外に飛び出す”ような動きをしています。 ウィンドラス機構 拇趾の背屈は足に強固さと安定をもたらし、効率的な股関節の伸展と推進力を生み出すウィンドラス機構にも貢献します。この観点から見ると、拇趾の可動域制限によって遊脚相に制限がおこると、拇趾の背屈制限は歩行のサイクルにおいて、反対側の股関節への身体上部から下方向へ向かっての動きの駆動にも影響を与えます。 拇趾の背屈がなければ、歩行中、片足立ちで身体の質量の衝撃が最大限に足底にかかる瞬間に、足底腱膜が短縮して抵抗することができません。つまり足底腱膜は、長期的に、過度な伸張力を受け、その影響で骨の異常発達や痛みを引き起こす可能性もあります。 ではどうすれば良いのでしょうか? まず拇趾の背屈可動域を確かめましょう。 これは自分の手で質的に測ることもできますし、角度計などで具体的な数字を求めることも可能です。もし動きが制限されてると感じたのであれば、まず体重がかからない状態で拇指を動かすことから始めてみてはどうでしょう。私は拇趾を背屈させながら手で第一中足骨を底屈させるよう押し込む方法が気に入ってます。また、関節を広げるために足趾を後ろに引っ張ることも出来ます。 私が使っている方法のひとつである“拇指マトリックス”は、偉大なギャリー・グレイから学びました。歩行時の片足支持と同じように足を地面につけた状態で、拇趾を背屈し、膝を動きの3つの面全てに向って駆動します。これによって、歩行時と同様に、トッダウン(身体の上部から下部への動きの駆動)で拇趾に動きが生まれます。 その次のステップは、足の動きを股関節屈筋群のストレッチに統合することです。つまり床に膝をついた姿勢ではなく、踵が地面から離れた状態で重心が拇指の上を通過するようにしながら股関節を伸展します。代償性動作が起こってないかどうか、あるいは足部や股関節の動きが減少していないかをしっかりと見極めてください!

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腰痛を引き起こす1つの筋肉を治す パート2/2

腰痛に関する研究は広範で幅広い因子を捉える必要があります。単一の筋肉が痛みの原因ではなく、社会経済学的要素や日常生活の習慣など、全ての生活要因が関わる、複雑な疼痛への理解を深めていくことの重要性を再確認できるビデオをチェックしてください。

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腰痛を引き起こす1つの筋肉を治す パート1/2

腰痛の原因となるのは、腹横筋の機能不全か、腰筋の機能不全か、腰方形筋か?などなど、単一の筋肉に腰痛の原因を絞ろうとする考え方はかなり浸透しているのではないかと思います。生体力学的変化が痛みを引き起こすのか、痛みがそれらの変化を引き起こすのか?考え直してみませんか。

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腰痛の原因は悪い姿勢なのか?パート2/2

「姿勢が悪いから腰痛になる」あるいは「姿勢が悪いからXXX痛が起こる」というのはよく耳にする会話ですが、現在入手可能なリサーチによって、姿勢と疼痛の関連性はどの程度証明されているのでしょうか?疼痛の科学を得意分野とするベン・コーマックの興味深いビデオをチェックしてみてください。

ベン・コーマック 5:44

腰痛の原因は悪い姿勢なのか?パート1/2

「姿勢が悪いから腰痛になる」あるいは「姿勢が悪いからXXX痛が起こる」というのはよく耳にする会話ですが、現在入手可能なリサーチによって、姿勢と疼痛の関連性はどの程度証明されているのでしょうか?疼痛の科学を得意分野とするベン・コーマックの興味深いビデオをチェックしてみてください。

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疼痛をよりよく理解する:痛みは損傷とイコールではない パート1

強い痛みを経験しているからといって、身体構造に大きな損傷が起こっていない場合もあれば、身体構造に変化が起こっているにも関わらずあまり痛みを経験しない場合もあります。痛みと損傷が必ずしも合致するわけではないことを理解すれば痛みと付き合いやすくなりますよね?

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椎間板ヘルニアは良くなる

椎間板ヘルニアには、いくつかの異なるタイプがありますが、それぞれにタイプごとに椎間板の状態が変化し、より良い状態に戻っていく割合や時間枠なども異なります。異なりはしますが、かなりの割合で良くなっていく、という嬉しいニュースをベン・コーマックが届けてくれます。

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