肩帯の構造と機能を理解する
肩の構造を理解することはとても大切です。肩帯の構造を理解するには、肩関節のみではなく、肩甲骨や胸郭までを含んで考えることも必要。肩関節や肩甲帯に影響する筋肉や、それらの筋肉がどのように怪我や障害に関与するのかを紹介しているコンテンツをいくつか集めてみました。運動指導にも役立つアドバイスも含んでいますので、チェックしてみてください。
正常な肩関節
肩複合体における各関節の正常な位置関係とは?理学療法士、アスレチックトレーナー、ストレングスコーチ、ヨガ指導者として幅広く活動するスー・ファルソニがわかりやすく解説します。
肩の健康:解剖学及び傷害の概要 パート1/2
肩とは 肩の健康についてのどのような考察も、まず肩が非常に複雑な関節であることを認識する必要があります。そのデザインにより、肩は身体の中で最も可動性のある最も不安定な関節になっており、とても小さな変化でその力学的機能は変わってしまい、問題を引き起こすこともあります。 関節を安定させ支える筋肉は、主にローテーターカフ、そして肩甲骨安定筋群、菱形筋、僧帽筋、そして前鋸筋でありー一般的に肩甲帯と呼ばれるものです。胸骨と接する鎖骨、肩甲上腕関節(肩の球関節)、そして肩甲骨によって、まさにヨーク(くびき)のようになっています。 ローテーターカフ ジムでトレーニングする人達の大部分に向けた肩の健康に関するイントロは、チューブを使ったローテーターカフの内旋及び外旋エクササイズを行うための指示で構成されています。ローテーターカフを強化することは大抵良いアイデアなのですが、だからと言ってそれが理想的な肩のメカニクスを保証しているわけではありません。弱いローテーターカフで適切な肩のメカニクスは得られませんーローテーターカフの働きは必要なのですが、それだけで十分ではないのです。 よくローテーターカフが腱としてみなされるのを目にするでしょうが、ある問題の根本的な原因としてローテーターカフの筋肉を除外してはいけません。事実、骨が腱を擦り減らして生じる損傷のほとんどは、もともと筋肉の問題によるものなのです。 ローテーターカフの構造がどのように負傷するのか ローテーターカフの筋群は2つの理由で痛めつけられます。まず、それらが大きな仕事を持つ小さな筋肉であるということ。そして二つ目は、もし肩が適切に機能していなければ、それらの筋肉は関節に文字通り削られてしまうような位置にあるということです。この研削がインピンジメントと呼ばれます。もしある動きの中で、特定の位置に達するといつもコツンという音やポキッという音が聞こえるのであれば、それはインピンジメントかもしれず、対処するのが賢明です。時間がたつにつれ、小さな摩滅が大きな問題を引き起こしうるのです。 強いローテーターカフは、かかる負担によってけがをすることなく自分たちの仕事をより良く行うことができ、肩が適切に動き続ける手助けをしてくれるでしょう。しかし強い外旋筋群だけでは、健康な肩の動きは保証されません。 もしあなたの胸筋が柔軟でなければ、あなたは問題を抱えることになるでしょう。そして肩甲骨をコントロールする筋肉ーつまり菱形筋、僧帽筋中部及び下部、そして前鋸筋は、十分に強くなければなりません。 たとえすべてが強く、十分に柔軟性を持っていても、協調する運動パターンがうまく順序だっていなければ、あなたはなお問題を抱えるかもしれません。このことを考慮してください:もしローテーターカフをけがしたら、強化をするのは待つ必要があります。医師の診察を受け、手術の必要な断裂がないことを確認しましょう。もし受動的運動が必要であれば、理学療法士のところへ送られるかもしれません。 どのようにローテーターカフを強化するか ローテーターカフについて、理学療法における最新の思考には、良い機能を取り戻すためにいくつかのステップがあります。第一に個々の筋肉の治癒、筋力と可動域の回復、そしてそれらを神経学的にうまく発火させることです。それを行うのが、それらのチューブによるアイソレーション・エクササイズです(わたしたちが理学療法から拝借したエクササイズですね)。 次のステップは、これらの筋肉が全身と協調して働けるようにする運動パターンを再習得することです。コンパウンド・エクササイズ(複合エクササイズ)が良く、安定性に付加的要求をするエクササイズは大いに役立つかもしれません。 突き詰めていくと、多くの人々は、安定筋群の十分な筋力を維持するために直接的な運動をしなくてはならないでしょう。一例をあげると、もしあなたが肘を外側に張り出すロウイングをしていなければ、あなたはローテーターカフをあまりターゲットにしていないかもしれません。たとえしているとしても、大きな主働筋群が安定筋群を上回って、結局それらが分担した以上の働きをしてしまい、ローテーターカフは使われないままになる可能性が非常に高いでしょう。ロウイングによって、ローテーターカフの4つの筋肉すべてが肩を十分に支えられるほど鍛えられるという確率は低いのです。 とるべき方法は2つあります:一つは、ローテーターカフの筋力を定期的にテストし、十分な筋力と可動域が様々なポジションすべてに備わっているかを確認することです。そして、必要に応じて弱点を克服するエクササイズをしましょう。もう一つは、ただいくつかのローテーターカフのエクササイズを行うことです。一週間におよそ10分間程度ですから、それをちょっとずつやるというのは十分簡単ですね。 ローテーターカフの筋力は、通常直接的なローテーターカフ・エクササイズでどれだけの重さを使えるかを見てテストされます。理想的には、他との関連を無視して数字を見るよりもむしろ、統合的な上半身エクササイズの筋力と比較しましょう。 ローテーターカフの外旋エクササイズは、健康な肩を守るためのごく一部にしかすぎません。それらは、ジム仲間が毎トレーニングセッション前にチューブをつかんでウォーミングアップするという、あなたが期待するような万能の策ではないのです。 基本的な肩の健康 関節の可動性と安定性の観点から肩を見るとき、肩甲骨には安定性が必要な一方で肩甲上腕関節は可動性を要するため、私たちは肩甲帯の考えを分けなくてはなりません。 主要な部分に硬さがあるとき、肩はあなたの手、腕、そして胸郭に適切な動きを提供するために安定性を諦めます。肩の安定性なしでは、けがへと一直線です。あなたが肩関節から離れた身体の部位の柔軟性を得るまでは、健全で強くなるためのあなたの努力は、ある程度までしか効果がないでしょう。基本的な肩の機能を確実なものにするために、最低でも適切な柔軟性を得るまで、手首、胸筋、広背筋、そして肩甲下筋をストレッチし、そして生涯を通していくつかの基本的なストレッチをすることを計画しましょう。 幅広い種類のエクササイズを用いて、ローテーターカフと肩甲骨をコントロールする筋肉を鍛えましょう。もしあなたの使っているエクササイズが望ましい結果を出していないのであれば、他のエクササイズを試しましょう。胸筋や上腕二頭筋と同じくらい、上背部の筋肉や肩の安定筋群の筋力強化に頑張って取り組みましょう。 前鋸筋からのインプット 肋骨の背部に対し平らであるべき肩甲骨が突き出てしまっている翼状肩甲骨は、弱い前鋸筋、あるいは習慣的に怠けている前鋸筋が原因です。前鋸筋は肩甲骨を引き下方回旋させますが、それが正しく働いていないとき、肩甲骨縁は上に持ち上がり突き出てしまうのです。前鋸筋を定期的に鍛えることは必要不可欠です。 ウエイトトレーニングをする人たちの間では、何が前鋸筋を働かせるかについて多くの誤解があります。たとえば、前鋸筋も使うエクササイズとして長い間考えられてきていたプルオーバーは、前鋸筋を使ったとしてもそれほどではありません。プルオーバーをしているときに前鋸筋を収縮させることはできますが、それは前鋸筋をそれほど使う動きではないのです。反対に、前鋸筋を本当に発達させる基本的な運動とはオーバーヘッド・プレスで、できれば立位で行うのがよいでしょう。 ベンチプレスをすることは、前鋸筋の機能不全の一因となることがあります。通常水平面で押すとき、前鋸筋と胸筋、三角筋、そして上腕三頭筋は一緒に働きます。肩甲帯は腕に沿って前方に伸展されます。ベンチの上に寝転ぶとき、ことはうまくいかなくなるのです。肩甲骨は体重とバーの重さを合わせた重量の下敷きになってベンチの上で押しつぶされ、自由に動くことができません。加えて、ベンチプレスの「ゴール」は、バーをできるだけ高く上げることではなく腕をしっかり伸ばすことですから、前鋸筋は肩甲帯を伸展させるために使われないということになります。 これをさらに説明するものとして、前鋸筋はボクサー筋と呼ばれることがあります。最大のリーチとパワーのために、腕と肩甲帯の協調された完全伸展が自然と要求されるボクシングでは、この筋肉が非常に発達するのです。 前鋸筋をもとの状態に戻すには、大抵アイソレーション・エクササイズが第一段階です。最良のエクササイズは恐らく、インクラインベンチあるいは立位で、バーをオーバーヘッドで持って行うシュラッグでしょう。もしあなたが片側に問題を抱えているなら、そのエクササイズを二つのダンベルまたはケトルベルを用いて行うか、あるいは片手ずつ行うのは理にかなっています。 もう一つの良いエクササイズは、プッシュアップ・プラス、あるいは肩甲骨プッシュアップと呼ばれるものです。これは通常のプッシュアップのようですが、背中のてっぺんができるだけ高くなるようにプランクポジションを超えてプッシュします。通常のプッシュアップを試し、それからプッシュアップ・プラスをしてみると、プレスと肩の完全伸展との間の違いを感じるでしょう。プッシュアップのポジションになり、そして肘をロックしたまま、肩の後方をできるだけ高く持ち上げることを繰り返します。それはシュラッグのようです;動きは肩甲帯のみで起こりますす。これは肩甲骨の安定性のための優れた導入的コレクティブ・エクササイズです。 前鋸筋が機能的であるとき、オーバーヘッド・プレスは、恐らくその筋肉を強く健康に保つのにふさわしいものでしょう。
肩の健康:解剖学及び傷害の概要 パート2/2
肩関節安定性 肩関節の安定筋群は、バーベルがぐらつかないようにするためにデザインされているのではありません。それはより、バランス・運動感覚・固有受容器の機能のためなのです。 安定筋群は関節をまとめるのを手助けする筋肉です。再度述べることになりますが、肩甲上腕関節は身体で最も可動性のある、最も不安定な関節です。球関節の構造はあなたが思い描くかもしれないものとは異なりますす;それは、ティーの上に乗っているゴルフボールのようなものなのです。肩関節の結合組織は、周辺の筋肉からの助けを借りて安定性を得ているのです。 ベンチプレスをしているとき、ローテーターカフの筋肉は、まるでゴルフボールをティーに乗せた状態でキープするように、関節をまとめようと必死に頑張って働かなくてはなりません…強要されている間中ずっと。 肩の問題の大きな要因 棘上筋はしばしば、何らかの形で肩の機能が働かないときに犠牲になります。しかしながら、棘上筋のエクササイズをただやるだけでは意味がなく、損傷部位を悪化させる可能性もあります。肩の問題の要因は、次のいずれかの組み合わせによるものでしょう: 硬い手首 硬い胸筋 硬い広背筋 硬い僧帽筋 過度の胸椎後弯 弱い僧帽筋下部 硬い菱形筋 弱い前鋸筋 弱い外旋筋群 硬い肩甲下筋 硬い斜角筋 …あるいは、単に関節をインピンジメントされるポジションに動かしてしまうエクササイズをしているのでしょう。たとえば、アップライト・ロウは基本的にトップポジションで、腱を刻み擦り切っています。バランスの崩れた肩はやがて不健康な肩になり、あなたをあらゆるスポーツや活動から遠ざけてしまうでしょう。 硬さを軽減する バランスの崩れの問題全体において、胸筋をストレッチすることは答えのまる半分です。硬い胸筋は、上背部の筋肉を強化する努力を台無しにしてしまうでしょう。 上背部をフォームロールすることは、胸椎をゆるめるのに役立つと思います。 脊柱上部を伸展させる筋肉を発達させることも役立つでしょう。十分な量のオーバーヘッドエクササイズを行い、水平面でのロウイングに一生懸命取り組みましょう。すべての種類のロウイングが役に立つというわけではありません;広背筋エクササイズとしてではなく、背部全体のエクササイズとして行えるものが良いでしょう。これはロウイングでチーティングすることを意味しているのではなく、まったくその逆です。最良なのは、恐らくストリクト・バーベルロウ(オリンピックコーチのグレン・ペンドレー氏になぞって時々ペンドレースタイル・ロウと呼ばれる)でしょう。 もしあなたが腕を挙上させるときに、前鋸筋を収縮させ肩甲骨を前方に動かしてあげて、腱にいくらかのスペースを作らなければ、オーバーヘッドポジションは関節に対して本当に酷なものとなります。もし胸椎の伸展不足によって猫背になっているのならば、これは良くありませんね。これらすべてがどのように一緒に働くのかわかりますよね? 運動の連鎖 理学療法士が肩甲上腕リズムと呼ぶ肩甲骨と腕の協調された動きは、健康な肩の機能の重要な一部です。肩甲上腕リズムは、関節のスペースが可動域のある地点で失われてしまわないようにします;つまり、これがインピンジメントを防ぐのです。 何の症状や問題もない天性のアスリートにおいて、これは考えることなくただ起こることです。もしけがやバランスの崩れがそのパターンを乱してしまったら、あるいはそのパターンを取り消す運動に励んだとしたら、それを元の状態にするためには再学習が必要です。 特にあなたがたくさんベンチプレスをし、オーバーヘッドエクササイズをあまりやらなければ、あるいは腕立て伏せか一般的な運動、またはこのパターンを存続させる肉体労働さえもしなければ、ベンチプレスはこのパターンを本当に失わせてしまうものの一つです。 ベンチプレスでは、肩甲骨はベンチに対して押しつぶされ、あなたが何をしようとあまり動きはしません。もし肩甲骨を固定すれば、ベンチプレスがもっとできますが、そこにある考えはあなたの肩を健康にするためではなく、ベンチプレスをもっとするためなのです。 ご覧の通り、ベンチプレスはわたしたちがいかにパワフルなエクササイズをやりすぎてしまうかという一つの例であり、時間の経過に伴って、それはわたしたちの動き方に組織的な問題をもたらします。ベンチプレスをするときに固定された肩甲骨のイメージを打ち砕くのは大変です。 教訓はシンプルです:ベンチプレスを制限しましょう。せめてベンチプレスを減らし、水平ロウ(基本的にベンチプレスと逆の動き)やオーバーヘッド・プレスを行いましょう。 肩のインピンジメント 肩峰の種類 もしあなたが両側に長く続く問題を抱えているならば、肩関節の骨である肩峰がより鋭利な形状をしている可能性が非常に高いでしょう。もしこれが事実ならば、それがインピンジメントのこすれる痛みを起こしやすくしているのです。わたしたちは皆いくらかのインピンジメントを抱えていますが、より鋭い肩峰を持つ人たちは、痛みまたはその肩峰による損傷を抱える傾向がより高くなり、このような人々はインピンジメントを引き起こすエクササイズを避けるよう注意すべきです。 タイプ1は最も肩峰が開いている種類です;タイプ2はわずかに閉じているもの;タイプ3はもっとも閉じているもので、理学療法士たちが「くちばし状」と呼ぶものです。くちばし状の肩峰は、関節のスペースが損なわれるときに、骨のとがった部分がノコギリのようにローテーターカフの腱を傷めつけるので問題です。これは誰にとっても起こりうる問題なのですが、骨が平均よりも長かったり、とがっている場合はより深刻な問題となります。 インピンジメント もしあるエクササイズで毎回肩の同じところがポキッと音を立てているならば、それは大抵インピンジメントですー結合組織が誤った方法で摩擦し、骨の突起または結合組織のその他の擦過傷の上を滑っています。腱は骨の上を滑りながらぴんと引っ張られ、それが骨の角や縁の上を通る際に嫌な音を立てるのです。擦過傷は腱で悪化し、徐々にけがを引き起こします。 このままエクササイズをし続けるというのは良いことではありません。もし痛むのであれば、中断しましょう。もしクリック音を立てるのであれば、やめてください。医療専門家に肩を診てもらいましょう。理学療法だけでインピンジメントを解消できる可能性は十分にあります。もしあなたが軟部組織を損傷する前にそうすることができれば、それに越したことはありません。 内旋筋群が硬い、あるいは外旋筋群が弱いとき、肩はインピンジメントを起こす位置に引っ張られてしまいます。内旋筋群とは、胸筋、広背筋、そして肩甲下筋です―これらは大抵ストレッチが必要です。一般的に強化が必要である外旋筋群には、棘下筋、小円筋、そして棘上筋があたります。多くの場合、胸骨に向かってのロウイングに一生懸命取り組むだけで、インピンジメントを和らげることができるでしょう。とりあえずロウイングに一生懸命取り組んでみることをおすすめします。 関節を広げ、骨を腱から離してくれるいくつかのこととは: 胸筋、広背筋、そして僧帽筋をストレッチすること 外旋筋群、僧帽筋下部、そして前鋸筋を強化すること 胸椎の可動性を出すこと インピンジメントを引き起こすもう一つの厄介な問題は、腕と正しく協調して動いていない肩甲骨です。前鋸筋と僧帽筋下部を鍛えることは、健康的な動作の基盤を提供しますが、わたしたちは正しい方法で動くことを学ぶ必要もあり、もし悪い習慣が染みついていたらそれはなかなか難しいかもしれません。インピンジメントは、動作中に骨が正しい位置から外れるときに起こります。それがインピンジメントというもので、骨の間に軟部組織が挟まってしまうのです。もし骨がうまく動いていたら、それらが軟部組織を挟むことはないでしょう。 棘上筋は骨の間の小さい隙間を通っています。もしあなたが肩の弱さや硬さ、あるいはバランスの悪さを抱えているならば、骨は棘上筋を傷める位置に引っ張られてしまいます。それがインピンジメントです。 胸椎の可動性がないときーそれが硬いときや伸展できないときー肩はまたしても悪い位置に引っ張られてしまいます。上背部には胸椎を伸展させる深部筋群があります。フォームローラーでローリングすることは、その部分を動くようにさせるための良い一歩です。 インピンジメントは、動作中に骨が正しい位置から外れてしまうときに起こります。多くの場合、軟部組織の損傷は、ローテーターカフ筋群の起始部の腱の損傷です。 インピンジメントを避けるために多くの人々がやるべきことは: 弱い部分を強化する 硬い部分をストレッチする 腕の動かし方を再習得する そして危険なことを避ける。 しかしながら、硬いと感じるものが硬化ではないかもしれず、それをストレッチすることが新たにより大きな問題を引き起こすこともあるため、医療の専門家からの指導を得ることは重要です。 肩をけがしているとき 肩のけがは、トップダウン(身体上部からの連鎖)で運動に影響を与えます。肩のけががあるときは、歩行またはランニングを含め、どの身体運動も通常通りではありません。 たとえあなたが強いとしても、あなたが肩をけがする方法はたくさんあるのです…特にあなたが強ければなおさらかもしれません。 強く安定した肩の発達には、ローテーターカフの4つの筋肉以上のものが必要です。肩をけがしたからといって、ローテーターカフが弱いと単純に結論付けることはできません。いくらかのローテーターカフの問題は避けられないものかもしれませんが、多くのこと、あるいはもしかしたらほとんどのことは予防することができるでしょう。もし肩の機能を修正しインピンジメントを解消することができれば、あなたは非常に多くの問題から自身を守ることができます。 肩の痛みを持ち、手術を必要とするのはほんのわずかな人々であり、多くの人達は良い治療計画ですぐに効果が現れます。大事なことを最初に ー痛みを悪化させることは何もしないように!痛むならやらない、のです。 次に大事なことは、専門家に診てもらうこと。アスレティックトレーナー、理学療法士、医師、またはカイロプラクターは、まず診てもらうのにふさわしい人たちです。 アスリートを治療する良いカイロプラクターや理学療法士の間での総意は、よくある肩の問題に対し保存療法はとても効果が見られるということです。そしてこれらの治療家の何人かは、非常に基本的な休息、ストレッチ、そして筋力強化による治療でそのような結果を得ています。
肩甲骨背面のスペースとローテーターカフ
2017年7月に台北で開催されたイマキュレートダイセクションレベル3のクラスの休憩時間を利用して、Dr.ドゥーリーが肩甲骨背面の筋肉群とそのエリアに起き得る動脈のインピンジメントに関して解説をします。動画の背景に私たちが立って話しているのが、ちょっと笑えます。
チェーンリアクションバイオメカニクス 相対的な動きと実際の動き:肩の動き
肩関節(関節窩と上腕骨の接合)の動きは、上腕骨骨頭と肩甲骨の関節窩の間に相対的な動きがある時に起こります。他のすべての関節同様に、それぞれの骨の実際の動きも起こり、多くの場合において両方の骨が動いています。肩関節は三面というのみでなく三軸として解説をされます。肩関節における動きは、三面のどの面においてもそれぞれに起こり、複雑な機能を促進する複数の三面的な組み合わせを可能にします。 肩関節は、四肢の関節として考えられ、他の全ての四肢の関節同様に、相対的な関節の動きは、近位の骨に対する遠位の骨の関係性によって名称をつけられます。両方の骨が同じ方向に動いているとき、もし上腕骨(遠位の骨)が肩甲骨よりも早く動けば、上腕骨の実際の動きと、肩関節の相対的な動きは同じものとなります。これは、目で見てもわかりやすく、頭でも理解しやすいものです。もし上腕骨が肩甲骨よりも早く外旋をすれば、相対的な関節の動きは外旋になります。混乱の原因になり得る唯一のことは、肩甲骨の実際の動きを表現するために使われる用語のみでしょう。しかし、肩甲骨が上腕骨よりも早く動く時、それぞれの面においての一貫した用語の欠如がより大きな混乱を生み出すことになります。下の表は、それぞれの骨が同じ方向に動くときの実際の骨の動きを表したものです。 肩甲骨が上腕骨よりも早く動くとき(同じ方向で)には、私たちが見る上腕骨の動き(実際の骨の動き)と肩関節の相対的な動きは同じではありません。反対の動きになります。上の表のそれぞれの面を使った例としては: 肩甲骨が、上腕骨の伸展よりも早く前方回旋するとき、相対的な関節の動きは屈曲になります。 肩甲骨が、上腕骨の内転よりも早く下方回旋するとき、相対的な関節の動きは外転になります。 肩甲骨が、上腕骨の内旋よりも早く前突するとき、相対的な関節の動きは外旋になります。 機能において、もし動きが手によって駆動されていれば、通常上腕骨の方が早く動きます。しかし、動きが頭部、体幹あるいは脚に駆動されているときには、多くの場合肩甲骨がより早く動きます。 機能的活動において、骨はそれぞれ相反する方向に動いているかもしれません。この場合、相対的な関節の動きは、どちらの骨がより早く動いているかによって決定されるのではありません。もしそれらの骨が同じ面で相反する方向に動いているのであれば、近位の骨は、遠位の骨によって作られた関節の動きに加わることになり、相対的な関節の動きは、遠位の骨の動きと同じものになります。 機能にとって重要な、骨が相反する方向に動く特別のケースがあります。これは、骨が同じ方向に動くことからスタートしますが、遠位の骨よりも先に近位の骨がその方向を逆にする場合です。これはグレイインスティチュートで、トランスフォーメーショナルゾーンと呼ぶ状況で起こります。この近位の骨が遠位の骨よりも先に動く順番は、全ての機能的運動の一部である、筋肉へのパワフルで機能的なローディングを生み出すものなのです。
チェーンリアクションバイオメカニクス 相対的な動きと実際の動き:肩関節
グレイインスティチュートのチェーンリアクションバイオメカニクスを理解するために不可欠となる、実際の骨の動きと相対的な関節の動き。2つの骨は同じ方向に動いているのか、それとも相反する方向に動いているのか?どちらかの骨がより早く動いているのか?肩関節の動きを例にとって考えます。
肩関節のロール&グライド
レニー・パラチーノのセミナーから、肩関節のロールとグライドの動きの解説と、有効なホールディングポジション、そして適切な肩関節のロール&グライドの評価と促進のためのいくつかの動きをご紹介します。
肩帯のシリーズ イントロ
(肩帯のシリーズ#2はこちらへ) 接触による外傷を伴わない、慢性的な肩の痛み。その原因は肩関節そのものにあるよりも、他の身体部位の働きによるところが大きい場合が多くみられます。このシリーズでは、肩の痛みの要因となり得る身体部位との関係性や、改善のためのアプローチの数々をご紹介していきます。まずは、イントロからスタート。
肩帯のシリーズ#2 肩甲骨の動き
(肩帯のシリーズ#1はこちらへ) (肩帯のシリーズ#3はこちらへ) 外傷を伴わない慢性的な肩の痛みに関連したシリーズ。肩の健康のためには、肋骨に対して肩甲骨がスムーズにグライドをすることが必要になります。肋骨に対しての肩甲骨のグライドを向上させることで肩の可動域は大きく変化します。
前鋸筋の働き
前鋸筋の働きを理解するために、実際に前鋸筋が働いていなければどうなるのか?を観察するのも優れた方法ではないでしょうか?長胸神経麻痺がある場合の動きと正常な動きを比較したデモをご覧ください。
菱形筋
”肩甲骨は後ろに引き寄せる” ”肩は斜め後方に引き下げる”というキューイングがすべての肩の問題の解決に効果的だと思い込んでいませんか?エリック・クレッシィのセミナーから、菱形筋とキューイングに関わるビデオをご紹介します。
頑丈な肩のシリーズ:肩甲下筋の基礎
エリック・クレッシィの肩関節周辺の構造と損傷に対する学習シリーズから。スライドプレゼンテーションを通して、より健康で頑丈な肩のための肩甲下筋の構造と、損傷後の適切なケアの方法を学びます。