肩複合体前面へのアプローチ

鎖骨下から烏口突起周辺の肩から胸にかけてのエリアは、組織の密度が高まり固まりやすいエリアです。このエリアへの徒手的アプローチと、肩複合体の不安定性を持つ人へのアクティブな収縮を伴うアプローチをレニー・パラチーノがご紹介します。

レニー・パラシーノ 5:14

運動制御の身体構造への影響

ベン・コーマックのセミナーから、股関節の運動制御と構造の評価のデモをご紹介します。運動制御を向上させることで、身体構造の制限と思われるかもしれないことが、実際に変化向上する様子をご覧ください。

ベン・コーマック 12:09

発達性運動:パート3

これまでの2回の投稿で、ふたつの基本的な考えについて述べました。まず、幼児期に学習される発達性運動パターンは、もっと複雑な成人の日常生活で使われる動きの基礎的要素であるということがあります。語彙や文字が組み合わさり文章を作るのと同様に、これらの単純なパターンが組み合わさって複雑な動きを形成します。スクワットや回旋などの基本的な運動に制限があれば、日々の運動は広範囲において損なわれるでしょう。ですから、運動の向上を図るために時間を割くのであれば、これらの基礎的運動パターンこそが、最も注目すべきところなのです。 二つ目に、発達上のポジション(四つ這いやうつ伏せ、仰向け、横座りなど)に戻ってみることは、日常の生活で無視されてしまうかもしれない基礎的運動パターンを促してくれるということがあります。なぜなら、ひとつの動作にしか適用できないような特異的で、特有な動きに対して、基礎的運動を使う傾向にあるという点で、発達上のポジションは、立位で多く発生する動きの選択肢を制限するからです。このようなことから、多くのリハビリプログラムでは、立位ではなく、床の上での発達上のポジションで実施されるのです。 この投稿で、運動に抵抗を加えることで、発達上のポジションと同様の効果があると論じたいと思います。運動に負荷を加えることは、ある特定の動作を行うために使用可能な運動パターンを制限します。凡用性のない非常に特異的で特有なパターンとは反対に、このような制限は、さまざまな状況下で非常に実用的な基礎的な運動パターンを見つけ出すのに役立ちます。 補助としての抵抗 たとえば、1ポンド(454g)の重さの物を床から拾い上げようとする時、この作業を成し遂げるための異なる動き方は文字通り何百通りもあります。つま先立ちで、後ろ向きに腕を伸ばしたり、側屈してその物を拾い上げることもできます。その選択肢は無限にあります。これらのほとんどは、今後一切使うことがないかもしれない関節の動きの組み合わせを含むことでしょう。 しかし、もしこの物に重さを加え始めたならば、選択肢の幅は狭まります。最終的にとても基礎的でパワフルな発達性の股関節ヒンジやスクワットパターンを使用しなくてはならなくなるまで狭まります。そのパターンは重いおもちゃを拾い上げる幼児とほとんど変わらなく見えることでしょう。 これが、スクワットを指導するトレーナーの多くが、ウェイトを追加することでたいていクライアントのスクワットが改善することに気づく理由です。ダン・ジョンは、負荷がない時にはいいかげんに見えてしまうスクワットを正す方法として、ゴブレットスクワットを普及させました。身体の正面にウェイトを置くことで、負荷がないときに起こりやすい望ましくない動きの使用を防ぐ制限となります。つまり、ウェイトは筋群へ抵抗を加える手段のひとつではありますが、神経系が最適な運動パターンを探し出す補助としての役割もあります。 発達性パターンの使用を促す異ができる他の制限は、スピードとパワーを伴って動く必要性です。バラエティーに富んだ運動パターンを使って空中に1インチ(2.5cm)ジャンプすることができます。たとえば、片足を浮かし、両脚を交差させ、両側の股関節は屈曲とは反対に完全に伸展させたり。しかし、完全な垂直跳びを15インチ!(38cm!)したいのであれば、従来のパワースクワットポジションを取る必要があります。(これは、重い物を拾い上げる時に使った動きに大変よく似ています。) 他の例として、交差パターンではなくて同側パターンで腕と脚を動かし歩くこともやってみればできるでしょう。つまり、右腕は左脚ではなく右脚と同期して前後に動かすことができます。しかし、速く歩こうとする場合、同側パターンを保つのはほとんど不可能です。そして、必然的に交差パターンが現れます。(試してみてください)。原始的なパターンはスピードとともに不可欠になります。 ここで覚えておいてほしいことは、自分自身を制限のほとんどない運動環境(ひとつの動作を成し遂げるためにいろいろな動きで行える環境)に置き続ければ、我々の機能の基本となる基礎的運動パターンの使用が促進されることはほとんどありません。一方、原始的パターン(発達上のポジションまたは力やスピード、パワーを必要とする動き)をもっと使用しなければならない状況に自分自身を置けば、これらのパターンを維持し改善することを余儀なくされます。 これらの異なる選択肢の中で、発達上のポジションに戻ることは、運動に効果的な制限を生み出す最も簡単で安全な方法のひとつです。なぜなら、ストレングスやスピード、パワーで動くのとは異なり、驚異の知覚と、それに伴う防御機構を増やすのではなく、むしろ減らすからです。 しかし、もしどこにも痛みがなく、最速のスピードや最大のパワー、力を出す動き(デッドリフト、スクワット、ランジ、プッシュ、プル、スプリント、ジャンプ、スローイング、キックなど)をトレーニングすることは、良い運動パターンを維持するだけでなく、さらに向上させるひとつの方法です。そして、このプロセスで鍛えられもするでしょう。

トッド・ハーグローブ 2182字

コア強化のためのサイドプランク

サイドプランクは自重で行うのが最も簡単だと思い込んでいませんか?軽い外部負荷を用いることで、筋の活性化を促し自重よりも、より簡単に目指す動きのパターンを実行する方法を、DVRT開発者のジョシュ・ヘンキンがご紹介します。

ジョシュ・ヘンキン 3:49

再び子供たちをコーチングしたことから学んだこと

以前指導していたアスリートの1人が、ちょうど高校のプログラムを引き継いだことで、数年前に書いたこの記事の事を思い出させてくましたが、これは未だに重要なことです。 過去数ヶ月、私は再び子供たちにコーチングをしています。15年前のMBSC時代初期の頃以来、しばらくの間行っていなかったことです。悲しい真実ですが、高いレベルのアスリートと仕事をすればするほど、甘やかされてしまいます。プロアスリートやオリンピックアスリートを主にトレーニングしていたことで、甘やかされていました。私が常に言っていることですが、素晴らしいアスリートをコーチングすることで、自分自身のコーチングスキルに対し間違った認識をしてしまうことがあります。高いトレーニング適齢期のアスリートや運動能力に長けたアスリートと対応していると、必然的にそれが当たり前だと思ってしまうことがあります。よりレベルの高いアスリートに関わっていると、実際よりも数段自分が良いコーチであると勘違いしてしまうこともあるのです。 現在、娘のホッケー部で13-18歳までの選手を指導しています。彼女たちは皆、なかなか優秀なアスリートですが、能力や経験にはかなりの幅があります。大部分は競技を始める前に、ウエイトルームに行ったことはなく、おもりを持ち上げたこともありません。当たり前のことですが、経験が最も優れた指導者なのです。いつもそうなのですが、良く練られた計画も失敗します。私は、大きな幻想を抱いていたことを認めなければなりません。私は、彼女たちをすぐにフィットした状態へトレーニングできる素晴らしい先生・コーチであると。まぁ、そうではないかもしれません。そうではなく、この若い女の子たちは私に貴重なことを教育、あるいは、再教育してくれたのです。 教わった、あるいは、思い出したこと シーズン中のトレーニング シーズン中はどんなグループにもストレングストレーニングを導入することが難しい時期です。シーズン前から指導できるという幸運が無く、シーズン中に始めたため、彼女たちもコーチたちも、筋肉痛や、肉離れやパフォーマンスの低下に関して心配していました。結果として、古くから頼りにしているKISSの原則に従いました。Keep It Simple Stupid (シンプルに保てよこの間抜け)。本当に、間抜けに見えていたのは私だったのです。誰も最初数回のワークアウトを見ていなかったのはありがたいことです。鞭を持たずに猫を集めるようなものです。“なんてことだ、誰もこの混乱を見ていなくてよかった”ということしか考えられませんでした。 リンクでの練習終了後にワークアウトを行うために、リンクに運べ、置いておけるダンベル以外何も使わないという、できるだけ基本的なことをしました。練習後に10分間ウエイトトレーニングを行う時間がありました。良かった点としては、リンクからほぼ直接選手たちがくるため、ウォームアップが必要ないということでした。プログラムは2セットのスクワットジャンプ、スプリットスクワットとプッシュアップの組み合わせ2セット、その後、ワンレッグストレートレッグデッドリフトとダンベルロウの組み合わせ2セットから構成されていました。スクワットジャンプは3×5で、それ以外はすべて1セット10回行いました。 この単純なメニューであっても、1人のコーチが10分間で20人の女の子たちに教えることは困難なことです。2日目、私たちはルールを作りました。話さないこと。静かにして、10分間トレーニングをすること。効果はありました。事態はゆっくりと改善され始めました。自慢できることは何もありませんが、シムテムがしっくりし始めました。数回トレーニングをした後、ルール1を変更し、“誰かがおもりを持っているときには話さないこと”としました。この意図は、セット間では話しても良いが、誰かがおもりを持ち上げているときには話さないようにすることです。 私たちはなんとか週に1-2回のトレーニングを続けることができ、少なくとも基本は習得できました。 大きな学びとは?小さい目標と、小さな勝利です。ローマは一日して成らず。私にとって最も重要だったことは、イライラせず、彼女たちを向上させ、トレーニングを続けさせることだったのです。私の目はシーズンオフに向かっていました。 シーズンオフ 数週間早送りして、シーズンオフのトレーニングを開始したところです。私は常に、シーズン中のトレーニングは歯医者に行くようなものだと言っています。シーズン中のストレングスコーチは歯医者のようなものです。人々はあなたに会う事を恐れています。あなたは、トレーニングの追加、時間の追加、ルールの追加を象徴しています。シーズンオフは全く様相が異なります。今やストレングスコンディショニングコーチとして、違いを産み出すことができる人物として見られます。私たちはKISSのコンセプトを守り、基本的なパターンに挑戦し続けます。私は、二種目のセットは良くても、サン種目のセットは上手くいかないことにすぐ気づきました。私たちは、一度に2つの事に集中することができないのですから、3つならなおさらです。トライセットは、主要なトレーニングの負荷の強いセット間で、より休息をとるように設計されました。トライセットは、私たちがリサーチに基づいて、きついセット間で3-5分とることを可能にします。もしワークアウトのチャレンジが神経系・運動学習であれば、これは問題にはなりません。初心者であれば、二種目セットは理にかなっています。コーチとして、私たちは上記のポイント1に焦点を当てます。出来るだけシンプルに。 基本パターンは重要—私たちはクリーンとフロントスクワットのコンボをほぼ毎日行います。若いアスリートにとって、この2つ以上に重要なエクササイズはないのではないかと思います。私たちは15ポンドのバーと5ポンドのトレーニングプレートを持っているということを覚えておいてください。ほとんどの女子は約1ヶ月後、45ポンドのバーを持つところまで行くでしょう。 3つの重要なレッスン レッスン 1 - 出来る限りシンプルにしておけ、この間抜け。私のケースでは、間抜けは私でした。何を学ぶ際にも、ルールが必要なのです。ルール1“他の誰とも話してはいけない”ということを実施する。ここにも書いたように、2日後にはルールを少し緩和し、ルール1を改正しました。“両手におもりを持っている人には話しかけない”。子供たちには、集中し注目することを指導することが必要なのです。それは絶えることのない戦いです。ポジティブに、トレーニングに集中し、友達とのおしゃべりを最小限にすることを強調し続けることです。 レッスン 2 - グループに対してプログラムを作成するのであって、グループをプログラムに合わせさせてはいけません。“彼らは学んでいるのですが、おもりを持ち上げているのですか”というような問いを自問してください。学ぶためには、数多くの反復が必要です。ウエイトトレーニングには、量と強度といったもののコントロールが必要です。もう一つの単純なことを自問してみてください。運動パターンが難しいのですか、それとも、負荷が難しいのですか?ほとんどの子供にとって、チャレンジは、運動パターンであるべきです。あなたは、エクササイズを教えているのであって、強化トレーニングを教えているのではありません。そこには違いがあります。 また、1時間かそれ以下の時間しかないのであれば、モビリティーワークやストレッチは忘れてください。時間が王様であり、基本には時間がかかります。スプリットスクワットはモビリティーです。スクワットはモビリティーです。優れた基本のルーティンはモビリティーのルーティンなのです。 レッスン 3 - 実際には2つのプログラムが必要になるかもしれません。プログラム1は習得プログラムであり、初心者には限られた数の基本エクササイズをより多くのセット数行わせます。プログラム2は強化プログラムです。私たちは、万人に合うプログラムを試してみましたが、これはうまくいきません。今夏、私たちのプログラムは熟練度とトレーニング年齢を基づいて作成されるでしょう。数回の夏私たちとトレーニングしていて、熟練している人には、あるプログラムを与えます。初心者には別のプログラムを与えます。私の考える熟練度とは、“クリーンとスクワットができますか”ということです。出来ないのであれば教えます。多様性を制限し、セット数を増やします。反復よりも上手く教えられるものは他にありません。 追記—一度の反復と複数の反復は同じではありません。私たちが求めているのは、より完璧なセットです。幾つかの高レップセットではありません。運動パターンを構築するのであって、ストレスを与えるのではありません。5回を3セットでは、15回の質の高い反復と、3回のコーチングする機会を与えてくれます。10回2セットは、より多くの量を提供してくるかもしれませんが、コーチングする機会は減ってしまい、テクニックが悪化してしまう機会が増えます。 大きな収穫ですか?若い子供たちは大変です。彼らはあなたのコーチングスキルすべてに挑戦してくるでしょうし、それはあなたにとって本当に有益になるのです。

マイク・ボイル ストレングス&コンディショニング 3917字

肩甲骨と胸郭間の運動の徒手的修復アプローチ

組織間の動きを失ってしまいがちな肩甲骨と胸郭の間に、シンプルな徒手でのアプローチを提供することにより、健康な動きをリストアする方法をレニー・パラチーノがご紹介します。

レニー・パラシーノ 7:03

基礎的な身体機能とはなにか?

200,000年前、人間は直立姿勢がとれるようになりました。地球上に生命が誕生したのは数十億年前ですから、この進化はごく最近の出来事であり、統計発生学的に不安定と言えます。人間の個体発生では、誕生してから4歳までに直立姿勢を取るようDNAに“備わって”います。残念ながら、近年のライフスタイルは、重力と共謀してそれを損なわせようとしています。 ヤンダ教授によると、直立姿勢は、機能的に片脚立位であると定義されます。なぜなら、歩行はわたしたちの最も基礎となる機能で、その正常な歩行周期の80%は片脚で立っているからです。近年のライフスタイルでは、歩行量の減少とともに不自然な姿勢や座位が圧倒的に多くなっています。過去10万年の間において、私たちは、大体20,000〜35,000歩/日歩いてきたと推測されます。現在、西洋の成人は平均5,000〜8,000歩/日しか歩いていません。 ボハノン・R・Wは、1日の平均歩数についての42件の研究をレビューしました。 >65歳 − 平均6,565 アーミッシュの男性は18,425歩 足の裏は、日々の数多くの歩数量に耐えられるためだけに発達したのではなく、多くの刺激を知覚するためでもあります。ヤンダ教授は、現代社会において、2つの要因によってどのように足への求心性入力が、遮断されているかを記しています。ひとつ目に、窮屈な履物による刺激の減少によって、そしてふたつ目に、歩き回っているのはたいてい平坦な床(舗装されていたり、カーペットだったり)であるため、“デッド・フット”と呼ばれる足になってしまうためです。 個体発生学的に、高度なCNS運動制御の始まりは、生命の誕生から1ヶ月後、頭が持ち上げられたり、母親の方を向く時に起こります。屈曲した胎児の頸椎の位置は、その後、逆に反り成人のような頸椎前弯が形成され始めます。誕生から3ヶ月または4ヶ月以内に、後弯だった腰椎は逆になり、乳児がスフィンクスやコブラのボーズをすることで、成人のような前弯を形成します。 環境の影響 4歳半までに子どもは、片脚での直立姿勢で目を閉じ、肩を完全に外旋することができます。(コラー)しかし、この頃にはすでに、ソファーや椅子、TV、ビデオゲーム、コンピューターなどが、直立姿勢をとるというこの自然なプログラムに悪影響を与えています。 人口の3分の1は、“協調運動の中枢性障害”のために、重力の影響や現代の運動不足なライフスタイルの影響に対して特に脆弱になっています。これは、下記の一群の兆候を強く持つ子どもたちに見られます: 過回内 外反膝または反張膝 骨盤の前方傾斜 翼状肩甲骨 猫背 頭部前方位姿勢 直立姿勢の機能評価には、下記のテストの全て、あるいは多くを実施します: ウォールエンジェル オーバーヘッドスクワット 片脚バランス (目を開けて & 目を閉じて) 片脚スクワット インラインランジまたは片脚ブリッジ 呼吸 ヤンダ教授は、歩行は最も重要な人間の機能であると言いました。正常な歩行周期の85%が片脚立ちであるからには、姿勢評価も片脚立位で行われるべきです。ヤンダ教授の評価は、私が出版した“脊椎のリハビリテーション”の中の、彼の章に記されており、さらに付属のDVDでは、理学療法士であるミシャ・ヴェヴェロコヴァが彼の評価方法をデモンストレーションしています。 ヤンダ、フランク、リーベンソンは、次のように述べました。“骨盤の動きは、股関節の伸展可動域と、片脚立位において重要である外側筋群による骨盤のブレーシングに関連します。歩行周期の約85%が片脚立ちであることに留意しなくてはなりません。外側のブレーシングの簡単なテストは、患者に目を開けたまま片脚立ちをさせることです。施術者は、患者が片脚立ちになる直前の骨盤のシフト量や骨盤や肩の高さの違いを観察します。片脚立ちになる時の支持脚への正常なシフト量は、最大でも1インチ(2.5cm)です。さらに、代償運動をしないで15秒間以上片脚立ちをしなくてはなりません。” トレーニニングやリハビリの最初の目標は、直立姿勢の改善であるべきです。上記のテストはこのゴールに向かっての漸進を導いてくれるでしょう。目的を達成するための手段として、下記のような直接的メソッドやと間接的メソッドのどれもが使用可能でしょう。 直接的 フォーム 3パック T4 スフィンクス ニーリングソラシックローテーション 間接的 股関節のモビリゼーション 臀筋の活性化 スクワット プランクのポジションでのコアまたはピラートレーニング スプリットスタンスまたは片脚立位でのポステリアチェーンのトレーニング デッドリフト

クレイグ・リーベンソン 2014字

可能性の高い容疑者:足底筋膜炎

足底筋膜炎は、測定の結合組織に起こる損傷です。足底筋膜炎の原因のチェーンリアクションバイオメカニクス(運動連鎖生体力学)を理解するためには、特に人間のロコモーションに関係するこの組織の機能を理解する必要があります。足底筋膜は、踵骨の下側内側から足趾を繋ぐように足裏の長さ全体をカバーしています。足底筋膜は、足部のアーチをサポートします。特にヒールレイズからトウオフまで。 足が地面に着地すると、距骨下関節は三面運動である回内(時に距骨の前額面での動きから外反とも呼ばれる)をします。距骨下関節の回内は、横足根関節に可動性を生み出し、足部の地表面への適合を可能とします。体重のかかったアーチは下に下がり、組織には負荷がかかります。この適合的ローディング機能は、即座に爆発的機能(推進力)に変換される必要があります。 横足根関節は、距骨下関節の回外によって可動から安定の構造へと変化します。距骨下関節が回外位にある時、足は推進のために安定しています。足底筋膜は、この安定性に貢献します。何らかの状況で距骨下関節が回外しなければ、横足根関節の安定性は不足してしまいます。骨、関節包、筋肉の足部へのサポートがなければ、足底筋膜はより多くのストレスを取り扱う必要性があります。 過剰なストレスは、足底筋膜炎として知られる臨床症状を生み出します。もっともよく見られるのは、足底筋膜の踵骨付着部の一部損傷です。全員ではありませんが、足底筋膜炎を経験するクライアントの多くは、ロコモーションの推進段階に先立っての距骨下関節の適切な回外が起こらないことから、”アンロックされた”足になっています。 というわけで、生体力学的探偵としての可能性の高い容疑者探しが始まるのです。その原因は、チェーンリアクションの原則の”真実”のため、身体のどこにでもあり得るでしょう。この記事では、容疑者を3つのカテゴリーに分割していきます:同側の脚、反対側の脚、そしてコア/軸骨格。もっともありえそうな容疑者の幾つかに関してお話をしますが、構造的な足部の問題に関してはここでは取り扱いません。 同側の脚: 同側の脚での容疑者は、距骨下関節の過剰な回内を起こす、または距骨下関節の回外を阻害する機能障害です。 足関節背屈の不足:矢状面における足部に対しての身体の動きの不十分さは、矢状面でのふくらはぎへの遠心性負荷の欠如を引き起こす。遠心性負荷の欠如は、距骨下関節の求心性&遠心性回外を効率的でなくする。 硬いふくらはぎの筋群:身体が足部の上を前方に進む時、足関節と横足根関節において背屈が起きる。通常、回外は横足根関節の背屈を減少させるが、足関節に十分な背屈が起こらない場合には、身体にとって必要な横足根関節の背屈を提供するために距骨下関節が回内を維持するかもしれない。 股関節後部外側の筋群の弱さ:距骨下関節が回内する時、下肢全体は股関節の内転、内旋を含む三次元のチェーンリアクション(運動連鎖)に参加する。これらの運動は股関節後部外側の筋群によって減速される必要がある。もし着地時の運動連鎖が減速されなければ、距骨下関節は過剰な回内をし、推進のための回外を効果的に行うことが難しくなる。 反対側の脚:反対側の脚での容疑者は、後ろ脚の適切なローディングを阻害する、あるいはその脚の推進を制限する状況です。効果的な推進は骨盤を前脚の方に向かって回旋します。骨盤の回旋が前脚を外旋させ、トップダウンドライバーにより(身体上部からの駆動により)距骨下関節の回外を補助します。 足関節背屈の不足、あるいは硬いふくらはぎの筋群:不十分な背屈は、ふくらはぎの筋群へのローディングを制限し、股関節伸展を抑制する。ヒールリフトに先駆けたローディングが効果的でない場合、推進も効果的に行えない。 股関節伸展制限:推進力は、股関節屈筋群からもっとも大きなパワーを得る。これらの筋群は股関節伸展(及び股関節内旋)によってローディングされる。股関節のしっかりとしたローディングなしでは、推進も最適とはならず、着地側の脚に向かっての骨盤回旋も減少する。 親指の伸展制限または痛み:推進の関節の動きと筋収縮への反応として踵が持ち上がると親指は伸展する(拇指背屈)。もしこの親指の伸展が制限されると、推進のパワーは”弱まり”骨盤の回旋は減少する。 コア/軸骨格:歩行において、また特にランニングにおいて、着地する脚の股関節後方外側筋群の機能的能力は、可動性と安定性を同時に持つ骨盤が存在することに依存します。もしコアの筋群(前後共に)が伸張しローディングされなければ、同側の股関節周囲筋群の”機能的”な弱さの結果として、骨盤は可動性&安定性を得ることができません。 胸椎の運動の不足:不十分な胸椎の動きは、それがどの面においてのものであれ、コアの筋群への効果的ではないローディングという結果となる。コアへのローディングなしでは、骨盤の可動性&安定性はほぼ不可能である。 弱い腹筋群:もし胸椎に動きがあれば、その動きは腹筋群によって減速されなければならない。そして減速のエネルギーは、求心性の動きを起こす力に変換されなければならない。腹筋群が減速する/または加速することに失敗をすれば、体幹も骨盤も股関節のパワーにマイナスに影響する。 僧帽筋上部の疲労/硬さ:体幹が動きの三面全てにおいて動き、コアの筋群にローディングし力を発揮すれば、頚椎も動きを経験する。頭部が前を向いた状態での体幹の動きは、ボトムアップで(身体の下側から駆動されて)頚椎に動きを生み出す。もし僧帽筋が疲労のために”硬くなる”と、頭部は左右に回旋するか、あるいは胸椎の動きを抑制して定位置を維持することになるであろう(その可能性が高い)。 関連動画は、こちら。

グレイインスティテュート 2417字

肩の可動性のためのエクササイズ

可動性を高めるためにストレッチをして、一貫した効果を得ることができるでしょうか?あるいはどのくらいの時間がかかるでしょうか?外部負荷を利用することで効果的に可動性を高める方法をご紹介します。

ジョシュ・ヘンキン 2:34

4つの肩の戦略

1. 首をリラックスさせたいなら、話すまたは息を吐く アスリートたちが上半身のトレーニングを行う際に見かける最も大きな間違いは、首周辺の筋肉をアグレッシブに動員するということです。特に過度に緊張した胸鎖乳突筋と斜角筋は、首の痛みのみでなく頭痛や胸郭出口症候群にも関与します。 ほとんどのケースにおいて、ただアスリートに頭と首をリラックスするように、あるいは頭と首の位置を変更するように伝えることでうまくいきますが、他にも利用できる戦略は、運動労作の段階中息を吐く、またはセット中に話させるようにすることです。 2. 肩甲骨の制御に関して、運動感覚的気づきを高めるコーチングキューに勝るものはない 過去にも長文で述べた通り、私はすべてのアスリートたちを、彼らの優位的学習スタイル:視覚、運動感覚、聴覚によって分類分けすることを信頼しています。 視覚的学習者は、エクササイズのデモを見てすぐに実行することができます。 聴覚的学習者は、キューイングを聞くだけで、望む運動やポジションを実行できます。 運動感覚的学習者は、そのポジションに実際におかれて、それがどのように感じるかを理解してから実行するのが最良のようです。 肩甲骨の位置の指導に関する私の経験は、この3つ目のオプションです。誰かを実際に望むポジションにする、というのが肩甲骨の位置に関して誰かに指導する際、最も素早く容易に行えることでしょう。それは下記の理由によるものです: a. 肩甲骨は、ほとんどの人たちに馴染みのない特有の動き(上方回旋、下方回旋、前傾、後傾)をもつ特有の骨である。 b. ドリルのデモを行う際、常にシャツを着用しているため、こういった微妙な動きを見せることが難しい。 よくわからない時には、望む位置に肩甲骨をおいて、対象個人にその位置を維持すること、自分のものにすることを要請するようにします。 3. 他の関節同様、肩甲胸郭関節においても制御されていない可動最終域はよくないものである 考慮すべきことがあります… 脊柱をその可動最終域まで繰り返し屈曲、伸展し続ければ、最終的に椎間板のヘルニア化、疲労骨折、あるいはその他の病理などの問題が起こりえることは、わかっています。 また、肘の過伸展を繰り返し行えば、最終的に関節内の損傷、関節炎初期、あるいは尺側側副靭帯損傷などの問題が起こることもわかっています。 ここでのポイントは、十分な可動域を持つこと、そしてその可動域内に安定性があり、過剰な可動域でないことが重要だということです。 興味深いことに、私たちは、これらのルールに関して、肩甲骨と肋骨の間の相互関係である肩甲胸郭関節を見過ごしてしまいがちです。特に、肩甲骨を”下へ後ろへ”というキューイングをされた時に、それが実際何を意味するのかを理解することなく、肩甲骨を内転(中心線に向かって)下制した過剰な”軍隊姿勢”が現れてしまうことがあります。 これらのアスリートたちは、デッドリフトやキャリー、あるいは水平プルを沢山行いすぎた時に、首や上背部に炎症を起こしがちです。肩甲骨は後ろに引き込まれすぎており、運動を行うための強い基盤ではなく、間違った安定性戦略となってしまうのです。 4. PVCパイプは、上半身のトレーニングのために効果的な数多くのことを行うために超お得な方法である 昨日、指導しているあるプロ選手のために作成したプログラムを見ていて、1日のトレーニングにおいて3つの異なったエクササイズにPVCパイプを使用していたことに気づきました。バーベルやダンベルと同じくらいの頻度で使っているわけですが、PVCパイプは$1程度で購入できるものです。これほどお得なトレーニングツールを他に探すことはできないでしょう。そして、この気づきがCSPコーチのグレッグ・ロビンズが数年前に撮影したこのビデオのことを思い出させました。これらのオプションは、実に氷山の一角にしか過ぎないのです:

エリック・クレッシー 1717字

半月板修復リハビリテーション:なぜ私たちは未だに90年代から進んでいないのでしょうか?

膝における半月板の傷害はよく見られるものでます。事実、国立保健統計センターはアメリカにおける整形外科医による手術では、半月板の手術が最も頻繁に行われており、そのうちの50%以上が45歳以上の患者に施行されていると報告しています。 高い発生率にも関わらず、半月板修復術後の患者に対するリハビリテーション、特に荷重の割合と可動域に関与することには、多くの矛盾が存在し続けています。 私はこのことに未だに衝撃を受けており、傷害前の機能に人々が安全に回復していくため、より漸進的なアプローチへと導く最新の研究について論じたいと思っています。 半月板修復後のリハビリテーション 半月板切除術後のリハビリテーションはかなりわかりやすいものです。患者の症状に対し、可動域、筋力、機能を戻し、疼痛と浮腫を基にリハビリプロセスを決めます(とても一般的な指針ですが、多くのリハビリテーション専門家が頻繁に指標にします)。 しかし、半月板をただ切除するのではなく、実際に修復する場合、考慮すべき他の要因があります。半月板修復は、断裂の治癒のために、縫合し断裂部を近づけます。 半月板修復後のリハビリテーションは、より保守的に行われる必要がありますが、研究では別の方法が提唱されているにも関わらず、整形外科・スポーツ医学の世界では、半月板修復後、荷重・可動域の制限を奨励する多くのリハビリテーションプロトコールが、未だに広まっています。歩行と可動域により半月板への“ストレス”が高くなりすぎてしまうかもしれないというという恐れのために、文献を無視し続けているのです。 残念なことに、良く使用されるこれらプロトコールの多くは、1990年代からのものです。 90年代のプロトコールについて話をするのなら、シェルボーンとバーバーの時代へ遡り、前十字靱帯と半月板の修復術を同時に受けた患者で、荷重、あるいは、可動域制限をとらず、単独前十字靱帯再建術のプロトコールと類似する方法で素晴らしい結果を示した研究を見てください。 単独半月板修復術についてのヴァンダーハブとリンドらによる最近の研究において、より保守的な方法に比べて、即時荷重を行う“アグレッシブ(強引な)”プログラムを使用することで類似した結果が報告されています。 私は、これらを“強引”なプログラムであるとは考えていません。彼らは、単に即時荷重と可動域を行わせただけです。。 繰り返しになりますが、これらの研究では半月板修復術後の結果では、荷重と可動域制限を使用した場合と、“アグレッシブ(強引)な”プロトコールで即時荷重と可動域制限なしの場合には違いがないということを示しています。 半月板修復後の早期荷重 しかし、早期歩行や可動域などを早い段階で許可することに対して、多くの人がいまだに不安であると感じる正確なメカニズムはなんでしょうか?そうすることで、正しく修復が失敗してしまうのでしょうか? 私たちは、通常半月板修復術後4-6週間はブレースを装着し、荷重時は完全伸展位で固定しています。 つまり、伸展位で固定しているであれば、なぜ荷重を制限するのでしょうか? 荷重時、圧縮力が半月板全体にかかります。これらの張力が“フープ応力”という伸展時に半月板を拡げる力を産み出します。これらのフープ応力は、多くの断裂において組織を近づけことによって治癒過程を助けてくれると考えられています。 さらに、ロデオによって、さらに最近ではマカロックによって言及されていますが、垂直断裂・縦断裂修復、または、バケツ柄状断裂の修復後、完全伸展位で荷重することでかかる圧縮力は、半月板を縮小させ、断裂部を安定させることが報告されています。 半月板修復術後早期の可動域 早期可動域についてはどうでしょう? 半月板の動きが可動域に与える影響についての文献は、かなり限られています。屈曲時、内側半月板の後方移動は5.1mmであり、外側半月板の後方移動は11.2mmであったと、トンプソンは提示しました。 どれだけの動きで有害になるかわかっているとは思いませんが、荷重時、非荷重時での膝屈曲における半月板の動きを見てみると、あまり動きがないことが分かるでしょう。動きがその部位への血流改善の助けになることは明らかにされています。このことが重大なことであり、治癒過程を助けてくれるかもしれないのです! 私たちが推薦することは何でしょうか? 事例的ですが、私たちは長年、我慢出来る範囲で荷重と可動域を可能とすることで、半月板修復に対応してきました。私が一緒に仕事をしてきた世界でも最高位にいる整形外科医の中には、最近になって、半月板修復術を、半月板修復を伴った前十字靱帯再建術と同じように取り扱う医師もいます。 半月板単独修復では、(仮に縦断裂であれば)完全伸展位で4-6週間固定をしつつも、即時荷重を許可することを好みます。複雑な修復では、一部。荷重制限をすることを奨励するでしょうが、フープ応力が治癒を助け、十分に有益であり必要であることを理解しています。どちらのケースでも、他動での可動域は我慢できる範囲で行うことを奨励します。 信じてください。私は半月板の治癒を尊重し、可動域と荷重での活動を漸進に沿って、患者を継続的に観察しています。修復した部位に沿った関節ラインでの新しい痛み、新しい腫脹、あるいは、疼痛パターンの変化、そして、クリック音(ほとんどの人々でクリック音はするのですが)のような症状はすべて、常に追加の評価と漸進の修正を行うための兆候となります。 このことに基づき、私は、半月板の垂直縦断裂修復術後、痛みのない他動可動域運動と即時荷重を行うというリハビリテーションガイドラインを支持し続けます。文献は、私たちに対し同じことを叫び続けているにもかかわらず、私たちはそれを無視して90年代に逆行しているのです。

マイク・ライノルド 2497字

スクワットの間違った通説

スクワットを行う際に、膝がつま先より前に出ないように注意して行う、という”スクワットの通説”を信じ込んで、決してつま先が前に出ないようにスクワットを行っている方も沢山いるのではないでしょうか?通説を一掃することを目指したFTIのビデオをごらんください。

ファンクショナル・トレーニング・インスティチュート 2:40