クライアントのゴール設定とプログラム
一般の方々へのパーソナルトレーニングで、より良い結果を出したいと思いませんか?このプレイリストでは、クライアントの目標を明確にし、それに合わせたプログラムを作成するためのヒントが満載です。初心者からシニア層まで、幅広い層に対応できるトレーニングプログラムのアイデアもご紹介します。
ゴールと評価
Can You Go という新しい本を出版したばかりのストレングスコーチダン・ジョンが、本の中でも重要なポイントとしてあげている、ゴールと評価を繰り返すルームのようなプロセスの重要性に関しての彼の考えをシェアします。
すべての患者やクライアントに共通して行うべきこと
私のセミナーに参加される方から、よく聞かれることがある。「あなたが行っている事の中で、最も効果が出ると思われることをひとつ挙げるとしたら何ですか?」。なんと悩ましい質問であろう。そんな手品のようなテクニックを皆さんに教えられるほど単純であればよいのだが。数ヶ月間この問題を考え続けて、その答えをポストに書こうと計画してきた。この質問に対してどのように回答したいかを考えつくのに時間がかかったが、やっと答えが見つかった気がする。 私の行っていることで最も効果的なこと 私の行っていることで最も効果的だといえることは、恐らく私達皆が、全てのひとに対してするべきことだと思う。それはストレッチでもなければ、エクササイズでもない。最新式の流行の器具でもなければ、最先端の徒手テクニックでもない。あまりにも単純すぎて、答えを見つけるまでに時間がかかってしまったこと。それは、評価と再評価である。 適切な評価と再評価こそが、すべての患者またはクライアントにできる最良のことである。患者やクライアントに何が必要で何が効果的なのか、その個人を理解することがカギとなる。すべてはまず適切な評価から始まる。それから治療やトレーニング、その後、再評価が必要である。患者やクライアントを施術する際には、毎回この評価を行うこと。セッション中何回行っても構わないであろう。 まず、“主な愁訴は何か?”をたずねる。評価し、それを定量化し、治療し、再評価する。 この単純な概念には、大きな意味がある。最も単純なレベルでは、たとえば、体重減少を目指しているクライアントを指導しているにもかかわらず、体重を計測していなかったとすれば、何に効果があり何に効果がなかったのか知ることができるのであろうか?その場合、どれぐらい改善しているのかどのようにして知ることができるのであろう? 臨床医には、たとえば可動域、関節可動性、筋力、柔軟性など、他にも多くの評価方法と検査手段がある。しかし、これらの評価は患者にとって、ちぐはぐな定規に過ぎない。実際、患者は可動域が10°増えようが増えまいが気にしてはいない。彼らは単に快適に動けてパフォーマンスを向上したいだけなのである。 「肩が痛いんですね。どんな時に痛みますか?同じ痛みを再現できるような動きをしてもらえますか? いいですね」。と、ここで、今後再評価するための基準となる指標を設定したことになる。誤解してほしくないが、客観的な指標も必要ではあるのだが、ここでは実際に患者が感じていることを基準としての基礎的な評価を得ているのである。 FMSとSFMAのような手段が有用である理由がここにあるわけだ。動きを評価する体系的な方法である。評価に限度があるフィットネス界では特に必要だ。動きの質や主観的な感じ方を定量化すれば、その後の変化を測定することができる。 最終的に、これは必ずと言ってよいほどよい結果をもたらすことが多い。単に治療やエクササイズを適用し、効果がありますようにと祈るよりも、何で効果が出るのかを評価し、必要に応じて調節すればよいのである。 評価と再評価 では、どのようにすればよいのだろうか?悪い例として、背中が痛いと訴えているクライアントをすぐにマッサージテーブルに乗せて施術し始め、いくつかのマッサージ・テクニックやエクササイズに飛びついて処方するのでは、何の評価もなしに治療をしていることになる。評価もなく治療のみで、どうやって再評価をするのだろうか?痛みを基準にしてよいのであろうか?痛みはたいてい最良の評価にはならない。 より良い例は、いつ背中が痛くなり、どのように痛いのかを評価することかもしれない。どのような動きで問題が発生するのか?どのような動きに制限があるのか?そうした上で施術をし、いま観察した動きを再評価する。その患者が立ち上がり動いてみたとき「すごい、つま先に手がとどくようになった。効きますね。」と言った場合、いたって単純ではあるが説得力がある。 私が先日評価した患者を例に挙げよう。彼は左中背部と肋骨に放散する痛みを訴えていた。総合評価をしたが、ここでは重要な項目の追跡とアウトラインのみ紹介する。彼の愁訴は痛みだった。症状を軽減するためにその部位のみの治療を始める、つまり「痛みを追いかける」こともできたが、私の主な焦点は、彼の複数分節においての左回旋制限にあった。 複数分節の回旋といっても充分ではないので、詳細を調べてみた。胸椎の左回旋の動きが中程度減少していた。症状のあるその部位だけを治療することもできたが、さらに慎重に観察した結果、関節の可動性には問題がないものの、骨盤が左前方への傾斜をともなう変位を起こしていた。つまり彼の骨盤全体と仙腸関節は右回旋していたのである。それに伴って腰椎もやや右回旋位になっていたので、彼の「正中位」は、実際やや右に回旋していたわけである。結果、左回旋制限という所見になってしまった。 まずは胸椎モビリティ・エクササイズで評価しようと思い、胸椎のチェックからスタートしてみた。胸椎が何パーセント問題に関与しているかを調べ、軟部組織と関節可動性、そしていくつかの胸椎モビリゼーション・コレクティブ・エクササイズに取り組んだ。この時点の再評価で、胸椎の左回旋にかなり大きな改善が見られた。ここで終了することもできたが、さらに複数分節における左回旋をチェックしたところ、約50%しか左回旋が改善していなかった。 ここで治療を終了してしまっていたら彼の機能不全の半分しか回復させてあげられず、活動を始めればすぐにまた前の状態に戻ってしまっていたかもしれない。 次に骨盤に取り組んだ。いくつかのエクササイズと徒手療法で骨盤の配列を整えた。胸椎と複数分節の回旋を再評価した結果、正常な左右対称の動きが戻り、必然的に彼が訴えていた痛みの軽減に繋がった。 これが評価と再評価のパワーである。セッション中に、一度だけではなく幾度も繰り返し行うことにより、それぞれのテクニックの有効性を、可能な限り絞り込むことができる。 再評価のパワー 以上のことは、私がどのように評価と再評価によって問題を絞り込み、治療の向上を図ったのかを紹介する良い一例である。重要なポイントを下記にまとめると: 患者やクライアント各人に対して、何がどのくらい有効であるかを見極めることができる。これは簡単な概念であり、実施直後に改善が見られたならば、その時行ったことと直接関連付けることができる。 その個人に有効でないものを見つけることができる。 これは軽視されがちだが、適切な評価と再評価を行うことで、効果の低いものが分かってくる。有効な方法を見つけるのと同様の価値のある手順で、有効でないことが分かればアプローチの方法を切り替えればよいだけである。 診断に繋げることができる。 何が有効で何が有効でないかを評価しながら、機能障害を正確に鑑別できる。胸椎の回旋制限は関節の可動性の問題ではなく、軟部組織に起因するものであるかもしれない。 患者やクライアントから信頼を得ることができる。 最後になったが、最も重要なこととして、評価と再評価によって患者から信任、信頼、コンプライアンスを得ることができる。行ったことによる改善を、即座に患者自身が体験するからである。
プログラミング101
プログラミングの質問が出てくることはあまりありません。ただ単に、“プッシュ、プル、ヒンジ、スクワット、ローデッドキャリー、そして地面でのトレーニングを理にかなった回数と負荷で行う”と言いたいのですが、それだけでは重要な質問に対し真に答えたことにはなりません。 最初の問題は単純です:“目的はなんですか?”脂肪を落としたいのであれば、エクササイズの量を増やし、摂取カロリーを(なんらかの方法で)減らす必要がありますが、筋肉量を増やしたいのであれば、負荷と張力を上げる必要があり、筋肉を作るために十分な量のプロテインを摂取する必要があります。そして、昔のことわざで、“二兎を追うものは一兎も得ず”という通り、トレーニングにおいてそれは真実以外の何ものでもありません。 始めるためには評価しなければなりません。目標設定とはこの場所からあの場所へ行くということなので、実際今“この場所”がどこであるか見極める必要があります。前後の写真はとても価値があり、計測も素晴らしい、そして、多くのテストには価値があります。評価とは次のようなことなのです: あなたがしたいことではなく、あなたが必要なことが何かを見つける必要があります。もしあなたの体脂肪が40%であれば、筋肉量を上げるプログラムを再考する必要があるかもしれません。もし正しいスクワットの方法を知らないのであれば、スクワットを教わることが必要かもしれません。確かに、もっとたくさんのアームカールをしたいかもしれませんが、あなたのニーズによって進歩は阻まれてしまうでしょう。 プログラミングの基本となる3つのシンプルなステップ: 害を及ぼさない 目的は目的を目的として持ち続けること 道のり:ほぼ例外なく、誰かがあなたより先に行っている。彼らに従え! あなたが求めるものがなんであれ、あなたを外科医に送らないことは、ほぼ例外なく良いアイデアなのです。ですから、プログラムは怪我をさせない、邪魔しない、そして殺さないことを明確にしましょう。正しく行えば、オリンピックリフトはあなたのキャリアをより良いものにしてくれます。間違って行えば、リハビリや手術に追いやられることになります。このことが良い悪いということではなく、気をつけて、危険な状況を回避していくことなのです。怪我をプログラミングしないこと。 どれだけ完璧なプランやプログラムであっても、すぐその辺りに楽しくて素晴らしいことが現れてきます。我々は皆、これを目にしたことがあります:誰かが円盤投げのオリンピックチームに入るという目標に挑戦しています。ソーシャルメディアで、週末彼らが泥の中でレースに出ていることを見ます。そこであなたは尋ねます:これがどのように円盤投げのオリンピックにつながるのですか?答えは:「友人が皆やっているし、楽しいんですよ。」 コーチ、あるいは大きな子供の仕事は、“これ”が目的であり、そしてそれ以外のことは貴方を目的から引き離してしまうということをアスリートに思い出させることなのです。 率直に言えば、最初に同意した目的に誰かを集中させ続けるのがもっとも難しいことだと分かっています。もしあなたがボートを購入するのに退職基金に手をつけて、そして砂漠に住んでいるのであれば、恐らく誰よりもこれが理解できるでしょう。 最終的には、プログラムする最良の方法は、単純に自分より先に行っている誰かを研究してみることです。長年体脂肪減少を学ぶことについて討論していて、実質的には何も身に着けず、ステージでポーズしている人に尋ねました。有名なボディービルディングのコーチは、脂肪を除く最も良い方法を理解するためには数多くのコンテストを重ねることだと言っています。先週ダイエット本を読んだオフィスレディではなく、数多くのコンテストに出ている人に質問しましょう。 すでに経験したことがある誰かと話してください。 最後に、時々、通常2−6週間で再評価をしてください。早い段階での小さな変化が、あなたを元の道に戻してくれます。次のラウンドの写真を撮り、ウエストラインを再計測し、最初のテストの数字を見直してしてください。進歩があれば、継続を継続してください。もしそうでなければ、過去数週間を正直に振り返ってください。 プログラミングはセット数、回数、休息期間、そしてエクササイズの選択以上のことなのです。絶えずケアが必要な、生きているものなのです。もしフィットネスで成功するための秘密があるとすれば、目標設定の“ここからそこへ”の中で、プログラミングとはその“から”がすべであることを理解することなのです。今どこにいるのかを理解することが、プログラミングの鍵となるのです。
まずは矢状面
“人生は3D!” “スポーツをするためには回旋が必要!” “本当のトレーニングは前額面、横断面上で始まる!” もしこのセリフを以前にいくつか(あるいは、すべて)聞いたことがあるなら私を止めてください。 今日の投稿の目的は、トレーニングをつまらなくするためではありません。この目的はあなたができないことを伝えることでもないのです。 むしろ、皆さんがプログラムに、より画期的なものをとり入れる前に、するべきことを伝えることを目指しています。 学校にいくと、まず、足し算や引き算といった算数の基礎を習います。 それらをマスターしてから、今度は代数学、幾何学、微積分などのより難しい分野に移っていきます。 つまり、これら算数の基礎は、より高次元の数学において習うことを適切に用いるために、前もって知っておく必要がある必須条件なのです。 そして、われわれのトレーニングにおいても、必須条件があるというのが私の意見です。 とても単純なことですが、最も基本的である、矢状面での動きをマスターしていないクライアントがほとんどであるのに、なぜ私たちはこれほど多くの時間を前額面、横断面上でのトレーニングにあてているのでしょう? 各面上での動きの簡易入門 この投稿を書き始めてから、各面上での動きについてあまり良く理解していない方もいるだろういうことに気づきました。皆さんが理解していると推測するのではなく、簡単な説明が役に立つのではないかと思います。 矢状面 ― 前後で起こる動き。スクワットやデッドリフトなどを考えてください。 全額面 ― 左右で起こる動き。ラテラルランジ、または、サイドステップを考えてください。 横断面 ― 回旋を伴って起こる動き。メディスンボールエクササイズやロシアンツイストを考えてみてください。 では、ここでもっとも重大は誤解の一つは、トレーニング効果を得るためには示された面上で実際に動かなければならないということです。 例えば、前額面上でトレーニングをしたいなら、ラテラルランジをしなければいけないとトレーナーやコーチから言われるかもしれません。 しかし、一般的なランジやスプリットスクワットをするとき、あなたは自分の膝をコントロールし、膝が左右に振れないように、または、内や外に回旋しないようにしているという事実があります。つまりそれは、文字通り、前額面と横断面上の動きをコントロールするようにトレーニングしていることになります。 すべてのエクササイズは矢状面、前額面、横断面上での動き、または、安定性の要素を持っているということを主張したいと思います。 高重量のランジにおいては、すべての面上での安定性が必要になると言えるでしょう。 重要なのは、スクワットやデッドリフトのようなパワフルな動きでは、矢状面での動きに焦点が当たっているものの、それらの動きには、常に前額面、横断面上における安定性の要素が幾らかあるということです。 これに対して、スプリットスタンスや片脚支持でのリフト動作では、矢状面での動きになるものが多いとしても、バランスをとるために、前額面、横断面における安定性がより必要になります。 なぜ矢上面が先なのか。 ここで、ちょっと私に調子を合わせてみてください。新しいクライアントがあなたのところに現れます。クライアントの姿勢を評価し、骨盤の顕著な前傾と腰椎の前湾増加を見つけます。 前額面、横断面における動きの制御の仕方に関する、素晴らしい週末のコースに参加したところです。そこでは、すべての3Dの素晴らしい動きをプログラムに組み入れる方法も習いました。 さて、どうしますか? これをすぐにトレーニングに活用したくなる要求に抵抗してほしいと、切に願います。その代わり、第一に、直すべき必要があるところを直してほしいのです。 機能的な観点からこのことを考えてみてください。 骨盤の前傾や腰椎の前湾がある場合、その人がどのように回旋をおこし、また、コントロールするかに関する数多くの側面を変化させます。 骨盤の前傾は大殿筋を伸長し、そのため、外旋の力を効果的に発揮できなくなります(または、内旋のコントロールを効果的にできなくなります) 内側と外側のハムストリングス、内転筋と外転筋などのアンバランスを見つけるでしょう。 “コア”を安定させるために、腰椎周りの筋肉を能動的に動員する(動的安定性)のではなく、腰椎自体が働いてしまいます(静的安定性)。 これらは、ほんの幾つかのことですが、更に大きなことに繋がっていきます: 矢状面で上手に動けなければ、前額面、横断面上でも上手に動くことができないと断言できます。 前後に上手に動けることは、左右、または、回旋を伴った動きを上手に行うための必須条件になります。 トレーニングのスペクトラムのどこに位置しているかにかかわらず、これは非常に重要なことです。 傷害予防の観点から考えると、骨盤や腰椎をニュートラルに近い状態にすることは腰や股関節、膝へのストレスの軽減につながります。 パフォーマンスの観点から考えると、スポーツパフォーマンスに関する2つの重要なエリアを解き放ったことになります:強く安定したコア、可動性がよく、大殿筋が駆動する股関節。 しかし、スポーツに関してはとはどういうことでしょう? おそらく皆さんがこの質問をするでしょうから、今からそのことについて話しましょう。 もし選手(減量したいクライアントとは対照的に)が上記の姿勢でやってきたとしたら、すぐにトレーニングの仕方を変えたりはしません。 考えてみてください:ウエイトルームで人々をトレーニングするもっとも大きな理由は、修正が必要なところを修正するためかもしれません。 もし彼らが前額面、横断面で上手に動いていないとしても、改善させることを望んで、その面で彼らをトレーニングし続ける必要があるのでしょうか? 実際に改善をみることはできるでしょうか?もちろん見られます。単純にだれかの動きを適切にトレーニング、または指導することは、示された動きを改善することに役に立つでしょう。 しかし、私は、まず最初に、彼らの矢状面における姿勢、アラインメント、安定性を改善することができれば、それ以外のことは、ほんの少し、あるいはまったく指導しなくても改善されてくることを知っています。 このことが、私がトレーニング初期にポジションの後退を使うのが大好きな理由の1つです。両膝立ち、片膝立ち、四つ這い、または、仰向け、うつ伏せであっても、矢状面でコントロールさせることで、それが異なった姿勢やポジションに影響していくことを知っています。 まとめ トレーニング(クライアントや選手のトレーニング)を段階的に考え始める。 その段階の一つは動きの面であり、矢状面の安定性と制御が基本になります。 最初に矢状面の動きをマスターする。そうすることで、それ以外の2つの面上での動作が上手になり始めることに驚かされるでしょう。
充分な露出
「プログラミング・エッセンシャル」ビデオからの抜粋となるこのビデオクリップでは、トラビスが、望んでいる生理学的適合を引き起こすためにストレス刺激への充分な露出が重要であることを解説します。歯列矯正をしようとする際にも、誰かを強化しようとする際にも、身体が安全に変化するのを促進するには、ストレスへの充分な露出が起こらなければなりません。
エクササイズをリンクする
リリースされたばかりの「プログラミング・エッセンシャル」ビデオからの抜粋第二弾。トラビス・ジョンソンが、エクササイズ同士が競合し合わないように適正にリンクするための考え方のプロセスを解説します。トレーニングセッションにおいて、スーパーセット、トライセット、あるいはサーキットなどを計画する際、このコンセプトをしっかりと理解することは不可欠となるでしょう。ぜひご覧下さい。
トレーニングの原則:人間の形のデザイン パート1/2
人間の形の構造やデザインを学べば学ぶほど、特定のパターンやそこにある真実に気づきはじめます。ムーブメント、筋筋膜、そして関節の健康やパフォーマンスは、人間の構造とそれに対応したデザインにすべて由来しています。下記の基礎的な真実から(私達は原則と呼びます)、トレーニング原則を適合させることができ、多くの疑問をよりはっきりとさせることができるでしょう。 このトレーニングの原則についての記事の目的は、これらの真実を探求することで、これらの真実をエクササイズに適用した際に、私たちのプログラムデザインをよりシンプルにかつ効果的にすることです。 次の思考実験について考えてみてください:あなたが人類の膝を初めて発見したとしましょう。誰もその機能を見たこともなければ、間近で見たこともなく、当然皮膚の下から見たこともありません。 この構造に対するあなたの分析にあたって、事前情報や信頼できる知識というものをあなたは持ち合わせていません。観察したものからのみ、情報を集めることができます。科学者は、どのようにしてこの構造をより学び始めるのでしょうか? まずはじめに、あなたはこの構造がどのように動くのか確かめようとするかもしれません。人々の歩行、屈んだり、遊んでいるところなどを観察するでしょう。被験者として健康な4人を雇い、4人のカメラマンも雇い、被験者が歩行、屈曲、遊んで動いているところを、膝の構造だけを撮るようにカメラを固定します。 被験者の様々な動作のタスク(課題)を2日間録画したのち、あなたはそのビデオを見返します。もしあなたが常識にとらわれずに考えることができるなら、この録画された実験観察から膝は以下のことを行う、ということを発見するのにさほど時間はかからないでしょう。 私たちが現在知っている矢状面での前後の動き 被験者グループが方向を変える時、屈曲しながら前後にローテーションをする 前額面で左右に動く 実のところ、あなたは膝が全方向に動くことをはっきりとみることになるでしょう。あなたの科学的思考は、膝の動作についてのより深い探求へと誘われていきます。 言い換えると、あなたは孤立した膝の評価をしたことになります。その評価において、あなたは被験者を横たわらせ、膝の可動域を計測するために脛骨を動かす際に大腿骨を固定することが最善のやり方だと決めます。 あなたは同じアセスメントを左右にも(図1参照)、前後にも、そしてローテーションに対しても行います。結局、これはあなたが最初に観察した膝の動きだったのです。覚えていますか? 図1 即座にあなたは、膝は矢状面では良く動くことができるけれど、他の2つの面ではそうでもないということを目の当たりにします。しかしこれはある問題を提起することになります、なぜならあなたのタスクの評価(観察)はマニュアル評価とは全く違うものを測定したからです。それぞれの評価は、非常に価値のあるものです。 しかしながら、現時点ではこれらは矛盾しているようです。これにイライラして、あなたはより深く調査し、解剖をして皮膚の下から観察することを決意します。 解剖をして膝の構造をみていくと、あなたは他の組織、構造、そして血管が密集していることに気づきます。それらはすべて、身体の他のエリアと明確なコミュニケーションをとっているのです。ついに膝関節包にたどり着いた時、あなたは非常に興味深いものを発見するのです。 図2 膝自体の構造は、実は蝶番関節です。より大きい内側の半月板により横断面での自由性が生まれ、垂直性が半月板の境で生まれる(半月板の外側により高さがある)ことにより前額面での自由性が生まれます。 さらに、膝を身体の他の部分と統一する多くの構造は(図2では示されていない)斜交軸を通ります(三軸での動きを好む)。 それらの構造には、幾つか名称を挙げるだけでも、前十字靭帯(ACL)、後十字靭帯(PCL)、 膝窩筋、内側広筋などがあります。 我々の”局所的な”評価方法(テーブルの上に寝るもの)と膝の観察可能な動き(ビデオに録画した”タスク”)に対する調査というのは”構造的矛盾”となります。 もし我々が、人体構造が関連性を含蓄するという事実を捨て去ったとしたら、私たちは確実に、膝の機能を主に矢状面で(局所的評価に基づいて)見て、他の2つの面では限られた動きしか見ていないことになります。 結果、我々の結論として、膝はひとつの面においてのみトラッキングするべきであり、より具体的にいうと第2中足骨の上をトラッキングする、ということになります。ではタスク評価の際に観察したことはどうなるのでしょうか? 膝が、第2中足骨の上のみをトラッキングするのを見ることは殆どありません。一つの面でのみ起こるトラッキング(矢状面、水平面、前額面どれにおいても)は、膝の消耗を少なくするためのプロトコールなのでしょうか?もしそうであるならば身体の他の部分についてはどうなのでしょう? 図3 これを試してみてください。もし私が身体を回旋しようとして(水平チョップのパターンで)、膝を第2趾の上に留めた際、私の股関節は動くことができるでしょうか?答えはNoです。では、もし股関節が動かなければ腰椎には何が起こるでしょうか? このウッドチョップツイストを達成するためには、腰椎部分の回旋を無理強いしすぎることになり、脊柱の摩耗を悪化させてしまう事になるかもしれません。それでは誰が正しいのでしょうか?どのプロトコールを我々は使うべきなのでしょう? まず始めに、私たちは人体のデザインと構造を理解することが重要です。なぜなら私たちがデザインと調和して動けば動く程、より安全だからです。そして基本的真実であるトレーニングの原則を理解する事により、私たちは、より効果的にそして安全にクライアント/アスリートをコンディショニングする戦略を開発することになります。 答えは、我々の生まれもって与えられたデザインという普遍的真理の中にあります。前述したように、このシリーズ記事は人間の構造とデザインを支配し存在する原則についてのエッセイであり、それにより私たちは、動いている身体そして身体のデザインに対する現在のアイデアを問うことができるのです。 異なり変化する視点でみてみると、私たちがトレーニングやコンディショニングで使っているコンセプトは、単に理にかなっていないこともあります。しばしば矛盾していることもあります。 リサーチは何度もこれに直面しています。ある研究はある結論を示唆し、他の研究は何か違ったことを示すこともあります。この矛盾が起こり結論が差異を示す時、研究者は明確にするために全体に関わることや、より一般的で包括的なアイデアを探すのです。 そのため、科学は自然界の基礎的な働きを説明する原則を取り入れてきました。運動科学も何ら変わりはないのです! パート2/2では、あなたがあるトレーニング方法を使用したり、プログラムデザインを作り出そうとしている時にガイドとなりうるトレーニングの原則をご紹介します。これらの原則の表示には特に決まった順番があるわけではなく、互いに影響を与えあうものとなっています。 (パート2/2はこちらへ)
トレーニングの原則:人間の形のデザイン パート2/2
トレーニングの原則 ー 集合体の原則 集合体とはこのように定義されます”...ひとつのボディに集められたパーツやユニットの集合体により形作られたもの、質量や量;別々の物が合わさった、もしくは関連づいた質量;収集物 真の基本的な原則のひとつは、身体は”集合体”として存在しているということです。私たちの全ての肉体構造は、関係性を含有しています。全てなのです!まさに身体の型は、統合された機能に従っているのです。私たちは明らかに部分の集合体であるよりも全体としてのほうが明らかにより強く、より効率的で、より安定し、より機動的です。 前述した ”膝について考える実験” を例としましょう。私たちはマニュアルの評価から、タスク評価やムーブメント観察とは全く異なった情報を与えられることを目の当たりにしました。明らかな違いは、ひとつは局所的な(孤立した)膝の機能であり、もう一方は包括的な(統合された)膝の機能であるということです ひとつは膝を孤立して見て、もうひとつは身体と関連づけて見ています。人体のデザインは単に構造としてだけではなく、身体を形作る構造の集合体として全体の構造を考えることを必要としています。効果的な人間というのは全体性を持ち、部品の集合体よりも途方もなく素晴らしいものなのです! 私たちが行ったタスク評価で、より膝の動きが見られたということは、理にかなっているのではないでしょうか?なぜなら、ただ単に膝が動いていたからではないからです。より広義な観察においても、股関節と足首はより膝の動きに関与していることがわかります...空間において。 それは膝がその構造内で動いているというのではなく、膝はより多く動く余地を持っているのです(動くためのより大きな閾値がある ー 図4参照)。足首が生理学的動作をする時にも同じことが言えます。 膝も動きについていきます。その結果、私たちは膝全体が、全ての動作面においてより多くの動きの可能性を持つということを目の当たりにします。これは実際、他の関節に力を分散させることで膝の構成の摩耗を減少させる効果を持ちます。 図4 今日におけるムーブメントの評価は、集合体の原則と人体動作力学のより統合的視点を取り入れなければなりません。結果として私たちの矯正的戦略が変わることになります。 トレーニングの原則 ー 自然の秩序 私たちは単なる滞留物ではなく、永続するパターンを持っているのである - ノルバート ウィーナー トレーニングの世界では(人生の全ての側面においても)、自然秩序は明確な枠組みに従っています。それは以下のように述べることができます。 刺激->反応->変化/適応 私たち人類の身体には、ある種のパターンや順序というものが存在します。私たちはそれを特異性の原則(SAID原則)と称します。しばしばこれは、身体にかけられた負荷増大によって起こった筋肉の適応に関連して定義されています(負荷トレーニング、もしくは持久性トレーニングにおいて)。 しかしながら自然秩序は、単なる筋肉の変化だけに留まりません。この枠組みは全ての生物学的システムに影響を及ぼします。人体は、驚くべき可塑的な媒体なのです。身体は、より規則的でエネルギー効率の良い構造に急速に変化を遂げることができるのです。 身体は、規則的ではなく、更にエネルギーを必要とする構造に急速に変化を遂げることもできるのです。例えば、私たちが慣れている座位の姿勢を思い浮かべてください。もし私たちがある座り方をしてこのポジションを保持していると、時間の経過とともに、身体はこの形に自ずと“固定”していきます(特に脊柱)。 トレーニングの質問が問いかけてきます:私たちのクライアント/アスリートはどちらの環境に適応していっているのだろうか?環境により、彼らがより効率的になっているのか、それとも環境により、エネルギー漏れが強まっているのだろうか?以下の二つの図を考えてみてください。 図5 図6 トレーナーとして、私たちはクライアントの動きを観察することで、定期的に評価を行っています。過去に私は、二元論的な考え方に行き詰まっていることがよくありました。つまりこのエクササイズが正しくて他のものは間違っている、といったものです。 現在私は、私の選択したエクササイズから、どのような適応が起こりえるかを考えます(自然秩序に従って)。そして “このエクササイズはクライアントをより効率的にするか否か?” と自問します。自然秩序の原則を元に、上記の2つの図について考えてみましょう。 図5では、脊柱において著しい側屈と前屈が、股関節では閉じられた屈曲と足部には外旋が見られ、それらは全て静的姿勢においておこっています。刺激が反応を生み出すとすれば、どのような変化や適応が結果としてうまれるのでしょうか? 人体構造は常に、最も慣れ親しんだポジションに適応します。図5の人は、彼自身がそのポジションに調整をした結果なのです。これはコラーゲン繊維が生成され、疎性結合組織内の細胞外基質に放出されたからです。 結果として、身体は筋膜的にそのパターンに”落ち着き”ます。言い換えれば身体は(より厳密にいうと、筋膜)は、可塑性を持つ媒体なのです。結合組織は、経験するストレス要因に基づいて、継続的に形をかえていくのです。 結合組織細胞は、力学的力によって自らを再配列します。(これは活動している筋肉の動きによるもの、怪我によるストレスや、静的姿勢を長く保持し続けていること等によるものかもしれません) この結合組織を通るストレス(力学的力)は、組織を変形させ、分子間の繋がりを”ストレッチ”させるのです。その結果、組織の電荷が変わります。結合組織細胞はこの変化に反応し、そのエリアの細胞間の構成要素を集合体とするか、減少する、もしくは変化させます。 例えば上部交差症候群を例にとりましょう。胸椎の後弯の増加に気づきます。その結果、肩関節包が前方に移動し、それに呼応して頸椎の前弯が増加します(頭部前突の姿勢)。人体には、より多くのストレスがかかることになります。 身体の分節がニュートラルから外れ、長期間静的にその姿勢が保たれていると(「悪い姿勢」のように)、筋肉は長さを変えます(短くなるものもあれば、長くなるものも)。「短縮した」筋肉(ここでは小胸筋)は短縮位で固まり、「伸長した」筋肉(ここでは僧帽筋上部)は伸長位で固まります。これは周辺細胞間基質の筋膜的繋がりが増えたためです。 図6は何が違うのでしょうか。一つには、より“オープン”な身体であり、構造自体が重力に対して図5とはかなり違った形で位置しているということです。(他の原則でもみたように) そこで問いかけるべきなのは “あなたはクライアント/アスリートにどのように自然の秩序に従い、適応して欲しいですか?” ということ。図5は”クローズな”身体のポジションに適応し、図6は“オープン”なポジションに適応する傾向があります。 トレーニングの原則 ー 自然の力 私たちは、力に支配された媒体の中に存在しています。重力と床反力は、トレーニング領域において親しまれている2つの力です。重力は下に引っ張り、床反力は身体を押し上げ動きを作り出せるものだということを、私たちは知っています。 私たちの身体は、これらの相反する力の間でバランスを取っています。私たちは地面を”プッシュオフ”する際に、重力フィールドの“中”を動き”横切り”ます。重力フィールドは地面とともに、私たちの身体を形づくることを助けているのです。 私たちの身体の股関節後面には沢山の筋肉があるのに対して、前面にはあまりないのはなぜなのかを考えてみましょう。 私たちの足が地面についた時に、身体を減速させる(重力が身体を引っ張り下げる時)際、主に責任を負うのは股関節後部筋群(すなわち臀筋等)になります。 我々の生物学的システムは、我々を取り囲む自然の力の中で発達してきました。その影響から逃れることは不可能です。しかし私たちは滅多に(もしあるとしても極めてまれ)これらの力を見ることはなく、私たちの身体を助ける為に使うことも滅多にありません。 私たちの身体は、この力を助けの為に使うのではなく、屈服してしまうことが、あまりにも多すぎます。落ちたアーチ、頭部前突の姿勢、腰背部の弱さなど。 これら全ての状態は、重力の影響に対して耐えることができないことによるものです。重力は私たちを下に引っ張ります、そして私たちの身体は更にパワフルな自然の力に屈する:化学結合です。 もし私たちがある姿勢を長時間保っていると、重力はゆっくりとしかし確実に私たちに影響を与えます。私たちは自分自身の中に“沈み込み”、潰れはじめていくのです。脊柱はそのカーブを増し、頭部は前方にこぼれ落ち、肩は前方に巻き込まれます。 身体全体に及ぶカスケード効果がおこります。そこから化学結合が取って代わります。そして、この化学結合は重力よりもずっと強力なのです!自然秩序の原則を受けて、重力(刺激)は脊柱を引き寄せます。 筋肉と結合組織はストレッチし始め(反応)、より多くの結合組織(そしてその化学結合)が新しい、ストレッチされたスペースに(新たな筋肉構造にとっての筋膜を含む“静止長”)配置されます。それは単に筋肉が長く引き延ばされたわけではないのです。 それは結合組織(そして全ての化学結合)が身体を新しい長さにリセットしたのです。それはこのようなものです:重力->力学的ストレス ->新たな化学結合構造 元々の構造を取り戻すには、この化学結合に打ち勝たなければなりません。通常これは柔軟性/ストレングス/スタビリティーのプロトコールによって行われます。化学結合に打ち勝つには、良く考え抜かれたプログラムに対しての時間、献身的姿勢、そして忠実さが必要となります。 ですからもし私たちの誰かが、ある姿勢の”機能不全”を取り除くことに対してイライラしているとしたら、繰り返しさらされる姿勢への適応(すなわち座位のような静的ポジション)が私たちの身体を”セット”し、硬直性を増加させていることを念頭に置き、辛抱強くなければなりません。 私たちがこれらの原則と、いかにそれらが私たちの身体に影響を与えているかを考えることで、いかに現行のトレーニングモデルを、これらの真実に適応させられるのかも考えていきましょう。他の原則のように、もし私たちが身体の原則を犯すような事があれば、私たちは身体に反抗して働きかけていることになり、私たちは人類のパフォーマンスと機能を最大限活用できないことになります。 私たちの身体の不思議を楽しみながら探ってみてください、そして原則を犯さないということを覚えておきましょう!
年齢を重ねても運動能力を維持する10の方法
20代前半から後半のころ、私の関心はパワーリフティングにシフトし、“伝統的な”アスレティックキャリアからは離れていました。かなり力強くなりましたが、もはやアスレティックであると感じているとは言えませんでした。後から考えてみれば、その他多くの重要な動きの質を除外し、筋力を強化していたからだと気づきました。それ以来、自分がアスリートであることを維持させると思うものを取り入れることに一生懸命でしたし、その結果として、34歳の今、人生にどんなことが起きても受け入れられることに大いに満足しています。そのことを念頭において、年齢を重ねても運動能力を維持するために注意するべき推奨のいくつかをまとめようと思いました。 1. 軟部組織ワークと可動性ドリルを熟知する 疑いようもなく、人々がアスレティックでないと感じるもっとも良くある理由は、彼らが望むポジションや姿勢をとれなくなっているということです。過去にも投稿しましたが、可動性を失い、それを取り戻すためにワークすることよりも、それを維持するために何か少し行うのはとても簡単なことです。フォームローラーを使ったり、1日5分の可動性ドリルを行うことが、あなたをアスレティックに維持することに大いに役に立ちます。 2. トレーニング前に少量のプライオを行う 伸張—短縮サイクル(SSC)を効果的に使う能力を維持することは重要なことであると考えます。ジムで活動的な人すべてが、すごいデプスジャンプや全力のスプリントを行う必要があると言っているわけではありません。アキレス腱、膝蓋腱、あるいは、ハムストリングを傷めてしまうことを心配している人々にとって最良の方法は、サイドシャッフル、スキップ、キャリオカ、バックペダルといった低強度のプライオワークをいくらか実施することです。最善の方法は、ウォームアップ直後やウエイトを行う直前にそれらのドリルを取り入れることです。 3. 全身を使ったエクササイズを強調することで、下半身から上半身への力の伝達を教える コアエクササイズの中で、このタスクを達成するためにいろいろなバリエーションのケーブルリフトを使用することが好きですが、プッシュプレス、ランドマインプレス、ローテーショナルロウもとても素晴らしいオプションです。
加齢とともにトレーニングを修正する方法
40代、60代と年齢が変化しているのに、トレーニングの内容や割合は20代の頃のままだとしたら、同じように結果を得ることは難しいですよね?生涯健康で強くいるためのトレーニング内容の考え方をマイク・ロバートソンがシェアします。