繰り返す怪我のサイクルに終止符を打つには?

怪我の最大の予測因子は、過去の怪我である、というのはよく耳にすることですが、繰り返される怪我の悪循環なサイクルを断ち切るにはどうすれば良いのでしょうか?理学療法士のロビー・オオハシが身体面へのアプローチ以上に何が重要かを語ります。

ロビー・オオハシ & トラビス・ジョンソン 7:36

傷害への抵抗力をつける最良の方法

”この車は3秒間で、0~97km/時まで加速できるんだけど、ブレーキは効かないんだ… ドライブする?” 先日、東京都内でランチを共にしていた友人のアレックス・スガイが、このようなシナリオについて語り始めました。アレックスは優秀なテニス選手であり、テニスコーチであり、疑うことなくスポーツパフォーマンス向上に関してのしっかりとした知識を持っている人です。私たちは、いかに多くの人たちがスポーツにおける加速トレーニングにのみ注目をして、減速の役割に関してはあまり考えることがないか、ということを話し合っていました。 私自身がスポーツパフォーマンスの世界に足を踏み入れ始めた頃(昔々大昔)、NASMのコースで、私たちの身体は、力を発生するためにまず力を縮小しなければならないということを学びました。当時の私の未熟な脳には、その概念はとてつもなく啓発的なものでした:私たちは実際、アスリートがより多くの力を縮小することができるようにトレーニングすることで、つまり、より良い減速能力を生み出すことで、彼らのパフォーマンスを向上させることができる。 我々が減速することができる能力は、意識的レベル、無意識的レベルの両方において、私たちの身体が何をするかの多くの部分を決定づけます。誰かに6インチ(15センチ)の高さのボックスから飛び降りるように頼めば、彼らは顔色一つ変えずに実行するでしょうが、同じ人に6フィート(183cm )のボックスから飛び降りるように頼めば、怪我をせずに着地時に安全に力を吸収できるかどうか、衝撃を安全に減速できるかどうか怪しくなってかなり心配してしまいます。 スポーツや様々な活動では、急速な方向転換が要求され、予期されるストップやカットを実際に素速く減速させることができる能力がないのがわかっていれば、我々の脳は、その動きのスピードを下方制御することになるでしょう。 アレックスと私がランチを食べながら話していたように:もしあなたがテニスボールに向かって素速く走ることができるようになりたいのであれば、そのボールに到達した時に急速に止まることができる能力を持っていた方が良いでしょう。そして私が何年も昔に学んだように、加速に注目するよりも、減速をトレーニングすることがよりスピードの向上を可能にするのです。 現在業界を見渡してみると、このレッスンをしっかりと心に留めて、そのために何かしている人はあまりいないように思えます。正直なところ、私自身も何年間もの間、これといったことはしていませんでした。減速能力発達は、コートやフィールドなどで行われるSAQの一部であり、トレーニングルーム内でそういったトレーニングをするというコンセプトは考慮していなかったのです。 それは数年前にジョシュ・ヘンキンとDVRTシステムに出会ったことによって変わりました。ジョシュがアルティメイトサンドバッグを、様々なポジションや角度からクリーンしたりスナッチしたりするのを見ましたが、ただ単にリフトのコンセントリックの部分が終了したらバッグをドスンと落とすのではなく(バーベルでは通常そのように行いますが)、彼はUSBが通ってきた軌道に沿ってコントロールしながら元の位置まで戻した、つまり減速をしていたのです! 同じことを自分で試してみようとしてみて、リフトの減速部分をうまく行うのがいかに難しいのかに驚かされました。ローテーショナルクリーンでUSBを肩の高さまで持ち上げることはできましたが、同様に回旋しながら元の位置に戻そうとした時に思わず倒れそうになりました。ローテーショナルクリーンがDVRTレベル2コースに含まれる動きであるのには理由があるようです…この動きが正しく実施されるには、それ以前にできるべきことの必須条件が沢山あるのです。 レベル1コースに於いては、コース参加者は、これと似たような感覚をMAXランジで経験します。身体の片側でゆっくりとこの動作のドリルを始めるあたりはOKなのですが、左右交互の動きになりスピードを加え始めた途端、身体はあちこちに引っ張られ始めます…減速をする能力がまだ充分ではないから。 この辺りで頭の良い読者の皆さんは、”ケトルベルはどうなのかな?減速をトレーニングする動きでしょう?”とお考えでしょう。もちろん、それは間違いありません。ケトルベルスイングは、私が指導する多くの人たちにとっての定番のエクササイズの一つで、批判を恐れず敢えて言うなら、これはほとんどのコーチたちが、負荷のかかった循環的な力縮小と力発生をアスリートに指導するメソッドにもなっているでしょう。 ただ、スイングがこれに十分でないのは、バイラテラル(両側性)のスタンスで通常バランスのとれた負荷であるベルを用い、動きのほとんどの部分は支持基底面内で減速をしているというところ。もちろん、シングルアームスイングにして、抵抗しなければならない回旋力を生み出すことはできますが、それでも、USBでのローテーショナルスナッチやローテーショナルクリーン、あるいはMAXランジと同じようなチャレンジは与えてくれません。USBでのこれらのリフトは(減速を伴うもの)、支持基底面の外側で起こり、足元をぐらつかせる負荷の力に対して抵抗することが要求されます。これはスポーツや日常生活へのより大きなキャリーオーバーを持つのです。 何か新しいクオリティーやスキルを発達させるケースの一つとして、減速能力も徐々に控えめにアプローチをするべきです。MAXランジは、スタートポイントとして素晴らしいエクササイズではありますが、スタートしてすぐに100回繰り返してしまうというようなことはしないでください…そして決してクライアントやアスリートに最初からそのようなことを提供しないでください。動きが正しくパターンとして定着していなければ、ただ単に良くない動きを強調することになってしまいますし、負荷のレベルが組織の許容量を超えていれば組織を損傷するリスクもあります。 何セッションかの時間をかけて、動きのパターンをよく学習し、段階的に相反的な動作に発展させるようにしましょう。何週間か練習をしていい感じに動けるようになれば、力の減速から力の発生への移行の練習ができるようになるでしょう。

トラビス・ジョンソン 2902字

競技への復帰の目安や評価とは?

怪我や手術後のリハビリ後、スポーツ選手が競技に復帰できる準備ができていることを客観的に測る指標は存在するのでしょうか?エリートレベルのアスリートたちを指導する理学療法にのロビー・オオハシへのインタビューです。

ロビー・オオハシ & トラビス・ジョンソン 11:55

股関節後部外側複合体のアイソメトリックス

キネティコス創立者の一人であるトラビス・ジョンソンが、股関節後部外側複合体の左右対称性のリストアのためのテクニックをご紹介します。ヒップヒンジの運動パターンにおいて、側方にシフトしがちな傾向にある前額面の安定性に欠ける人にとって、特に有効なテクニックの一つです。

トラビス・ジョンソン 10:05

ヒップヒンジの構築 パート1

フラットバック姿勢や背中の丸まってしまう傾向のある人に、股関節のヒンジ動作を指導するのは、コーチや臨床家の方々にとってチャレンジとなることもあります。 このビデオでは、トラビスが理学療法士のロビー・オオハシから学んだ、骨盤を後方にシフトしてヒンジパターンの学習を助けるテクニックを2種類ご紹介します。

トラビス・ジョンソン 5:37

ヒップヒンジの構築 パート2

フラットバック姿勢や背中の丸まってしまう傾向のある人に、股関節のヒンジ動作を指導するのは、コーチや臨床家の方々にとってチャレンジとなることもあります。 このビデオでは、トラビスがヒンジを行う際に、下腿部を床から垂直に保つことを(スクワットのパターンになってしまわないように)指導するために、なぜアルティメイトサンドバッグが最良のツールなのか、その理由をご紹介します。

トラビス・ジョンソン 6:04

ポステリアチェーンのためのステップアップ

トラビスが、なぜステップアップが、クライアントのトレーニング初期のエクササイズとして気に入っているのかを解説するとともに、よりポステリアチェーンにフォーカスを向けるためのステップアップのモディフィケーションの方法をご紹介します。

トラビス・ジョンソン 7:37

ステップリバースランジ

ステップにランジ動作を組み合わせることで、股関節の可動域を増加させる方策をトラビスがご紹介します。なぜこの方法が効果的なのか、そしてより安全にこのエクササイズをクライアントやアスリートに紹介するために気をつけるべきことは何なのか?に関しても解説をします。

トラビス・ジョンソン 4:05

ハーフニーリングリバースチョップ

トラビス・ジョンソンがポステリアチェーンの対角線統合のためのハーフニーリングリバースチョップをご紹介します。身体のセットアップやグリップのニュアンス、様々な腕の動作、そしてエクササイズの効果を解説します。

トラビス・ジョンソン 7:44

ローディングのプログレッション

負荷をかけることのメリットと、ダンベルやケトルベルを使ったトレーニングのポジションに基づいた、適切なローディングのプログレッションの方法をトラビス・ジョンソンがご紹介します。以前に投稿をしたビデオでご紹介をしたステップアップやステップリバースランジのエクササイズにも、かなり応用することができるプログレッションです。

トラビス・ジョンソン 5:58

トールニーリングの詳細

トラビス・ジョンソンが、特に機能に関連する足首~足部~足趾に注目して、トールニーリングのポジションの詳細を説明します。また、臀筋群、および深部外旋筋群の筋動員を高めるためのタクタイルキューも紹介します。

トラビス・ジョンソン 5:15

充分な露出

「プログラミング・エッセンシャル」ビデオからの抜粋となるこのビデオクリップでは、トラビスが、望んでいる生理学的適合を引き起こすためにストレス刺激への充分な露出が重要であることを解説します。歯列矯正をしようとする際にも、誰かを強化しようとする際にも、身体が安全に変化するのを促進するには、ストレスへの充分な露出が起こらなければなりません。

トラビス・ジョンソン 4:34