マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
機能的フィットネスで肩の痛みを解消する
率直に言いましょう。どんなフィットネスプログラムであれ、新年最初のプログラムであっても、怪我はプログラムを脱線させる一番の原因になります。クリニックで仕事をしていたときも常に目にしたものでした。新年の新しいプログラムも、比較的すぐに私のところ来ることになったでしょう。大きな問題となるものはいつも肩の痛みでした。 新しいフィットネスの目標を達成したいと思っている人々は、良かれと思って、いかに身体を構築するのかを考えるのではなく、いかに休暇中“悪かった”自分自身に罰を与えるのかを考えて、腕立て伏せ、ランニングへ直行してしまうのです!短い数週間の間に、動きに焦点をあてるのではなく、筋肉を肥大させることを試みたために怪我をしてしまった新しいクライアントでクリニックはいっぱいになるでしょう。 今日のフィットネスと治療分野で運動について話す時、私たちがいまだに筋肉について話をしていると人々は誤解しています。事実は、肩の痛みを取るためには三角筋や回旋腱板の筋肉を使うと考える人たちよりも、もっと沢山のことを私たちは考えているのです。肩の痛みと機能的フィットネスがこのよくある問題にどのように取り組むのかは、多くの人にとってかなり関連性があるものであると考えました。本当の肩の痛みに取り組むにあたり、トレーニングプログラムの多くが間違ってしまうのはどこでしょうか? 肩は被害者である 理学療法士であるダイアン・リーは、“被害者は犯罪者よりも常に大きく叫ぶ”という素晴らしい表現をしています。どういう意味でしょうか?彼女が指摘していることは、私たちはどこかが痛むと、痛みのある場所が問題を引き起こしている場所であると考えることが多いということです。しかし、ファンクショナルフィットネスや肩の痛みのような問題をみればみるほど、すぐにもっと違ったものが見えるようになるでしょう。 すべてが下から上に繋がっていることを理解しているのであれば、私たちの身体のすべてはどれだけ強い基盤を持っているのかに基づいているのがわかるようになります。肩の痛みのような問題を見るときのように、身体の上部になればなるほど、私たちが考慮するべき関節や部位は増えます。トム・マイヤーズの有名な“アナトミートレイン”のようなコンセプトを見るポイントは、動きの中で身体が実際にどう相互作用しているのかを理解することです。 足がどのように頭まで繋がっているのか、コアや上半身でさえ、足から上に向かって起こることにどれだけ影響を受けるのか分かるようになります。 肩の位置が身体のどれほど上部にあるのかを見てみると、足、股関節、コアの基盤によって肩は影響を受けていることになります。このことは、ストレングスコーチであるマイク・ボイルと、理学療法士であるグレイ・クックの“ジョイントバイジョイントアプローチ”のような考え方について討論した際に多くのことをカバーしています。身体は繋がっているという考え方は、ファンクショナルトレーニングの基礎であり、私達の身体トレーニング方法に対する理解を変えました。 肩を単独で見る、身体を孤立化させて動かすのではなく、エクササイズを通してトレーニングが身体をつなげるのを見たい。つまり、足と手の力強い基礎を構築することです。トレーニングにおける手と足の重要性について、ジョシュはとても多くのことを話しています。なぜなら、手と足はとても重要だから!有名な理学療法士であるギャリー・グレイは、“チェーンリアクション/運動連鎖”というコンセプトを作り出しました。身体に加わった力がどのように身体の中の大きな連鎖を通り、頭からつま先まですべてに影響を与えているかの詳細です。トム・マイヤーズが話す筋膜ラインは、足や手にあるものが、関係なさそうに見える身体の部位にどのように影響を与えるのかを説明している点でかなり似ているコンセプトでしょう。それが、肩の痛みはまさに肩にあるわけではない理由なのです。肩に機能不全が見られる時でさえ、単独ではなく、統合して見るべきなのです。 よい基礎を構築する 我々の教育プログラムの最も独特な側面は、彼らが習う“新しい”エクササイズであると考える人もいます。トレーニングには大きな影響を与えるパワーは、ちょとしたディテールにあるのが現実でしょう。。例えば、肩の痛みを引き起こさない方法を教え、身体をより賢く使うことを理解してもらうために、私達はハーフニーリングやトールニーリングのポジションを好んで使います。 私たちはそれらのポジションに入ることができますが、積極的に地面を利用しようとしない限り、その効果はとても小さいものになってしまいます。足を使って地面を押し出すことで、足部、下肢、臀部とコアを使い基盤を作り始めることが可能になります。足部をリラックスさせてしまうと、肩を働かせるための基盤がなくなり、不必要に肩を独立させ、実際に肩の痛みを増加させることもあります。 DVRTマスターのAnnmarie Licateseが、地面から上に向かっての肩の問題の解消方法を示しています。このドリルは、肩の痛みがある多くの状況の強力な解決方法になります。 このような基盤が身体が必要とすることの半分を助けてくれます。手を使うことが残りの半分になります。私たちが使用する器具に対しての、特化したテンションテクニックを作りだすことが、肩だけでなく、身体全体を通してストレスを受けることを可能にし、すぐに肩の痛みを減少させます。この負荷を伴うテンションとは、腱板を発達させ、上半身の可動性を向上させ、即座に筋力を向上させる方法なのです! プッシュダウンであって、アウトでもアップでもない 10代の水泳選手だったころから肩の痛みと戦ってきた経験から、傷害がフラストレーションや、強化トレーニング意欲の減少を引き起こすのはわかります。私がジョシュに出会った頃、私ができていたことは有酸素運動とほんの少しのストレングストレーニングのみでした。それは、自身が怪我をすることにかなり臆病になっていましたし、ストレングストレーニングは怪我をするためのものなのだろうと思っていたからです。 ジョシュは、ウエイトを上や外に押すことに力を入れすぎないという要点だけでなく、身体を下に向かって駆動するということを私に教え、大きな変革を与えてくれました。ほぼすぐに肩の痛みが減少しただけでなく、プッシュアップまで始めることができるようになったのです!私は、ハイレベルのアスリートであったにもかかわらず、肩の痛みなしに競技することを本当に苦慮していたのです。 プッシュアップする、あるいはプッシュアウトするのではなく、どのようにプッシュダウンするのかを教えるのは難しいものです。プレスアウトが私たちのトレーニングプログラムの基盤になっているのは、ここに理由があります。外から見るとよくわからないエクササイズのように見えます。胸のエクササイズなのか、何をしているのか?プレスアウトの本当の目的は、足を下方に押し、広背筋を刺激するために手に緊張を作りだし、肩ではなく、足、コア、広背筋の繋がりを使ってプレスすることを教えることです。 一旦このテクニックを習得し始めると、ウエイトをより垂直方向に動かすことで難易度を上げていくことができます。多くの人が、そうすることで肩の痛みが増してしまうだろうと思うのですが、事実は、足、コア、広背筋の使い方を習うと、肩の可動性はその動きができるところまで向上し、プレスすることで得られる身体全体への価値を高めることできるようになります。 これらの基本原則が、私たちが用いている動きに、そして使用している道具にどう影響しているのかわかっていただければ嬉しいと思います。
肩甲骨周辺筋群の優しい強化方法
強化の運動が常に厳しいものである必要はありません。優しい方法で、効果的に肩甲骨周辺の筋群の強化をする方法を是非お試しください。
正しいマーチの方法
陸上選手にとって重要なのみでなく、全てのアスリートの基礎的な基本動作にとって重要なマーチのドリルを正しく指導するために注意すべきポイントとは?シンプルなことを正しく指導するために、リー・タフトからのメッセージをチェックしてください。
秘訣
私たちの分野のエキスパート達の成功を考える時に、見落とされている一つの情報があります。あなたがコーチであれ、トレーナーであれ、またはリハビリの専門家であれ、この要素は強い影響力があるため、私はそれを秘訣と呼ぶことにします。 私の特に好きな何人かのストレングスコーチと共に仕事をしている時に、まず私はこの思考プロセスを始めました。このアイディアを要約するために私の頭に浮かんだ言葉が、「私の知る最高のストレングスコーチたちは、実際には弱点を上手に管理する人である」です。また、このコンセプトは理学療法士やカイロプラクター、アスレチックトレーナー、パーソナルトレーナー、スポーツのコーチにも当てはまります。 とびきり最高のコーチは、彼らがトレーニング及び教育する人たちの長所を単に見つけ出すだけではなく、彼らの弱点を見極めさらしだすのです。それだけでは終わりません。最高のコーチは弱点を優先し、その制限を取り除くための行動の順序を作り出すのです。彼らは、弱点や欠陥、機能不全に注目することで完全性とバランスを目指して努力するのです。 これは、筋力を維持したり、平均的な能力をより優秀なまたはエリートな能力に発展させたりすることに注意を向けないということではありません。それは単に、スポーツパフォーマンスやフィットネスにおける成功、そして完璧なリハビリを制限するのは、確認されていない、または確認済みでも管理されていない弱点や制限であるということです。 多くの人がDragon Doorのロシアン・ケトルベル・チャレンジ(RKC)の象徴としてパベル・サッソーリンを知っています。ケトルベルの技術と科学を探求するにつれ、多くが私のロシア人の友人の顔を目にすることでしょう。しかしながら、パベルのコーチングや教え、そして総合的な知識はケトルベルを扱うことを超越しています。 パベル・サッソーリン 私は度々、私の読者に「The Naked Warrior(裸の戦士)」という、パベルがアスリートを分解し、単肢の対称性適正能力へと還元するという彼の著書を読むように求めます。また、彼は重量を使わずにトレーニングするアスリートやフィットネス愛好家、身体の四肢すべての根本的な適正能力を向上させようとする人を指す「裸の戦士」というコンセプトを提唱しています。このような人は重量を使ってトレーニングする前に、対称性や自体重での動作を完璧に行うことに焦点を当てるのです。パベルは、左右それぞれの脚で片脚ピストルや片脚スクワット、及び左右それぞれの腕での片腕プッシュアップもできるようになることを私たちに求めます。バランスの取れた発達につながる自己制限的な活動を提供する賢いコーチの素晴らしい例ではありませんか。 バランスの取れた筋力を表すこれらの芸当ができるかできないかが目標ではありません。「ピースフルウォリアー:癒しの旅」という本の中のダン・ミルマンの言葉を引用するならば、これが戦士を育てる方法なのです。自体重を扱う能力や対称性を段階的に養い、自身の制限を改善しようとすることが目標…進むべき道なのです。 パベルは首尾一貫したフィードバックを提示します。これらの動作を行うことはできますか?もしできるならばウェイトトレーニングに進みましょう。できなければ自分自身が負荷になります。より良い能力を開発すれば、それから次の質問をすることができるでしょう。 レイチェル・コスグローブとアルウィン・コスグローブ リゾルトフィットネスのアルウィン・コスグローブとレイチェル・コスグローブは、コレクティブの計画を実行するときに、スクリーニングとテストから得られた動作の情報と代謝の情報をクライアントの代謝的必要性に取り組むためのプログラムへと簡単に取り入れてしまいます。彼らは、深刻な量の体重を減らさなければならない人の多くは、より高い代謝の効率性を達成するための過程において、整形外科的な問題や、筋骨格系の制限を経験していることに気づきました。 彼らの、スクリーニングやトレーニングそしてコレクティブといった動作における細部への気配りが、潜在的な問題がプログラムを組むための妨げになる前に取り除きます。彼らのプログラミングの素晴らしいところは、セットやレップ、さらにはエクササイズの選択といったことと必ずしも結びついていることではなく、彼らの弱点や制限、そして問題点をそれらが起こる前に予測する能力にあるのです。 マイク・ボイルマイク・ボイルの片脚の筋力に対する熱意は、「裸の戦士」の中でパベルが推奨することと相似しています。マイクは、片脚の適正能力を達成するために全く異なる方法を用いますが、彼のメッセージは論理及び理由の代弁であり、なぜなら彼はアスリートを本当に向上させるストレングスコーチだからです。彼は片脚の適正能力は、バックスクワットの重量を50ポンド(約22 kg)増加するよりもスポーツパフォーマンスにおける傷害予防により大きく貢献していると理解しているのです。 初めてマイクに出会った時、彼はFMSが何かもわからないのにもかかわらず、FMSにおいて常に高いスコアをもたらすコーチングの直感とプログラミングの視点を露わにしました。これは、彼のインターンが行う分析を簡潔化し、より大人数のグループに対してより信頼性を高めるムーブメント・スクリーンのような手段を持っていないにもかかわらず、彼が非対称性や制限、基礎的な弱点といった動作の適正能力に対する注意をすでに持ち合わせていることを物語っていました。 ジョン・トリン ジョン・トリンとジェフ・フィッシュは、非常に親しい私の友人達であり、図らずともNFLのヘッドストレングスコーチでもあり、そして彼らのプレーヤーたちができることよりもできないことに対して多大な興味を持っています。彼らは計画的にスクリーニングや測定、パフォーマンスの統計から得られたデータを用いて各プレーヤーの一番の弱点である箇所に焦点を合わせていきます。彼らは絶えずデータを掘り下げ、動作とパフォーマンスの指標が最低基準に満たない選手を探していきます。問題を見つけ、ポジティブな変化をもたらすための戦略を提示します−そして彼らは非常に優秀なのです。 ジェフ・フィッシュ 彼らの選手たちは、この二人が仕事にとりかかった途端に、より高いレベルのコーチングが存在していることを理解します。彼らは、「アスレチックボディ・イン・バランス」という私の最初の本の最後を結んだ時に引用した言葉を思い出させてくれます。 「いかなるコーチも彼が知っていることで試合に勝つことはできません。彼のプレーヤーが何を学んだかが重要なのです。」 ポール "ベア” ブライアント それほど昔ではありませんが、ストレングスコーチは、アスリートの特定のポジションまたは役割に応じて、事前に用意されたエクササイズプログラムを処方していました。これはその当時、完全に論理的に思えました。しかし、全米フットボールリーグ(NFL)においては、プレーヤーたちは時折異なるポジションに移ることもありました。これは別のポジションでプレーできるように、彼らのトレーニングが即座に変わることを意味しているのでしょうか?彼らがうまくいかないのであれば、別のポジションに変更することもありませんでしたし、競技に対して備えるために、事前に準備されたトレーニングが無くても、もともと活躍していたわけです。 私たちが学んだのは、個々のトレーニングの需要は、根本的に弱点に対して取り組むべきであり、身体性についての漠然とした意見であるべきではないということです。一旦弱点が改善されたら、より特定の目標に応じたスポーツに特異的、または活動に特異的な方法を探し求めるべきです。弱点が効果的に管理され、制限が取り除かれ、そして非対称性のバランスが取れたと実際に言える人は何人位いるのでしょうか?そうでない限りは、スポーツに特異的及び活動に特異的なトレーニングが、パフォーマンスの向上に対して最も適した方法ではないのです。弱点を根本的に取り除き、鎮静化しておくことは永久的な役目であり、そのため、それをプログラムの一部とするのです。 土台にあるひび割れを取り除くことは、構造の強さを向上させる最善の方法です−すでにある建物に、単に階層を追加するのではなく、新らしく建てる前に土台を強化するのです。 物理療法における臨床的な技術を上達させるにつれ、私はこの原理を応用しようとしました。患者の訴えに取り組むだけでなく、原因要素となりリハビリの進展を妨ぎ得るその他の制限を探します。 クレイグ・リーベンソン Dr. ブラディミア・ヤンダは、症状に関連する、またはリハビリの努力に対する効果を減少させる多くの未検出の機能不全は、現代人において明白であると私たちに教育してくれました。彼の生徒であるDr. クレイグ・リーベンソンは、今日もこのメッセージを引き続き説いています。シャーリー・サーマンは、リハビリにおける筋バランスと効率性についての考え方を開拓しました。Dr. ジェームス・シリアックス は、私たちに人間の動作を首尾一貫して分解し、彼が損傷と呼ぶ、特定の組織の問題にたどりつくための系統的な方法を示したのです。 グレッグ・ローズ 今日、カイロプラクターや理学療法士は連携し、Selective Functional Movement Assessment(SFMA)と呼ばれる同じ動作の見方に同意しています。Dr. グレッグ・ローズ及びDr. カイル・キーゼルは、SFMAの発展に必要不可欠な存在でした。一人はカイロプラクター、もう一人は理学療法士とまったく異なる経歴を持っていますが、彼らは治療の方法の志向とそれぞれの教育的な経歴を脇に置き、完全に合意した上で共通する動作の見方と原理にたどり着いたのです。 グレッグは、世界で最も進んだバイオメカニクスの分析手段を利用することができます。カイルは身体の深部を見るために診断用の超音波を用い、筋活動を動作に関連付けます。しかし、リハビリに対して最も効率的な努力を行う時、彼らは二人とも動作の欠陥を分解することにたどり着いたのです。 カイル・キーゼル 一言でいえば、この二人の治療家は、単に症状を改善しようとしているのではありません。彼らは、症状を引き起こす動作を見極めるだけでなく、患者が訴えていることに直接に関係していないように見える機能不全的な動作をも見分けようとするのです。彼らは、人間のシステムにおける機能不全は、症状と同じくらい重要だと考えています。これを行うことで、症状を管理するだけでなく、予後不良を継続させ、リハビリを停滞または逆行を引き起こし得るリスク要因を、取り除くこともできるのです この科学は、局所的相互作用と呼ばれ、どのように身体の一部位の機能不全が別の部位の症状を引き起こし得るかを表すことの科学的な名称です。 要するに、これらの治療家達は、単に自分の責務の範囲に着手するだけではないのです。治療家は、痛みを取り除くはずです。減量のエキスパートは、クライアントの減量を助けるはずです。ストレングスコーチは、私たちをより強くするはずです。しかし、彼らの専門の目標だけに集中するのではなく、彼らは、私たちが考慮しなかった多くのことを管理することで、それらの目標を達成することにたどり着いたのです。小さなことが大きな違いを産み、偉大なる人たちはそれを理解しているのです。私たちの分野の最前線にいる人たちを見習おうと努力するにあたり、彼らのちょっとした秘訣を忘れないようにしましょう。 要約すると、私が知る最高のトレーナー、教師、コーチや治療家は、根本的には弱点を管理する人です。根本的な制限因子を見極め、それを管理するのです! そしてそれこそが重大な秘訣なのです。
ラーチフリーゾーン(ドスンと落とさないこと)
アルティメイトサンドバッグを、コントロールなくドスンと落としてしまうこと、身体がガクンと反応してしまうこと=ラーチをしないように、という注意点を、コーチ・フューリーがわかりやすく解説します。是非お試しください。
機能的運動のスペクトラムシリーズ:エンカレジメント、エンパワーメント&エンゲージメント
運動に関して、アセスメントに関して、プログレッションに関して、運動指導の専門家としての皆さんが考慮すべき3つの質問があります。これら3つの質問は、患者やクライアントのレンズを通しても、また答えられる必要があります。3つの質問とは: 結果として、成功を望みますか?失敗を望みますか? プロセス全体を通して内在の制御ポイントを望みますか?外在の制御ポイントを望みますか? 日々の生活にキャリーオーバーできる関連性のある運動を望みますか?ほとんどキャリーオーバーのない意味のない運動を望みますか? もし、あなたが私達のように考えているなら、これらの質問への答えは明白(全ての質問において最初の選択肢がそのあとの選択肢よりも望ましい)であるように見えるでしょう。ただ、もう一つ問いかけなければならない/取り組まなければならない質問があるのです: 私達の提供する運動やアセスメントやプログレッションは、これらの答えに沿っているのでしょうか?あるいは、そこにギャップや食い違いがあるのでしょうか? この記事のシリーズは;機能的運動のスペクトラムシリーズ;その終了に近づいてきていますが、今回のテーマは、もしかすると、いや、事実全ての要素の中で最も重要なものとなるでしょう。なぜか?今回のテーマは、私達の提供する運動を、アセスメントを、プログレッションをガイドすべき行動科学的原理原則について語ることになるからです。明確で単純に表現するなら、これこそが、私達が患者やクライアントと関係を持ち、彼らの人生をより素晴らしいものにするための方法なのです。 今回の記事では、機能的運動のスペクトラムを深く追求していきます。特に、行動科学の真実/原理原則に含まれるエンカレジメント(励まし)、エンパワーメント(力を与えること)そしてエンゲージメント(関与すること)にフォーカスをおきます。この機能的運動のスペクトラムシリーズの“イントロダクション”において、私達は、下記の記述を確認しました;エンカレジメント(励まし):成功(機能的)vs.失敗(非機能的);エンパワーメント(力を与えること):内在の制御ポイント(機能的)vs. 外在の制御ポイント(非機能的);エンゲージメント(関与すること):関連性のある(機能的)vs. 関連性のない(非機能的)。 リハビリテーションやトレーニングプログラムの最終的なゴールは、患者/クライアントがより良く機能することを助けることにあります。ですから、私達のプログラムが“機能的”であることを望んでいるのです。私達は、人間の身体的機能を促進する行動科学的ドライバーを忘れてしまいがちな傾向にあります。これらのドライバーは、非常に重要であり、それゆえに機能的運動のスペクトラムの一部であるのです。 グレイインスティチュートによる機能的運動のスペクトラムは、特定のエクササイズや運動が機能的か否かに関する問いかけやチャレンジへの対応として開発されました。これに関して、現在も私達運動に関わる専門家にとって有効に働いてくれています。そしてさらに重要な機能も果たしてくれています。より機能的なエクササイズ、運動、そしてプログラムのデザインをガイドしてくれるのです。一旦これらのプログラムがデザインされれば、機能的運動のスペクトラムにおける原理原則は、個体差や予測しなかったプログレッションの障壁のために調整することができるトゥイーク(微調整)を“示唆”してくれます。 もし行動科学的ドライバーが、真に原理原則であるのなら、私達に戦略を提供すべきであり、プログラムのデザインと調整を指示してくれるべきでしょう。すでにそこにある成功から始め、そしてその上に構築をすることがエンカレジメント(励まし)を提供することになります。患者/クライアントが彼らのプログラムのプログレッションについて決定することを可能にするのは、エンパワーメント(力を与える)に繋がる内在の制御ポイントを促進することになります。患者/クライアントの活動やスポーツに関連のある運動によって構成されたプログラムは、エンゲージメント(関与する)を育成することになります。 グレイインスティチュートでは、“成功は成功を生む”という表現をします。3DMAPS®(3D運動分析&パフォーマンスシステム)にあるような全体的な運動を含む最初のアセスメントを行うことが、運動不全の確認を可能にするのみでなく、いかなるプログラムのスタートポイントとして貢献することのできる各個人の運動の成功にハイライトを当てることにもなります。3DMAPSのパフォーマンスシステムは、プログラムプログレッションの“ロードマップ”として利用することのできる14のオプション(モビリティーとスタビリティーを強調)を提供します。各個人が好む順序に関するフィードバックを提供してもらうことで、彼らのエンカレジメント(励まし)を確固としたものにするエンパワーメント(力を与える)が可能となります。 一旦各個人の全体的な運動能力が、トランスフォーメーショナルゾーンへのローディングと、トランスフォーメーショナルゾーンからのエクスプローディングを強調して、動きの三面全てにおいて増進されれば、彼ら自身が自らにとって重要であると確認した活動に関連性のあるトランスフォーメーショナルゾーンを含む運動を作成することで、プログラムへのエンゲージメント(関与)を最大化し続けることができます。3DMAPS®パフォーマンスシステムの一面の運動を組み合わせることで、望んでいる活動に特化した三次元的な運動を作り出すことができるのです。 機能的運動のスペクトラムに含まれる3つの行動科学的ドライバーのうちのどれもが他の2つに影響を与え、ダイナミックな成功の螺旋を生み出します。この成功の螺旋が、機能の向上をガイドしつつ、あらゆるプログラムの身体的運動を包みこむのです。
機能的運動のスペクトラムシリーズ:エンカレジメント、エンパワーメント、エンゲージメント(ビデオ)パート1
私達が運動指導や治療で関わる対象者に対して用いることのできるドライバーは、物理学的、生物学的なもののみでなく、行動科学的なドライバーも含まれます。実は他の何物よりも重要であるかもしれない、行動科学的なドライバーについてDr.デーブ・ティベリオが解説します。
機能的運動のスペクトラムシリーズ:エンカレジメント、エンパワーメント、エンゲージメント(ビデオ)パート2
私達は誰も皆、愛されたいと望んでいます。他者と運動や治療を介して関わる私達の職業の専門性のみでなく、人間と関わる人間として私達にとって重要なドライバーとは何か?ギャリー・グレイ博士が哲学的に語ります。
スイング
私が最初のワークアウトを始めたまさにその時、興味深いトレーニングが、世界中のジム、ウエイトルーム、スパからゆっくりと消え去っているところでした:スイング。ユニバーサル、そしてノーチラスマシンの時代がケトルベル、固定式のバーベル、床の体操器具を追いやり、最も優秀な“脂肪燃焼のアスリートビルダー”の一つもまた消失したのです。ヨーロッパやオーストラリアのコーチの多くは、トレーニングプログラムにこれを使い続けていましたが、基本的にはその動きはネールジャケットと(これは1960年代)同じ道を辿りました。 それから、驚くべきことが起こりました:パベル・サッソーリンが1990年代後半にケトルベルとケトルベルトレーニングを復活させたのです。もしケトルベルを見たことがあるのであれば、それはパベルのおかげです。認定者でケトルベルを教えている人を知っているのであれば、彼らにはパベルへの感謝状の借りがあります。スイングは今やかなり有名であり、月に10、000のスイングチャレンジが皮肉なウィリー・ウォンカのミームと同じくらい頻繁に、ソーシャルメディアにアップされています。 悲しいことに、スイングは間違って行ってしまいやすいものです。スイングをよりよくするため、そして間抜けに、あるいはそれ以上に醜くならないように、この短いリストを見ていきましょう。 スイングはヒップヒンジし、素早くプランクに入る動きです。ほぼすべての間違いは、このポイントを逃すことに起因します。ヒンジするとき、股関節は最大限屈曲しますが、膝は最小限しか曲がりません。言い換えると、スイングでスクワットはしないのです!(スクワットは股関節と膝の両方を最大限屈曲します)。 スイングのワークアウト後、臀部に筋肉痛を感じてもよいのですが、ハムストリングに筋肉痛を感じるはずです。もし腰部に筋肉痛を感じるようであれば、あなたは間違って行っています!間違いです。一般的に、スイングして背中に痛みがでる人は、ヒンジをしていないのです。ウエイトはジッパーを目指して動くべきであり、ぶつけないように賢く的を外すべきです。ヒンジでは、パンターに深くスナップするように、腕と共にまっすぐ後ろに深くリーチしてください。 スイングのトップでは、垂直のプランクになります。両肩は下方に引き締め(シュラッグはしません)、お尻のほっぺたと大腿四頭筋を収縮し、広背筋を締めて、足は地面を真下に押します。ベルはかなり高い位置まで上げる必要はなく(少し“浮かぶ”感じで 良い)、重いベルであれば、ベルトの位置まで上がらないでしょう。頭のてっぺんは天頂にまっすぐ伸び、床の上でプランクしているように見えなければなりません(立っていることを除いては)。 スイングで愚かなことを試さない。目は一箇所を見続けますが、“両目は水平線上”にあることをお勧めします。基本的に水平線となるスポットを壁に探し、動いている間中そこを見続けます。たとえ、どれだけ有名な人がこの妥協したポジションをとるように教えたとしても、決して下、そしてさらに悪い後ろを見ないこと。 スイングは、そのストロークで多くのパワーを生み出すことがすべてです。そのため、ヒンジして、爆発させ(フットボールのタックルように)、素早くプランクにスナップし、自分のジッパーに向けて後ろに向かうのです。スイングはいとこであるスナッチとは、ある単純なことが違っています:ケトルベルスナッチでは、ハイランドゲームのウエイトオーバーバーのように、ベルを上方へ投げると考えるでしょう。スイングでは、ベルを前方へ投げるように考えると役にたちます(考えるだけで、やってはいけません)。この凶暴な動きを感じてもらうために、実際にスイングでベルを投げさせることもあります。 私たちの大多数は、両手のスイングで十分でしょう。片手のスイングに移行することは、握力と心肺トレーニングとしてとても効果的ですが、大抵は、片手の動きによって捻ったり反り返ったりしてしまいがちです。そうです、正しく行って欲しいのですが、確かなコーチングを受けられないのであれば、両手のスイングを続けてください。 スイングは様々な回数セッティングで、とても効果的に作用します。15回5セットのスイングによるワークアウト(その後にゴブレットスクワット、その場でのマーチング、そして柔軟運動を行う)から始めますが、連続して同じ回数のセッティングで行うことはほとんどありません。2つのバリエーションがうまく機能していて、私と私たちのグループで20,000回スイングをテストしています: バリエーション1: 10スイング 15スイング 25スイング 50スイング 50回はきついですが、このバリエーションの利点はちょうど100回できることです。これを5セット行うと、ええ、計算できますね。50回はきついです。 バリエーション2: 15スイング 35スイング 1日50スイングを5セット、1週間に5回を4週間行うことがかなりハードであることに気付き、この方法にシフトしました。つまり、この小さな妥協が、より容易なセットに続くきつめのセットを与えてくれます。これは、50回のクイックセットであり、各ラウンド間に強化と柔軟動作を組み込むことが気に入っています。 やりたいと感じるどんな組み合わせでも行うことがきますが、私たちは多くのバリエーションを試し、これらが最良でした。 腕を頭上まで上げるスタイルのスイングをしないでください。スイングを前方に、そしてベルトと肩の間くらいの高さまでスナップし(頭部が天頂に向って動いている限り)、ベルをジッパーに向って能動的に投げます。“(ズボンの)ジッパーから天頂”がコーチングのキューイングになるであろうことが分かりました。 “プロフェッショナルのように”ベルをピックアップし、同様にしてセットを終了します。私はすべてのセットで、足をしっかり位置づけ、後方にヒンジし、広背筋を締め、焦点をあてる水平上のポイント探すことに時間を要します。終了するときは、腰部のポジションを維持してベルを下ろし、地面に静かに着地することを目指します。まったく音がしないことが望ましいのです。 最後に、私は、ウォームアップ、スポーツの準備、そしてすべての人たちの一般的なトレーニングにスイングを使用します。正しくそれらを行いたいのであれば、RKC認定KBインストラクターを雇用してください。動きをより良くするために加えることができるリグレッションやコレクションは沢山ありますが、実際のハンズオンでのコーチングに勝る記事やビデオはありません。明白なことですが、これはすべてのトレーニングの考え方にも当てはまると思います。 スイングが普及することを願っています。多くの問題に対処できるシンプルで効果的なトレーニングツールが欲しいすべての人にとって、スイングは大切なものになります。スイングしましょう。
空中でのローリング方法
床の上でのローリングには様々な種類がありますが、身体部位を分節毎に動かすセグメンタルロールがしっかりと習得できれば、身体を持ち上げたポジションからのローリングにチャレンジすることも可能です。
ストレングス&コンディショニングのプログラムを考えすぎないための5つの方策
私は頻繁にインスタグラムのストーリーの質問コーナーを実施していて、時々、返答に絞り込むことができる少量の文字数からなる15秒のタイムリミットを超えるような詳細な返答を求める質問を受けることがあります。この質問はその例の一つです: より多くのことを学ぶにつれ、アスリートへのプログラムを作ることにより多くのストレスを感じます。これについて良い助言はありますか? まず初めに、これは新しいトレーナーだけでなく、経験のあるコーチにとっても信じられないほど一般的な問題であることを認めます。知識という呪いは本当に存在するもので、本来それほど高度なものが必要ではないあなたのクライアントのためのプログラムを書き上げるときに、イライラしてキーボードをたたいてしまうことにつながります。 私が見つけた助けとなる5つの方策を紹介します。 1. 一番大きな石を明らかにして丸で囲みましょう。 評価の全ての覚え書きを書き上げた後、読み直して私が最も優先度が高い項目と考える2,3個に丸をつけます。もしかしたら、それは非常に制限された頸椎の可動域であったり、かなりひどい片脚の筋力かもしれません。もしそれが80 bpm台の安静時心拍数であれば、もしかしたら有酸素能力にとことん取り組む必要があるかもしれません。とにかく、最終的に最優先事項を明確にして強調したとき、プログラムを書き始めることは簡単になり、「黙って座って考えすぎない」方向へといくらかの勢いをつけることができることがわかりました。 2. まず質のいい運動を考えましょう。 関節が効率的に動く(ニュートラルの位置から動く)とき、他の多くのシステムに影響を与えます。有酸素から無酸素のエネルギー供給方法へ移行するときにより長い時間がかかります。長さ−張力の関係性が筋力とパワーを向上させるために最適化されます。回復を最適化するためにリンパ系がより効率的に働きます。事質的に、効率的に動くということは「トリクルダウン効果」と同じなのです。 このような下流効果が、私たちが提供するウォームアップをかなり誇りに思う理由です。それらはただ体温を上げるだけではなく、それよりも、悪い硬さを減らし、良い剛性を向上させるはずです。例えば、壁に背を向けた肩の屈曲のドリルでは、広背筋や肩甲骨の下方回旋筋、腰椎の伸展筋の悪い硬さを減らします。同時に、前面のコア、首の深部屈曲筋及び肩甲骨の上方回旋筋の良い剛性を確立させます。
ピジョンのモディフィケーション
ヨガで行われるピジョンのポーズを、より腰椎に対して安全に効果的に行うためのモディフィケーションのアイデアをDr.キャシー・ドゥーリーがシェアします。同じように見える動きを、どのように実行するかで、その効果は異なったものになりますね。