目で見る人体最大の繊維ネットワーク -Fasciaのグローバル構造- 大阪 3/31
開催要項
12:30 - 16:30
生きた人のファッシア研究の第一人者であるギャンバトゥ氏から筋膜(ファッシア)の「真実」を学べる貴重な来日講演です。様々な情報を整理し、より深い知識にするために、筋膜(ファッシア)の「真実」を、ぜひ一緒に学びましょう。
【講師】
ジャン クロウド ギャンバトゥ博士 (Dr. Jean-Claude Guimberteau)
【プログラム】※ 同時通訳があります 。
皮膚下の散歩 -人体の内部構造の探索-
この講演を通してみなさんにお伝えしたいことは、内視鏡手術において観察された、生きた人体内部の“動き(可動性)のメカニズム”の存在とその構造についてです。
私たちの身体に存在するこの“Sliding System(滑走システム)”によって、皮膚表面から深部まで、体内のすみずみにおいて、全ての組織がそれぞれ特異的かつ機能的に動くことができるのです。献体ではなく生きた人を、内視鏡カメラで撮影したことによって、人体の美しさとその全ての繋がりをビデオに納めることができました。
美しい画像や動画から、心に響くメッセージを受けとるだけでも十分価値があるでしょう。しかし、それだけにとどまることなく、どのようにコラーゲン線維、 基質成分や間質、細胞が一緒に働き“滑走システム”、つまり、疎性結合線維からなる身体の連結システムをつくりだしているか、ということをこの講演を通して学ぶことができます。この“Sliding System(滑走システム)”は私たちの身体全体のどの部分においても見ることができ、組織を構成する基礎的なネットワークであるように思えます。そのため、この“Sliding system(滑走システム)”という言葉は、グローバルな意味合いをもつ言葉として考えられるべきです。
フラクタル構造とカオスに満ちたこのネットワークは、これまで人体のダイナミクスという観点ではほとんど研究されてこなかったため、私たちの身体全体は繋がっているとは考えられてきませんでした。しかしながら、実際には、このネットワークは切り離すことができない繋がりをもち、すべての生き物の構造にも同じような構成や階層がみられることがわかってきました。
これはまさに、すべての生命に共通する、基礎的な構造のデザインといえるのではないでしょうか? 私たちの身体はすべてが繋がっているという視点を持つことで、新たな考え方へと導びかれることでしょう。