シングルレッグトレーニングセミナー パート5

(パート4はこちらへ) 両側性欠損とは?片側での力の出力の合計が両側での力の出力をうわまること。両側性のトレーニングと片側性のトレーニングに関してマイク・ボイルが語ります。

マイク・ボイル ストレングス&コンディショニング 9:55

シングルレッグトレーニングセミナー パート6

マイク・ボイルがシングルレッグトレーニングをテーマにして行ったインハウストレーニングセミナーの最終章。機能解剖学の話題も交えながら、バイラテラル(両側性)とユニラテラル(片側性)のトレーニングに関しての意見をまとめます。

マイク・ボイル ストレングス&コンディショニング 13:39

股関節屈曲の理解とトレーニング

私のウェブサイトのフォーラムにおける最近の投稿で、複雑な質問に対して短い回答をすることは、大抵の場合、有効ではないということを実感しました。私のウェブサイトの読者の数名は、弱い、または、不活性の腰筋に関する最近の話は全て、人々が流行に乗っているだけだと思っているようです。私はそれに強く反対する一人です。 股関節屈曲の生体力学に関する知識の向上は、ここ5年間で私が学んだことの中で最も価値のあることの一つだと思っています。一般的に、股関節屈曲、特に腰筋を理解することにおける問題は、5つの筋肉に対して、そのうち4つは、残りの1つに対し、てこの位置が明らかに異なっているのに、「股関節屈筋」という一般的な言葉を使って総称されてしまっていることでしょう。私も、過去には、この業界の専門家の多くと同じように、股関節屈筋群の筋肉に対して何も区分けをしていなかったことを認めなければなりません。股関節屈筋群の筋肉は全て一緒に作用して股関節を屈曲しているようだというだけで、その時の私には十分でした。しかし、理学療法士のシャーリー・サーマンの著書を読み進めるうちに、私の股関節屈筋群に対する考え方は、他の多くの筋群に対する考え方と同様に変わったのです。 サーマンが著書「Diagnosis and Treatment of Movement Impairment Syndromes (運動機能障害症候群のマネジメント)」で述べている見識は、ストレングス&コンディショニングの分野の障害における謎の多く、特に「股関節屈筋」や「大腿四頭筋」の肉離れの謎を説明しています。股関節屈曲の動作を理解する鍵は、股関節屈曲に関与している複数の筋肉の解剖学的作用を考えることです。股関節屈曲に関与することのできる筋肉は5つあります: 大腿筋膜張筋(TFL)、大腿直筋(大腿四頭筋の一部であり股関節屈筋でもあるところが異なっている)、腸骨筋、縫工筋、そして腰筋です。前述の通り、このうち3つの筋肉には共通するものがあり、2つは明らかに異なっています。 常套句ではありますが、ポイントは類似ではなく、相違にあります。大腿筋膜張筋、大腿直筋、縫工筋は全て腸骨稜に停止部があります。これは、これらの筋肉が股関節の高さまで股関節屈曲ができることを意味します。これは単純に機械的テコの原則による機能です。腰筋と腸骨筋は異なります。腰筋は腰椎すべてに起始があり、腸骨筋は腸骨の内側に起始があります。これにより2つのはっきりした違いが生まれます。 1. 腰筋は脊柱に直接的に働く。脊柱の安定筋および屈筋として働くことも可能である。 2. 腰筋と腸骨筋だけが股関節屈筋の中で、股関節屈曲を90度以上にすることのできる筋肉である。 腰筋および腸骨筋が弱い、または不活性の場合、大腿骨が股関節より上の高さまで動くこともありますが、これは腰筋および腸骨筋の作用ではなく、他の3つの股関節屈筋群によって生み出されたモメンタムによるものです。私はこの知識をもとに、腰痛や、「股関節屈筋の損傷」、「四頭筋の肉離れ」に対する私たちの知識は劇的に拡張されていると考えています。特定の障害の話をする前に、腰筋および腸骨筋の機能の評価方法を見ていきましょう。サーマンのテストはシンプルです。片脚で立った状態で、膝を胸の方向へひきつけ、放します。膝を股関節屈曲が90度より高い位置で10-15秒維持できないことは、腰筋、または腸骨筋が弱いことを示唆します。 他のサイン: - 腸骨陵の大腿筋膜張筋のエリアの攣り - 即時に起こる後傾による代償動作 - 左右への大きな骨盤移動 - トップポジションからの即時の下降と90度の位置における「キャッチ」 これらのサインは全て、クライアントまたはアスリートが弱い、あるいは不活性の筋肉を代償しようとしていることを示唆しています。大腿筋膜張筋の攣りは、典型的な相乗的優位の表れです。不利な位置で収縮を試みると、筋肉は痙攣します。股関節屈曲が90度を超えた状態では、大腿筋膜張筋はすでに収縮していて、不利なてこのポジションでは、保持するのに必要な力を発揮することができません。そのため、臀筋が不活性の状態でブリッジを行うとハムストリングが痙攣するのと同様に、結果として痙攣につながるのです。ハンギングニーレイズをしようとすると(代償動作につながるためほとんどの場合行われないエクササイズ)、痙攣や肉離れが起こるのは大腿直筋ですが、ここでも同じ影響が見られます。 試験者が、被験者が代償動作に長けていることを心配しているのなら、腰筋/腸骨筋のエクササイズとして私たちが開発し、気に入っている、より良いテストがあります。実際は、このテストは、ストレングス&コンディショニングコーチのカレン・ウッドによって開発されました。クライアント、またはアスリートの片足をプライオボックス(大抵の場合、61cmが良い)の上にのせ、膝を股関節より高い位置にします。両手は頭上もしくは頭の後ろにおき、足をボックスから浮かせた状態で5秒維持します。足を挙げられない、または保持できなければ、腰筋および腸骨筋が弱いことがわかります。負荷を加え、エクササイズをテストとして使うためには、側方からの抵抗やバンドを使って等尺運動の難易度を高めることができます。 股関節よりも低い位置からの腰筋のテストは、腸骨起始の股関節屈筋群が優位なてこのポジションにあるため、もともと無効だということは特筆すべきです。腰筋と腸骨筋のユニークな機能的関与を理解すると、弱い筋肉や不活性の筋肉が、いかにして腰痛および大腿四頭筋の損傷、両方の原因になり得るかがわかります。腰痛があり、股関節を90度以上屈曲できないと、クライアントやアスリートは腰椎を屈曲して股関節屈曲をしているような錯覚を作り出そうとします。膝を胸に近づけるように指示されたときに、何人のクライアントおよびアスリートが即座に腰椎を屈曲するかを観察してみてください。膝を胸に近づけるのと胸を膝に近づけるのには、はっきりとした違いがあります。膝を胸に持ってくること、および股関節より上に持ってくることは、腰筋と腸骨筋を使う、または使おうと試みることを強います。もしこれができなければ、下記のうちのひとつ、あるいは3つ全てが起こります。 1. アスリートやクライアントは、脊柱を屈曲して胸を膝に近づけるでしょう。最初の観察ではこれは同じように見えますが、腰痛という点からみると、これほどの違いはありません。腰椎の屈曲は骨盤変形の主要な原因です。股関節の動きを腰の動きで置き換えるアスリートやクライアントは腰痛になります。 2. アスリートやクライアントは、大腿筋膜張筋や腸骨に起始を持つ他の股関節屈筋を使って股関節を屈曲するでしょう。この場合、彼らは低レベルの大腿筋膜張筋の痛みを訴え始めるでしょう。これは、協働筋の酷使によるもので、大腿筋膜張筋の相乗的優位につながり、さらには腰筋および腸骨筋の機能不全につながります。これは屈曲姿勢を強いられるホッケー選手によく見られるものです。 3. アスリートやクライアントは、股関節屈曲をするために大腿直筋を使うでしょう。これがスプリンターやフットボールの40ヤードダッシュ時に起こる、謎の「四頭筋の肉離れ」です。この場合、障害の仕組みは上で述べたものと同様ですが、犯人は大腿筋膜張筋ではなく、大腿直筋になります。ほとんどの「四頭筋の肉離れ」や「四頭筋の損傷」は、多関節の大腿直筋に限られるということは特筆に値します。一般的に、痛みは大腿直筋が大腿四頭筋に入っていく腿の真ん中あたりに起こります。腰筋および腸骨筋は股関節の前側、臀筋は股関節の後ろ側にあります。弱い大臀筋はハムストリングの相乗的優位につながり、股関節伸展を代償するために腰椎伸展が起こります。これが、腰痛、股関節の前方の痛み(これもハムストリングを股関節伸展の主動筋として使うと、大腿骨のてこが変わり、関節包前部の痛みが起こる、というサーマンのポイント)、ハムストリングの緊張につながります。この逆は文字通り、弱い、または不活性の腰筋による、伸展ではなく屈曲による腰痛、大腿筋膜張筋および大腿直筋の損傷です。 障害予防や障害のリハビリテーションにおける鍵は、機能解剖学の正しい理解です。過去の過ちを繰り返すことをやめ、解剖学、生体力学の観点から学ぶことがまだまだたくさんあることを認識しなければなりません。少し深く学んだことで、私が解剖についてどれほど少ししか理解していなかったかに驚愕しました。私が過去3年間で読んだ中で、最も素晴らしかったものの一つがシャーリー・サーマンの次の言葉です。「筋肉が挫傷した場合、最初に行うことは、弱い、または不活性の協働筋を探すことです。」 怪我について考えるとき、それはただ起こるのではなく、物理の法則に沿って、機能解剖学に則った理由を持って起こるものなのです。

マイク・ボイル ストレングス&コンディショニング 3744字

再び子供たちをコーチングしたことから学んだこと

以前指導していたアスリートの1人が、ちょうど高校のプログラムを引き継いだことで、数年前に書いたこの記事の事を思い出させてくましたが、これは未だに重要なことです。 過去数ヶ月、私は再び子供たちにコーチングをしています。15年前のMBSC時代初期の頃以来、しばらくの間行っていなかったことです。悲しい真実ですが、高いレベルのアスリートと仕事をすればするほど、甘やかされてしまいます。プロアスリートやオリンピックアスリートを主にトレーニングしていたことで、甘やかされていました。私が常に言っていることですが、素晴らしいアスリートをコーチングすることで、自分自身のコーチングスキルに対し間違った認識をしてしまうことがあります。高いトレーニング適齢期のアスリートや運動能力に長けたアスリートと対応していると、必然的にそれが当たり前だと思ってしまうことがあります。よりレベルの高いアスリートに関わっていると、実際よりも数段自分が良いコーチであると勘違いしてしまうこともあるのです。 現在、娘のホッケー部で13-18歳までの選手を指導しています。彼女たちは皆、なかなか優秀なアスリートですが、能力や経験にはかなりの幅があります。大部分は競技を始める前に、ウエイトルームに行ったことはなく、おもりを持ち上げたこともありません。当たり前のことですが、経験が最も優れた指導者なのです。いつもそうなのですが、良く練られた計画も失敗します。私は、大きな幻想を抱いていたことを認めなければなりません。私は、彼女たちをすぐにフィットした状態へトレーニングできる素晴らしい先生・コーチであると。まぁ、そうではないかもしれません。そうではなく、この若い女の子たちは私に貴重なことを教育、あるいは、再教育してくれたのです。 教わった、あるいは、思い出したこと シーズン中のトレーニング シーズン中はどんなグループにもストレングストレーニングを導入することが難しい時期です。シーズン前から指導できるという幸運が無く、シーズン中に始めたため、彼女たちもコーチたちも、筋肉痛や、肉離れやパフォーマンスの低下に関して心配していました。結果として、古くから頼りにしているKISSの原則に従いました。Keep It Simple Stupid (シンプルに保てよこの間抜け)。本当に、間抜けに見えていたのは私だったのです。誰も最初数回のワークアウトを見ていなかったのはありがたいことです。鞭を持たずに猫を集めるようなものです。“なんてことだ、誰もこの混乱を見ていなくてよかった”ということしか考えられませんでした。 リンクでの練習終了後にワークアウトを行うために、リンクに運べ、置いておけるダンベル以外何も使わないという、できるだけ基本的なことをしました。練習後に10分間ウエイトトレーニングを行う時間がありました。良かった点としては、リンクからほぼ直接選手たちがくるため、ウォームアップが必要ないということでした。プログラムは2セットのスクワットジャンプ、スプリットスクワットとプッシュアップの組み合わせ2セット、その後、ワンレッグストレートレッグデッドリフトとダンベルロウの組み合わせ2セットから構成されていました。スクワットジャンプは3×5で、それ以外はすべて1セット10回行いました。 この単純なメニューであっても、1人のコーチが10分間で20人の女の子たちに教えることは困難なことです。2日目、私たちはルールを作りました。話さないこと。静かにして、10分間トレーニングをすること。効果はありました。事態はゆっくりと改善され始めました。自慢できることは何もありませんが、シムテムがしっくりし始めました。数回トレーニングをした後、ルール1を変更し、“誰かがおもりを持っているときには話さないこと”としました。この意図は、セット間では話しても良いが、誰かがおもりを持ち上げているときには話さないようにすることです。 私たちはなんとか週に1-2回のトレーニングを続けることができ、少なくとも基本は習得できました。 大きな学びとは?小さい目標と、小さな勝利です。ローマは一日して成らず。私にとって最も重要だったことは、イライラせず、彼女たちを向上させ、トレーニングを続けさせることだったのです。私の目はシーズンオフに向かっていました。 シーズンオフ 数週間早送りして、シーズンオフのトレーニングを開始したところです。私は常に、シーズン中のトレーニングは歯医者に行くようなものだと言っています。シーズン中のストレングスコーチは歯医者のようなものです。人々はあなたに会う事を恐れています。あなたは、トレーニングの追加、時間の追加、ルールの追加を象徴しています。シーズンオフは全く様相が異なります。今やストレングスコンディショニングコーチとして、違いを産み出すことができる人物として見られます。私たちはKISSのコンセプトを守り、基本的なパターンに挑戦し続けます。私は、二種目のセットは良くても、サン種目のセットは上手くいかないことにすぐ気づきました。私たちは、一度に2つの事に集中することができないのですから、3つならなおさらです。トライセットは、主要なトレーニングの負荷の強いセット間で、より休息をとるように設計されました。トライセットは、私たちがリサーチに基づいて、きついセット間で3-5分とることを可能にします。もしワークアウトのチャレンジが神経系・運動学習であれば、これは問題にはなりません。初心者であれば、二種目セットは理にかなっています。コーチとして、私たちは上記のポイント1に焦点を当てます。出来るだけシンプルに。 基本パターンは重要—私たちはクリーンとフロントスクワットのコンボをほぼ毎日行います。若いアスリートにとって、この2つ以上に重要なエクササイズはないのではないかと思います。私たちは15ポンドのバーと5ポンドのトレーニングプレートを持っているということを覚えておいてください。ほとんどの女子は約1ヶ月後、45ポンドのバーを持つところまで行くでしょう。 3つの重要なレッスン レッスン 1 - 出来る限りシンプルにしておけ、この間抜け。私のケースでは、間抜けは私でした。何を学ぶ際にも、ルールが必要なのです。ルール1“他の誰とも話してはいけない”ということを実施する。ここにも書いたように、2日後にはルールを少し緩和し、ルール1を改正しました。“両手におもりを持っている人には話しかけない”。子供たちには、集中し注目することを指導することが必要なのです。それは絶えることのない戦いです。ポジティブに、トレーニングに集中し、友達とのおしゃべりを最小限にすることを強調し続けることです。 レッスン 2 - グループに対してプログラムを作成するのであって、グループをプログラムに合わせさせてはいけません。“彼らは学んでいるのですが、おもりを持ち上げているのですか”というような問いを自問してください。学ぶためには、数多くの反復が必要です。ウエイトトレーニングには、量と強度といったもののコントロールが必要です。もう一つの単純なことを自問してみてください。運動パターンが難しいのですか、それとも、負荷が難しいのですか?ほとんどの子供にとって、チャレンジは、運動パターンであるべきです。あなたは、エクササイズを教えているのであって、強化トレーニングを教えているのではありません。そこには違いがあります。 また、1時間かそれ以下の時間しかないのであれば、モビリティーワークやストレッチは忘れてください。時間が王様であり、基本には時間がかかります。スプリットスクワットはモビリティーです。スクワットはモビリティーです。優れた基本のルーティンはモビリティーのルーティンなのです。 レッスン 3 - 実際には2つのプログラムが必要になるかもしれません。プログラム1は習得プログラムであり、初心者には限られた数の基本エクササイズをより多くのセット数行わせます。プログラム2は強化プログラムです。私たちは、万人に合うプログラムを試してみましたが、これはうまくいきません。今夏、私たちのプログラムは熟練度とトレーニング年齢を基づいて作成されるでしょう。数回の夏私たちとトレーニングしていて、熟練している人には、あるプログラムを与えます。初心者には別のプログラムを与えます。私の考える熟練度とは、“クリーンとスクワットができますか”ということです。出来ないのであれば教えます。多様性を制限し、セット数を増やします。反復よりも上手く教えられるものは他にありません。 追記—一度の反復と複数の反復は同じではありません。私たちが求めているのは、より完璧なセットです。幾つかの高レップセットではありません。運動パターンを構築するのであって、ストレスを与えるのではありません。5回を3セットでは、15回の質の高い反復と、3回のコーチングする機会を与えてくれます。10回2セットは、より多くの量を提供してくるかもしれませんが、コーチングする機会は減ってしまい、テクニックが悪化してしまう機会が増えます。 大きな収穫ですか?若い子供たちは大変です。彼らはあなたのコーチングスキルすべてに挑戦してくるでしょうし、それはあなたにとって本当に有益になるのです。

マイク・ボイル ストレングス&コンディショニング 3917字